コピーしたKOS-MOSに憑依して戦う魔神の戦闘記録 作:真っ黒鉛筆
隣の街へ移動中に街の防衛部隊から通信がきた。
どうやら宇宙人が巨大生物を街にばら撒いてるらしい。
街の防衛部隊はヒイヒイ言いながら戦ってるそうだ。
私と兵士達は援軍として現場に急行。
到着したらすぐに戦闘態勢になって巨大生物にレッツ突撃。
街に投下された巨大生物はベータ型っていう大きな蜘蛛だね。
あれは酸入りの糸を出すそうだからアルファ型と同じで危険ですな。
まあ、私は歪曲フィールドと自己修復装甲を手に入れたからね。
多少のダメージなら無効化出来るわけだし、私が前に出て相手をしよう。
「DRAGON・TOOTH」
異空間から呼び出したのはDRAGON・TOOTH。
ランチャーモードでぴょんぴょん跳ねてるベータ型を狙い撃ちにする。
DRAGON・TOOTHのビームが当たるとベータ型の胴体は吹き飛んだ。
アルファ型と同じくベータ型にも攻撃が通じるようで一安心。
ベータ型は私に向かって襲いかかってくる。
これはアルファ型みたいに猪突猛進タイプですわ。
それなら突っ込んでくる個体からどんどん始末しちゃおうね。
「きゃああああ!」
「助けてくれー!」
「怪物だあああ!」
向こう側から市民達が走って逃げてくる。
何で市民の避難が完了していないんですかね……?
これってEDFの職務怠慢なのでは?
「市民が怪物に襲われているぞ!」
「市民達を助けるぞ! 全員、俺に続け!」
隊長と兵士達がアサルトライフルを構えて突撃していく。
いや、危ないからやめてほしいんですけど。
人間がベータ型の酸入り糸に絡めとられたら悲惨なことになっちゃうよ。
グロテスクなものは見たくないから無謀な突撃は控えてちょうだいな。
「無茶な突撃は控えるべきだと判断します」
「市民が犠牲になるのを看過することは出来ない!」
隊長はそう言うと皆と一緒に走っていった。
はあ……仕方ないな。
走り出しちゃったものはどうしようもないので、後ろから援護するよ。
DRAGON・TOOTHでバシバシとベータ型を撃ち抜いていく。
建前は隊長や他の兵士達の援護。
本音は経験値稼ぎ。
『こちらはEDF総司令部。これより重大な発表がある』
ベータ型と戦っているとEDFの親玉から突然の通信。
大事な話らしいけど、何を話す気かな?
まあ、なんとなく予想は出来るけど。
『現在、我々が戦っている巨大生物、そして大型円盤は地球上の物ではない。奴らは宇宙からの来訪者なのだ』
うん、やっぱり話すとしたらそのことだよね。
どうやらEDFの上層部は敵を宇宙人だと正式に認めたみたい。
『我々は宇宙からの来訪者をプライマーと命名した。奴らは情け容赦ない存在だ。それはすでに諸君らならよく分かっているだろう』
宇宙人の名前はプライマーっていうのか。
ということはこの世界の原作は地球防衛軍5だね。
まあ、それが分かっても原作知識がほとんど無いから意味無し……悲しいなぁ。
『我々は戦わなければならない。これは人類の生存を懸けた戦いなのだ。諸君らの一層の奮起に期待する。以上だ』
EDFの本部からの通信が終わった。
戦闘中だけど兵士達の話し声が聞こえてくる。
「へっ、まさか宇宙人の仕業だったなんてな」
「俺はエイリアンの襲撃だとずっと思ってたぜ」
「プライマーだかドライバーだか知らんが、誰に喧嘩を売ったのか思い知らせてやる」
どうやらさっきの通信で兵士の士気は高まった様子。
普通は宇宙人の襲来とか言われても頭に「?」が浮かぶだけだと思う。
この世界の住人は割と単純なのかもしれない。
「円盤がまた怪物を投下しようとしてるぞ!」
兵士の1人が空を指差しながら叫んだ。
空を見上げれば円盤が底が開いてベータ型を投下しようとしている。
円盤の内部に見える丸いのは転送装置かな?
