「なんだ、このとんでも建造物ー!?」
神殿までの道中、ニトクリスと一悶着あったものの、カルデア一行は無事に神殿にたどり着いていた。
ただ、ルキウスはたまたま近くにいただけだと言って去っていってしまっていたが。
「あれが太陽王オジマンディアスの居城なのですね!」
「エジプト最強にして最大のファラオと言われるだけのことはあるな・・・」
マシュとカドックが各々感想を述べるなか、一行は神殿の奥へと歩みを進める。
神殿の奥には、眠そうに目を擦る褐色の肌の男がおり、玉座に座っていた。
「少し時間がかかっていたようですが、まあ良いでしょう。貴方たちは畏れ多くも王への謁見が許されました。さあ、そこに平伏しなさい!さすれば王は倦怠から身を起こし、貴方たちにお言葉をお掛けになることでしょう!」
言うが早いか直ぐに士郎は跪いた。
「こういうときは出来るだけ素早い方が良い。お前らも棒立ちはやめておきな」
「う、うん」
「私王女だったのだけど跪く必要あるかしら?」
「お前はもう好きにしろ・・・」
好きにしろと言われたものの、なんだかんだ命に関わることにおいてはカドックに気を遣うアナスタシアだったので、ここは大人しく跪くことにした。
「ふむ、カルデアの者共よ。既に貴様らも検討はついてはいるのだろうが、ここは敢えて余の名を教えてやろう。我が名はオジマンディアス。神であり太陽であり、地上を支配するファラオである。それは過去、現在、共に変わることは無い上、ライダーと呼ばれるのも些か飽きもした」
太陽王は語る。
ザックリ言うと、眠いので一回しか言わないからよく聞け。お前たちが五つの特異点を解決し、六つ目の特異点であるこの場所にやって来たカルデアの使者であることはわかっている、と。
「何故なら、汝らの探す聖杯は、この通り、余が手にしているからだ。」
聖杯は確かにオジマンディアスの手の中にあった。
当然、カルデア一行からは魔術王に味方しているのかと言う疑念が出るが、オジマンディアスはそれを一蹴する。
「これは余がこの地に降臨した際に、十字軍めからー」
ずるり
(((首ずれたぁぁぁぁぁぁ!?)))
この時マスター(元含む)の心は完全に一致していたと言う。
さらっと、首を元の位置に戻し話を続ける。
「十字軍めから没収したものだ。真の王足る余に相応しい物としてな」
(((いや、スルーして話続けんのかよ)))
「あ、あの、オジマンディアス王、それは衝撃的なのですが、あの!」
(((そこ突っ込んで良い雰囲気じゃないだろ!?)))
突っ込むマシュに、無言で同意するダヴィンチ。
アナスタシアは物珍しげに神殿を見回していた。
「首がずれたように見えたのですが・・・」
「あり得ぬ。旅の疲れであろう。不敬だが、一度のみ許す。余の首はなんとも無いのだからな。そして、聖杯を手に入れたことにより余はーおっと」
ずるり
また、首がずれた。
今度はオジマンディアスが無言で立香達を見る。
余計なことを言えば何が起きるかわからなかった一行は勿論黙った。
「ニトクリス!」
「は!何用でしょう、ファラオ!」
「余は調子が出ん!よって体を動かそう!眠気覚ましに火の精どもを呼ぶがよい!」
突如、玉座から立ち上がるとオジマンディアスはそう言い、立香達を見た。
「では、行くぞカルデアのマスターとやら!先程の沈黙、余は特に気に入った!」
「マスター!ファラオ・オジマンディアス、意味不明な理由で臨戦体勢です!」
「よし、想像通り・・・ッ!この王様、完全に自分ルールで生きてきた困ったちゃんだ!」
「それに巻き込まれるこっちの身にもなってくれよ!」
オジマンディアスが火の精と共に襲いかかってきた!
その頃、とある村
「わー!まてまてー!」
「きゃー!」
「おーい、そんなに走ってると転んでケガするぞ!」
二人の子供が広場で走り回っていると、通りがかった弓兵らしき青年にそう注意されている。
「うわあ!」
「言わんこっちゃない・・・。大丈夫か?」
「うう、いたいよぅ」
青年が見るに転んでケガをした部分は尖った石によって深く傷つけられていた。
「こいつは結構なもんだな・・・。取り敢えず応急手当だけでも・・・」
「その必要はありませんよ、アーラシュ様」
「お?姉ちゃん、ちょうど良いところに!頼めるか?」
青年をアーラシュと読んだのは東洋人の女性であった。その女性は美しい容貌しており、どこか神聖な雰囲気が感じられた。
「ええ!私にお任せを。では、ケガを見せて下さいな?」
女性は子供のケガを見るとその部分に片手をかざし、もう片方の手で印を結ぶとなにやら呪文のようなものを唱えだした。
すると、ケガがみるみるうちに直っていくではないか。
「もう痛くないですよ?次は気を付けて遊びなさいね」
「うん!ありがとう、お姉ちゃん!」
子供は女性に感謝を伝えるともう一人の子供と共に去っていった。
「ふう」
「いやー、助かったぜ姉ちゃん」
「もう、私にもれっきとした名前があるからそちらで呼んでほしいと言ったはずですよ!」
「悪い悪い、つい癖でな。
「ええ!これからはちゃんとそう呼んで下さいね!」
サーヴァント、殺生院キアラ。
とある世界では獣としてカルデアの前に立ち塞がるその女性が今、キャメロットの地にいた。
「それにしても、士郎様はいつこちらにいらっしゃるのでしょうか?」
「まだ少しかかりそうだがな。まあ、気長に待ってな。会えない訳でもないしな」
「それもそうですわね!」
セッショウイン!()
次回 Fate/grand orderは!
「殺生院はまだでない」
次回もお楽しみに!
(士郎君なんかやらかしたんかなあ)