可憐な少女達と紡ぐ日常   作:なかムー

14 / 21
 皆さまお待たせしました。

 今回は前話の続きでヴァンガードイベントのラスト回となります。

 それでは、本編をどうぞ。


#3.癒しの翼、獣帝の咆哮を歓声に

 「行くよ、春奈」

 「清く、正しく、美しく。参ります!」

 

スタンドアップ・ザ・ヴァンガード

 

 「号笛の奏者 ビルニスタ

 「樹角獣 ローテ

 

 颯樹さんが使うのは、葵依さんと同じ国家……【ケテルサンクチュアリ】。私が後手なのは少しやりづらい所はありますが、ここは勝ってみせますわ。

 

 「僕のターン。スタンド&ドロー、手札を1枚破棄して《愛琴の奏者 アドルファス》にライド。ライドした時《エネルギージェネレーター》をセットして、ターンエンド」

 (手札5→6→5/ドロップ0→1)

 (ソウル0→1)

 

 「私のターン。スタンド&ドロー、手札を1枚破棄して《花めく樹角獣 カリス》にライド。私もライドした時《エネルギージェネレーター》をセット。その後、今回は私が後攻なのでセットした後にエネルギーチャージ。続けてローテのスキルで、デッキから1枚ドロー。《傲然の貴公子 フィランダ》をコール。登場時にスキル発動。山札の上から5枚を見て、その中から1枚を破棄しますわ」

 (手札5→6→5→6→5/ドロップ0→1)

 (エネルギー0→3/ソウル0→1)

 

 【山札の上から5枚】

 ・《樹角獣 アルピン》

 ・《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》

 ・《魂魄封ぜし禁忌の形代(フォビドゥン・サラゲイト)

 ・《樹角獣 ジャッカロープ》

 ・《樹角獣 バナスパティス》

 

 「私はその中からアルピンを破棄して、残りを山札に戻してシャッフルしますわ。バトル……カリスで攻撃」

 (ドロップ1→2)

 

 「《白牙の魔女 ディスマ》でガード」

 (手札5→4/ドロップ1→2)

 

 「ドライブチェック《樹角獣 ジャッカロープ》。ゲット・クリティカルトリガーですわ! 効果を全てフィランダに与えて、そのままヴァンガードに攻撃!」

 (手札5→6)

 

 「ダメージチェック。1枚目(ファーストチェック)《深謀の聖騎士 サージェス》。2枚目(セカンドチェック)円環の女魔術師(サーキュリング・ソーサレス)》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復、パワーをアドルファス」

 (ダメージ0→2→1/ドロップ2→3)

 

 やりましたわ、最初からトリガーが出るとは……滑り出しは順調、と言った所でしょうか?

 

 「ターンエンド」

 

 「僕のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して《霊弦の奏者 エルジェニア》にライド。先ずはアドルファスのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに払い、デッキから2枚ドローして、ノーマルユニットを1枚破棄。続けてライドする際のコストとして破棄された《ディヴァインシスター びすこってぃ》のスキル発動。エネルギーブラスト3をコストに支払い、デッキから1枚ドロー」

 (手札4→5→4→6→5→6/ドロップ3→4→5)

 (エネルギー0→3→0/ソウル1→2→1)

 

 一つ一つの無駄を取り除いて、自分の為すべき最善の策を練って来る……さすが、颯樹さんですわ。貯められたエネルギーも余さず使い切り、先程のターンでガードに消費した分の手札も即座に補充するなんて、この方が本当に私たちの仲間で良かったと心の底から思いますね……。

 

 「《騎機奮迅 ヴァルトロッサ&ライエル》をコール。登場時にスキル発動。ドロップからノーマルユニット……ビルニスタを山札の下に返し、カウンターブラスト1をコストに支払う。そうしたら、山札の上から5枚を見て、その中の1枚を公開。公開したカードが【レガリスピース】を持たないオーダーなら手札に加え、ヴァンガードのグレード以下のユニットならリアガードとしてコールできる」

 (手札6→5/ドロップ5→4)

 

