テイルズ オブ ワンピース   作:チリラーメン

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買い出し

 アイフリード海賊団が村から離れて数日、村では宴に用いた分の買い出しが必要になった。

 買い出しに選ばれたベルベットは山を越えた先にある街に向かって歩いている。山道には野生動物が闊歩している。しかし、今は野生動物たちが息をひそめている。ベルベットの覇王色の覇気を感じているのだ。

 

「はあ、買い出しはいいけど、なんであんたと一緒なのよマギルゥ」

「おおー儂は悲しいぞ、ベルベットや!お前さんが街に行くなんて、こんなおもし…大変なこと仲間として見過ごせぬわけなかろう」

 

 ベルベットとマギルゥはそんな掛け合いをしながら町に向かっていた。

 

「まったく、よくその格好で街に行けるわね、今から行く街は…」

「治安が悪いんじゃろ、わかっておるわ、しかし儂の美しさは抑えきれんのじゃー」

 

 ベルベットは動きやすさに重点を置いたパンツ姿に黒いコートを羽織っている姿だが、マギルゥは短いスカートに肩を出した。露出の多い服装をしている。

 間違っても、治安の悪い街に行く服装ではない。

 今から行く街は特定の海賊が縄張りにしているわけではないが、海軍の駐屯所もなく、そこをいくつかのマフィアが仕切っている。

 村から一番近いこともあり、代表者が買物に行くことはよくあるが、基本的に男連中が行く。女性が行くことはほとんどない。

 今回、ベルベットが行くことになったのは、前回ロクロウが喧嘩を吹っ掛けられ、商会を一つ叩き切ったのが原因だ。同行していたオスカーも出禁となり、戦闘力もあり、ある程度常識もあるベルベットが選ばれた。同行者がマギルゥと言うのが激しく不安である。

 

 

 

 

 

 

 村から歩いて半日ほど、ちょうど昼過ぎに街に到着した。

 町は喧騒に包まれている。さらに辺りから出店の美味しそうな匂いが漂う。

 

「ちょうど昼時、食事に行くわよ、マギルゥ!」

「おぬし、実は初めての街でテンション上がっておるのではないか?」

 

 そんな横目で見つめるマギルゥの言葉にベルベットは頬を赤らめながら、食事処を探す。

 

 見つけた食事処はちょうど昼時でかなり込み合っていた。

二人は端のテーブルに座り、食事をしながら買い物について話し合っていると、昼間っから酔っぱらったガラの悪い男たちが絡んできた。

 

「よう、嬢ちゃんたち、暇なら俺たちの酌でもしてくれよ」

「うるさい。あっちにい…」

「おお!そうかそうか!儂みたいな美少女に酌してほしいのかの?ナンパかえ」

「ああ?なんだこのガキは!ガキには興味なんだよ!引っ込んでな!」

 

 マギルゥの服装はナンパが目的だったのか、しかしあっさりと流される。

 自身があったのだろう、マギルゥの目には不満が宿っていた。

 

「ふふふ、美少女魔女マギルゥちゃんでは不服と申すか!ベルベットは先に買い物をすますがよい、儂はこやつらと少し遊んでいくからの」

「ほどほどにしなさいよ」

 

 そう言って席を立つベルベット。

 

「おいおい待てよ」

「いや、待つのはおぬしらじゃよ。たっぷり遊んでやるからのー」

 

 店から出て街を歩くベルベット。先ほどの店から爆発音が聞こえるが気にせず買い物を始める。

 

 

 

 

 

 

 ある程度買い物を終えたベルベットは、街を見まわりながら観光する。治安が悪いと言っても、何もしなければ問題ない様だ。しかし、裏路地から複数のうめき声と若そうな声の怒号が聞こえてくる。

 聞こえてくるだけなら、無視をしたが一人の男が路地から飛んでくる。

飛んできた男はベルベットに当たりそうになるが難なく躱す。

 攻撃されればさすがに無視はできず、ベルベットは路地に視線を向けた。

 路地の中は、倒れている十数人の男と中心に拳を構えて立つ二人の青年がいた。

 一人は赤い逆立った髪をした、人相の悪い青年で、もう一人はマスクをかぶった青年だった。

 

「はあ、はあ、はあ、無事かキラー」

「ああ、こっちは無事だキッド」

 

 息を切らしながら互いの無事を確認する二人。倒れている一人が懐から拳銃を出し、赤髪の青年、キッドに狙いをつける。しかし、二人は気づいていなかった。

 拳の喧嘩だけなら見逃していたベルベットも、拳銃を出されては手を出す。

 引き金が引かれる前に剃(ソル)を用いて移動し、拳銃を蹴り上げる。

そのままかかと落としの要領で男の意識を奪う。

唖然とする二人の青年に

 

「勝利を確信しても油断するな、よ」

 

二人の目にはどう映ったのだろうか?見聞色の覇気で二人を見ると、警戒とともにあこがれのようなものまで感じる。

ベルベットは安易に助けたことを後悔するのだった。

 

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