ホワイトルーム出身の山内による綾小路清隆観察日記   作:チームメイト

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真実の姿は

 船上試験の本題。

 

 試験をほぼ放棄して三バカは遊びまくっているが、他の生徒も全員が遊んでいるわけがない。

 

 優待者以外は気楽でいいのに、博士から聞いた話だと幸村とかはどうにか優待者を当てようと頭を唸らせているらしい。

 俺が幸村なら何もしないね。つーか、化け物と同じグループならその時点でするだけ無駄ってもんよ。遊ぶ合間合間に見る限りでは、綾小路がこそこそ動いてるっぽいし今回もDクラスが勝つパターンに入ったのかもな。

 

 相変わらずボッチなことも多いけど、堀北と一緒なことが増えた気がする。

 影に徹して堀北を前面に押し出す形を取ってるからその都合上か。

 須藤には悪いが、なんかお似合いなんだよな、この2人。ボッチ同士でさ。

 

 綾小路の場合は、ボッチっていっても堀北以外にも、一之瀬と一緒にいたり佐倉と一緒にいたりと、ボッチでいるのか女といるかの二択なんだから、観察するのも嫌になってくる。

 おかしい。なぜあんな化け物がモテてやがる。

 

 一之瀬も佐倉に負けず劣らずのおっぱいの持ち主だし、もしかしたら綾小路って巨乳好きなんじゃないか。

 うん、これは信憑性のある情報じゃん。仲の良い女子の3人中2人が巨乳なら間違いないっしょ。

 

 対象は巨乳が好きだと思われる。ダメだ、こんな報告をあげたら怒られる。

 

 

 

 

   ◇◇◇

 

 

 

「どこに向かってんだ?」

 

 うな重を食べすぎて遊ぶ気になれず、池たちと別れて適当に観察でもしておこうと思いきや、綾小路が怪しい動きを見せ始めた。

 携帯端末で盛んに連絡を取りながら、遊ぶ施設などのない場所へと向かっていく。

 見失わない程度に距離を置いてその後を追った。

 

 うぷっ身体が重い。こんなことならお代わりしなけりゃよかったぜ。

 

 

 あっちは立ち入り禁止のエリアじゃん。

 

 人込みに紛れることが出来ない場所で不用意に近づくのを避けて、エリアへの出入りが確認できる場所に隠れて陣取った。

 

 何が起きているのかは知りようがないが、誰と合っているのかはこれで分かるはずだ。

 

 綾小路に続いて、軽井沢がエリアへと入ってきて、少し遅れてCクラスの女子生徒4人が入って行った。

 

 これは一体なんだ。

 

 中に入るべきか。

 

 いや、この奥がどうなっているのかは確認していない。

 身を隠せる場所があるならいいが、そうでないならアウトだ。山内がこんな場所に足を運ぶ理由がない。

 

「お、綾小路じゃん。綾小路もかくれんぼしようぜ」

 

 で、押し通せそうな気がするが、かくれんぼの相手が居ないのは怪しまれかねないか。

 相手が居ないことを確認されたらアウトだな。

 

 ここは大人しく待つことにしよう。

 

 おっと、カップルが来た。

 

「ええー!? す、すみません、立ち入り禁止って気づかなかったんすよー。減点は勘弁してください、すぐ出て行きますからーっとと、あっち入っちゃダメみたいで、怒られるから引き返した方がいいっすよ」

 

 奥に踏み込んで怒られてきましたって感じで出て行って、カップルを追い返す。

 ったく、余計な手間をかけさせやがって。なんで俺が尻拭いをしなければならねえんだよ。

 

 

 

 

   ◇◇◇

 

 

 

 

「…………」

 

 しばらく待っていると、最初にCクラスの生徒がきゃぴきゃぴと笑いながら出てきた。

 よほど楽しいことがあったらしくえらくご機嫌じゃん。

 