「くそ! 黙って見てるしかできねえのか!」
まあ、実際黙って見てることしか出来ないかな。
あの円盤には歪曲フィールドと自己修復装甲があるし……ん、待てよ?
そういえば、前に壊したことのある塔は転送装置の部分が弱点だった。
……もしかして、あの円盤も転送装置が弱点なんじゃないの?
もし弱点だとしたら円盤を撃ち落とすことが出来るかもしれない。
これはちょっと試してみる価値あるかも。
そんなわけでDRAGON・TOOTHを最大出力で撃ってみた。
本当はX・BUSTERを撃ちたかったけど射角の問題で断念。
いや、地面に寝転がればいいんだけど、見栄えがね?
「やったぞ! KOS-MOSが円盤を撃ち落とした!」
……いやー、やってみるもんだね。
私の予想通り、円盤の弱点は転送装置だったわ。
それを破壊したら円盤は爆発して墜落したよ。
結果は上々で私は満足です。
「今度は円盤が複数飛んできたぞ!」
兵士の1人が叫んだ。
確かに円盤が何個もこっちに向かってくるね。
でも、どうすればいいのか分かったし、もう円盤はただの経験値ですわ。
全部纏めて撃ち落としてやるから覚悟しろ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
宇宙人改めプライマーの襲撃が始まって1ヵ月が経った。
戦況は一進一退の攻防が続いてる。
EDFは勿論、各国の軍隊も頑張ってるんじゃないかな。
戦い方が分かってしまえばどうにかなるもんだね。
でも、この五分の戦況は長続きしないって考えてる人は多い。
だってプライマーの戦力底無しなんだもん。
このままじゃ人類滅亡待ったなし。
そんなことはEDFも分かってるらしく、近々大規模な反攻作戦を考えてるらしい。
どんな作戦になるのかは分かんないけど、あんまり無謀な作戦は止めてね。
実行するのは現場の人間なんだから。
「おい新入り! ぼさっとしてるなよ!」
おっと、少し物思いに耽りすぎちゃったか。
今は戦闘中なんだから少し気を引き締めよう。
「巨大生物を確認。アルファ型です」
「ウイングダイバー隊は怪物の駆除を開始する。1匹たりとも逃すなよ」
「了解。これより攻撃を開始します」
私の傍で話していたのはウイングダイバーの皆さん。
今日はいつも一緒に行動している隊長達とは別行動だよ。
私はウイングダイバーの新人っていう嘘をついてEDFに協力している。
流石に本職の人には嘘がばれるかと思いきや、割とすんなり受け入れられた。
フライトユニットを装備しているところを見せたらあっさり信用してもらえたのだ。
ちなみにだが、フライトユニットはコピー能力でコピーして手に入れたよ。
「新入り! 経験が浅いからといって遅れることは許さないぞ!」
「ちょっとあまり強く言うと可哀想よ」
「新入りは新型の装備を与えられてるんだ! このくらいの飛行にはついてきてもらわないと話にならん!」
ウイングダイバーの隊員の1人はツンツンした物言いですね。
私のことが気に入らないのかな?