 【山札の上から5枚】

 ・《遍歴の剣聖 アイディラス》

 ・《アイジスメア・ドラゴン》

 ・《その輝きは遠く空の彼方より(ブレイシング・エンジェルラダー)

 ・《ぐらがおん》

 ・《騎機奮迅 ヴァルトロッサ&ライエル》

 

 「僕はアイディラスを公開して、残りをデッキに戻してシャッフル。その後、選んだカードがヴァンガードのグレード以下のユニットなので、リアガードとしてコール。《昂薬の魔法 ユユリア》をコール。バトル……ユユリアのブースト、エルジェニアで攻撃」

 (手札5→4)

 

 このタイミングでヴァンガードの後ろに、ブースターを置いてきましたか……。エルジェニアには、ヒットした時に発動するスキルがあるのでしょうか? なら、ここは一度受けてその後を確かめてみましょう。

 

 「ノーガードですわ」

 「チェック・ザ・ドライブ《天音の楽士 アルパック》。ゲット・フロントトリガー。前列のパワー+10000」

 (手札4→5)

 

 「ダメージチェック《樹角獣 バナスパティス》。トリガーはありませんわ」

 (ダメージ0→1)

 

 「次だ、アイディラスで攻撃」

 

 ……エルジェニアの効果は無し。

 

 と言う事は、能力の使用は次のターン。恐らく……颯樹さんの分身(エース)が出て来る時に、それに応じて効果を発揮するのでしょう。ならば、ここはダメージを最小限で抑えなければ。

 

 「ノーガード、ダメージチェック《樹角獣 ズラトロク》。ゲット・ヒールトリガー! ダメージ1回復して、パワーをカリスに与えますわ!」

(ダメージ1→2→1/ドロップ2→3)

 

 「ライエルでフィランダに攻撃」

 「ノーガードですわ」

 (ドロップ3→4)

 

 「ターンエンド」

 

 先程のヒールトリガーのお陰で、フィランダと言う仲間の犠牲こそありましたが……それ以外はほぼ少ない被害で収まりましたわ。で、あれば。次のターンで颯樹さんの猛攻を防ぐ準備をしなければいけませんね!

 

 「私のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して《仁恵の樹角獣 ラティス》にライド。カリスのスキル発動。このユニットが樹角獣を含むグレード2にライドされた時、山札の上から3枚を見て、グレード2以下ノーマルユニットを1枚まで選び、リアガードとしてコールしますわ」

 (手札6→7→6/ドロップ4→5)

 (エネルギー3→6/ソウル1→2)

 

 【山札の上から3枚】

 ・《樹角獣 エンピックス》

 ・《天恵の源竜王 ブレスファボール》

 ・《狂乱の令嬢》

 

 「エンピックスをコールし、残りを破棄せずにそのまま山札に戻してシャッフル。そしてエンピックスを後列に移動。バトルですわ、ラティスでヴァンガードに攻撃」

 「ノーガード」

 「ドライブチェック《海撃竜 インラージガルヴ》。トリガー無しです」

 (手札6→7)

 

 「ダメージチェック《アライト・イーグレット》。此方もトリガー無し」

 (ダメージ1→2)

 

 「ターンエンドですわ」

 

 先ずは的確にダメージを与えて行かねば。

 

 次は颯樹さんのグレード3がお披露目ですが、手札が7枚もあるなら……余程の事が無い限りは!

 

 「凌ぎきれる、なんて思ってる?」

 「……っ?!」

 

 み、見透かされてましたわ!

 

 「いつだったか、みんなでババ抜きをした時があったね。その時の春奈、手札に何を持ってるかが異様に分かりやすかったから、もしかしてとは思ったけど」

 

 く、くぅぅ……私とした事が……っ!

 

 「ふふっ、春奈ちゃんと颯樹さん、楽しそう」

 「みいこ達も混ぜて欲しいのー!」

 「ダメだよ、颯樹くん達の邪魔をしちゃあ。それに……」

 

 突如として観客席から聞こえて来たその言葉は、私の中の不安を掻き立てるには充分すぎる物だった。

 

 「僕のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して……」

 (手札5→6→5/ドロップ4→5)

 (エネルギー0→3/ソウル1→2)

 

 「……来るよ」

 「「えっ?」」

 

 ……えっ?

