ホワイトルーム出身の山内による綾小路清隆観察日記 作:チームメイト
アホキャラを押し出しまくって、ポイントを使いまくった結果。すっからかんになった。
綾小路にミルクティーを奢らせるという小さな優越感と引き換えに、貧乏生活がスタートだ。
まさか、毎月10万ポイントを貰えるというのが嘘だったとは、すっかり騙されちまったぜ。
騙されてしまったものは仕方ない。この環境を観察生活に利用するまでだ。
「なあ、ゲーム機買ってくれよ、2万でいいからよ」
「断る」
綾小路にゲームを持たせて、あとで買いなおして一緒にプレイする作戦は失敗した。
こいつ、本当にコミュニケーション能力がねえな。
嫌だとしても、もうちょっとオブラートに包めよ。
友達が居ないのも納得だ。
堀北とぼっち仲間でささやかなやりとりしかできないわけだぜ。
たまに池がコミュ力の高さを発揮して、つるんだりするが面白味の欠片もなかったりするもんな。
観察する分には一緒に行動する機会が増えるのは良いことだが、楽しくないのはどうしようもねえな。観察でこっちが緊張しているせいかもしれないけどな。
「博士ー、ゲーム機買ってくれよ、2万5千ポイントでいいからよー」
作戦を切り替えて、博士に話を持ち掛ける。
これはただのブラフだ。
綾小路よりも高い金額で売ろうとしたのは断られるためだ。
ほとんど観察することがないので、報告もおざなりだが報告するためにはゲーム機が必要だからな。
綾小路に持たせるためなら一時的に手放せてもそれ以外では手放す理由は無い。
いや、ポイントには困ってるけど、困ってるだけに余計にな。
綾小路が買ったら、当面は報告時だけ借りるなりするつもりだったが、所持しているに越したことはないからな。
じゃあ、持ち掛けるなよって話だが、これはただのアピールでしかない。
初日から気づいていたが、教室内は学校側によって監視されている。
俺は監視されていることを前提にゲームを売ろうとしている。
俺にとってゲームは娯楽であって、ポイントと引き換えれるなら返品したい程度のものであって、絶対に必要なものではないんですよ、と学園側に伝えるためだ。
ゲーム機=報告用の必需品というのは隠したいので、効果はあるかは分からないが、やっておいた方が良いと判断した。
こういうのきっと大事。
俺がポイントに困った話はこんなもんでいいか。
本題の綾小路の観察の結果だ。
「こいつってひょっとしてバカなんじゃねえの?」
オブラートに包まずに言うとこう表現するしかない。
綾小路のミニテストの点数は50点だった。
観察中に手に入れた堀北と綾小路の話が本当なら、綾小路は入試も全て50点を取っていたらしい。
どうやら目立つのを避けて一般人らしく振舞おうとしてのことらしいが、逆に目立つだろうが。
思わずツッコミの声を漏らしかけて、勘づかれるところだったぜ。
まさか、そういう作戦じゃねえよな。
余談になるが、入試もミニテストもテスト用紙には配点は載っていなかった。
配点の不明なテストで全教科50点というのが何を意味するのか。
綾小路は、全体の難易度から各問の配点を推測してピッタリ当てたってことだ。
「ホワイトルームの最高傑作の能力の無駄遣い過ぎるだろうがよーーーーー」
テストとの向き合い方が間違っている。
綾小路にとっては、正解して当然だから点数調整してみましたって、50点じゃなかったらお姉ちゃんにお年玉取られて怒られるどっかの魔王じゃねえんだからさ。
嶺上開花清隆にでも改名しやがれ。
俺もデッドラインギリギリを狙って点数を出しているが、俺のカラクリは簡単だ。
池に続いて友達になった須藤っていう脳筋の解けそうな問題を正解し、それにプラスアルファでちょっとだけ稼いだだけだ。
簡単に言えば、勉強最下位の須藤をデッドラインに見立てたってわけだ。
須藤よりも上の点数なら問題ないと思っていたが、ミニテストの結果で俺までデッドラインより下だったのは想定外だったけどな。
須藤が勉強できなさ過ぎたせいだな。もうちょい頑張れ。
本日の報告(表)
対象はテスト内容の正確な分析を元に狙った点数を1点も違わず取っているようだ。高い知性を静かに発揮している。
本日の報告(裏)
頭が良いはずなのに、全教科50点とって逆に目立ってた。綾小路って実はバカじゃねえの?