祖父と孫   作:森羅万象チョコ

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普通に忙しかったので遅くなりました。


太陽の騎士

『あ、あれはサーヴァントなの!?』

『霊基反応、確かにサーヴァントのものですが、規模がまるで違います!』

 

管制室は一時騒然となった。

マスター達の前に現れたサーヴァント、殺生院キアラの存在が原因である。

 

「セイヴァークラス。文献にもほとんど残っていないエクストラクラスじゃないか!」

「セイバー?剣士のクラスなら他にもあったことあるよね?」

「セイバーじゃない、セイヴァーだ。まだエルメロイ二世の講義にも出てなかったが、立派なエクストラクラスだ。セイヴァークラスなんて存在の規模で言えばグランドクラスと大差ないくらいだぞ」

「はえー、すごいんだねあのお姉さん」

 

件のキアラはと言うと、自身を中心として結界を展開し、そのため難民を襲おうとする騎士達は攻めあぐねていた。

 

「守りは完璧だが、このままだと逃げられないな。おい!キアラ、今のお前でどれだけ無力化出来る?」

「この場の騎士は全て宝具で行けます!ただ、円卓の騎士レベルになるとさすがにきついです!」

「なら、ガウェインは任せておけ!俺達で何とかする!まあ、獅子王が出てこないことを祈るしかないがな!」

 

士郎はキアラと知り合いらしく、声をかけるとすぐにガウェインの元に走る。

 

「おじいちゃん、援護するよ!」

「頼む!」

「私も行きます!」

「なら僕とダヴィンチは難民を戦線から離脱させる!キャスターは士郎さんと立香の援護を任せるぞ!」

「任されたわ」

 

各々が戦場で自身の役割を全うしようと動きだした。

 

「ならば、わたくしも宝具を開帳します。・・・涅槃寂静、あまねく全てを救いましょう。仮想展開『慈愛天・救世曼荼羅(ニルヴァーナラティ・ヘブンドライブ)』!」

 

キアラを中心として展開されていた結界が崩れ去る。この好機を逃すはずもなく騎士達は、難民へと襲いかかる。

やはり、攻撃は出来ない。

もちろんキアラの宝具の力である。

この宝具に出来るのは戦意の消失と精神の安寧。

ただ、この宝具も万能ではなく、仮想展開であれば強い意思を持つ英雄レベルの存在なら打ち破ることが出来てしまう。

故に、ガウェインへと士郎は走った。

他の騎士ならいざ知らず、円卓の騎士ならばキアラの宝具に耐える可能性があると判断したが故のことである。

 

「あの御仁の宝具、それが騎士達を操っていると見ました。陛下の命を実行することは私一人でもこと足りますが・・・」

「させるわけねえだろ!」

 

士郎は怒っていた。

結婚して子供も出来、一人の人間として成長した彼は第5次聖杯戦争以前と比べ、感情を出すようになっていた。

故に、怒っていた。

 

「さっきから聞いていれば、陛下陛下ってそればっかりじゃねえか!」

「何を言うかと思えば、そんなことですか。私は円卓の騎士です!ならば陛下に忠誠を誓うのは当然のことでしょう!」

「そう言うことじゃねぇ。お前が忠誠を誓っていると言うのなら何故止めなかった。何故否定しなかった。お前らがそんなだから、あいつは、アルトリアは一人で苦悩し続けたんじゃないか!」

 

ガウェインが後ろへ弾かれる。

 

「クッ、あなたに陛下の何がわかる!あなたはみる限りでは東邦の英雄だ。陛下との繋がりなどあるはずもないでしょう!」

「わかるさ!あいつは一人で苦悩して、抱え込んで、王の選定をやり直すことを聖杯に懸ける望みにするくらいには思い詰めていたんだ!」

 

ガウェインは知らなかっただろう。

いや、知ろうとしなかった。

士郎にはそれが許せなかったのだ。

 

「俺はぶん殴ってでもアルトリアを止める!いくぞガウェイン!Iam the bone of my sword.『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)』!」

「なっ!?それは選定の剣!何故あなたがっ」

「隙だらけだ!」

 

爆発。

それは正しく宝具の真名解放。

カリバーンは彼の宝具の1つとなっていた。

 

「なんと、この私のギフトすら貫通して霊核に到達するとは・・・」

「今回は俺の方が強かった。魔力が尽きることはないしな」

「おじいちゃん、増援だよ!」

「私は悲しい、ガウェイン卿が逆賊の凶刃に倒れるとは・・・」

「トリスタン卿・・・私はここまでのようです。陛下、申し訳ありませんでした・・・」

 

ガウェインの霊基が崩壊する。

トリスタンはフェイルノートを構えると士郎に向き直る。

 

「ガウェイン卿の任は私が引き継ぎます。あなた方にもここで死んでいただきます」

「そうはさせません!」

 

今にも戦いが始まりそうなこの場に、一人の男が飛び込んでくる。

 

「ルキウスさん!」

「あなたは、何故そちらに立っているのです?」

「今の陛下に従うあなた方の行いが正しいものだとは思えないからです」

「知り合いか?だとするとあんたの真名も違うものなんじゃないかと思うんだがな」

「その通りです。私の真名はベディヴィエール。彼らと同じ円卓の騎士であり、わけあって獅子王の召喚には応じなかった騎士です」

 

ルキウス改めベディヴィエールはトリスタンと士郎達の間にはいると、撤退することを勧めた。

 

「難民の避難は完了したようです。あなた方のお仲間も着いていったようですし追いかけた方が良いのでは?」

「ならそうするか」

「私が魔術で保護しましょう」

 

士郎達はアナスタシアの魔術により姿を消し、その場にはトリスタンのみが残された。

 

「選定の剣、カリバーンですか。陛下にご報告せねばなりませんね」




この作品では原作のカルデアと同じく孔明の疑似サーヴァントになったエルメロイ二世がマスター達に魔術の講義をしています。
とはいえ、立香とマシュが主な生徒でカドックとかオフェリアがたまに顔を出してくれるくらいです。

士郎の使ったカリバーンは士郎の逸話に含まれるので魔力消費無しで投影は出来ます。ただ、真名解放はちゃんと魔力使いますし、本来のカリバーンからひとつランクの下がったものになるという設定です。
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