 

 一体、何が起きると言うんですか?

 

決意の翼、未来よりここに。

《時の運命者 リィエル﹦アモルタ》に、ライド。

 

 そんな名乗りと共に現れたのは、背中に羽を生やして、純白の装いに身を包んだ……天使だった。その様はあまりにも美しく神々しくて、何処か神聖な雰囲気すら感じられる程に。

 

 ……と、言うより、何でしょうか?

 

 先程から観客席の方がかなりざわついているんですが、何があったんですか?

 

「おい、今の見たかよ……」

「ああ、アイツ……バケモンかよ……」

「なんであのレアリティを……」

 

 ……え?

 

 「ファイトの途中ですみません。颯樹さん、今さっきヴァンガードサークルに置いたカードを見せて貰っても?」

 「ん、良いよ。どうぞ」

 

 颯樹さんから承諾を貰った私は、その流れのままに1枚のカードを受け取って、イラストなどを確認し始めた。……そしてある点まで見た時、ある事実に気づいた。

 

「でぃ、DSR…?」

 

 私がそのレアリティを読み上げた……その時だった。

 

 「お、お嬢ちゃん……。今アンタが触れてるそれ……めちゃくちゃ希少な物だぜ……」

 「アイツ、こんな希少なのを当てたのかよ……」

 「マジかよ……」

 

 ……そ、それだけ貴重な物なんですのっ?!

 

 私は颯樹さんに数度頭を下げながら、確認したカードを返却した。そんな貴重なカードを、この対戦の場でお披露目している事もそうだが、私はおろか……この場の誰も知らなかった、と言う事実に驚きが隠せない。

 

 「ゔぇっ?! そのリィエルって、私……散々剥いても出なかったんだけどっ!」

 「言ってないからね。【無幻双刻(むげんそうこく)】を発売日初日に二人でカートンした後、こっそり追加してたんだよ。その時に当てて、あとはシングルで集めてたんだ」

 「ほ、ほぇぇ……」

 

 ……さ、さすがの強運ですわね……。

 

 「ファイトに戻るよ」

 「は、はいっ!」

 

 そうでした、今はファイト中。

 

 目の前の相手に集中しなければ、勝てる試合も勝てなくなりますわ!

 

 「エルジェニアのスキル発動。ドロップからノーマルユニットを望む枚数選択し、山札の下に置く。僕が選ぶのは、このユニットたちだよ」

 

 【ドロップから山札の下に置いたカード】

 ・《遍歴の剣聖 アイディラス》

 ・《ディヴァインシスター びすこってぃ》

 ・《ディヴァインシスター びすこってぃ》

 ・《騎機奮迅 ヴァルトロッサ&ライエル》

 

 「僕がこの効果で置いたカードは4枚。3枚以上を山札の下に置いたので、デッキから1枚ドロー。続けてびすこってぃのスキル発動。エネルギーブラスト3をコストに払って、デッキから1枚ドロー」

(手札5→6→7/ドロップ5→1)

(エネルギー3→0)

 

 ……やはり、無駄がありませんわね……。

 

 びすこってぃが2枚見えていたので、恐らくライドコストとして破棄した直後にデッキの下に置いたのでしょう。そして貯められたエネルギーは、びすこってぃの効果のコストとして払い、手札のリカバリーに充てる。

 

 ……悔しいですが、この中に居る誰よりも……強い

 

 「《アライト・イーグレット》《ぐらがおん》をコール。バトルに行くよ。アイディラスでヴァンガードに攻撃。ブーストは付けずに単体だ」

 (手札7→5)

 

 パワーは10000……で、あれば!

 

 「エンピックスでガード!」

 (手札7→6/ドロップ5→6)

 

 「ユユリアのブースト、リィエル﹦アモルタでヴァンガードに攻撃」

 

時の力は、未来の姿を指し示す。

スキル発動。

 

 「カウンターブラスト1をコストに支払い、アイディラスをバインド。その後、山札からバインドしたカードと同名のユニットカードを1枚コール。アイディラスをコール。その後山札をシャッフル。続けてユユリアのスキル発動。ヴァンガードがリィエルを含んでいるなら、パワー+5000。そしてブーストしているのが、カード名にリィエルを含むヴァンガードなら、追加でパワー+2000」

 (パワー28000/

 

 少しずつパワーを上げて来ますか……。

 

 どこまでも、隙が無い…っ!

