コピーしたKOS-MOSに憑依して戦う魔神の戦闘記録   作:真っ黒鉛筆

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アーマードコア ネクサス編
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 私、コピー魔神。

 特技はいろんな物をコピー出来るってことかな。

 形ある物から概念的な物までなんでもコピーしちゃうよ。

 

 ……でも、最近はこのコピー能力を使う機会もめっきり減っちゃった。

 私に歯向かう元気な勇者や英雄が絶滅したのが原因だけど。

 これじゃ力を使う機会もなくてストレスが溜まる一方ですよ。

 

 そこで最近の流行、アニメやゲームの世界に行こうぜって企画!

 これに乗っかって異世界で思いっきり遊んでストレスを発散しようってわけ。

 私のコピー能力を存分に活用出来る気がするし悪い話じゃないよこれは。

 

 そうと決まればさっそく異世界に行くぞーって思ったら注意事項有り。

 

 企画者の神曰く「異世界で遊ぶには依代を用意しろ」とのこと。

 この依代がなかったら神としての力が徐々に減って最後は存在が消滅するらしい。

 流石に消滅はノーサンキューなので遊ぶ前に準備しよう。

 

 さて私の依代は何にしようかな。

 正直、私はなんでも完全コピー出来るから依代を用意するのは簡単だ。

 でも私は高位の神なもんで、選ぶ器も考えないとちゃんと収まらないのよね。

 

 そんなわけで友達の邪神ちゃんに選んでもらった。

 

 邪神ちゃんオススメはゼノサーガのキャラクターであるKOS-MOS Ver.4。

 なんか邪神ちゃんの感性にビビッと反応する何かがあるらしい。

 まあ、邪神ちゃんの感性はどうでもいいけど、センスは悪くないわ。

 私を受け止めることが出来る依代だし、何より美人さんだ。

 

 よし、私はKOS-MOSで異世界へ旅立つことにする!

 

 というわけでゼノサーガ世界からKOS-MOS Ver.4をコピーしようっと。

 

 私の力は見ることさえ出来れば発動するのでゼノサーガ世界の外側から遠目にKOS-MOSを覗いてばっちりコピー完了。

 

 で、コピーしてきたKOS-MOSだけど……ちょっと問題発生。

 私のコピーが完璧すぎて人格とか中に入ってるナニカとかもコピーしちゃった。

 

 このままじゃKOS-MOSに憑依出来ない。

 KOS-MOSという器に収まってる自我とかを取り除く必要があるね。

 

 なのでKOS-MOSに「お前の身体が欲しい」って提案した。

 私としては穏便に済ませようと努力したと思う。

 でもKOS-MOSは「あなたの提案には従えません」ときっぱり拒否。

 

 話し合いで解決出来なかったら殴り合うしかないじゃない。

 ってことでKOS-MOSを手に入れるために戦うことになったよ。

 

 KOS-MOSってゼノサーガ世界じゃ主要人物らしいし、まあ強かった。

 何気に数時間の激闘だったことをここに宣言しておく。

 理不尽の権化と呼ばれている私にダメージを与えたのは誇っていいよ。

 

 KOS-MOSは最後まで抵抗したけど……相手が悪かったね。

 オリジナルのKOS-MOSは元気にやってるから許して?

 

 よし、これでKOS-MOSの無力化は出来た。

 あとは邪神ちゃんの忘却魔法でKOS-MOSに全て忘れてもらうだけだね。

 

 KOS-MOSの初期化は数時間も必要だった。

 邪神ちゃん曰くKOS-MOSはかなり強い自我を持ってたらしい。

 空っぽになるその時まで仲間のところに帰るんだって足掻いてた。

 

 初期化が完了したらKOS-MOSは動かなくなった。

 これで空っぽのKOS-MOSが出来上がりかな。

 さて、この中に憑依して、と。

 

 ……うん、なかなか良い感じだわこれ。

 身体によく馴染むって感じ。

 

 依代に憑依する欠点として、自分のオリジナル能力以外は使えなくなるのが痛いかな。

 私ってコピー能力で自分の能力を増やしてきたからね。

 素の自分が持ってるオリジナル能力って実はコピー能力以外無かったりする。

 これじゃ異世界に行ったらコピー能力以外は使い物にならない。

 

 でもまあ、なんとかなるさ。

 私のコピー能力でKOS-MOSにどんどん能力を与えればいいだけだし。

 どうにもならなかったら依代捨てて天界に帰ればいいもんね。

 

 よし……そんじゃいくか異世界!

