コピーしたKOS-MOSに憑依して戦う魔神の戦闘記録 作:真っ黒鉛筆
時刻は深夜0時。
闇夜に紛れて私は建物に侵入した。
侵入した建物はクレスト社の保有するMT工場。
現在、この工場はテロリストに占拠されているらしい。
幸いなことに工場は稼働していなかったので人質とかはいないが、依頼主のクレスト社は早急な解決を望んでレイヴンに依頼したってわけだ。
工場内への侵入は楽勝だった。
これもKOS-MOSの性能のおかげ……というわけじゃない。
テロリストの警備が甘かったせいだね。
まあ、テロリストが警戒してるのはACだろう。
KOS-MOSみたいな存在は想定外なんじゃないかな。
さてと、工場内には簡単に忍び込めた。
ここからテロリスト退治を始めよう。
KOS-MOSのセンサーによるとテロリストは壁の向こうにいる。
このまま壁越しに撃ちまくってもいいけど、そうしたら工場が穴だらけになっちゃう。
それは報酬の減額に繋がりそうだからなるべく被害が出ないようにしないと。
「R・CANNON」
今回はX・BUSTERやG・SHOTみたいな高威力の武装は使わない。
ということでここはR・CANNONで戦おう。
右腕をR・CANNONに換装して構えると、扉のロックを解除する。
するとACが通れるくらい大きな扉が開いていく。
扉の向こうには両腕にキャノンを備え、頭頂部にミサイルを装備したMTが1機。
工場の外は見張りがいなかったのに工場の中は律儀に見張りを立てるのね。
夜なんだから全員寝ててもいいのよ?
『なんだ……何もいない?』
テロリストは扉の前で出待ちしてたが、明らかに目線が上の方にあるね。
やっぱり警戒してたのはACなんだって確信したわ。
テロリストがこっちに気付く前に手早く片付ける。
R・CANNONを連射してMTの胴体に撃ち込むとMTは爆発した。
燃えるMTの残骸を避けつつ奥の区画へ進む。
この工場って別の区画に行くのにいちいち扉のロックを解除して開けないといけない。
セキュリティー的な意味で必要なことなんだろうけど、今はただ面倒なだけだわ。
奥の区画にはさっき見たMTと浮遊するタイプのガードメカがいた。
さっきのMTの爆発音を聞いてテロリスト達は目が覚めたのかもう戦闘態勢になってた。
ここは数を減らそう。
まずは区画内を走り回りながらガードメカを撃ち落とすことにした。
R・CANNONのビームが1つ、また1つとガードメカを破壊していく。
ガードメカも反撃するがKOS-MOSという存在を相手にするには性能不足。
KOS-MOSのスピードに反応しきれていないもん。
『ちっ、これ以上はやらせん!』
ガードメカがどんどんやられていくのにテロリストも焦ったのかな。
1機のMTがミサイルを撃ちつつ接近してくる。
でもさ、それは無茶だと思うよ。
まずミサイルは当たらない。
アーマードコア世界のミサイルって微妙に誘導性悪いんだよね。
だから十分な空間と距離さえあれば回避するのは難しくないかな。
MTの両腕のキャノンを使われる前にR・CANNONで倒す。
今回は当たり所が良かったのか一撃でMTは爆発した。
更に工場の奥へ侵入していく。
奥に進むほどにMTの数は増えて抵抗は強まったが、所詮はテロリスト。
統制はとれていないし、KOS-MOSの敵じゃないかな。
最後は地下の倉庫に立て籠もってた連中を片付けて終わり。
朝になる前には終わったな。
あ、そういえば戦闘中にKOS-MOSのレベルが上がったよ。
ステータスはこんな感じ。
KOS-MOS Ver.4(コピー魔神) Lv3
格闘114
射撃124
技量125
防御101
回避143
命中145
固有能力 【コピー能力】
一般能力 無し
結構な数を雑魚狩りしてるのになかなかレベルって上がらないなぁ。
神としての私が持ってる能力には獲得経験値100倍なんていうのもあるんだけど、この世界の人間の中に似たような能力持ってる奴いないかな?
いたら私のコピー能力でコピー出来るんだけど……そう都合の良い存在いるはずもないか。
まあ、コツコツとやっていくしかないね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『これより生体兵器の性能テストを開始する』
クレスト社のMT工場奪還の依頼から数日後。
私はキサラギ社の所有する辺境の研究所にやってきた。
目的は生体兵器ことAMIDAとの触れ合い……という名の殺し合い。
トラック並の大きさで目が何個もあって丸い虫みたいな気持ち悪い奴。
それがAMIDAを見た目だったりする。
正直、この依頼を受けたことを少しだけ後悔してますよ。
何が楽しくてこんな化物と戯れないといけないのか。
「G・SHOT」
両手にG・SHOTを装備してAMIDAに対して弾幕を張る。
こんな依頼はさっさと終わらせてしまおう。
蜂の巣にされたAMIDAはなんと爆発した。
体内に爆発物でも抱えているのだろうか?