まあ、新入りが新装備(私は自分の格好をウイングダイバーの新装備だと嘘ついた)を与えられてるとか色々思うところはあるのかもしれないね。
ウイングダイバーってエリート意識高めだし。
私がいつも一緒に行動してる兵士達はウイングダイバーを生意気ダイバーと呼んでるぞ。
「フライトユニットは正常に稼働をしています。遅れることはありません」
「ふん、だといいがな」
私はツンツンした態度の隊員に問題は無いと言った。
それを聞いた隊員はスピードを上げて飛んでいってしまった。
私も遅れないようにフライトユニットの出力を上げて飛行する。
最初こそフライトユニットの挙動に苦戦したが、今はもう自由に空を飛べる。
なので建物から建物に飛び移りながら巨大生物のいる場所まで移動。
あっという間に巨大生物の前までやってきた。
巨大生物はアルファ型だった。
どうもアルファ型は穴を掘って地下から街に侵入してきたようだ。
まあ、見た目は蟻だし穴掘るのは得意か。
ウイングダイバーの隊員達は手にした光学兵器で攻撃を始めた。
私もDRAGON・TOOTHを転送して攻撃に参加する。
ウイングダイバーの武装は巨大生物を倒すのに充分な威力だね。
その武器を他の兵科の兵士にも分けてあげたらいいのにと思わなくもない。
「アルファ型を撃破!」
「いいぞ! このまま攻撃を続行する!」
空からの攻撃でアルファ型は一気に数を減らした。
蟻だから空からの攻撃は死角になるのかもしれない。
「敵の増援を確認」
アルファ型を片付けたら巨大生物追加のお知らせがきた。
プライマーって戦力の逐次投入が好きだよね。
「敵の種類は?」
「アルファ型のようですが……色が違います。赤い色をしています」
「アルファ型の亜種か? 距離をとって攻撃しろ」
「了解」
どうやらアルファ型の色違いが現れたようだ。
色違いってゲームだと強かったりするよね。
この世界の場合はどうなってるのかな?
「どうやら赤いアルファ型は酸を飛ばせないようです」
「酸を飛ばさないだと?」
「その代わり耐久性に優れた個体のようです」
ふーん、なるほどね。
赤いアルファ型はたぶん近接に特化してるんだろうね。
だから耐久力も高めなんだと思う。
まあ、酸が飛ばせないなら楽勝だわ。
飛行しているウイングダイバーには手も足も出せないわけだし。
そんな私の考え通り、赤いアルファ型は何も出来ずに根絶やしにされたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
EDFはプライマーの超大型円盤――マザーシップに攻撃するらしい。
普段は高高度に浮いてるマザーシップが低飛行してるからチャンスなんだって。
この作戦が成功すれば人類勝利待ったなしだと思うよ。
作戦が成功すればね。
……正直、これ無茶でしょって思う。
マザーシップって前に見た巨大な円盤のことじゃん。
あれに近付いたら大砲で吹き飛ばされちゃうんじゃないの?
そもそも周りは敵だらけだしマザーシップに近付けるんだろうか?
内心は不安でいっぱいですよ。
『作戦開始だ。歩兵部隊は戦車に随行しつつ、怪物とドローンを倒せ』
司令部から作戦開始のお知らせが届いた。
私の周りの兵士達は戦車の後ろに続いて前進を始めた。
私だけその場に残るわけにもいかず、戦車についていくことに。
少し歩くとKOS-MOSのセンサーに感有り。
大量の巨大生物と戦闘ドローンを確認しちゃった。
とりあえずG・SHOTを両手に呼び出す。
そして最近手に入れたフライトユニットで建物の屋根に飛んで登る。
ドローンは私を認識するとレーザーを発射してきた。
しかし、歪曲フィールドと自己修復装甲のおかげでダメージはかなり少ない。
これなら回避するより攻撃に専念した方が効率がいいかな。
というわけで能力の性能でゴリ押しする。
G・SHOTによる対空砲火でドローンは瞬く間に数を減らす。
たぶん私の攻撃でほとんどのドローンを撃墜したんじゃないかな。
