ドレアム様の暇潰し!!異世界に我は征く!   作:プロトタイプ・ゼロ

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曲がりなりにも神というわけか

 

 

 

 

 

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

 五人が通されたのは白夜叉の私室。

 

 香のような物が焚かれており、風と共に五人の鼻をくすぐる。

 

 個室と言うにはやや広い和室の上座に腰を下ろした白夜叉は、大きく背伸びをしてから五人に向き直った。

 

「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構える“サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

 

「はいはい、お世話になっております本当に」

 

 投げ遣りな言葉で受け流す黒ウサギ。

 

 その隣で耀が小首を傾げて問う。

 

「その外門、って何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。箱庭の都市は上層から下層まで七つの支配層に分かれており、それに伴ってそれぞれを区切る門には数字が与えられています。ちなみに、白夜叉様がおっしゃった三三四五外門などの四桁の外門ともなれば、名のある修羅神仏が割拠する人外魔境と言っても過言ではありません」

 

「おんしも、恩人に対して言うな」

 

 物言いに苦笑する白夜叉に慌てて頭を下げる黒ウサギ。

 

 手を振って白夜叉が気にしていない旨を示すと、黒ウサギは紙に上空から見た箱庭の略図を描いた。

 

「……超巨大タマネギ?」

 

「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」

 

「そうだな。どちらかといえばバームクーヘンだ」

 

超巨大タマネギとはなんだ? それはどれほどの大きさなのだろうか? まさか、千年に一度現れるとされる最強の魔物巨大オニオーンの事を指すのか? あやつは強いぞ! 魔物としてのランクはだいぶ低いくせにずる賢いせいで何度も我の配下が傷つけられたものだ!

 

「巨大バームクーヘンとはなんだ? それはなんだ? 新手の魔物なのか? それはどれほど強いのだ?」

 

「……ドレアム、一つ言っておくぞ? バームクーヘンは食べ物だ」

 

 な、なんだと……!? その名前からしてどんなものか想像もつかない物が食べ物だと!? という事はそれは美味しいのか!? 貴様らがわざわざ例えに出すぐらいなのだ!? それはもう美味いのだろうな!?

 

 見も蓋もない感想と見当違いな事に驚いているドレアムの様子を見てガクリと肩を落とす黒ウサギ。

 

 対照的に、白夜叉はカカカッと笑い声を上げて楽しそうに何度も頷いた。

 

「ふふ、うまいこと例えるが、私はバームクーヘンに一票だ。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな」

 

 白夜叉は薄く笑って黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向ける。白夜叉が指すのはトリトニスの滝を棲みかにしていた、十六夜が素手で叩きのめした蛇神のことだろう。

 

 我も少しだけ話は聞いたが、その蛇神はそうな簡単に倒せるものでは無い。黒ウサギに聞いた時に三つの試練を受けなければならないという事だ。だと言うのに十六夜はそれをたった拳で叩き潰したという。

 

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「知り合いも何も、あれに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」

 

 小さな胸を張り、カカカッと豪快に笑う白夜叉。それを聞いて我はやはりなと確信した。

 

 最初に姿を見た時から思っていたが、彼女から発せられるプレッシャーは我ら魔王の持つものと同じ。ましては破壊と殺戮の神として君臨している我と同等だ。うん、それは少し言いすぎだな。我よりは下だな。

 

 だが気がかりなのは、それほどまでの力を持っているのに何故このような場所に留まっているのか。興味がなかったためそこまで真面目に話を聞いていなかったが、恐らく黒ウサギが関係しているのであろう。ガルドから聞いた話によればノーネームはかつて名のある有名なコミュニティだったらしいし。

 

「神格ってなんだ?」

 

「神格とは、生来の神そのものではなく、種の最高のランクに体を変化させるギフトのことだ。人に神格を与えれば現人神や神童に。蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に。鬼に神格を与えれば天地を揺るがす鬼神と化す。更に神格を持つことで他のギフトも強化される。コミュニティの多くは目的のために神格を手に入れるため、上層を目指して力をつける」

 

「へぇー。そんなもんを与えられるってことはオマエはあの蛇より強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の“階層支配者”だぞ。この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者だからの」

 

“最強の主催者”―――その言葉に、十六夜・飛鳥・耀の三人は一斉に瞳を輝かせた。我? 我はこのような弱者になど興味はない。

 

「そう……ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」

 

「無論、そうなるのう」

 

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

 三人は剥き出しの闘争心を視線に込めて白夜叉を見る。まるで熱い闘志を漲らせた闘牛のようだ。闘牛と言えばバッファロンは元気にしているだろうか?

