『特異点の修復を確認しました、所長』
通信越しにロマニが言う。
「ええ、こちらでも聖杯を確保したわ」
「はい、それでは帰還ということでしょうか?」
『まあ、そうなるかな。みんなお疲れ様』
「いやー、まさか魔術に片足突っ込んだあげく、タイムスリップすることになるとは思わなかったよ」
特異点の原因であった聖杯を回収し、和やかな雰囲気になりかけた時だった。
士郎のサーヴァントとしての勘が危険を知らせたのだった。
「まだだ。まだ終わってねえ」
「おじいちゃん、それどういう・・・?」
立香の質問を無視し、士郎は大聖杯の方を向く。
「出てこいよ、そこにいるのはわかってる」
「ほう?衛宮士郎、どれ程のものかと思ったが、案外勘が鋭いな」
そこにいたのは、レフ・ライノール。
カルデアの爆発の
『レフ教授!?』
「爆発で亡くなったんじゃ!?」
士郎はレフを睨みながら、マシュにボソリと呟く。
「マシュ、レフに見えないように聖杯を出しておけ。質問は後で聞く」
「は、はい」
マシュは士郎に言われたように盾の中から聖杯をレフに見えないように取り出した。
その間にもレフの演説は続いており、オルガマリーがショックを受けたりしていたりする。
「最後に君の願いを叶えてやろう」
レフは自らに近寄っていたオルガマリーに赤く燃えるシバを見せた後、彼女をそれに取り込ませようとした。
「嫌だ!まだ、死にたくない!まだ、誰にも認めて貰ってないのに!」
オルガマリーの悲痛な叫びが木霊する。
立香はレフの豹変ぶりに驚き、動けず、マシュは立香の守護と聖杯を保持していることから動けなかった。
だが、一人だけ、動くことの出来る男がいた。
その手はオルガマリーの手を掴んだ。
「死なせねえよ。それに、俺は認めてるぜ、オルガマリー・アニムスフィア。若いのによくやってる。だけどな、ここは年長者に任せておけってな!」
オルガマリーをカルデア側から引き剥がすとマシュの元に跳躍した。
もちろん、追撃されないようにレフに剣を投擲しながらである。
「英霊ごときが小癪な!」
「マシュ、聖杯を!」
「は、はい、どうぞ!」
「おう、サンキューな」
士郎は受け取った聖杯をそのままオルガマリーに渡すとこう言った。
「
「え・・・?」
「聖杯に願え、生きたいってな。聖杯は特大の魔力リソースだ。死後間もない魂に仮の体を造ることぐらいなら一つだけでも出来る」
『ま、待ってくれ!士郎さんは最初から所長が亡くなっていたことに気が付いていたのか!?』
「当たり前だろ。カルデアのレイシフトのシステム組んだの誰だと思ってやがんだ。マリスビリーは魔術的な側面は完璧に一人でやってたが、機械だのなんだのってのがてんで駄目だったからな。レイシフトの適正なんかが数値化出来るようにしたのも俺だ。だから、オルガマリーの適正がレイシフト不可能なレベルなのにレイシフトしたなら自ずと答えはわかるって訳だ」
遠坂はアニムスフィアの研究に資金を援助していた。
それは、とある魔術師の手によりアインツベルンから盗み出された聖杯の製造方法から造られた亜種聖杯により起きた聖杯戦争の参加者であったマリスビリーとそれを解決に来た遠坂の取り引きの結果であるのだが、話の本筋には関係ないので割愛する。
ともかく、マリスビリーと遠坂に出来た縁により士郎は魔術と機械に強い稀有な存在としてカルデアに技術支援を行っていたのだ。
そんな士郎はレイシフトを行う際に、肉体を移動させることが一番の難点であり、逆に言えばレイシフト適正が完全に肉体に依存した物であることを知っていたのだ。
「俺は魂だけであれば誰でもレイシフト出来ること、そして聖杯が具体的に何を出来るのかを知っていた。だから、最初から解決する手段を手に入れるために特異点を修復する気だった。まあ、お前が出てきたから、ちゃんと陣を敷いてやる予定が崩れちまったけどな」
誰もが驚いた。
オルガマリーは自身の手にある聖杯を見つめ、覚悟を決めたようだった。
「わかったわ、士郎さん。聖杯を使います」
オルガマリーの覚悟を感じ取ったかのように聖杯が輝き出す。
「聖杯よ、どうか私に肉体を!」
その願いは叶えられた。
この時、オルガマリー・アニムスフィアは運命を越えたのだ。
聖杯の光が収まった時、レフ・ライノールの前には何者もいなかった。
「ふん、逃げたか。まあ、良い。どうせ奴らには何も出来ん」
レフは思った。
あれ?フラウロス名乗るの忘れてね・・・?
これからの予定だけど、士郎が絡んでたいして変わり無さそうな特異点はすっ飛ばしたいと思います。
正直、オルレアンに士郎行っても何も変わらないので。
後はアンケートお願いします。
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