 

「まだ終わりじゃないよ」

 

 ……え?

 

 「リィエルの効果でバインドされた、アイディラスのスキルもこの時点で発動。ソウルブラスト1をコストに支払って、デッキから1枚ドローし、リィエルのパワー+5000」

 (手札5→6/ドロップ1→2)

(ソウル2→1)(パワー33000/

 

 更に要求値を上げて来た……ここで25000も一度に払おうものなら、返しのターンで攻めにくくなるのは確実。ならば、ここは手堅く。

 

 「ノーガード!」

 「チェック・ザ・ドライブ。1枚目《時の運命者 リィエル﹦アモルタ》。2枚目《白牙の魔女 ディスマ》。ゲット・クリティカルトリガー。ライエルのパワー+10000、リィエルのクリティカル+1」

 (手札6→8)

 

 ……こ、ここでトリガーを引くんですか?!

 

 見た目の美しさからは想像もできないくらいに、かなり攻めっけが強いみたいですね…っ!

 

 「ダメージチェック。1枚目《魂魄封ぜし禁忌の形代》。2枚目《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》。……トリガー無し」

 (ダメージ1→3)

 

 「ぐらがおんは【ディヴァインスキル】を能力に持つヴァンガードの効果でリアガードが新しく登場した時、自分のターン中は永続でパワー+5000される。ぐらがおんのブースト、ライエルでヴァンガードに攻撃」

 

 パワーは同じく33000……私のラティスは先程のダメージチェックでトリガーが出なかったので、パワーは変わらず10000。ちょっとここは勿体無いですが……っ!

 

 「フレンドシップと、狂乱の令嬢でガード! スキルで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、シールド+5000!」

 (手札6→4/ドロップ6→8)

 

 「バトル終了時、ぐらがおんのスキル発動。自身を退却させる事でカウンターチャージ。イーグレットのブースト、アイディラスでヴァンガードに攻撃。アイディラスは、自身と同名カードがバインドゾーンにあるなら、自身のパワー+10000。そして、イーグレットはヴァンガードがリィエルを含んでいるなら、パワー+5000、シールド+5000」

 (ドロップ2→3)

 

 ……ちょっ、もう一回33000ですか?!

 

 ここで手札を多めに使い過ぎるのは得策じゃない……だったら、ここは甘んじて。

 

 「ノーガード、ダメージチェック《海撃竜 インラージガルヴ》。トリガーはありませんわ」

 (ダメージ3→4)

 

 「ターンエンド」

 

 ……な、なんて強さなんですの……?!

 

 しかもさっきのドライブチェックで同名(ペルソナ)も回収しましたし、次に攻め込む時は颯樹さんの最高火力が飛んで来るのはほぼ確定。それに先程ぐらがおんのスキルを聞いた時に、何やら聞き慣れない単語が出て来ましたわね……。

 

 ……いいえ、臆してはいけません。

 

 次は私のG3の番。ダメージ4と言う、少し追い込まれた状況ですが……ここから逆転してみせますわ!

 

 「私のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚捨てて……」

 (手札4→5→4/ドロップ8→9)

 (エネルギー6→9/ソウル2→3)

 

目覚めよ、樹海を護りし獣の王!

《樹角獣王 マグノリア》にライド!

 

 「ラティスのスキル発動。マグノリアを含むグレード3以上にライドした時、ソウルブラスト1をコストに支払い、ドロップからグレード3以上か、ノーマルオーダーを手札に加えますわ。私は先程破棄した《海擊竜 インラージガルヴ》を手札に。そしてインラージガルヴのスキル発動。このユニットがライドデッキからグレード3にライドする時に破棄された時、デッキから1枚ドロー」

 (手札4→5→6/ドロップ9→10→9)

 (ソウル3→2)

 

 ……さて、颯樹さんの手札は今の時点で8枚あり、ダメージは2。片や私は手札が6枚で、ダメージ4。颯樹さんに2点(ビハインド)を許し、尚且つ盤面の状況もそこまで良好とは言えない。

 

 この状況を打破するには……これですわ!

