コピーしたKOS-MOSに憑依して戦う魔神の戦闘記録   作:真っ黒鉛筆

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 巨大蛙が新兵器を引っ提げて来たらしい。

 話を聞いたところ、どうもプラズマ兵器で砲撃してくるんだとか。

 

 プラズマ兵器はアーマードコア世界でもあったっけ。

 あれは当たると結構痛いから、人間だと大変だろうね。

 

 新兵器を持った巨大蛙は近くの街で暴れてるそうなので駆除しに行く。

 今回は速さが大事なので私だけ先行させてもらった。

 ウイングダイバーがいれば一緒に出かけたんだけど生憎出払ってるんだよね。

 ウイングダイバーの皆は引っ張りだこだから仕方ない。

 手の空いてるEDF隊員はいないのだ。

 

 そんなわけで私1人で街に到着。

 

 巨大蛙が遠距離からプラズマ兵器をばかすか撃っているせいで街は火の海ですわ。

 

 このままじゃ街が更地になってしまう(もう手遅れな気もする)ので、そうなる前に巨大蛙を倒してしまおう。

 

 遅れてくる兵士達からは「出来るもんなら殲滅しちゃっていいよ」と言われているし、ここは兵士達の度肝を抜くために頑張って1人で駆除しちゃうぞ。

 

 DRAGON・TOOTHを呼び出してからフライトユニットで飛行する。

 街はあちこちで火事になっているので火の中に突っ込まないように高度には注意しないとね。

 

 巨大蛙は街を攻撃するのに忙しいみたい。

 空の私に全然気付いていないので先制攻撃を食らわせてあげよう。

 

 アーマードコア世界で手に入れた強化人間の能力で私のステータスは底上げされているので、空から巨大蛙の頭を吹き飛ばすのは簡単。

 

 首尾よく巨大蛙の1体は始末出来た。

 この調子で他の巨大蛙も退治していこう。

 

 巨大蛙はこっちに気付いたみたいで空を見上げながら指差してきた。

 その内の1体の顔をまたDRAGON・TOOTHで吹っ飛ばす。

 巨大蛙達は右往左往するだけだ。

 

 巨大蛙は街を破壊することに特化してるのか全部プラズマ兵器を装備してる。

 

 このプラズマ兵器はどういう理屈なのか分からないけど弾速が凄く遅いし、放物線を描きながら飛んでいくから動く物体に当てるのは難しいだろうね。

 

 なので空にいる私には巨大蛙のプラズマ兵器って凄く相性が悪かったりする。

 つまり今回の巨大蛙達はものすごくバランスの悪い構成なのだ。

 

 でも、地上の惨状を見るに馬鹿な手じゃないのは確かなんだよね。

 巨大蛙は地上を焼き払うだけの簡単なお仕事ですって感じかな。

 

 それじゃ巨大蛙にとってイージーだった任務をハードに変えてあげよう。

 遠慮しなくていいから私の気持ちを受け取ってね。

 

 巨大蛙は身を隠す建物がない。

 自分達の手で破壊してるんだから自業自得ってやつだね。

 

 丸見えな巨大蛙をバシバシとDRAGON・TOOTHで狙い撃つ。

 巨大蛙は転がりながら避けようとするが巨大なせいで動きは鈍い。

 今のKOS-MOSなら当てるのは難しい話じゃないのよね。

 

 巨大蛙は横一列に並んで砲撃していたので端から順に撃ち殺していく。

 

 みんなヘッドショットで頭パーンである。

 お前らの体液で火を消してやるからもっと火元に近寄れ。

 

『level up!』

 

 おっと、久しぶりに天の声聞いたわ。

 相当な数を倒してるのになかなかレベルアップしないから少し気にしてたんだぞ。

 ほんとに少しだけね。

 

 

 

 KOS-MOS Ver.4(コピー魔神) Lv20

 

 格闘158

 射撃179

 技量175

 防御142

 回避192

 命中195

 

 固有能力 【コピー能力】

 

 一般能力 【強化人間Lv5】

      【歪曲フィールドLv-】

      【自己修復装甲Lv3】

 

 

 

 よし、ステータスも確認出来たし、蛙狩りを続けよう。

 

 巨大蛙は我慢の限界だったのか空に向けてプラズマ兵器を撃ち始めた。

 プラズマが曲線を描きながら飛んでくる。

 

 当然、こんな鈍い攻撃に当たる私じゃない。

 くるくる回転しながらプラズマを避けつつDRAGON・TOOTHで反撃する。

 

