鉄心がアキの家に来てから数日後……
「えっと……ここが鉄心さんに言われた【川神院】か」
アキは鉄心に言われた川神院に来ていた。
「すみませーん、鉄心さんに言われて来たんですけどー」
「君が総代の言っていた子だネ、私はここで師範代をしてるルー・イーだヨ」
アキが声を掛けると中から七三分けに拳法着を着た男性が出てきた。
「はい、俺の名前はア(おっと、こっちじゃ違う名前だったな)
「そうか、じゃあこっちに来てくレ」
アキ改め武昭はルーに連れられて川神院の中に入っていった。
武昭がルーに案内されると院の庭では多数の僧達が修業していた。
「えっと……ルー・イーさん?俺が相手をするのは鉄心さんの孫娘さんだって聞いたんですけど……」
「私の事はルーで良いヨ、 あぁ、総代からは百代の相手をする様と言われているヨ……(なんだ、この子ハ?今までに気を感じない事はあったガ、この子は気を
ルーは武昭と話してて何処か違和感を感じていた。
武昭がルーに連れられて来た所は庭の一部で鉄心と道着を着た黒い髪の少女が立っていた。
「おぉ、すまんのう武昭君、今日は儂の頼み事を聞いてくれて、この子が孫娘の百代じゃ」
「おい!爺!まさかこのガキが私の相手なのか!?」
武昭を見た鉄心の横にいた百代が機嫌悪そうに指を指してきた。
「そうじゃよ、今日は武昭君にモモの相手をしてもらおうと呼んだのじゃ」
「幾ら私の相手がいないと言っても、こんな気も感じない様な奴が相手になる訳ないだろう!」
「別に俺は帰っても良いよ、鉄心さんに言われて来ただけだし、それに
武昭がその場から離れようと背をを向けると同時に百代が殴りかかって来たのを
「おい……今、なんて言った?お子ちゃまとか弱い者いじめとか聞こえたんだが……」
「あぁ、そう言ったよ。お前みたいに力を振り回してるだけのお子ちゃまの相手をする迄も無いよ」
「そこまで言うのなら、余計に私の相手をしてもらう!!」
「コリャ!待たぬかモモ!えぇい仕方あるまい!!これより決闘を行う!!東方!川神百代!!」
「ああ!!」
「西方!湧羽武昭!!」
「はい」
「始め!!」
武昭の言葉を聞いて頭に血が登った百代が襲い掛かったので鉄心が慌てて宣言した。
「貴様みたいな奴は私が直ぐに倒してくれる!川神流!無双正拳突き!!何!?」
「ふーん、真正面から受けてみたけど、そんなに強いって訳でも無いんだな」
百代は武昭に攻撃をしたが
「くっ……まさか、私の攻撃を受け止めるとは……面白い!ならば本気を出してやろう!!」
「ふぅ……だったら最初から本気で来いよ……(これ位の攻撃なら見聞色を使わなくても問題ないな)」
百代は獰猛な笑みを浮かべると武昭に攻撃を加えるが武昭は難なく躱していた。
一方、離れた所では鉄心とルーが話していた。
「総代!あの子は何者なんですカ!?あの百代の攻撃を一発も当たる事無く躱せるなんテ!!」
「うむ、あの子は儂の知り合いが保護した子での、まさか儂もあれ程のモノとは思ってなかったわ……(それに武昭君は……末恐ろしい子じゃ……)」
2人は武昭と百代の決闘を見ながら話していたが鉄心だけはある事に気づいていた。
鉄心とルーが話してる最中も武昭と百代の決闘は続いていた。
「ハァハァハァ……なかなかやるなお前……名前は確か……湧羽武昭だったか?」
「あぁ、そうだ……それよりもかなり疲れてるみたいだけど、もうやめるか?」
「ふっ、この程度で私が諦めると思っているのか!川神流!瞬間回復!!」
百代の体が光輝き光が収まると疲労が無くなっていた。
「これで、まだ続けられるぞ!!」
「なるほど、そんな技があったのか……おっと、体力も戻ってるんだな」
「ふっ!掴んだな……喰らえっ!川神流!炙り、なんだと!?」
百代が殴りかかって来たので武昭が受け止めるのを見た百代が技を出そうとした瞬間に武昭が手を離した事に驚いた。
「へぇ、そうやって手から火を出す事が出来るんだ(まぁ、そんな炎よりも熱い攻撃は何回も喰らってるけどね……)」
「そんな偶然が続く訳が無い!これならどうだ!!川神流!雪、またか!?」
再び百代の拳を受け止めた武昭は百代が技を出す前にまた離した。
「何故だ……何故、お前は私が技を使う前に離れる事が出来るんだ!?」
「いや、何故って言われても……普通、戦いの最中に相手を掴んで何かやりそうな笑顔をしたら離れるだろう……」
百代は武昭に理由を尋ねたが理由を聞かされて“アッ”とした表情で納得した。
「確かに彼の言う通りじゃが……」
「はい、あの百代が技を発動させる前に離れるなんて普通は無理に近いですヨ」
「つまり、それだけの実力者という事じゃな……(儂も目が曇っていたみたいじゃのう……)」
鉄心とルーも武昭の理由を聞いて理解したが何処か納得していない様だった。
そんな中……
「ふぅ、そろそろ終わらせるかな?」
「何?……その言い方だと、いつでも私に勝てる様に聞こえるのだが?」
「あぁ、お前みたいな力を振るう事しか出来ないお子ちゃま如きに
「そうか……では、その本気を味合わせて「遅いっ!」なっ!?ガハッ!!」
武昭の言葉を聞いた百代が獰猛な笑みを浮かべて向かって来たが気づいたら懐に入られ蹴りを食らって吹き飛ばされた。
「な、なんだ?今の速さ……だが、この程度で……」
「今のを受けてまだ動けるとはな……ならば、これならどうだ!!」
百代が口から血を出しながら向かって来たが、今度はパンチの連撃を受けて再び吹き飛ばされた。
「どうだ……これが俺の本気だ……ふむ、まだ動けるのか……」
「あぁ……久し振りに私の相手になる奴が現れたんだ……まだ終わらせてなるものかっ!!」
「そうか……仕方ない、これで終わりにしてやろう!!」
百代が血を手で拭いながら向かってくるのを見た武昭は百代に近づくと両手の握り拳を胴体に当てた。
「喰らえっ!
「グハッ!!」
武昭が胴体に当てた拳に力を込めて攻撃すると百代が再び吹き飛ばされたが今度は気絶していた。
「それまで!湧羽武昭の勝利じゃ!!」
「ふん、人を見た目を判断するからだ……それじゃ鉄心さん俺は帰っても?……」
「あぁ、構わぬぞ……(まさか、あれほどの実力者だったとは……儂の目もふし穴かのう……)」
百代が立ってこない事を確認した鉄心が宣言すると武昭は鉄心と少し話をして許可をもらうと川神院をから出て行った。