 私の異世界ライフはこれからだ!

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

 ランダム転送でやってきました異世界。

 私がやってきたのはアーマードコア世界っていうところらしい。

 

 アーマードコアっていうと何作品も発売されてるゲームだよね。

 確かロボット同士でどったんばったん戦うって内容だったはず。

 私、アーマードコアはそこまで詳しくないんだよなぁ。

 最初に訪れた世界で原作知識が無いのは心細い……いや、違うか。

 こういう時は初見だからワクワク出来るって考えよう。

 私はポジティブ思考な神だからね。

 うん、そういうことにしておこう。

 

 よし、考えるのはここまで!

 今は現状の把握をしよう。

 

 ここは見た感じ峡谷の底ですね。

 こんなところじゃ何も分かんないから早く移動しよう。

 とりあえず人間にいる場所に移動するかな。

 

 で、歩き始めた矢先に遠くから戦闘音が聞こえた。

 KOS-MOSの集音機能はなかなか優秀みたいだね。

 

 KOS-MOSの身体に慣れていない状態で戦闘するのはちょっとだけ怖い。

 ほんとにちょっとだけね。

 別にビビってるわけじゃないよ。

 

 ここは様子見しておこう。

 崖の上から戦闘を観察しようっと。

 

 そんなわけでKOS-MOSの運動機能をフルに使って移動。

 崖の上から戦闘の行われている場所まで行く。

 

 お、見えてきましたよ。

 

 どうやら戦闘はMT対ACによる戦いらしい。

 

 MTはマッスル・トレーサーの略で、ACはアーマード・コアの略だったかな。

 基本的にMTは量産品でACはカスタム出来る高級品って感じ。

 

 MTは逆脚でキャノンとミサイルを装備した青いやつが4機。

 ACは当然1機……と思わせておいて隠れてるのがいるな。

 戦闘に参加しないのは何か理由があるのかも。

 まあ、私には関係無いけど。

 

 戦いは意外にもMT有利。

 というかACの動きがかなりぎこちない。

 MT4機からフルボッコにされてるじゃん……情けない。

 

 ACならMT相手に苦戦しないでほしい。

 ゲームじゃ主役だったんだし、この世界でも強い存在であってほしいわ。

 私も遊ぶなら強い相手と遊びたいからね。

 

 あーACがとうとう膝をついちゃった。

 もうあれは駄目ですわ。

 

『ブン! ヤグダダズメ!』

 

 おや、隠れてたACが参戦するみたい。

 ボコボコにやられてたACと違ってかなりの重武装。

 でも機動力は完全に死んでるね。

 火力でゴリ押すタイプなのかな?

 

『まだACがいるだと!?』

 

『くっ、ナービスめ。何が何でも調査の邪魔をするつもりか!』

 

 MT部隊の通信が聞こえてきた。

 どうやらもう1機ACがいたのは予想外だった模様。

 新手のACに気付いたMT部隊は攻撃を開始した。

 

 今度はACの方が優勢だわ。

 右手の大きなレーザーライフルをバシバシとMTに当ててる。

 MTの攻撃も当たってるけどACを倒せる感じはしないかな。

 次々にMTが爆散してる。

 

 1分もしない内にACが最後のMTを撃ち抜いた。

 MT部隊は奮戦したけど、相手が悪かったね。

 

 ACはMTを全滅させたらさっさと帰っていった。

 残ってるのはMT部隊にフルボッコされてたACだけ。

 

 これは良い機会かも。

 KOS-MOSの武装がどの程度通じるのか試せるじゃん。

 ……私の最初の獲物が三流レイヴンなのはちょっと思うところあるけど。

 

 よし、そうと決まればさっそく戦闘開始だ。

 

 崖の出っ張りからぴょんと飛び降りて華麗に着地。

 

 ボロボロのACはこっちを見て無反応。

 たぶんコックピット内のレイヴンはマヌケな表情しながら固まってる。

 

 私を前にそんな無防備でいいの?

 そんなんじゃ狩られるだけだよ。

 

「X・BUSTER発射」

 

 私の腹部から極太ビームが発射された。

 

 私が選んだ攻撃はKOS-MOSの内蔵武装であるX・BUSTER。

 収束モードとか拡散モードとかあるみたいだけど今回は収束モードで。

 

 ACはブースターを噴かせて回避しようとするが、見てから回避は無理でしょ。

 

 案の定、ACはビームに飲み込まれて消滅……いや、これ強すぎない?