 巨大蛙の頭が1つ、また1つとスイカみたいに破裂していく。

 

 気付けばたくさんいた巨大蛙も残りは僅かになっていた。

 

 EDFの兵士達が到着する頃には巨大蛙は全滅完了。

 私は兵士達の度肝を抜くことに成功するのだった。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

 プライマーの軍勢が避難所に向かって進軍してるらしい。

 

 このまま見過ごせば市民達に多大が被害が出るだろう。

 それにEDFの評判にも傷が付くし、どうにか食い止めないといけないね。

 

 そんなわけでかき集めた戦力で防衛線を構築したEDFは、プライマーの侵攻を阻止するために行動を開始したよ。

 

 プライマーは最近見慣れてきた巨大蛙で攻めることにしたようだ。

 今回は巨大生物がいないから少しだけ楽が出来そう。

 

 味方の戦車やコンバットフレームが攻撃を開始。

 弾幕の雨で巨大蛙を何体か倒すことに成功するけど、撃ち漏らしが出ちゃってるね。

 

 まあ、そういうのは私とウイングダイバーの出番かな。

 

 ウイングダイバーは飛行しながら光学兵器を照射して巨大蛙を仕留めていく。

 

 私もDRAGON・TOOTHをランチャーモードで起動して応戦。

 巨大蛙の頭をビームで次々と吹き飛ばす。

 

 巨大蛙の数が減ってきたらプライマーは揚陸船で追加の巨大蛙を送ってきた。

 

 投下された巨大蛙の中にはプラズマ兵器を持った奴がいるね。

 地上の兵士達が危ないからあれは優先的に倒していこう。

 

 フライトユニットで空を飛び上がり、プラズマ兵器を持った巨大蛙に近付く。

 

 銃を持った巨大蛙がこっちに気付いて攻撃をしてくるけど、歪曲フィールドと自己修復装甲の能力とKOS-MOSのステータスでゴリ押す。

 

 巨大蛙の攻撃はほとんど当たらない。

 当たってもダメージは微々たるもので、しかもすぐに回復する。

 だから突出していても全然問題無いんですわ。

 

「セイバーモード起動」

 

 プラズマ兵器を持った巨大蛙に近付いたらDRAGON・TOOTHをセイバーモードに変更して斬撃で倒す。

 

 巨大蛙はビーム刃で真っ二つになり絶命。

 

 ついでに隣に立っていた巨大蛙も袈裟斬りで倒しておく。

 

 で、地面に一旦下りたらそこから走って巨大蛙に接近する。

 巨大蛙はEDFの兵士達と戦うので精一杯なのか、こっちを見ていない奴が多い。

 

 なので走り寄って巨大蛙の足を切断。

 足を斬られて巨大蛙が転んだところで頭にビーム刃を叩きつける。

 

 こうして蛙狩りを続けているといつの間にか人類側が優勢になった。

 

 勢いに乗ったEDFは残った巨大蛙を駆逐。

 

 避難所を守りきったEDFは局地的な勝利を手に入れたのだった。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

 以前偵察に行ったプライマーの前線基地。

 あれが歩いて移動してるとの情報を入手した。

 

 そんな馬鹿なと思いつつ兵士達と一緒に現場に向かうとほんとに歩いてた。

 

 いやいや、奇想天外すぎるでしょ。

 プライマーは何考えて基地に歩行能力を持たせたんですかね?

 宇宙人の考えることはよく分かりませんな。

 

「敵の基地がこっちに来やがるぞ!」

 

「くそ! これが基地の正体か!」

 

 一緒に来た兵士達はのっそのっそと歩く前線基地に驚いてる様子。

 とにかくサイズが大きいから威圧感だけはめっちゃある。

 人間達が驚くのも無理ないね。

 

「基地からドローンが出てきたぞ!」

 

 兵士の1人が叫んだ。

 

 確かに前線基地の中から戦闘ドローンがポンポン射出されていってる。

 とりあえずドローンを放置してたら味方が壊滅するので私が相手をしよう。

 

 フライトユニットで空を飛びつつドローンの注目を集める。

 

 空を飛んでいるとドローンはこっちに向かってレーザーを撃ってきた。

 お返しにG・SHOTで反撃する。

 

 G・SHOTの弾幕でドローンはどんどん落ちていく。

 味方の援護もあってドローン退治にかかった時間は短いよ。

 

 で、肝心の前線基地だけど、これ止めようがない気がする。

 

