コピーしたKOS-MOSに憑依して戦う魔神の戦闘記録 作:真っ黒鉛筆
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アーマードコア世界に別れを告げて次の異世界にやってきた。
今度の世界は地球防衛軍世界っていうところらしい。
地球防衛軍っていうと宇宙人と戦うゲームだっけ?
なんかEDFっていう組織が凄く頑張るってことは知ってるよ。
……まあ、裏を返せばそれくらいしか分からないんだけどね。
うん……またよく知らないゲームが原作の世界に来ちゃったぞ。
原作知識が薄いからちょっとだけ不安だわ。
……でも、見方を変えれば初見だから新鮮な気分で遊べるのか。
うん、そうだよここはポジティブに考えよう。
「あ、こんな所にいたのか。困るよ勝手にうろついちゃ」
おっと、ここでファーストコンタクト発生。
近付いてきたのはどうやら兵士みたいだね。
アーマードコア世界ではいきなり銃を向けられたけど、この世界の兵士はどうかな?
「新人のウイングダイバーってのは君だろ? 今日は午後から基地見学ツアーに大勢やってくるからのんびりはしていられないぞ」
どうやら地球防衛軍世界の兵士は暴力的じゃないみたい。
相手から敵意は感じないし、ここは相手の出方を窺おうっと。
「その格好、ウイングダイバーの新しい装備でしょ? まあ、客受けを考えたら君みたいな美人が来るのは正解かもね。見学ツアー後のショーが楽しみだよ」
うーん、目の前の兵士はなんか勘違いしてるみたいだね。
まあ、訂正したらそれはそれで面倒なことになるだろうし、ここはばれるまで黙っておこう。
それに今の状況って少し面白いしね。
「じゃあ、基地内を案内するからついてきて。はぐれないようにね」
ここは素直について行こう。
私は空気の読める神だからね。
空気の読めない邪神ちゃんとは違うのですよ。
『うわあああ! 怪物だあああ!』
『食われた! 上司が食われた!』
『撃て! 撃ち殺せ!』
……どうやらこの基地(センサーで確認した感じ地下基地っぽい)では戦闘が起こっているようだ。
さっきから基地内で兵士達の通信が激しく飛び交っていますよ。
「ちょっとうるさいけど気にしなくていいよ。こういう訓練はよくあるんだ」
いや、これ訓練じゃないでしょ。
KOS-MOSのセンサーが次々に湧いて出てくる巨大生物を捉えてるよ……あ、停電だ。
「今日の訓練は気合入ってるなぁ。いつもはここまでしないんだけど……」
……うん、能天気な兵士は放っておいて、そろそろ戦闘準備をしようかな。
巨大生物も扉の向こう側でスタンバイしてるみたいだし。
これって絶対待ち構えてるでしょ。
「G・SHOT」
転送したのはお馴染みのG・SHOTだよ。
とりあえずこいつなら巨大生物がどんな奴でも対処出来ると思う。
「……え? 何それ? 君そんなの持ってなかったよね?」
こっちを見て驚く兵士。
私を見て驚く暇があったら戦う準備をした方がいいと思うよ。
まあ、腰の拳銃でどこまで戦えるのかは分からないけど。
「敵性体を捕捉。戦闘行動を開始します」
「ちょ、ちょっと君!? いきなり何を言って……」
慌てる兵士を無視してG・SHOTのトリガーを引く。
爆音を出しながら撃ち出された弾丸が扉越しに巨大生物を撃ち抜く。
巨大生物は何匹が仕留めたけど、残りが扉を突き破って出てきた。
巨大生物の外見は巨大な蟻って感じ。
あの顎で噛み付かれたら人間は真っ二つにされそう。
「う、うわあああ!」
兵士はパニックになったのか走って逃げていった。
まあ、この場に残ったとしても何の役にも立たないし別にいいか。
それよりも巨大蟻ですよ。
巨大蟻は私に向かって突撃してきた。
馬鹿正直に真っ直ぐ走ってきたのでG・SHOTの弾幕で1匹残らず倒すことに成功。
棒立ちでG・SHOTを撃つだけの簡単な作業でした。
倒した巨大蟻の肉片やら体液やらがそこら中にへばり付いていて気持ち悪いが、私は後片付けとかしないからね。
「無事か! 助けに来たぞ!」
通路の奥から兵士が何人か現れた。
兵士達はアサルトライフルで武装している。
よく見れば兵士達の中にさっき逃げた兵士が混じってた。
仲間と一緒に私を助けるために戻ってきたのかな?