 この腹ビームこんなに威力あるの?

 

 これなら他の武装を試した方が良かったかも。

 こんなんじゃ満足できないよ。

 

『level up!』

 

 おっと、突然の天の声。

 そういえばKOS-MOSにはステータスやレベルアップ機能があるんだった。

 私の殺したレイヴンは腐ってもレイヴン。

 経験値的にはおいしい相手だったってことなのかも。

 

 それじゃせっかくだしステータスを確認しておきますか。

 

 

 

 KOS-MOS Ver.4(コピー魔神) Lv2

 

 格闘111

 射撃120

 技量118

 防御97

 回避135

 命中140

 

 固有能力 【コピー能力】

 

 一般能力 無し

 

 

 

 まあ、最初はこんなもんだよね。

 KOS-MOSは邪神ちゃんの忘却魔法で初期化されちゃってるし。

 いっぱい成長出来ると思うことにしよう。

 

 よし、ここにもう用は無いし人間のいる所に行ってみようっと。

 歩き続ければその内人間の住む町に辿り着くでしょ。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

 KOS-MOSはアンドロイドだから睡眠や食事がいらないのは助かるわ。

 メンテナンスや補給に関しては神様パワーのおかげで不要だし。

 

 ……でも、そんなことをありがたいと思うような状況なのはちょっとなぁ。

 

 まさか何日も歩き続けることになるとは思ってなかった。

 もし人間の依代だったら今頃弱音吐いてるに違いない。

 KOS-MOSを選んでくれた邪神ちゃんありがとう。

 3日くらいは感謝しておくよ。

 

 ……しかし、ここってほんとに何も無いね。

 何度目か分からない夕日を見ることになっちゃったよ。

 あーまた夜になってしまうなぁ。

 野宿は必要無いけどずっと歩くだけってのも気が滅入るんだよね。

 

 まさかこのまま人間に出会うことは無いんじゃ……とか思ってたら建造物発見。

 なんだ、私の取り越し苦労だったか。

 

 見た感じ、軍事基地っぽいかな。

 最初に訪れる場所にしては物騒だけど、背に腹は代えられないんだよ。

 

 基地に近付いてみると入口に兵士が立ってた。

 よし、ここは道に迷った旅人を装って話をしてみようっと。

 

 私は友好的ですよアピールをしながら門の入口にいる兵士に近付いた。

 

「誰だ? ここはミラージュ社の所有地である。関係者以外の立ち入りは許可出来ない」

 

 笑顔で近付くと兵士はアサルトライフルを私に向けて威嚇した。

 相手の態度は高圧的で、これには私も笑顔が苦笑いになってしまう。

 

 ……いやいや、私が笑顔で友好的なんだってアピールしてるでしょうが。

 会話の余地すら無いってどういうことだよ。

 美人が話しかけているんだから男なら鼻の下を伸ばして優しく接しろ。

 

「妙な格好をしているな? こんな辺境で何をしていたんだ?」

 

 むむ、痛いところを突かれてしまったぞ。

 こんな何も無い場所で何してたって言われても困る。

 観光目的で来ましたって言い訳も通じないだろうし。

 どうしよう……厄介な事態になってしまった。

 

「……まさか他企業のスパイか?」

 

 スパイは堂々と敵地に乗り込んだりしないと思うんですけど。

 

 あーなんだか面倒になってきちゃったぞ。

 こうなったら逃げて誤魔化そうかなぁ。

 あ、でも逃げたら自分はスパイだって認めることになるのかな?

 むう、困ったぞこれは。

 

「おい、どうしたんだ?」

 

 門の詰め所から兵士が1人が出てきた。

 

「怪しい人物がいる。連行するから手伝ってくれ」

 

 2人の兵士が私に近付いてくる。

 このままじゃ捕まっちゃうし、やっぱり逃げるかな……ん、なんか聞こえる?