 

 「《エネルギージェネレーター》のスキル発動。エネルギーブラスト7をコストに支払い、デッキから1枚ドロー。《フレンドシップ・フェアリー》をコール。そしてそのままフレンドシップの効果を発動しますわ!」

 (手札6→7→6/エネルギー9→2)

 

 「(……来るか)」

 

 「マグノリアを含むヴァンガードが居て、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、カウンターブラスト1をコストに支払い、自身をソウルに入れて……私の手札からマグノリアを含むグレード4をスタンド状態でライドしますわ!」

 (ソウル2→3)

 

雄大なる自然を護りし、獣の王よ。

今こそ全てを統べる帝となりて、

遍く全てに、大いなる恵みを齎せ!

《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》にライド!

 

 「来たか、マグノリア・エルダー!」

 「マグノリア・エルダーが登場した時、ソウルから1枚コールできますが、今回はパスします。《海擊竜 インラージガルヴ》をコール。スキル発動。手札からグレード4を公開するか、私のヴァンガードがグレード4なら、ソウルブラスト1をコストに支払い、ドロップからこのユニットと別名のグレード2以上を1枚手札に戻しますわ。私は《樹角獣 バナスパティス》を手札に戻して、そのままコール! 更にバナスパティスのスキル発動。カウンターブラスト1とソウルブラスト1をコストに支払い、私のヴァンガードのグレード2につき1枚、ドロップからコール。私のヴァンガードのグレードは4……それに因り、ドロップから《樹角獣 アルピン》《樹角獣 ギュノスラ》をコール!」

 (手札6→5→4→5→4/ソウル2→3→2→1)

 (ドロップ9→10→9→10→8)

 

 元から盤面に居たエンピックスを含めて、これで私の盤面はほぼ完璧になりましたわ。……あとは、颯樹さん目掛けて攻撃を仕掛けていくのみ。樹角獣帝の織り成す6連続攻撃、ナメてかかると痛い目をみますわよ?

 

 「バトルに行きますわ。マグノリア・エルダーでヴァンガードに攻撃!」

 「ヴァンガードの攻撃は《アイジスメア・ドラゴン》で完全ガード。手札を1枚対価(コスト)に破棄」

 (手札8→6/ドロップ3→5)

 

 ……それは想定通り。ですがっ!

 

 「トリプルドライブ。1枚目《プラナプリベント・ドラゴン》。2枚目《憧憬の乙女 アラナ》。ゲット・クリティカルトリガー! ギュノスラのパワー+10000、エンピックスのクリティカル+1! 3枚目《天恵の源竜王 ブレスファボール》。ゲット・オーバートリガー!」

 (手札4→6)

 

 「ここで来るかよ…っ!」

 

 「先ずはこのカードを除外して、デッキから1枚ドロー。追加効果が発動し、1枚ドローして前列のパワー+10000。エンピックスのクリティカル+1、ダメージ1回復! そしてギュノスラのパワー+100000000!」

 (手札7→8→9/ドロップ8→9)

 (ダメージ4→3)

 

 私の攻撃回数はあと5回……。

 

 さあ、ここで追い詰めますわよ!

 

 「インラージガルヴで攻撃!」

 「サージェスでガード。このユニットは、相手のドライブチェックかダメージチェックでトリガーユニットが出ているなら、パワー+10000、シールド+10000される」

 (手札6→5/ドロップ5→6)

 

 「だったら……バナスパティスで攻撃! スキル発動。このユニットが攻撃した時、私のヴァンガードのグレード2につき、このユニットのパワー+5000。私のヴァンガードのグレードは4、因ってパワー+10000!」

 (パワー35000/

 

 「(なるほど、ブレスファボールの追加効果も含めて考えたら、一番低いパワーラインは確かにバナスパティス。ここを受けて次以降を防ぐ方が丸いな)ノーガード。チェック・ザ・ダメージ《アライト・イーグレット》。トリガー無し」

 (ダメージ2→3)

 

 この一撃は受けましたか……では、確実に決められる範囲まで持って行くまで!

