あの日、僕は神綺さんに弟子入りしてからまず教わったのは、魔力の感知と制御からだった。
神綺さん曰はく、
「まさか魔力の制御どころか魔力の感知からとは。道理でマジックシュピンネの幼体に気付かなかったのね」と言っていた。
どうやら僕があの時出くわした蜘蛛はマジックシュピンネという名前の幼体だったらしい。幼体にすら負ける程弱いと知って悔しかったがその分早く魔力の制御ができるように努力した。
魔力の感知は比較的簡単だった。
なぜなら、自分に流れている霊力を指先に集める練習の際に霊力を感じる特訓が役に立った。
だが魔力の制御には大分苦労した。
なぜなら魔力を全身に流そうとすると霊力が反発して痛みが走り、長時間維持できなかったからだ。
そして僕は解決策としてとある作品のように体内に通すようにして流してみた。
すると、だいぶ楽になった。
恐らく霊力は体の表面に纏う形で生成されている為、魔力を体内に流す方法はお互いにあまり干渉しないため理にかなっているのだと思われる。
そして、魔力を体内で制御できる様になると、その次に行われたのは神綺さんによる魔法の勉強と実践がだった。
まず彼女に黒板の様な物がある部屋に案内されて、何枚か羊皮紙とインク、羽ペンを渡された。そして、神綺がチョークで黒板の様な物に書きながら説明を始めた。
「まず、属性魔法についてですね。まず基本的な属性は火、水、地、風、の4大属性です。
正確には他にも属性があるのですが、それはまた今度説明します。
属性魔法とは文字通り属性を利用した魔法です。恐らくあなたの話を聞く限り、属性については精霊の話から説明しなくていいでしょう。
基本的にはこの4つを覚えていたら大体の魔物に対応できます」。
そして、彼女は火、水、風、そして岩のイラストと共に更にそれぞれの属性のメリット、デメリットを書き出しながら説明を続けた。
「まず火属性についてです。この属性は火力の高い魔法が多い一方、防御系の魔法が少なく、他の魔法との親和性も低い事が欠点ですね。
また、この属性を実践で訓練するのが難しいです。
理由としては先程言ったようにこの属性は火力の高い魔法が多いから暴発すると術者が大怪我を負ったり、周囲に被害を与えやすいからね」。
「次は水属性についてです。この属性は火属性程の火力は出ませんがその分応用の幅が他の属性よりも多く、相性もいい属性です。
また、実践での訓練もあまり周囲への被害も少ないですので水属性の適正があるならこの属性から習得する事をオススメします。
ただ欠点を挙げるとするならば、水魔法は制御し続けるのが大変な事ぐらいですかね」。
「次は地属性についてです。この属性は防御や探知といった、サポートや防御を中心とした属性です。
この属性は水属性の次に扱いやすい属性です。
特訓も場所を問わず行えますから。
欠点を挙げるとするなら、この属性の魔法は地形を利用する魔法が多いので地面から壁を作る魔法を使う時等にその土地の影響をもろに受ける事と、魔法を使用した後の修復作業が大変だという事ぐらいです」。
「最後は風魔法についてです。この属性は、少しトリッキーな属性です。構成としては攻守ともに優れていますが本質は風なので魔法が視認できないのです。
そのため、他の属性で意識を逸らしている間に風の刃で首を落とすといった使い方がメジャーです。
しかし欠点として、先ほど説明したように本質は風なので魔法が視認できない為、特訓や実践の際方向や角度等の制御が出来ないことが大きな欠点です。
なんせその魔法が安定しているかも分からないので」。
そして、「次は4大属性から派生する属性を説明しましょうか」
と言った。
まだまだ講義は続く。
いかがでしたか。
では次回をお楽しみに。
主人公以外の視点による話を章の終わり事に投稿について
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それで良い
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もっとこまめに欲しい
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そもそも要らない