コピーしたKOS-MOSに憑依して戦う魔神の戦闘記録 作:真っ黒鉛筆
生存者の捜索っていう少し変わった依頼がきた。
依頼主はミラージュ社。
また騙す気かって身構えちゃった私はおかしくないと思う。
依頼の内容を聞くとナービス社から奪い取った採掘場でミラージュ社の本隊が謎の消失をしたらしい。
……やっぱりこの企業、また騙そうとしてるんじゃない?
自分達の戦力がどこに行ったのか把握してないとかあり得ないでしょ。
これは嘘臭いですねぇ……ってことで他のレイヴンに依頼を譲った。
次の日、また私にミラージュ社から依頼がきた。
私の代わりに依頼を受けたレイヴンが採掘場で行方不明になったからもう一度依頼してきたようだ。
うーん……しょうがないな。
今回は依頼を受けるか。
罠だったらその時は臨機応変に対処するってことで。
というわけで私はヘリに乗って採掘場にやってきた。
採掘場の内部は電源が落ちていて真っ暗だ。
まあ、KOS-MOSは暗闇でも平気だから気にせず先に進む。
採掘場を進んでいくとMTの残骸を発見。
どうやらここで激しい戦闘があったみたい。
……ナービス社の残党でもいるの?
もしそうなら戦闘になるだろうしDRAGON・TOOTHでも出しておこうっと。
『最深部に無数の敵反応を確認しました』
オペレーターから敵発見のお知らせ。
私のセンサーにも敵の反応が……どんどん増えてる?
私の思ってたようにナービス社の残党がいたのかな?
まあ、最深部に行けば分かるか。
最深部にはやっぱりMTの残骸がいっぱいあって……何だあれ?
急に土の中から飛び出してきたのは赤い無人兵器。
それがいきなり私に向かって体当たりしてきた。
そんな単純な攻撃当たるかって避けたんだけど、この赤い奴爆発する。
しかもその爆発が結構痛いから困る。
「生存者は確認出来ません。全滅したものと判断し、撤退します」
オペレーターに逃げますよって言った。
こんな特攻野郎とは戦いたくないので逃げる以外の選択肢はありません。
『了解しました。地上で回収するので一刻も早く戻ってください』
オペレーターも了承してくれたので一目散に逃げることにしたけど、あの赤い奴どんどん数が増えてる。
……このままじゃ特攻野郎に吹き飛ばされる未来が見えるのでどうにかしよう。
使える物は何でも使ってこの場を切り抜けるのだ!
「HILBERT EFFECT」
今使ったのはゼノサーガ世界で登場するグノーシスっていう奴を弱体化させる兵装だよ。
あの赤い奴はグノーシスじゃないけど、もしかしたら弱体化出来るんじゃないかって思って使ってみた。
結果は……効きました!
どうやらHILBERT EFFECTは他作品の存在でも弱体化出来るみたい。
これはラッキーですよ。
HILBERT EFFECTの効果が効いてる内に外へ出よう。
「G・SHOT」
武装をDRAGON・TOOTHからG・SHOTに変更。
ここは弾をばら撒けるG・SHOTの方が良さそうだと判断したよ。
動きが鈍ってるなら大量にいる赤い奴もただの的だわ。
地上へ向かうための通路に居座ってる大量の赤い奴をG・SHOTで薙ぎ倒して先に進む。
赤い奴は幸いなことに地上へは出てこないみたい。
どうして地上に出てこないのかは不明だけど助かったわ。
よし、さっさとこんな場所からはおさらばしよう。
あんな奴とはもう関わりたくないからね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
クレスト社の内輪揉めは、反乱を起こしていた現場の部隊がほとんど壊滅したことで鎮静化しつつある。
このまま遠からず反乱は終息するんだろうなって他人事のように思ってたらクレスト社から依頼があった。
依頼内容はベイロードシティで抵抗を続けるAC――デュアルフェイスの撃破。
他に受けたい依頼も無かったので、デュアルフェイス討伐の依頼は引き受けたよ。
早速、ヘリでベイロードシティへ向かう。
デュアルフェイスは都市内部で立て籠もっているみたい。
ベイロードシティの外壁に設けられた重厚な扉を潜り抜けると、ビルの上にデュアルフェイスがいた。
ベイロードシティ内部は何度も戦闘があったんだろうね。
いくつかの建物は倒壊して瓦礫と化してる。
これならもう少し瓦礫の山を作ってもばれないでしょってことで初手はX・BUSTERを使う。
収束モードで発射したので極太ビームがデュアルフェイスに向かって飛んでいく。
これで決まれば楽が出来て嬉しいけど相手はそんなに甘い奴じゃない。
ビルから飛び降りたデュアルフェイスはビームを躱してグレネードランチャーを撃ってきた。