 

 「アルピンで攻撃! スキル発動。私の場にあるグレード2以上のリアガード2枚につき、自身のパワー+5000。私の場には6体のグレード2以上のユニットが居ますので……合計+15000!」

(パワー50000/

 

「ノーガード。チェック・ザ・ダメージ《円環の女魔術師》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復、リィエルのパワー+10000」

(ダメージ3→4→3/ドロップ6→7)

 

 攻撃はあと2回……ここで押し切る!

 

 「バトル終了時、効果でパワー+10000以上したなら、アルピンをバインドしてカウンターチャージ1とソウルチャージ1。ギュノスラで攻撃! スキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、エンピックスにギュノスラのパワーを与えます!」

 (ソウル1→2/バインド0→1)

 (パワー100025000/

 

 「ノーガード。チェック・ザ・ダメージ《昂薬の魔法 ユユリア》。トリガー無し」

(ダメージ3→4)

 

 「エンピックスで、リィエル﹦アモルタに……攻撃!」

 (パワー100043000/✶✶✶

 

 颯樹さんの現在のダメージは4で……エンピックスのクリティカルは、ブレスファボールやジャッカロープのおかげで、3まで上がってる。仮にここをノーガードしたとしても、ヒールトリガーでの回復を挟まなければ、私の勝利は確実。

 

 ……これで、終わりですわ!

 

 「《アイジスメア・ドラゴン》、手札1枚を対価に……我を彼の者の攻撃から守り給え!」

 (手札5→3/ドロップ7→9)

 

 「そ、そんなっ!?」

 「う、うそっ! 完全ガードを2枚持ってたの?!」

 「やっぱり最後の最後まで温存していましたか……。相変わらず、颯樹は侮れませんね」

 

 くっ、迂闊でしたわ……。確かに颯樹さんの手札はバトルフェイズ開始時点で8枚でしたから、まだ見えていない中に完全ガードを持っていてもおかしくなかった所。初撃を完全ガードで防いだので、もうこのターンには使われないのだろうとばかり思っていましたが……油断も隙もあったもんじゃないですわ……!

 

 「ターンエンドです」

 「僕のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。それじゃあこの場で宣言させて貰おうか」

 (手札3→4/エネルギー0→3)

 

ファイナルターン

 

 「な、何ですって?!」

 

 ……つまり、ここから私の手札を全て刈り取ったうえで、ゲームエンドまで持って行くと言う事ですの?! やられましたわ、こうなる事は全て彼の予測通り……このファイトは、全て颯樹さんの掌の上って事ですね?!

 

 「ペルソナライド、リィエル﹦アモルタ。ペルソナライドボーナスに因り、前列全てにパワー+10000して、続けてデッキから1枚ドロー。《ぐらがおん》をコール。……幸い、リアガードをガーディアンとして出す機会が無かったから、盤面はほぼ前のターンのまま。でも、春奈……キミに致命傷の一撃を与えるには充分だ」

(手札4→3→4→3/ソウル1→2)

 

 「?!」

 「バトルに入る前に、下準備。オーダーカード《その輝きは遠く空の彼方より》を使用(プレイ)。このカードをソウルに入れて、デッキから1枚ドロー。その後リィエルのパワー+5000。そしてファイター自身にある効果を付与する」

 (手札3→2→3/ソウル2→3)

 

 ファイター自身に、効果を付与するオーダーカード?

 

 私の使っている形代とは、また別の効果を持つカードと言う事でしょうか。……でも、そんなに悠長にしていられませんわ。私のダメージは3。少しでも油断をしたならば、一気に持っていかれかねません……!

 

 「アイディラスでヴァンガードに攻撃」

 「(アイディラスはペルソナライドボーナスを含めると、単体でパワー30000……それなら、ここは)インラージガルヴでインターセプト。スキル発動。私のヴァンガードのグレードは4……ですので、シールド+15000!」

 (ドロップ9→10)

 

 「リィエル﹦アモルタで、ヴァンガードに攻撃。スキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、アイディラスをバインドして、もう1枚のアイディラスをコール。そしてアイディラスのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、デッキから1枚ドローして、リィエルのパワー+5000」

 (手札3→4/ドロップ9→10)

 (ソウル3→2)

 

 リィエルが単騎で攻撃……それなら、パワーはせいぜい28000程度。蓋をしてしまえば、あとは攻めにくくなるはずですわ。そうと決まれば!