こいつ危なっかしいな。
何はともあれ、あれを接近させるわけにはいかない。
このままG・SHOTの火力でAMIDAを圧倒させてもらおうっと。
幸いにもAMIDAはそこまで丈夫じゃないし、今のKOS-MOSでも敵じゃないね。
この調子でどんどんAMIDAを駆逐していこう。
『ほう……人間サイズの兵器にしてはなかなかの威力だな』
通信越しに研究員の感心したような呟きが聞こえた。
ちょっと人を兵器呼ばわりするのやめてよね。
KOS-MOSは……うん、兵器だね。
実際にKOS-MOSと戦った私が言うんだから間違いないよ。
『ふむ、これではACとの戦闘にはまだ耐えられんか。研究段階とはいえ、まだまだ実用性は薄いな』
どうやらAMIDAはACと戦わせるために開発されてるらしい。
ならいつか依頼先でこいつと戦うことになるのかも。
それは……ちょっと嫌だなぁ。
こいつが戦場に出てくる頃には今よりもパワーアップしてるってことだもん。
頼むから戦場には出さずに死蔵してくれないかな。
『テスト終了。協力に感謝する』
ほぼ作業と化したAMIDA退治は無事に済んだ。
私としてはあれの爆風に巻き込まれなくてよかった。
たぶん爆発に巻き込まれてもKOS-MOSなら平気だと思うけど、進んで爆発に巻き込まれたいとは思わないし。
ちなみにAMIDAを倒しても経験値は一切入らなかった。
何の旨味も無いくせに面倒臭い奴、それがAMIDAなのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
OAEからまたミラージュ社への嫌がらせ目的の依頼をやらされた。
表立ってミラージュ社に逆らえないからってやることが陰険だよね。
まあ、私としては儲かるわけだから文句は言わないよ。
で、そんなOAEの依頼から数日後。
今度はミラージュ社から依頼がきた。
依頼内容はMT部隊の撃破。
オペレーター曰く、襲うのはクレスト社の部隊らしい。
最近のクレスト社は過剰に兵力を配備してる。
少なくてもミラージュ社はクレスト社の行動に危機感を覚えてるみたい。
まあ、敵は何であれ依頼されたからにはきっちり倒そう。
ということでヘリに乗って現場へ急行する。
依頼で指示された場所は見晴らしのいい平原地帯。
MT部隊は護衛のMT6機とトレーラーに乗せられたゴツイMTが3機。
KOS-MOSなら余裕で殲滅出来る戦力ですな。
『MTを全て撃破してください』
「了解しました。作戦行動を開始します」
オペレーターとの短いやり取りをして戦闘開始。
ヘリから飛び降りて地上に降下する。
華麗に高台へ着地したらMT部隊はこっちに気付いた。
護衛のMTがミサイルで攻撃を始めたので私も攻撃を行う。
「X・BUSTER発射」
初手はX・BUSTER収束モード。
放たれた極太ビームは護衛のMT4機を薙ぎ払う。
まあACの装甲でも耐えきれない攻撃だし、MTが耐えられる道理は無しだね。
残りは護衛のMT2機にトレーラーに乗ったMT3機。
高台から飛び降りながら武装を呼び出す。
「DRAGON・TOOTH」
呼び出した武装はDRAGON・TOOTH。
巨大なビーム刃を発生させるビーム兵器で、ランチャーモードとセイバーモードで使い分けが可能。
まずはランチャーモードを起動。
残った護衛のMTにビームを放つ。
MTはミサイルで反撃してくるがDRAGON・TOOTHのビームに巻き込まれてミサイルは消滅。
ビームはそのままMTを打ち貫き、MTの上半身を吹き飛ばした。
その威力はX・BUSTERには及ばないが高威力であることに違いはない。
もう一発DRAGON・TOOTHのビームを発射したが外れてしまった。
まあ、そんなこともあるか。
次は外さないようにしっかり狙いをつけて……発射。
今度の攻撃は躱せなかったMTは脚だけを残して消滅した。
こうして護衛のMTは護衛対象を残して全滅してしまったわけだ。
『なんだあれは!? 人間サイズの兵器だと!?』
『足を止めるな! 動き回れ!』
敵の通信が聞こえてきた。
見ればトレーラーに乗ってたMTが動き始めている。
ゴツイ3機のMTは手にしたバズーカを構えつつ、滑るように移動していく。
見た目は重装甲だが意外に機動性は悪くないね。
わざわざ護衛付きで運搬する価値のあるMTみたい。
でもKOS-MOSを相手にするには不足なんじゃないかな?