「うおっ!? もうやっつけてるじゃねえか!」
「これだけの怪物を1人で倒すとは……驚きだな」
「これは一体何なんだ? こんな巨大な生物がいるなんて……」
兵士達は巨大蟻の死体を見てそれぞれ思っていることを呟いてる。
まあ、こんなでかい蟻を見たら驚くよね。
「敵性体はまだ基地内に残っています。この場に留まり続けるのは危険です」
兵士達にここにいたら危ないことを伝えたよ。
あの巨大蟻まだまだたくさんいるからね。
「……そうだな。彼女の言う通りだ。とりあえず安全な場所に行こう」
兵士達の中心にいる人(たぶん隊長かな)がそんな提案をした。
安全な場所とか今の基地内にあるんだろうかって思ったけど、運良く巨大蟻が侵入していない格納庫があったよ。
そこで一旦落ち着いた私達は自己紹介(当然私の自己紹介は嘘塗れである)を済ませて今後について話し合った。
その結果、この場に留まるのは非常に危険だという結論に至り、地上へ脱出することに。
「KOS-MOS。怪物と遭遇した場合、お前の火力は頼りになる。実戦は初めてかもしれないが頑張ってくれ。俺達が生き延びるかはお前に懸かっている。新人に頼るのは遺憾だが、今は非常事態だ。我々にも余裕が無いことを理解してほしい」
隊長は苦々しい表情をしてる。
新人のウイングダイバー(私はそういう設定で押し通すことにした)に頼るってのは軍人として思うところがあるんだろうね。
「了解しました。援護は任せてください」
「すまんな。……よし、これより地上へ向かうぞ! 全員、俺について来い!」
隊長の言葉に従い、移動を開始する。
まずはエレベーターのある区画まで移動するようだ。
この基地のエレベーターは停電してもちゃんと動くんだとか。
でも、私的にはエレベーターじゃなくて階段を使った方がいいと思う。
「周囲を警戒しろ。視界が悪いから怪物を見落とさないように気を付けるんだ」
通路は停電のせいで暗い。
一応、非常灯が点いてるけど視界は悪いね。
隊長が警戒しろって注意するのは当然か。
……でも、KOS-MOSのセンサーによると巨大蟻は近くにいない。
巨大蟻はこの先の区画に集まってる。
どうして集まっているのかは不明。
ふむ、私のG・SHOTなら巨大蟻は簡単に蹴散らせる。
兵士達の安全を確保する意味でもここは先行しておこうかな。
これも立派な援護だよきっと。
「敵性体を確認しました。先行して攻撃します」
「なっ、KOS-MOS! 勝手なことはするな!」
隊長が何か言ってたけど無視して先に進む。
長い通路を駆け抜けて曲がり角を曲がると、そこには大量の巨大蟻がいたので、すかさずG・SHOTで攻撃する。
数匹の巨大蟻がG・SHOTの銃弾でミンチになったところで他の巨大蟻がこっちに気付いた。
巨大蟻はどいつもこいつも突撃してくるので火力さえあれば余裕で対処出来る。
1匹、また1匹と数を減らしていく巨大蟻。
周囲の巨大蟻を殲滅するのは3分もあれば充分だった。
「KOS-MOS!」
巨大蟻を殲滅してから少し待っていると兵士達が走ってきた。
そんなに急いで来ることなんてなかったのにね。
「周辺の敵性体は倒しました。先に進みましょう」
「この、馬鹿野郎!」
隊長がいきなり殴ってきたので、G・SHOTを手放して隊長の拳を受け止める。
訳が分からない。
何でいきなり殴ってきたの?