マザーシップからおかわりが出てこない限りドローンの殲滅はこのくらいでいいや。
それじゃ次は地上の巨大生物を駆除しよう。
フライトユニットで飛び回りながら巨大生物にG・SHOTを連射。
巨大生物はアルファ型だけだったから倒すのはそんなに苦労しなかったよ。
味方も私の援護攻撃で勢いに乗ったようでどんどんアルファ型を駆除出来てる。
これならマザーシップに近付くことも出来るかな。
「KOS-MOS。あまり無理はするな」
アルファ型とドローンをある程度片付けてから部隊に戻ると隊長に心配された。
私としては無理なんてしていないんだけどね。
まあ、私の能力を知らないなら無理してるように見えるのかもしれない。
「私は任務遂行のために最善を尽くしているだけです」
「無理をしてまで最善を尽くす必要は無いぞ」
うーん、隊長は頑固なところがあるよね。
このまま言い争うのは正直面倒かな。
ここは言う通りにしておこう。
「……了解しました」
私は隊長の言葉に従うふりをした。
隊長は満足したようで味方と共に戦車に続いて前進していった。
私も彼らに続いて歩く。
『こちら戦略情報部です。マザーシップ付近で宇宙人の目撃情報が多数報告されています。宇宙人は頭が1つに目が2つ、手足は2つずつで二足歩行をしているようです。宇宙人は武装しています。戦闘の際には充分注意してください』
マザーシップ目指して進んでいるとそんな情報が届いた。
情報によれば宇宙人は二足歩行する生き物らしい。
人間みたいな生き物なんだろうか?
いや、人間そっくりならそう言うはずだし違うかな?
宇宙人のイメージを想像しているとセンサーに反応があった。
マザーシップ側から大きな物が飛んできてる。
目視するとそれは揚陸船のようにも見えた。
揚陸船っぽい何かは私達の頭上に停止すると何かを投下した。
それは武装した巨大な蛙みたいな見た目だった。
「あれは……エイリアンだ! エイリアンの兵士がやってきたんだ!」
「あれがエイリアンか……人間そっくりだ!」
「俺は今まで人間を撃ったことがない……こんなの無理だ!」
「撃たなきゃやられるぞ!」
どうやら兵士達は一部混乱しているようだわ。
蛙が人間そっくりとかないでしょ。
巨大蛙は手に持った銃で攻撃してきた。
味方は混乱しているようで反撃も疎らだ。
ここは私がなんとかしよう。
私はフライトユニットで巨大蛙を飛び越えながらG・SHOTを撃った。
巨大蛙は今まで戦ってきた巨大生物よりも頑丈みたい。
それに見た感じ再生能力もあるみたいで総合的に耐久力は高い。
あと生意気に建物で身を隠しながら攻撃してくるので面倒臭い。
まあ、それでもG・SHOTの火力なら瞬時にミンチ状態に出来るけどね。
誤差の範囲内ですよこんなの。
「エイリアンが何か喋ってるぞ!」
「エイリアンは言葉で疎通するのか!?」
私がG・SHOTで攻撃していると巨大蛙が何か喋ってた。
申し訳ないが宇宙人語はさっぱりなんだ。
私に分かる言葉で喋ってくれ。
「持ち堪えろ! エイリアンにこの街を渡すな!」
「くそっ……前進だ! 前進してエイリアンを叩く!」
「駄目だ……あいつら強すぎる!」
「仲間が負傷した! だれか助けてくれ!」
「敵の増援が来るぞ! 大部隊だ!」
味方は巨大蛙に押されている。
この状況で更に巨大生物やドローンの追加が来たら不味いと思う。
このままじゃ私が頑張っても味方は壊滅しちゃうんじゃないの?
『敵の数が多過ぎる! 撤退しろ!』
司令部もマザーシップの攻撃どころじゃないと判断したみたい。
まあ、このまま戦っても得るもの何も無いし、逃げるのは妥当だと思うよ。
勝てない戦は即座に逃げるに限るね。
「KOS-MOS! 俺達が殿を務める! お前は味方を1人でも多く逃がすんだ!」
「了解です。これより撤退戦に移行します」
隊長と知り合いの兵士達は殿をするらしい。
私もしっかり勘定に入ってるようだしここは一肌脱ごうじゃないか。
最後まで戦っていくとしよう。