今から試してやるから覚悟しろ。
「セイバーモード起動」
DRAGON・TOOTHの形状が変化して巨大なビーム刃が形成される。
あのゴツイMTは接近戦は苦手と見た。
なので近付いて斬ろう。
KOS-MOSの運動能力を持ってすれば彼我の距離はあっという間に埋まる。
MT側から見ればいきなり急接近されたように見えるだろう。
それこそACのオーバードブーストを使ったみたいなスピードだったりする。
MTの1機をDRAGON・TOOTHで斬ると、まるでバターみたいにあっさりと両断。
これじゃせっかくの重装甲も意味がありませんな。
『この化物が!』
MTは自爆覚悟でバズーカを至近距離で発射。
直撃はしなかったけど爆風で私は吹き飛ばされた。
あと土煙で着てる服が少し汚れてしまった。
だがKOS-MOSにダメージは無い。
慌てず体勢を立て直して再びMTに肉薄する。
『くそ、ちょこまかと! これじゃ狙えん!』
KOS-MOSに翻弄される2機のMT。
そのまま私に有効打を与えることなくDRAGON・TOOTHの餌食となった。
最後まで諦めなかったのは評価してあげる。
『level up!』
天の声が聞こえてレベルが上がったことを知る。
今回はすぐにレベルが上がったね。
KOS-MOS Ver.4(コピー魔神) Lv4
格闘119
射撃128
技量128
防御103
回避147
命中150
固有能力 【コピー能力】
一般能力 無し
レベルが上がったってことは今回のターゲットは強い部類だったみたい。
ゴリ押しでやっつけたから強い奴と戦ったって実感ないけど。
性能差で圧倒するのって気持ちいいからね仕方ないね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
OAEがナービス社のMT部隊を攻撃するんだってさ。
なんでも新資源の採掘場に向かうための輸送路にいる守備隊が邪魔らしい。
自発的にやるとは思えないし、ミラージュ社の要請に屈したのかな?
まあ、どういう経緯でOAEがナービス社に攻撃をするのかは分かんないけど、レイヴンとしては依頼はきっちりと果たそう。
事前情報によると峡谷に作られたトンネルにいる狙撃MTが厄介らしい。
この狙撃MTの撃破が今回の依頼の肝。
ヘリで近付くと狙撃で撃ち落とされそうだからトンネルを通って行くことにした。
KOS-MOSの健脚を活かしてトンネル内を猛然とダッシュする。
『敵戦力は予想よりも多いようです。効率良く作戦を遂行してください』
オペレーターからの指示を聞きながら作戦領域内へ突入。
狙撃MTの1機がトンネルの出口に立っている。
狙撃MTはトンネル内ではなく空を警戒しているみたい。
こっちにとっては好都合なんで先制攻撃させてもらうよ。
「G・SHOT」
走りながらG・SHOTを連射する。
狙撃MTは私に気付くことなく銃弾に撃ち抜かれて爆発した。
トンネルを抜けるとそこは橋の上だった。
私は橋を走り抜けつつ、橋の上にいる狙撃MTを破壊していく。
狙撃MTはドカン、ドカンと爆発。
流石にこれだけ派手に暴れれば敵も私に気付くよね。
空中に浮いてるガードメカと狙撃MTから容赦ない銃撃が浴びせられる。
でもそこはKOS-MOSの性能で難なく避ける。
常に高速で移動し続けるKOS-MOSを捉えるのはガードメカには出来ない。
メインターゲットの狙撃MTに関してはそんなに脅威じゃない。
だって狙撃MTが真価を発揮するのは遠距離攻撃する時だし。
これだけ近付いちゃえば長大なスナイパーライフルが邪魔になるってわけ。
実際のところ、私の動きに対応出来てないもん。
縦横無尽に動き回りつつG・SHOTの砲火で狙撃MTやガードメカを破壊する。
数分も経たない内にナービス社の守備隊は壊滅した。
『くっ……新資源を渡すわけには』
最後に残った狙撃MTがスナイパーライフルで応戦する。
でも無駄な足掻きってやつですね。
G・SHOTで穴開きチーズにしてやりましたよ。
こうして私はナービス社の守備隊を排除することに成功するのだった。