暴力反対。
「お前は自分が何をしたのか分かっているのか?」
「敵性体を排除しました」
「違う! お前は軽率な行動で自分の命を危険に曝したんだ!」
いやいや、こんなの危険の内に入らないって。
危険っていうならアーマードコア世界でACと戦うことの方がよっぽど危険ですわ。
「今後は勝手な行動は慎め。これは命令だ」
「……それでは私の能力を最大限に発揮することが出来なくなります」
「KOS-MOS! 聞き分けろ! お前も軍人だろう!」
むむむ……これじゃ好き勝手に戦えないじゃん。
自分の嘘の履歴がこんな形で足を引っ張るとは思わなかった。
「……了解しました。以後は援護に徹します」
まあ、いいもんね。
どうせ乱戦になれば私に構ってる暇はないでしょ。
ここは適当なことを言って誤魔化しておこう。
「分かればいい。じゃあ進むぞ。エレベーターはもうすぐだ」
隊長はそう言うと先頭に立って歩き始めた。
他の兵士も隊長に続いて歩いていく。
私も彼らに続いて歩き始める。
エレベータまで続く通路を歩いていると私を慰めようと話しかけてきた兵士がいた。
話しかけてきたのは私がこの世界に来て初めて出会った兵士だったよ。
別に落ち込んだりはしてないけど、気遣ってくれてありがとう。
「エレベーターだ!」
「やった! これで地上に出られるぞ!」
エレベーターが見えると兵士達のテンションが上がった。
でもすぐに持ち上がったテンションは下がった。
何故ってエレベーターが動かなかったのだ。
どうやらエレベーターを吊ってるワイヤーが切れてるみたい。
何というか、ある意味お約束の展開ってやつかな。
「エレベーターが駄目なら階段を使うしかないな。戻るぞ」
いや、戻るのかよ。
ここへ来るまでの道のりに階段が存在するならそっちを使えばいいのに。
エレベーターに拘った理由は何なんですかねぇ?
「しかし、地上の連中は何をしてるんだ? 地下がこんな有り様だってのに」
「きっと地上は情報が錯綜していてごたついてるんだろうさ」
「……もしかして俺達見捨てられたんじゃないだろうな?」
「やめろよ、そんな縁起でもない」
兵士達が愚痴り始めた。
きっと喋ってないと不安なんだろう。
彼らだって巨大な蟻がいきなり襲ってくるなんてシチュエーションは想定外だろうしね。
強いストレスに曝されて少し参っちゃってるのかもしれない。
「あーやっと階段まで来たぜ。あとはこいつを登ればこのくそったれな地下とはおさらばだ」
兵士達の愚痴を聞き続けてたらいつの間にか階段に辿り着いた。
巨大蟻は近くにいないからチャンスだな。
さっさと階段を登って地上に行こう。
「出口はもうすぐだ。地上に出れば助かる」
「ここまで来たらもう安全だな」
階段を登ってると兵士の軽口が聞こえちゃった。
私、知ってる。
こういうのってフラグが立ったって言うんでしょ?
実際にフラグが立ったのかは地上に出れば分かるかな。
さあ、果たして結果は如何に?
「何だ、これは……!?」
はい、やっぱり兵士達の会話はフラグ発言でした。
地上には巨大蟻が蠢き、空には無数の円盤が浮いてますよ。
どう見ても宇宙人の侵略行為ですね。
そんな宇宙人に対抗してるのは戦車や人型兵器……いや、対抗出来てる?
