そのため、読み飛ばしていただいても結構です。
また、コメディ風味の会話劇という体をとっておりますので、本編の雰囲気や流れを損なう恐れがあることをご了承ください。
ナンドー
「さて、今回で特別編の機体解説も最後だ。最後の機体はジーカスタム・パラベラム。諸事情あって、かなり出番が後回しにされていた機体だな」
アラン
「宇宙世紀においては異端の武器を使うモビルスーツだからな。ここぞという場面で種明かしをして、大立ち回りを見せたかったんだろう。一応、元になった機体はジム改なんだが……」
ナンドー
「いやいや、待て。平然と解説を始めちまってるが、今回もお前さんがやるのかい?」
アラン
「……そうだが?」
ナンドー
「いや、まぁお前さんがそれでいいなら、いいんだが……。じゃあ、気を取り直して解説を続けてくれ」
アラン
「もちろんだ。ジーカスタム・パラベラムは、ジム改をベースとした近接戦闘特化の機体だ。
アラン
「頭頂高は18メートル。本体重量は……、36トンだって? ジム改から5トンも軽量化されているぞ。何かの間違いなんじゃないか」
ナンドー
「あの喧嘩坊主の要求に応えるのは、骨が折れたぜ。なにせ、フレームから装甲に至るまで極限まで無駄や余裕を取っ払え、なんて言いやがるからよ。途中からはもう殆ど
アラン
「あぁ、一目見た瞬間に俺もゾッとしたよ。腰部や肩部の装甲は全て取り払われているし、背中にはよく分からない白兵戦用武装が積まれているし……。俺にはこんな機体を作ることはできないな」
ナンドー
「邪道も邪道、軍のモビルスーツとはまるで別物だわな。ただ、ジャンの坊主が乗る機体としてはこれ以上ないモンかもしれん」
ナンドー
「姿勢制御用のバーニアやスラスターは増やして、武装は最小限。軍のビームサーベルと同様に、敵の機体を装甲ごとぶった切れるヒートブレード……。持久戦も射撃戦も出来はしないが、白兵戦だけなら軍の機体とも渡り合える機体だ。まさに一点特化、弾丸みたいに敵へ向かって突っ込んで、一撃のうちに
アラン
「このヒートブレードという武装は、おやっさんのアイデアなのか?」
ナンドー
「いいや、ジャンのアイデアだ。妹の結婚式で行った日本の、
アラン
「だが、モビルスーツはあくまで
ナンドー
「そこよ、オイラがたまげたのは。このヒートブレードは、確かに切れ味こそビームサーベルと張り合える代物だが、人の乗り込むロボットが使えるモンじゃない。まず赤熱した刃の部分を使って、しっかりと相手を捉えて斬り込む操縦技術がいる。下手に振り回せばその長さからくる取り回しの悪さから隙だらけになるし、正面から相手の攻撃を受けようモンならヒートブレードの方がポッキリと折れちまう」
ナンドー
「だが、それをジャンの坊主は二度三度の試し乗りで使いこなしやがった。日本で見たサムライの動きを真似したと言ってたが、普通は人間の動きをロボットで再現しようとはしねぇだろうよ……」
アラン
「そこがジャンの凄いところだ。アイツは俺と違って、
ナンドー
「とんでもない理屈だな……。一度火がつけば弾丸のように一直線、後先考えずに突っ込んでいってぶった斬る機体。だからパラベラムなのかね。そんな機体なのに、使っているのはカタナってのが面白いところだな」
アラン
「俺は絶対に乗れない機体だな。……これで、機体解説は全て終わりか」
ナンドー
「物語の方も佳境だ。ここまで来たら退くも何もねぇや。やれるだけやってきな、アランよ」
アラン
「……あぁ、やれるだけやってみるさ」