祖父と孫   作:森羅万象チョコ

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炎上汚染都市冬木
召喚


 

考えてみると長かったようで短かったようにも思える。

自分の年齢が自身の父親を追い越し、80を越えた今ならわかる。

儂は◼️◼️◼️◼️◼️とは違う道を進めた。

目標も自分にとっての答えを見つけられた。

ただ一つ悔いがあるとすれば、

 

 

 

『おじいちゃん!』

 

 

 

孫のことをもう少しだけ見ていたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーー!」

 

誰かに呼ばれた気がしてふと目を開ける。

 

そこには一面の(地獄)があった。

その景色は自身の最も古い記憶に酷似していた。

 

「呼ばれたのか・・・?」

 

()はサーヴァントとなっていた。

 

「ーーーー!」

 

先ほど俺を呼んだ声は空耳などではなく、何を言っているのかわからないほどに離れた場所から聞こえているらしかった。

罠かもしれない。

そんな考えが一瞬だけ頭を過ったが、直ぐに俺は走り出していた。

いつぞや、誰かに『破綻者』と言われた己の性が明らかに切羽詰まっているであろうその声を無視することを許さなかった。

 

声のする方へと走る。

サーヴァントとなり強化された足は生前経験したことの無い速さで燃え盛る地獄を駆け抜けた。

そして、たどり着いた先には白髪の身なりの良い少女に西洋の鎧姿の少女、そして赤銅色の髪の少女がいた。

どうやら声の主は彼女達らしく、彼女達は全身が骨しかない存在、所謂竜牙兵に襲われていた。

俺は両手に一つずつ使いなれた剣を投影するとそれらを投擲する。

生前何度も世話になったその一対の剣の性質は良く理解していた。

全身が骨である以上斬撃よりも打撃の方が効果的ではあるのだろうがこの剣であれば問題はない。

投擲した二本の剣は寸分違わずに二体の竜牙兵の核を破壊すると俺の方へと戻る。

それを知っている俺は残っている竜牙兵へと駆け出す。

俺が竜牙兵の目の前にたどり着いた瞬間に二体の剣は手元に戻る。

俺はその剣で残っている竜牙兵を切り捨てると先程まで襲われていた少女達に向かい直る。

どうやら赤銅色の髪をした少女がマスターらしく、俺との間に魔力のラインが繋がっていることがわかる。

かつて契約していたサーヴァントも同じ感覚だったのだろうかと感慨に浸っていると、白髪の少女が俺に怯えたような目をして口を開く。

 

「あ、あんた何者よ・・・?」

「自己紹介がまだだったな。サーヴァント・セイバー。衛宮士郎だ」

 

俺は赤銅色の髪をした少女の方を向くと、

 

「お前が俺のマスターか。よろしくな」

 

そう言った。

すると、その少女はわなわなと震え出す。

他の二人の少女はその様子に彼女を心配する素振りを見せる。

そして、その少女は俺の方を指差すと叫んだ。

 

「おじいちゃんじゃん!!!!!」

「なんだ、お前立香か!」

 

誰が言ったのか。

 

「え?」

「「「ええええええええええ!?」」」

 

その場にいた俺と少女、それ以外の人間は死ぬほど驚いたらしい。

 

 

 




衛宮士郎
クラス セイバー
宝具 「無限の剣製(Unlimited Brade Works Beyond Fate)
ランクEX レンジ??? 最大捕捉???
自らの心象風景を展開し、その内部に取り込んだ敵に対して剣を無限に作り、ただ一つの剣として纏め上げ切りつける宝具。
その心象は歯車が空に浮き、剣が無限に突き刺さる草花に覆われた丘となっている。
彼がたどり着く境地ではほとんどの場合寂れた荒野になるのだが、彼の場合は自身の夢である『正義の味方』の守る相手に優先順位を設けることで大多数のために少数を犠牲にするのではなく、大多数も少数も助けることを選んだことにより守るべきものとして草花が彼の心象に追加され、その心が曇ることは無かったことから空は雲一つ無い青空である。






作者です。この衛宮士郎は家族を得た上で、それらと共に歩みながらも戦う以外の方法で『正義の味方』を全うする道を選んだ存在として書きました。
そして藤丸立香の実の祖父にすることで、FGOの時間軸等の設定を変更しています。
感想くれ。

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  • 全員助ける!
  • 全員助ける!ただしベリル、テメーは駄目だ
  • 全員死ぬ、慈悲はない。

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