 一応、私達の部隊には重戦車っていう普通の戦車をでかくしてパワーアップした兵器があるんだけど、これの砲撃で倒せるのか疑問ですわ。

 

 だって前線基地には円盤(あれってテレポーションシップっていうらしいね)にもある歪曲フィールドと自己修復装甲が装備されてるだろうしね。

 

 普通に攻撃しても効果は薄いと思うよ。

 

 私の心配を余所に重戦車が攻撃を開始した。

 数輌の重戦車が一斉に砲撃するのは見てて迫力あったよ。

 うん、迫力だけはあったよ。

 

『そんな……レクイエム砲が効かないのか!?』

 

『主砲が通じていないだと!?』

 

 重戦車に乗ってる人達が驚いてるね。

 私的にはこれで勝てると思ってたことに驚いてるよ。

 

 前線基地はほとんどダメージを食らってない。

 基地に付いてる小さい砲台はいくつか破壊出来てるけどね。

 砲台をいくら破壊しても基地の機能は止まらないかなって。

 

「エイリアンだ! 基地からエイリアンが出てきたぞ!」

 

 諦めの悪い重戦車隊が攻撃していると、基地から巨大蛙が出てきた。

 巨大蛙は一目散に重戦車を目指して走ってくる。

 どうも我が家をドンドン叩かれるのは宇宙人も嫌いみたい。

 

「数が多過ぎる! このままじゃ全滅してしまうぞ!」

 

 近付いてくる巨大蛙にG・SHOTをお見舞いしていると兵士の泣き言が聞こえてきた。

 

 確かに今回は敵の数が多いね。

 このままじゃ数の暴力で押し切られちゃうのは明白。

 さっさと撤退命令が出ないかなって思う。

 

『これ以上は戦っても無意味だ。撤退しろ』

 

 おっと、いいタイミングで司令部から撤退指示が出たわ。

 それじゃ退散しようっと。

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

 

 前に潜った巨大生物の巣穴からアルファ型が大量発生してるそうだ。

 

 これって素人から見てもアルファ型が繁殖してるって分かるよ。

 ……まあ、プライマーは転送装置を持ってるから確実なことは言えないけど。

 でも繁殖してる可能性は高いと思うんだよね。

 

 で、実態を調査すべく巣穴に再度突入することになっちゃった。

 私は前回巣穴に潜ったことがあるって理由で選ばれたよ。

 

 今回は奥まで行って何があるのか調べるまで帰れないらしい。

 これって全滅も普通にあり得るから勘弁してほしい。

 とりあえず全滅しないように私が頑張らないと。

 

「……なあ、お前はこの巣穴の奥に何があると思う?」

 

「案外、怪物の親玉がいたりしてな」

 

「本当にありそうだからやめろよ……」

 

「ははは。まあ、何がいようと俺の銃で吹っ飛ばしてやるぜ」

 

「吹っ飛ばせる相手だといいがな……」

 

 兵士達の軽口を聞きながら巣穴を進んでいく。

 

 巣穴は途中まで順路が分かっているので進む方向は分かってる。

 どういうわけかここまで巨大生物はいなかったし苦労はしなかったよ。

 

 それで辿り着いた前回の終着点。

 そこには歩哨として巨大蛙が立っていた。

 

『よし、この先に何があるのか確かめるぞ。全員、突入せよ』

 

 司令部から指示がきたので先に進むために障害を排除しよう。

 

 手に持ったDRAGON・TOOTHで巨大蛙の頭部を吹き飛ばす。

 すると地面からアルファ型が湧いて出てきた。

 待ち伏せとは虫のくせに生意気な。

 

 出てきたアルファ型は私と兵士達の一斉攻撃で簡単に倒せた。

 なんだかんだEDFの人達も怪物退治のコツが分かってきている模様。

 

「ここから先は未知の領域だ。慎重に進もう」

 

「なんだよ。ビビってるのか?」

 

「そんなんじゃない!」

 

 まだ兵士達は余裕そうだね。

 軽口を言えてる間は大丈夫かな。

 

 よっしゃ、それじゃ未知のエリアにレッツゴーということで、私と兵士達はどんどん奥に入っていく。

 

 道中は巨大蛙、アルファ型(黒蟻と赤蟻どっちもいた)、ベータ型のオンパレードだった。

 正直、私の通路で待ち伏せ攻撃が通じなかったらかなり被害が出たと思うよ。

 プライマー側にまともな知恵を持ってる奴がいなくて助かった。

 

 巨大蛙と巨大生物を一掃した私達はちょっとだけ休憩。

 そしたら地上から後続部隊が到着した。

 

 その後続部隊には見知った顔がちらほら。

 

「KOS-MOSか! 久しぶりだな!」

 

「元気してたか戦友!」

 

「また酷い任務を押し付けられたもんだ」

 

「噂じゃ1人のウイングダイバーが大活躍してるらしいな。これってKOS-MOSのことじゃないの?」

 

「KOS-MOS。無理はしてないか?」

 

 久しぶりに顔を合わせたのは隊長とその仲間達だった。

 最近は別れて行動することが多かったけど、全員無事なようで何よりだわ。

 

 よし、思わぬサプライズもあったことだし、元気が湧いてきたぞ!