 時間差で立ち入り禁止区域に入って行き、男女が籠ってやる楽しいこと。

 しかも、一緒に出てくればいいのに、わざわざ見られることを警戒してか、時間差で出てきている。

 

 あいつ、まさか性に目覚めやがったのか。

 

 待て待て。軽井沢は平田の彼女じゃねえか。

 百歩譲って6Pの可能性はあるにしても、いきなり寝取りはないだろ。

 

 ホワイトルームの王様にしてもはっちゃけすぎだ。

 

 ダメだ、いっちょんわからん。残りも出てくるのを待とう。

 

 

「…………」

 

 Cクラスの生徒が出て行ってから追加で待つこと15分。

 

 2人が奥から出てきた。

 綾小路は普段通りだが、軽井沢は無人島で下着を盗まれた時に見せたような弱り方をしている。

 やったとかそういう空気じゃねえな。つーか、軽井沢と綾小路の距離が近くね?

 ほとんど腕同士が触れ合う距離じゃん。

 これは信用している人しか許されないパーソナルスペースだぞ。

 平田と軽井沢なら分かるが、軽井沢と綾小路って何があったんだ。

 

 二人が立ち去ってから更に時間を置いて、無人となった禁止エリア内へと入って行った。

 

 いくつかあった部屋の全てを見て回ったが、特に痕跡らしきものはないか。

 

「電波は入りにくいっつーのが分かったのが収穫だな」

 

 禁止エリア内でも隠れられるスペースは十分あった。

 

 なるへそなるへそ。

 情報を元に可能性を考えたら答えは絞れるか。

 

「あいつ……やりやがったなぁ」

 

 別に、性的な意味じゃないぞ。

 

 軽井沢に弱るようなことが起きて、綾小路に助けられた。

 これならあの距離も自然だ。

 

 弱るようなことが何かって言えば、楽しそうに出てきたCクラスの生徒達が原因だろう。

 いじめか断罪か。詳細は分からないが、Cクラスの生徒が軽井沢の上に立つような出来事があったはずだ。

 

 そして楽しそうに出てきたと言うことは、Cクラスの生徒は綾小路と接触していない可能性が高い。もし綾小路が直接Cクラスから助けていたら、出てくるCクラスの生徒は気まずい色が見えていたはずだ。

 そんな色は欠片も無かった。勝者の凱旋だった。

 

 だとしたら軽井沢とCクラスが接触中に綾小路はその場に居なかった可能性が高いっしょ。

 その場に居たのなら、直接助けなかった綾小路も同罪で軽井沢からしたら敵だろうからな。

 

 で、禁止エリアには隠れるスペースはあると。

 

 よし、導き出した答えを簡単にまとめるか。

 

 綾小路が裏で手を引いて隠れたままそれぞれを呼び出して、Cクラスの生徒に軽井沢を引き合わせて襲わせ、弱った軽井沢が1人取り残されたところでタイミングを見計らって、隠れていた場所から出てきて励ますなりした、と。

 

「完全にマッチポンプじゃねえか」

 

 どこのジゴロだ。

 完全に悪役じゃねえか。

 

 これはあれか。ホワイトルーム時代の人をゴミとしか思っていない綾小路復活か。

 この想像があっているとしたら怖すぎるわ。

 

 要チェック対象に軽井沢を追加するしかない。

 2人の距離がどうなっているかで想像があっていたのかどうか分かるだろう。

 

 豪華客船で浮かれていたら最後の最後でどえらい衝撃が飛び込んできたぜ。

 綾小路復活なら、これからどうなっていくんだろうな。

 

 

 今日の報告(表)

 相変わらず女子生徒ばかりだが、交流をもちながら特別試験へと挑んでいた。対象のグループは試験結果もしっかり出してクラスへと貢献していた。

 

 今日の報告(裏)

 今回が転換期とかになるんじゃねえよな。綾小路は巨乳好きかもしれねえーーとか言わせてくれよ。前半はそういう流れだっただろうがよ。

 お前、本当にそれでいいのかよ、綾小路。

 

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