飛んできたグレネードはビルを盾にして防御。
爆風が収まったところでデュアルフェイスに向かって走り出す。
デュアルフェイスは空中に飛び上がり、グレネードランチャーをバンバン撃ってくる。
「G・SHOT」
両手にG・SHOTを転送して応射するが、デュアルフェイスもビルを盾にして私の攻撃を防ぐ。
そしてビルの隙間からグレネードランチャーで攻撃してきた。
グレネードの爆風がKOS-MOSを撫でるが構わず攻撃を続ける。
G・SHOTの火線が次第にデュアルフェイスを捉え始めた。
デュアルフェイスにダメージが蓄積していくが動きに乱れは無い。
その辺は流石だなって思う。
「X・BUSTER発射」
一気に勝負を決めるためにもう一度X・BUSTERを使う。
再び発射したX・BUSTERはデュアルフェイスの左腕を消滅させた。
デュアルフェイスはそれを気にせずにグレネードランチャーを撃ち続ける。
しかし、片腕を失ったことで機体のバランスが悪くなったのかさっきより狙いが若干甘い。
このチャンスを逃さずにG・SHOTの銃弾をデュアルフェイスに叩き込む。
それとおまけにM・SHOTを発射して火力を倍プッシュだ。
G・SHOTの銃弾とM・SHOTのミサイルを同時に捌くことはジノーヴィーでも無理みたいでデュアルフェイスはどんどん被弾していく。
『……そうか。君は、もしかしたら……』
ジノーヴィーは何かを言おうとしたが、言葉の続きはデュアルフェイスの爆発音で聞こえなかった。
『level up!』
ジノーヴィーを倒したことでレベルが上がった。
KOS-MOS Ver.4(コピー魔神) Lv16
格闘150
射撃168
技量166
防御133
回避181
命中184
固有能力 【コピー能力】
一般能力 【強化人間Lv5】
ジノーヴィーは良い経験値になった。
レベルが3つも上がったからそれは間違いない。
『レイヴン、お疲れ様でした。回収するので外で待機してください』
オペレーターの言う通り、ベイロードシティの外で迎えのヘリを待つ。
それから数分後、ヘリに乗って私は帰路についたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
壊滅したと思ってたナービス社から依頼がきた。
最後にミラージュ社へ一矢報いる為の依頼かと思ったらどうも違うみたい。
依頼内容は秘密基地で作ってた巨大MTの破壊。
なんか起動したら暴走を始めて手が付けられないらしい。
停止スイッチくらい付けておけよって思わなくもない。
まあ依頼された以上、やらないといけないのがレイヴン。
そんなわけで私はナービス社の秘密基地にやってきたのだ。
『レビヤタンは高高度より高火力武器で攻撃するように設計された飛行MTです。未完成のため格納庫から動くことは出来ませんが、レビヤタンの有する武装は非常に強力です。戦闘の際には被弾に注意してください』
目標の巨大MT――レビヤタンは格納庫の奥で鎮座してるらしい。
動けないなら大きな的だって言えるけど、殺意マシマシの武装で攻撃してくる固定砲台とも言えるかな。
いずれにせよ、面倒臭い奴だってことははっきりしてますよこれは。
『レビヤタンの周囲には複数のジェネレーターが設置されています。破壊すればレビヤタンの攻撃を制限出来るはずです』
オペレーターはそう言うけど、ジェネレーターを破壊してる暇は無いと思うの。
のんびりしてると消し炭にされちゃう可能性大ですわ。
『隔壁を開放します。突入してください』
いやいや、突入しろって言われても隔壁の向こうから爆発音が聞こえてるし。
これ絶対、隔壁の隙間を狙ってレビヤタンが攻撃してるよ。
これじゃ突入した途端にやられちゃうじゃん。
『レビヤタンはAI制御されています。そのため攻撃パターンは決まっています。タイミングを見計らって攻撃してください』
……お、そう言われると確かにレビヤタンの攻撃は一瞬の隙があるね。
ほんとに一瞬しか隙が無いから、その一瞬でレビヤタンをどうにかしないと高火力で焼かれちゃうわけか。
うーん……よし、決めた。
今回はKOS-MOSの奥の手を使うことにしよう。
これで駄目なら正面から撃ち合いするしかないけど……まあ大丈夫でしょ。
よっしゃ、それじゃ突入するか。
隔壁がKOS-MOSの通れるくらい開いたところで、格納庫に侵入する。
レビヤタンは巨大MTって言われるだけの大きさだったよ。
こいつを破壊するのは大変そうだ……まあ、普通ならね。
さあ、やるぞ。
今こそKOS-MOSの必殺技を使おう!
