四宮天羽の喜劇観賞   作:緋色

6 / 6
四宮天羽と交流会

『初めまして四宮天羽と申します。今回は楽しんでいって下さいね』

『四宮様でしたか私はフランス校2年の―』

 

 フランス校との交流会。

 日本に興味のある仏校の生徒と仏語を学んでいる有志生徒との交流会である。

 

 フランスを動かす旧貴族の家系も多く顔を繋いでおくに越したことはないだろう。こういう所で顔を知っておくのは後々役に立つ。と思いたい。

 やはり普段使わない分、鼻母音(鼻腔の共鳴を伴って発せられる母音)が綺麗にできていない気がする。微妙に片言な日本語のように聞こえてたらどうしようか?気にしすぎかもしれないが。

 

「で、何コソコソやってるの?」

「「天羽」さん」様」!?」

 

 妃ちゃんと巨瀬ちゃんが覗いていたので話しかけた。

 マスメディア部は交流会の取材をしている以上害はないと思うが、コソコソしていた以上一応確認の為だ。

 

「マスメディア部の取材か?お前ら仏語話せるの?」

「話せませんが、仏語を話す会長やかぐや様を拝むチャンスでしたので」

「欲望に忠実だな。仏語わからないなら意味なくない?」

 

「言語の壁はありますが表情に壁はありません!表情から会話を読み取るんですわ」

「そんな事出来たら言葉いらなくない?」

 

 社交界だとポーカーフェイスや笑顔の仮面等顔芸に長けていないときついと思うが……、面白そうだし黙っておくか。

 

「例えば会長に声かけた女性!」

 

『◇◆□■◇◆□■◇◆□■◇◆□■◇◆□■◇◆□■《かれん意訳:運命の赤い糸に導かれて今日私は日本に来たんだわ》』←親と恋人を同時に恥辱する挑発

 

 うわー。品がねえ。

 あれは確かフランス校の生徒会副会長だったか?

 出会い頭に何やってんだ。

 

『◆□■◇◆□■◇◆◆□■◇□■◆□■◇?《かれん意訳:運命の人!私のサムライ!この愛はフジヤマより高く天へと昇るわ!》』←40代男性が泣き崩れるレベルの人格否定

 

 事実と意訳の乖離が激しくてちょっと笑えてきた。

 

『Haha!Exactement(それな)!』

「そこで会長!悪いが四宮以外の女に興味ねーぜという表情!」

「違うと思うの私だけ!?」

「安心しろ実際違うし」

「では何と言ってるんです?」

「口にしたくねーから拒否する」

 

 庶民会長は仏語わかってないから適当に合わせてるなあれ。かぐやが通訳するだろうと放置してたのは失敗だったか?

 というかかぐやどこいるんだ?

 会場を見渡すと穏やかにキレてるかぐやと庶民会長の方を伺いながら驚愕していると思われる校長がいた。あれ嗾けたの校長っぽいな。交流会を何だと思ってるんだろうか。

 

『◇◆□■◇◆◆□■◇□◆□■◇■◇◆□◆□■◇■◇◆□■』←白銀への強烈な侮辱

 

 トンッ――

 

 明らかにキレた表情のかぐやがフランス校の副会長の肩に手を置いた。

 あ、アレはちょっとやばいかもしれんな。

 

「きゃー神展開!正妻登場!!」

「かぐや様ー!!」

「盛り上がっている所悪いが騒ぎすぎ、この二人の説教任せても?部長さん」

「こちらの不手際ですのでしっかり絞っておきますね四宮さん」

 

 助けを求めている二人を無視してやらかしそうなかぐやの元へと

 

『◆□■◇◇◆◆□■◇□◆□◇◆◆□■◇□◆□◆◆□■◇□◆□◇◆□■◇◆◆◇◆◆□■◇□◆□□■◇□◆□■◇◆□■◇■◇◆◆□■◇□◆□◇◆□■◇◇◆◆□■◇□◆□◆□■◇』←出版コードに引っかかるレベルの脅迫

 

 ……遅かったか

 

『かぐや』

「あ、天羽兄様」

『後で説教な』

「……はい」

「四宮……?」

「か……会長!?違うんですさっきのは――」

 

 周りはどこまで聞こえてたのかわからんが近くの生徒は幸い聞かなかったことにしているようなのでフォローは諦める。先に仕掛けたのは明らかにフランス校だしな。後が面倒なことになる前にあっちの女生徒さえ押さえとけば問題ないだろう。

 

「ワタシ虎ノ尾踏ンジャッタヨ……コロサレル」

「ゴメンヨ……ダ……大丈夫」

「やはり校長の仕業でしたか」

「オー!?天羽君!?」

「ヒィッ!?」

 

 そんな怖がらなくても……。

 それはそれとしてとりあえず

 

『先ほどはかぐやが失礼しました。私はかぐやの甥にあたる四宮天羽というものです。美しい御嬢さんとの出会いがこういう形で残念です』

『フランス校で生徒会副会長をしています。ベルトワーズ・ベツィーです。その……ユルシt』

『美しい名前ですね。綺麗な薔薇には棘があると言いますが、棘の多い薔薇は剪定されるものです。薔薇にはきれいな水でより美しくなると思っていますので。――それではよい旅を』

 

「校長」

「ナンデショウ?」

「試すなとは言いませんが交流会なんですからもうちょい気を使って下さい」

「身に滲みました」

「ならいいんですが」

 

 さて、交流会が終わるまでまだ時間があるし、もう少しだけがんばるか……。




かぐや「ごめんなさい」
天羽「向こうが吹っ掛けたものとはいえ何やってんだ」
かぐや「しかし会長を侮辱されて――」
天羽「怒るのはわかる。だが、場を弁えずにあのような下品な発言をするんじゃない」
かぐや「……はい」
天羽「脅すにしても公衆の面前ではなく場を改めるか他に気づかれないようにだな」
かぐや「それはわかってますけど――」

早坂(脅迫自体はいいのか……)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。