四宮天羽の喜劇観賞 作:緋色
四宮成らば
・人に頼るな、成らば使え
・人から貰うな、成らば奪え
・人を愛すな、成らばは無い
これ定めた先祖どんな理不尽な目にあったのだろうか。
人に頼り、貰い、愛したことで起こる不幸とは?
……結婚詐欺?
くだらない思考実験をしながらも顔繋ぎ以上の意味はないパーティで、杓子定規な定型文を繰り返しては顔と役職と反応を頭に刻み込む無駄な時間。
「これはこれは黄光様、お父様によろしくお伝えください」あからさまに媚びる大人
「○○商事の××です。以後お見知りおきを」淡々と挨拶を交わして去る大人。
仲良くなれと子を唆す親に、気を許すなと教育している親。
十人十色でそんなものを観察して報告しろと、親の都合に使われる立場は四宮の家訓と矛盾していて少し笑えた。
「初めまして。四宮天羽です。名前を聞かせて貰っても?」
「初めまして。私は四条眞妃」
「あなたが四宮天羽?……聞いていたより普通ね」
その日その時、初めて世界に色が付いた。そんな錯覚が分岐点だったのだろう。
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「…恋愛映画?」
「ええ、天羽兄さんは顔が広いので何かお勧めはないかと思いまして」
「男か?ならz「いえ、友人と話していて恋愛映画が興味深いという話になりまして」
「お前の友人というと藤原の次女か。ふむ。なら『ラブ・リフレイン』なんてどうだ?純愛の話で中々面白かったぞ?この映画を見た男女は結ばれるとかいうジンクスがあるらしくカップル連れも多かったが、女子通しで見に来てるのも結構多かったな」
「そうですか。天羽兄さん紅茶はいかがです?」
「飲む」
男女は結ばれるとかいうジンクスの所でこれは使えるという顔をした。わかりやすいことである。いちいち言うのも野暮なので言わないが。
四宮かぐやは四宮天羽が、かぐやが自ら紅茶を入れ、恭しく頭を下げ、教えを乞う姿勢を見せるというのは他者を支配することを好む天羽に受けが良いのを知っている。
そんなかぐやは(紅茶一つで口も財布も緩くなる。嫡男としての傲慢だが私には好都合)と考えており、天羽は(普通に頼めばいいのにおねだり下手だな…)と考えている。
「なんなら二人分チケット融通して貰おうか?あの出来なら次回作に投資してもいいしな」
「(チョロイ)ありがとうございます。天羽兄さん」
見るからに上機嫌になった同学年の叔母を見ながら、生徒会長と見に行くのかなと察しはつきつつも、恋愛映画は男女で見に行くには期待値や内容解釈の点で地雷だと教えるべきか思考を割くが、あの浮かれっぷりと藤原の次女のカオスから遠回しな策略は失敗するであろうと紅茶と共に流しておく。
「ん。うまい」
続かない?