 

 「《プラナプリベント・ドラゴン》、手札を1枚コストに支払って……完全ガード!」

 (手札9→7/ドロップ10→12)

 

 「チェック・ザ・ドライブ。1枚目《ブレードフェザー・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。アイディラスのパワー+10000、クリティカル+1。2枚目《焼尽の精霊王 ヴァルナート》。ゲット・オーバートリガー」

 (手札4→5)

 

 こ、ここで……オーバートリガー?!

 

 これでは、まるで……。

 

 「うん、さっきの春奈ちゃんの意趣返しだよ」

 「このカードを除外して、デッキから1枚ドロー。アイディラスに追加効果を付与して、その後同じくアイディラスのパワー+100000000」

 (手札5→6)

 

 「ですが、この攻撃は防ぎました……あと2回、全力で止めてみせますわ!」

 「時の運命者の切り札。その真髄は過去への跳躍

 

時よ、逆巻け。

【ディヴァインスキル】、発動!

 

 「でぃ、【ディヴァインスキル】?!」

 「運命を齎す者たちに与えられし、常識を覆す一度きりの大いなる力。グレード3以上の相手のユニットに攻撃したバトル終了時、ドロップにある自身と同名のユニットカードにスタンド状態でライドする」

 (ドロップ10→9/ソウル2→3)

 

 ……そんなカード、一体何処に……。

 

 『アイディラスのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、デッキから1枚ドローして、リィエルのパワー+5000』

 

 ……ま、まさかっ?!

 

我が想い、果たすべき願いと共に……

過去へと跳躍せよ。

 

「【ディヴァインスキル】の効果で、ドロップからリィエル﹦アモルタにライド。その際、そのターン中はドライブ-1」

 

 ……やられましたわ、全ては……このために!

 

 「御明答。ライエルでヴァンガードに攻撃」

 「ノーガード。ダメージチェック《プラナプリベント・ドラゴン》。トリガー無し」

 (ダメージ3→4)

 

 「ユユリアのブースト、リィエル﹦アモルタでヴァンガードに攻撃。先ずはユユリアのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、自分の場にあるリアガードと同名カードを山札の下に置き、自分のユニット1体のパワー+5000。僕が戻すのは《ぐらがおん》。そしてリィエルのパワー+5000。続けてリィエルのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、ライエルをバインドして、山札からもう1枚のライエルをコール。さあ、この攻撃はどう凌ぐ?」

 (ドロップ9→10→9/ソウル3→2)

 (パワー43000/

 

 「春奈ちゃん……勝てる、よね?」

 「うーん……正直、望み薄かなぁ……。春奈ちゃんの盤面はまだインターセプト出来るユニットも居るし、手札もそれなりにあるよ。でも」

 「颯樹の事です、さっきのライエルも単騎で攻撃をさせていた……次にその攻撃が来たら、生半可なガードをするとそれを含めて貫通される危険性があります」

 

 「アラナ、エンピックスでガード。更にギュノスラ、エンピックス、バナスパティスでインターセプト!」

 (手札7→5/ドロップ12→17)

 

 ……合計でシールド値は48000。

 

 対して、颯樹さんのリィエルは43000。この後のドライブチェックで1枚でもトリガーが出て、尚且つクリティカルトリガーなら、私は負ける。

 

 ここは少ない確率ですが……賭けますわ!

 

 「チェック・ザ・ドライブ」

 

 私を含めた颯樹さん以外の全員が、そのドライブチェックの結果を固唾を飲んで見守っていた。それはあまりにも長い時間続いているみたいで……呼吸や瞬きをする事すら忘れる程に、この場の空気がピリピリと張り詰めていた。

 

 ……お願いします、どうか……どうか……っ!