「相転移砲スタンバイ」
KOS-MOSの必殺技……それは胸部の衣服状のパーツを展開して発射する相転移砲。
耐えられるものなら耐えてみろってんだ。
「D・TENERITAS」
撃ち出された巨大な球体がレビヤタンに直撃する。
その瞬間、レビヤタンどころか格納庫が消失。
こうして私はナービス社の切り札を瞬殺したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
キサラギ社からメールが届いた。
要約すると「新資源は旧世代の兵器」「旧世代の兵器マジやばい」「旧世代の兵器を起動しようとしてる馬鹿がいる」「助けてレイヴン!」ってことらしい。
まあ、助けてくれって言われたら(報酬次第で)助けてあげようじゃないか。
というわけで私は旧世代の兵器を制御している地下施設にやってきたのだ。
『施設内の制御装置を全て破壊してください』
オペレーターからの指示を聞きながら両手にG・SHOTを転送。
地下施設に設置されている制御装置をG・SHOTでどんどん破壊していく。
『侵入者感知。排除せよ』
一番奥の区画の制御装置を破壊しようとしたら物騒なアナウンスが流れた。
どうやら制御装置の守護者がいるらしいね。
まあ、どんな奴が相手でもKOS-MOSなら負けない。
パパッと倒してしまおう。
『ハイジョ……ハイジョ……』
やってきたのはACのような何か。
空中にフワフワ浮いてるけど、これは相手するのが面倒臭そうだ。
排除、排除うるさい奴(とりあえずUNKNOWNと呼ぼう)はまずパルスライフルを連射してきた。
ふーん、まずは小手調べって感じかな?
それならこっちはG・SHOTで応戦じゃい!
『ハイジョ……ハイジョ……』
G・SHOTの厚い弾幕をUNKNOWNは軽々と潜り抜けてくる。
そしてパルスライフルと一緒にプラズマライフルを猛射する。
ここは遮蔽物が無いから避けるしかない。
でもUNKNOWNの攻撃が激しすぎて避けきれないんですけど!
あーKOS-MOSにダメージが蓄積していく。
「X・BUSTER発射」
不利な戦況を巻き返すべく、拡散モードのX・BUSTERで攻撃する。
拡散したビームを回避するのはUNKNOWNも無理みたいで何発か被弾した。
『ハイジョ……ハイジョ……』
するとUNKNOWNの攻撃パターンが変わった。
グレネードランチャーとミサイルをバシバシ撃ってくる。
おいやめろ、グレネードやミサイルの爆発でKOS-MOSが焼けちゃうだろ!
「M・SHOT」
お返しにこっちもミサイルで反撃する。
UNKNOWNは機動力を活かしてミサイルの被弾を最小限に抑えた。
そして再びパルスライフルとプラズマライフルによる攻撃を開始。
強化人間の能力で補正がかかってるのに何でこんなに当ててくるんだよ。
ふざけんな!
「X・BUSTER発射」
もう一度X・BUSTER(今度は収束モードで撃った)を発射する。
今度はM・SHOTで相手の動きを抑制してから攻撃したぞ。
さあ、どうなる……やった!
