ダンジョンで雷神に拾われたのは間違いだったのだろうか?   作:やたからす

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第3話

 西地区は一般市民が多く住まう住居や酒場・宿屋が多数存在するオラリオの西部。その端で周囲一帯とは比べ物にならない広大な敷地面積を有する荘厳な宮殿が建っている。

 一流の職人によって手抜かずの装飾が施された外壁からは幻想的な雰囲気すらも感じられる。

 中央の一段高い場所で雷と槌のエンブレムが刻まれた旗が揺れる。この建造物こそが【トール・ファミリア】の拠点(ホーム)稲妻の宮殿(ビルスキルニル)

 

「帰ったよー、トール」

 

 ソルを先頭にしてぞろぞろと団員たちが建物内へと足を踏み入れる。ドタバタと言う騒がしい音と共に、彼女が姿を現した

 

「帰ったかソル!それにみんなも」

「うん。ただいま」

「お帰り。全員無事で何よりだ」

 

 笑い声を上げるトールにソルをはじめとした全員が苦笑を浮かべる。

 普段は自由気ままな主神も、自分達のことを気にかけてくれているのだと、【トール・ファミリア】の面々は知っているのだ。

 

「せっかくだ!今日は全員で盛大に飲んで食うぞー!!」

「「「おぉー!!!」

 

 トールの突き上げた拳に全員が呼応する。ソルはそんな光景を見つめて嬉しそうに目を細める

 

 

————

 

「やっぱりお前が来たな、ソル」

 

 食事の前にシャワーや装備の片付けにと全員が散っていたあと、ソルは一人、トールの部屋を訪れていた

 

「早速で悪いけど能力値(ステイタス)更新、頼んでいい?」

「構わないさ。ほら、上着抜いて背中見せろ」

 

 ソルはトールへ背中を向ける。

 

「うんうん。細身であるが、ちゃんと鍛えられてるな」

「ん?何を見てんのさ」

「いやだって、我が子の成長はちゃんと確認すべきだろ」

 

 トールは雷神であり戦神でもある。だからというわけではないだろうが、こうして団員の身体を見ては評価をつける事も稀にある。

 

「それはいいから、早く更新」

「分かってる分かってる。そんな急かすなよ」

 

 トールの神血(イコル)によって、ソルに刻まれた神聖文字(ヒエログリフ)が晒されていく。

 

ソル

Lv.6

力 : S 991

耐久 : S 989

器用 : S 977

俊敏 : S 999

魔力 : S 977

耐異常 : E

狩人 : E

魔防 : F

精癒 : G

魔導 : G

《魔法》

【ドルクス・ハウル】

・雷属性

・超短文詠唱

【ディエス・カリバーン】

・雷属性

・広域殲滅魔法

《スキル》

雷将闘士(グローム・ファイター)

・『力』と『俊敏』のアビリティに高補正

戦神招王(ヴィルクス・トール)

・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。

・戦闘続行条件は能力に比例。

・戦闘続行時、発展アビリティ『破砕』の一時発現

・戦闘続行時、発展アビリティ『剛身』の一時発現

 

 

「前よりもそこそこ上がってるぞ。けど、ステイタスはそろそろ打ち止めかもな」

「最後にランクアップしたのも一年半、いや二年は前だったし、そんなもんだろ」

 

 服を着直しながら更新されたばかりのステイタスを確認する。経験値(エクセリア)が足りていながためにランクアップとはならないが、確実に成長はしていた。

 

「まっ、あんま焦んなよ、ソル」

「?別に焦ってないけど」

「いやいや、どうせお前の事だから『早く最強のファミリアに』とか思ってるんじゃないのか?」

「うっ……」

 

 図星だった。トールと出会った日から抱いたソルの野望。それが自分の家族(仲間)達と一緒にこの【トール・ファミリア】を最強へと押し上げることだ。

 

「気楽にいけよ。お前ならまだまだ強くなれる。なんたって、ソルは神界最強の私が選んだ英雄なんだからな!」

「ははっ、確かにね」

 

 トールとソルは互いに笑い合った。

 

 

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