 ここは巨大生物をいっぱい倒して再会のお祝いにしよう!

 

 というわけで隊長の制止を無視して巣穴の奥に向かって進撃する。

 通路から広間にいる連中を釣り上げて各個撃破する戦法はかなり有効だわ。

 単調な作業になりがちなのが玉に瑕だけどね。

 

 まあ、出てくる敵についてはどうでもいいんだ。

 問題はこの巣穴がとんでもなく広いってことだよ。

 いくつもの広間を通り抜けて通路を進んでいるけどまだ奥があるんですけど。

 

 プライマーはどんだけ穴掘ったんだよって思っちゃう。

 プライマーって実は地底人だったりしないよね?

 

「なんて深い穴だ」

 

「落ちたらやばいぞ」

 

「縦穴の下には怪物の大群がいる! 落ちないように注意しろ!」

 

「足を滑らせたら一巻の終わりだぞ!」

 

 奥に進むと深い縦穴のある空間に出た。

 一応、道はあるので縦穴を下ることは可能っぽい。

 

 道順に進んでいくとアルファ型が下から登ってきた。

 普通なら奇襲になったんだろうけどKOS-MOSのセンサーは誤魔化せないぞ。

 

 そんなわけで出てくるアルファ型は待ち構えていた私と隊長達で倒した。

 私と隊長達の共同作業である。

 

 縦穴の底にはベータ型が蠢いていたので、兵士達は爆薬をポイポイ投下して爆殺。

 ベータ型はアルファ型と違って壁とか登るの得意じゃなくて良かったわ。

 

 こうしてアルファ型とベータ型を駆除出来た私達は縦穴を完全攻略。

 更に巣穴の奥深くへと侵入していく。

 

 巣穴の最深部にはアルファ型よりも巨大な蟻がいた。

 どれだけでかいかっていうと隣にいるアルファ型が小さく見えるくらい大きいね。

 あれって女王蟻だったりするのかな?

 

「おい見ろ! なんだありゃ!?」

 

「巨大な怪物だ!」

 

「何体もいやがるぞ!」

 

 女王蟻を見て兵士達は驚きの声を出した。

 

 その声に反応したのかは分からないけど、女王蟻の取り巻きのアルファ型がこっちに向かってきた。

 

 私達は慌てず一旦通路まで退却。

 通路でアルファ型を待ち構えるよ。

 

 津波の如く押し寄せてくるアルファ型を撃ち始める兵士達。

 私も一緒にDRAGON・TOOTHを連射してアルファ型の殲滅に貢献する。

 

 通路にアルファ型の死体が山積みになってきたらX・BUSTERでお掃除。

 通路がスッキリしたらまた攻撃を再開した。

 

 こうしてアルファ型は私達の待ち伏せ戦法で全滅したのだった。

 

 残りは女王蟻だけだね。

 

 女王蟻は酸を放水車みたいにドバーっと噴き出してくるから厄介だわ。

 こいつは私が駆除した方がいいかな。

 

 広い空間を利用してフライトユニットで飛行して女王蟻の真上をとる。

 女王蟻も所詮は蟻なんで真上からの奇襲に弱い。

 

 X・BUSTERの収束モードで女王蟻の頭を撃ち抜くと、女王蟻は呆気なく死んだ。

 女王蟻だろうとX・BUSTERの破壊力には耐えられないみたい。

 

 この調子で残りの女王蟻も駆除した。

 女王蟻は全部で3体いたけど余裕で撃破出来たね。

 

 その後は隊長からの小言を聞き流しつつ巣穴を探索。

 大量の卵を発見したのでこれを全て破壊する作業をした。

 

 それが終わると残っている巨大生物がいないか探索しながら地上を目指す。

 

 生き残っていた巨大生物はおらず、私達は地上へと帰還。

 再び太陽の光を拝むことが出来たのだった。


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