巨大蟻の酸攻撃に為す術もなく溶かされてるような気がする。
もうちょっと頑張ろうよこの世界の兵器達。
「空を見てみろ……円盤みたいなのが浮いてるぞ」
「空飛ぶ円盤!? そんな馬鹿な!」
「地下にいる間に映画の撮影でも始まったのか!?」
「外に出れば安全じゃなかったのかよ!」
兵士達はだいぶ混乱してるね。
まあ、私も原作知識無かったらちょっとだけ混乱したかも。
目の前の光景はそれだけインパクトの強いものだったよ。
「……味方が襲われている! 援護するぞ!」
隊長は割とすぐに冷静になった。
そして兵士達に指示を出しながら巨大蟻に立ち向かっていく。
人間が生身で無茶するなって思いつつ、私も戦闘に参加。
G・SHOTの火力で巨大蟻を次々と粉砕していく。
『くそ、肝心な時にコンバットフレームが動かないとは!』
おっと、人型兵器の通信を傍受した。
どうやらあの人型兵器はコンバットフレームっていうらしい。
『歩兵部隊はコンバットフレームを守れ! コンバットフレームが再起動するまでの時間を稼ぐんだ!』
またコンバットフレームから通信だ。
どうもコンバットフレームに乗ってる人は階級が高いらしい。
そうじゃなきゃ命令出来るわけないもんね。
『撃て! 怪物をコンバットフレームに近付けるな!』
……コンバットフレームを守れというけど、それって守る価値あるの?
なんか起動したら戦況が好転するぞって思ってる節があるようだけどさ。
私にはそこまで凄い兵器には見えないんだよね。
うーん……アーマードコア世界の兵器に馴染み過ぎたかなぁ。
「KOS-MOS! 一旦下がれ! 突出しすぎだぞ!」
前線でG・SHOTを乱射してると後ろから隊長がやってきた。
私に後方へ下がれってわざわざ言いに来たみたい。
私を心配してくれてるのは分かる。
でも私がこの場から離れたら巨大蟻が一気に攻めてきちゃうよ?
後ろにいる兵士達の負担を減らす為に、今は私が頑張るしかないと思うんだけどな。
「味方の損耗を抑える為、この場から離れることは出来ません」
「大丈夫だ! もうすぐコンバットフレーム隊が戦えるようになるからな!」
隊長もコンバットフレームに熱い信頼を寄せてるらしい。
あの人型兵器の何がそんなに凄いのか?
実際に戦ったら強いの?
『よし、再起動完了だ! コンバットフレーム隊、戦闘を開始する!』
どうやら、コンバットフレームが戦えるようになったみたいだわ。
さて、どんな物かね期待の兵器の実力は?
「うおおおお! いけるぞ! 怪物をやっつけてくれ!」
隊長のテンションが爆上がりしてるのは放っておいて、コンバットフレームの戦いぶりを見る。
コンバットフレームは両腕に装備したマシンガンを掃射。
マシンガンは巨大蟻にも通用するようで、巨大蟻は次々と倒されていく。
……なるほど、コンバットフレームは火力だけはなかなかの物を持ってるね。
ちょっとだけ見直したよ。
ほんとにちょっとだけね。
『よし! 歩兵部隊はコンバットフレーム隊と協力して怪物を……何だあれは!?』
反撃に転じようとしてたところに水を差すように空から杭みたいなのが大量に降ってきた。
地面に突き刺さった杭……いや、塔かな。
それからどんどん巨大蟻が出てくる。
たぶん巨大蟻はどこか別の場所から転送してるんだろうね。
KOS-MOSも空間転送技術を使ってるからなんとなく分かるよ。
『怪物だ! 降ってきた塔から怪物が出てきたぞ!』
『あの塔は怪物を出現させる装置なのか!?』
『数が多すぎる! この基地はもう駄目だ!』
通信からは混乱が伝わってくるし、周囲の兵士達は明らかに動揺してる。
このまま戦ったら全滅も覚悟しないといけないけど、さてどうなるのかな?
『基地を放棄する! ただちに撤退せよ!』
どうやら逃げてもいいらしい。
まあ、これだけの戦力差があれば撤退も仕方ないね。
誰が命令したのかは分からないけど、迅速な判断は凄く良いと思うよ。
「KOS-MOS逃げるぞ! 俺達について来い!」
隊長達も逃げるようなので一緒について行く。
幸いなことに宇宙人からの追撃はなく、私達は無事に基地から脱出することが出来たのだった。