沈んだら 帰って来れた 我が故郷   作:∩(´∀`∩) ワッショーイ

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皆さんお久しぶりですm(*_ _)m少々学業面で忙しく中々書けませんでした。今回の話も合間合間を縫ってなんとか書き上げたものなのでもしかしたら途中中身が繋がっていないこともあるかもです……

それと、今回から働くと前回言いましたが、あれは嘘でした。


八話

つい昨日お母さんに買ってもらったばかりのスマホから流れるアラームを耳にした瞬間に瞼を上げ目を覚ましアラームを解除する。

あくびを噛み殺しながら伸びをし、ベッドから腰を降ろし床に足をつける。

ボヤける視界の中で机の上に置いてあった着替えを見やり寝間着を脱ぎ、服に腕や足を通し着替えを終え部屋を出た後そのまま階段を降り洗面所で顔を洗い、ゆっくりと目元を揉みながらうがいをする。……ふぅ、気分もさっぱりして目が覚めた。と、同時に昨日のことも思い出した。

 

結局あの後、時間になっても降りてこなかった私に「どうせこうなると思ってたわよ〜」なんて妙に間延びした言い方をしながら入ってきたお母さんに、また色々込み上げて来て泣いてしまっていたのを見られ大騒ぎになったが、それをなんと誤魔化し、汗を流したいからと風呂場に逃げ込みそのままシャワーを浴びた。……涙を流したかったからでもあるけど。

それで、その後フラフラと部屋に戻って、ベッドに倒れ込んで目を瞑ったその直後から記憶がないことを考えるとすぐ寝たのだろう。実際かなり疲れてたしそうに違いない。

 

「……はぁ」

 

昨日の出来事と、なし崩しに加賀さんのことも思い出すと、溜め息が口から溢れる。元来”加賀"という艦娘と”瑞鶴"という艦娘は基本的に反りが合わず仲が悪いというのは私が瑞鶴になる前から知ってはいた。

そして仲が悪いというのも実は瑞鶴側が認めてもらいたい、隣に立ちたいという一心で反抗しているだけであり、加賀目線では手のかかる後輩としか思っていないということも。

 

私の場合、あの鎮守府にとっては自分が初めての空母だったからか、自然とあちこちの海域に引っ張りだこになっていて引きずり回され、それ故に練度も順調に上がり、もしかしたら後から来た一航戦・二航戦の先輩方に先輩として教えられるかもと妄想しニヤケたりしていた。

が、実際のところは一ヶ月程して提督さんの先輩が勤める他の鎮守府から嚮導艦としてこっちに異動してきた加賀さんによってそんな妄想は木っ端微塵に砕かれた訳だが。

 

全体的な総数で見ればまだまだ少ないながらも場数を踏みなんとか練度を上げてきたこちらに対し、これまで私のそれを遥かに上回る回数前線で戦い続けてきた加賀さんの練度は圧倒的なのが様々な所作に見れる細かい動きから見て取れた。

何度も何度も澄ました顔で私の問題点を指摘するその姿に、まるで偽物なりに足掻いていた私自身をも否定されている気がして、私は加賀さんに反発した。

 

売り言葉に買い言葉。まさにそんな感じに私は加賀さんに食ってかかり、加賀さんは冷静に私の粗を指摘して来た。

その態度にさらに苛立ちを募らせもしたのだが、それでも元々加賀さんが感情を表現するのが苦手なのを知っていたし、何度も指導を受けていく内に刺刺しい突き放すような言動の数々の裏に隠れた私を気遣い、守ろうとする意思に気づくようになり、私の幼稚な反発は次第になりを潜めていった。

 

今でもあの時の加賀さんのもう反発はしないの?というドヤ顔は忘れない。いやまぁドヤ顔というよりはほんのちょっと口角上がったくらいなんだけど……でもこの人にも感情あったんだとはなった。非番の日でも自主練してるしプライベートもまるで機械みたいな人だったし。

 

と、そこまで考えてふと思った。そういえば今どれくらいこうしていたのかと。とりあえず見た方が早いとポケットに手を突っ込んでスマホを取り出し時間を確認する。

……良かった。まだ起きてきてから10分くらいしか経ってない。これで30分くらい立ち尽くしていたら何してんの?と冬馬に問いただされることは間違いないだろうし、さっさと片付けて洗面所を後にした。

 

「おはよー、って誰もいない……」

 

朝の挨拶を言いながら扉を開けたのはいいものの、リビングには誰もおらず、代わりにテーブルの上に書き置きがされたメモが貼られ隣に鍵が置かれていた。

 

「………なるほどね」

 

書き置きされたメモの内容は、朝から仕込みと冬馬も仕事があるので夕方か夜まで帰らないからもし外出するなら鍵閉めてから出てねというものだった。

いやそこまで子供じゃないんだけど……こうなる前は社会人もやってたのに……お母さん達から見た今の私ってどんだけ子供なの……?

 

「ん?」

 

溜め息を吐きそうになりながらメモを剥がすと、裏側にも何か書かれているのを見つけた。えっとなになに……?

 

「『ご飯は釜にあるし、味噌汁も鍋に入れて冷蔵庫に入ってるから温めて食べて。ソーセージは三本までなら焼いていいから』、か。そういえば昨日結局手伝えなかったな……」

 

思えば帰って来てから両親と冬馬に何も恩返し出来てないんだよね……なんとかしたいけど、どうすればいいんだろ?こういう時翔鶴姉どうしてたっけ……

と、過去の記憶に浸り出したまさにその瞬間、私のお腹から気の抜けるような音が響いた。

 

「……」

 

……とりあえずご飯食べよう。食べなきゃ何も始まらないし出来ない。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

朝食を腹に収め、鼻歌を歌いながら皿を洗っている時に思い付いた。そうだ、家族達の晩御飯を作ろうと。

現状就職先はあるけどまだ働いてないからあれなのだが、幸いにも冬馬から貰った分がある。今はあのお金を使わせてもらって、給料が出たら貰った分を冬馬に揃えて返そう。

 

「なんてこと思いながら献立考えてるんだけど……」

 

中々考えが纏まらない……それに自炊とかはしてたけどあくまで自分で食べるからちょっと手を抜いてたし上手く行くか不安……いや、こんなとこで怯えてる場合じゃないわね……行くのよ瑞鶴!五航戦の意地を見せてやるわ!

 

意気揚々とリビングを飛び出し再び洗面所に向かい歯を磨きながら今晩のメニューを考えていると、一つ思い付いた。

簡単で、比叡さんが手を加えない限りは激物になることもなく美味しいそれを。

 

「よし、今晩はカレーよ!」




次回、料理と━━編。

何時になるかは分からないですマル


*ヘルケーさん誤字報告感謝です!
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