 

 これは……複数のヘリが近付いてるみたい。

 

 なんだか嫌な予感がするな。

 こんな日も暮れた時間に大量のヘリが飛んでくるなんて。

 ちょっと目の前の兵士に聞いてみようっと。

 

「複数のヘリが接近しています。それは友軍ですか?」

 

「なんだと? 何を言ってる?」

 

「ヘリだって? そう言われればヘリのローター音がするな」

 

 兵士の1人は困惑した表情をして、もう1人の兵士は耳を澄ませている。

 

 そうしてる間にヘリはどんどんここに近付いているんですけど……あ、警報鳴った。

 

「敵襲だと!?」

 

 兵士が空を見上げるのと、サーチライトに照らされたヘリからミサイルが発射されたのは同時だった。

 

 ヘリから一斉に放たれたミサイルは基地施設や警備していたMTを吹き飛ばしていく。

 

 ふむ……この状況は利用出来るね。

 基地の人間達に恩を売れるし、KOS-MOSの武装も試せる。

 一石二鳥ってやつですわ。

 

 そうと決まればさっそく行動だ。

 

 兵士2人の制止を振り切って基地内部に侵入。

 中央のビルの屋上にジャンプで飛び乗ったらいざ戦闘開始。

 

「G・SHOT」

 

 空間転送技術によってG・SHOT――3連装バルカン砲を転送して両手に持つ。

 そして狙いを定めてG・SHOTのトリガーを引く。

 

 けたたましい音と共に銃弾が発射されてヘリに襲いかかる。

 薄っぺらいヘリの装甲じゃKOS-MOSの攻撃は防げないらしい。

 次々にヘリは撃ち落とされていく。

 ちょっと無駄弾を撃ちすぎてる気がしなくもないけど、まだステータスも低いしこんなもんかな。

 

『あれはなんだ!? レイヴンか!?』

 

『ビルの屋上で戦っているのは……人間、なのか?』

 

『あれはレイヴンではない! 繰り返す、あれはレイヴンではない!』

 

『味方じゃないなら何で基地守ってるんだよ!?』

 

 傍受した通信を聞くと基地の防衛部隊は混乱してるみたい。

 そりゃそうだよね。

 ヘリに奇襲されたと思ったら私が勝手に迎撃してるんだもん。

 

『くそ! ミラージュがレイヴンを雇ってるなんて情報は無かったはずだぞ!?』

 

『屋上だ! 屋上の敵を狙え!』

 

 ヘリ同士の通信も傍受したけど、相手は私をレイヴンだと勘違いしてるね。

 

 まあ、訂正してやる義理も無い訳で勘違いしたまま死ぬがよい。

 

「R・CANNON」

 

 G・SHOTを異空間に収納して右腕を砲身に換装する。

 

 これはR・CANNONっていうビーム砲だよ。

 KOS-MOSの持つ武装の中では弱い部類に入るけどヘリ相手なら効くでしょ。

 

 R・CANNONから撃ち出されたビームの光がヘリに向かって伸びる。

 

 私の考え通り、当たればヘリじゃ耐えられないみたい。

 それが分かった私は残りのヘリもみんな撃ち落とすのだった。

 

『所属不明の人物に告ぐ。武装を解除してこちらの指示に従え。繰り返す、武装を解除してこちらの指示に従え』

 

 戦闘が終了すると基地の人間から通信が届いた。

 

 しかし、武装解除して指示に従えって……助けてあげたのに酷くない?

 私は恩を売ろうとしたんですけど作戦失敗ですかね?

 

「動くな! 両手を頭に付けて膝立ちになれ!」

 

 屋上に兵士達が雪崩れ込んできた。

 どう考えても友好的な感じはしない。

 全員、銃を私に向けてるし。

 

 うーん、どうしようかなぁ。

 

 私的にはここで破壊の限りを尽くしても全然OKだけど、それしちゃうとアーマードコア世界での今後の活動に支障が出るかもしれない。

 

 それはちょっと不味いかな。

 この世界で遊べなくなるのは勘弁してほしい。

 異世界に来たらしばらく時間が経過しないと別の異世界に行けないって話だし。

 

 ……よし、ここは撤退しよう!

 

 ビルから飛び降りてそのまま全力ダッシュで基地から脱出。

 あっという間に私は暗闇の中に溶け込んでいった。

 

 びっくりしたのは人間達が容赦なく撃ってきたことだよ。

 恩人に対してこの扱いは酷いわ。

 

 どうやらアーマードコア世界は思ったよりも殺伐としてるらしい。

 このまま一人旅を続けていたら命がいくつあっても足りませんよ。

 

 となるとどこかの組織に入った方がまだ安全なのかも。

 組織に縛られるのって人間に飼われるみたいでちょっと嫌だけど仕方ないね。

 

 ……でも、今の私を雇ってくれる組織があるかな?

 

 まあ、なんとかなるでしょきっと。

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