 

 我が偶然拾った魔物だったが今はコロシアムの王者に着いたんだったな。強くなりたいという心は武人として嬉しく思うぞ。

 

 そんな闘志に溢れた今にも戦いたいという目をした三人に、白夜叉は高らかに笑い声を上げた。

 

「抜け目ない童達だ。私にギフトゲームで挑むと?」

 

「え? ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

 慌てる黒ウサギを右手で制す白夜叉。

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

 

「ノリがいいわね。そういうのは好きよ」

 

「後悔すんなよ」

 

 全員が嬉々として白夜叉を睨む。つまらん事に楽しむのだな人間というのは。

 

「そうそう、ゲームの前に確認しておく事がある」

 

「なんだ?」

 

 白夜叉は着物の裾から“サウザンドアイズ”の旗印―――向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、表情を壮絶な笑みに変えて一言、

 

「おんしらが望むのは“挑戦”か―――もしくは、“決闘”か?」

 

 五人の視界は意味を無くし、脳裏を様々な情景が過ぎる。

 

 黄金色の穂波が揺れる草原、白い地平線を覗く丘、森林の湖畔。

 

 五人が投げ出されたのは、白い雪原と湖畔―――そして、水平に太陽が廻る世界だった。

 

「……なっ……!?」

 

 あまりの異常さに、十六夜達は息を呑んだ。驚いた様子がないのは我だけか……一人だけだと少し寂しいものがあるな。今度からは驚いたふりでもしておこうか。

 

 遠く薄明の空にある星は、世界を緩やかに廻る白い太陽のみ。

 

 唖然と立ち竦む三人に、今一度、白夜叉は問いかける。

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私は“白き夜の魔王”―――太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、試練への“挑戦”か? それとも対等な“決闘”か?」

 

 魔王・白夜叉。少女の笑みとは思えぬ凄みに、再度息を呑む四人。

 

「水平に廻る太陽と……そうか、白夜と夜叉。あの水平に廻る太陽とこの土地はオマエを表現してるってことか」

 

 十六夜は背中に心地いい冷や汗を感じ取りながら、白夜叉を睨んで笑う。

 

「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私が持つゲーム盤の一つだ」

 

 白夜叉が両手を広げると、地平線の彼方の雲海が瞬く間に裂け、薄明の太陽が晒される。

 

「これだけ莫大な土地が、ただのゲーム盤……!?」

 

 何を驚いているのやら、魔王であるならばこれぐらいできて当然であろうと思うのだが?

 

「如何にも。して、おんしらの返答は? “挑戦”であるならば、手慰み程度に遊んでやる。―――だがしかし“決闘”を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」

 

「……っ」

 

 白夜叉がいかなるギフトを持つのか定かではない。だが四人が勝ち目がないことだけは一目瞭然だった。

 

「降参だ、白夜叉」

 

「ふむ?それは決闘ではなく、試練を受けるという事かの?」

 

「ああ。これだけのゲーム盤を用意できるんだからな。あんたには資格がある。―――いいぜ。今回は黙って試されてやるよ、魔王様」

 

 苦笑と共に吐き捨てるような物言いをした十六夜を、白夜叉は堪えきれず高らかと笑い飛ばした。

 

 プライドの高い十六夜にしては最大限の譲歩なのだろうが、『試されてやる』とは随分可愛らしい意地の張り方があったものだと、白夜叉は腹を抱えて哄笑を上げた。

 

 一頻り笑った白夜叉は笑いをかみ殺して他の二人にも問う。

 

「く、くく……して、他の童達も同じか?」

 

「……ええ。私も、試されてあげてもいいわ」

 

「右に同じ」

 

 苦虫を噛み潰したような表情で返事をする二人。

 

 黒ウサギが顔を青くして騒ぎ出す。

 

「も、もう! お互いにもう少し相手を選んでください!」

 

「いいじゃねえか。大事になる前に止めたんだし。ほら、今回は空気呼んで止めただろ」

 

 十六夜はそう言うが黒ウサギの言いたいことはそうではないと思うぞ?

 

「黙らっしゃい! そもそも、“階層支配者”に喧嘩を売る新人と、新人に売られた喧嘩を買う“階層支配者なんて、冗談にしても寒すぎます! それに白夜叉様が魔王だったのは、もう何千年も前の話じゃないですか!!」

 

「何? じゃあ元・魔王様ってことか?」

 

「はてさて、どうだったかな?」

 

「ふふふ」

 

 なんとも愉快な会話につい笑い声をもらしてしまう。それを見た白夜叉が聞いてくる。

 

「それで、お主はどうする?」

 

「はっきり言って貴様の遊戯に興味はない。我が求めるのは強き猛者との戦い」

 

「ならば決闘を挑んでみるか? その後の生死は保証できんがな」

 

「し、白夜叉様!?」

 

 何を驚いている黒ウサギ。命懸けの戦いなど我からしてみれば普通だぞ?

 

「よかろう。貴様の実力がどのようなものか知るのもいいだろう。我は貴様の決闘を選ぶとしよう。せいぜい我が楽しむことも無く終わるなよ?」

 

 思いっきり挑発を込めて言う。白夜叉は一見なんともないように見れるが、僅かに青筋を浮かべている。隣であわわとあたふたしている黒ウサギは殴って黙らせる。

 

「では、我の前に十六夜達の試練を終わらせようか?」

 

 我のその言葉と同時に、鳥のような獣の鳴き声が辺りに響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔王軍に参加させるキャラ

  • ベムラー(ULTRAMAN)
  • ギルドナ(アナザーエデン)
  • ゴクウブラック(ドラゴンボール超)
  • 魔勇者アンルシア(ドラゴンクエストX)
  • ブラックマジシャンガール(遊戯王)
  • 魔人ブウ御飯吸収(ドラゴンボール)
  • サイラス(アナザーエデン)
  • ダークザギ(ウルトラマン)
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