UNKNOWNの両脚がビームの光に飲み込まれて消えた。
ラッキーショットかもしれないけどこれはチャンスですわ。
両脚を無くしたことで挙動が不安定になったUNKNOWNにG・SHOTの火力をぶつける。
『ハイジョ……ハイジョ……』
UNKNOWNもこのままじゃ負けると思ったのか全武装を一斉に発射した。
それは凄まじい火力であった。
KOS-MOSもダメージがでかすぎたのか膝をついてしまう。
UNKNOWNは膝をついたKOS-MOSを見て好機と思ったんだろう。
両腕の武装を構えながら突撃してきた。
だけど、それは間違いだぞ。
KOS-MOSの底力を見るがいい。
「DRAGON・TOOTH」
異空間から呼び出したのはDRAGON・TOOTH。
「セイバーモード。最大出力で稼働」
通常よりも威力を増したビーム刃が勢いよく伸びた。
UNKNOWNは攻撃を中断して回避しようとするが、もう遅い。
DRAGON・TOOTHによってUNKNOWNは両断され、爆発して消滅した。
『level up!』
UNKNOWNを撃破したことでレベルアップ。
まあ、強敵だったしレベルが上がるのも当然かな。
KOS-MOS Ver.4(コピー魔神) Lv19
格闘156
射撃176
技量173
防御140
回避188
命中191
固有能力 【コピー能力】
一般能力 【強化人間Lv5】
さて……それじゃ制御装置の守護者もやっつけたことだし、最奥の制御装置を壊そう。
これで駄目だったら世界は終わるけど、さあどうなるかな?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私はキサラギ社からの依頼で旧世代の兵器の起動を阻止した。
そう……阻止しちゃったのだ。
こういうのって頑張ったけど結果が伴わずに失敗みたいな展開が多い気もするが、今回の場合はそれに当て嵌まらなかったようだわ。
まあ、旧世代の兵器が世に解き放たれたら人類滅亡待ったなしだっただろうし、この結果で良かったんだと思うよ。
私としても世界が滅亡するのを見ずに済んでよかったかな。
これで心置きなく次の異世界へ行けるってもんさ。
「レイヴン……いえ、KOS-MOSさん。本当にレイヴンズアークを去ってしまうのですか? あなたは少し……いえ、かなり特殊なレイヴンでしたが、同時にとても優秀なレイヴンでもありました。出来ればこれからもレイヴンズアークに残っていただきたいのですが……」
レイヴンズアークを去ることにした私は、手続きを済ませてオペレーターと最後の会話していた。
オペレーターは「待っていかないでお願い」と言って私を引き留めようとする。
でも残念。
私はそろそろ別の世界で遊びたい気分なのだ。
そんなわけでいつまでもアーマードコア世界に留まるわけにはいかない。
「私にはやるべきことがあります。その為、レイヴンズアークに在籍し続けるのは困難であると言わざるを得ません」
「……そうですか。残念です」
オペレーターは渋々といった感じで引き下がった。
うーん……なんか少しだけ悪い気もするね。
なんだかんだここまで一緒にやってきた人だし、お礼をしないで去るのはちょっと後味悪いかも。
そうだな……あ、そうだ。
「私の口座に残っている金銭は自由に使ってください」
「え? ですが、KOS-MOSさんもこれから必要になるのでは?」
「問題ありません。あなたの役に立ててください」
「……分かりました。ありがとうございます」
よし、これでいいな。
私にとってアーマードコア世界のお金ってもう必要無い物だし、どうせなら有効に使ってくれる人に渡した方がいいよね。
「では、私はそろそろ行きます。さようなら」
「KOS-MOSさん。あなたの今後のご活躍を心から祈っています」
オペレーターと握手を交わす。
ちょっとだけ握手する時間が長くなっちゃったのは内緒。
で、オペレーターと別れた私はヘリに乗せてもらって峡谷までやってきた。
峡谷は思い出の場所ってわけじゃないけど、まあアーマードコア世界にやってきて最初に戦闘(X・BUSTER撃っただけのあれを戦闘と言っていいのかは疑問だけど)した所でもあるし、この世界を去るにはここでいいかなって思った。
「本当にここでいいのか? この辺りには何も無いぞ?」
「問題ありません。ここまで運んでくれてありがとうございます」
心配するヘリのパイロットに大丈夫だと言って私はヘリから飛び降りた。
ヘリは少しの間上空を旋回した後、帰っていった。
……さてと。
センサーを最大にして確認するが周りには何もいない。
よし、これなら問題無いなってことで私は次の異世界へ向けて旅立ったのだった。