 

 そんな私の願いを他所に、颯樹さんは山札の1番上のカードを捲ってトリガーチェックゾーンに触れる様にした。……そこに出ていたのは……。

 

 「……うそ、だろ……」

 「これ、どっちに転んでも……」

 「終わりだ……」

 

 その言葉が徐々に聞こえ始め、私は思わず瞑ってしまった瞳をゆっくりと開けた。……さあ、どうなりました……?

 

 「《白牙の魔女 ディスマ》。ゲット・クリティカルトリガー。リィエルのパワー+10000、クリティカル+1」

 (手札6→7)

 

 「そ、そんな……っ!」

 「やっぱり颯樹くん、強すぎる……」

 「ええ。ですが、それでこそ超える価値があります」

 

 私が必死になって展開した障壁(ガード)は、リィエルが魔法で生み出した魔法陣から飛び出した無数の針で……表面にヒビを入れられ、最後のひと押しで全て砕け散った。そうした後にマグノリアの目線より上の高さまで浮上した彼女は、自分の力を一点に集中させ、癒しを齎す波動を辺り一面に拡散させた。

 

 ……何でしょうか、だんだん……心地よく……。

 

 そう私が思うのと、マグノリアが自身に満ち行く安らぎに身を委ねて眼を閉じ、その場に眠るのは……ほぼ、同じ頃合だった。

 

 「ダメージチェック。1枚目《プラナプリベント・ドラゴン》。2枚目《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》。……ノー、トリガー」

(ダメージ4→6)

 

勝者(WINNER):盛谷颯樹】

 


 

 「今回はお疲れ様、リリリリのみんな」

 『お疲れ様です(なのー)!』

 

 京介と葵依、春奈と颯樹のファイトを皮切りに、その後のファイトが大いに盛り上がってイベントは大成功に収めた。その後は近くの飲食店で打ち上げを催していたのだが…

 

 「なんかすみませんね。私まで参加する事になって…」

 「これも乗りかかった船ってヤツだよ。あまり気にしないでくれ」

 

 そこには観客側の颯樹を筆頭とした千歌、優奈、希美といったメンバーもいた。あとは葵依やしのぶの姿もあった。真秀の姿もあったのだが、申し訳無さそうに打ち上げに参加しているのだが、颯樹に諭された。

 

 「というよりアンタも見学に来てたんだな」

 「正確には新島と出雲もだけどな。あとこれも一つの他ユニットの視察も兼ねてるのだよ」

 

 京介はこの打ち上げに同席している…黒で統一されたパンツスーツとサングラスを綺麗に整えた女性…姫神(ひめがみ) 紗乃(しゃの)と僅かながら雑談をしていた。ちなみに紗乃自身も、Call(コール) of(オブ) Artemis(アルテミス)(以降、アルテミス)のメンバーで Photon(フォトン) Maiden(メイデン)(以降、フォトン)のプロデューサーを兼任している人物である。

 

 そんな紗乃だが、颯樹が直に誘った事もあってか、フォトンのメンバーの衣舞紀と咲姫を引き連れて今回のイベントに参加した一人であるのだ。ちなみにその衣舞紀と咲姫も打ち上げに参加していて、両者は今は颯樹と行動しているのだ。

 

 「なるほどね。しかし紗乃さん、視察以外にも何か目的があるんだろ?」

 「おや。何故そう思う?」

 「視察程度なら他のユニットのライブとかに参加すればいいだけだが、ミニライブしかやらない今回のイベントに足を運ぶくらいだから、他に目的があるのかなーって予想してた」

 

 今回の紗乃の行動について京介は要所要所指摘するのであった。すると紗乃は彼の指摘が的確であったからか関心していた。

 

 「君の言うとおり、実は君に色々と話したい事があるから直々に話を持ちかけてきたまでだ」

 「ほう?で、話って?」

 「それは声を掛けたメンバーが他にもいるから、その時に話そう。来週の土曜日、予定は空けておいてくれよ?」

 「了解」

 

 話を終えた紗乃は、春奈と胡桃のやりとりや颯樹争奪戦(いつもの(?)光景)を見ながらウーロン茶を飲み始めた。前者の方は微笑ましく見ていたが、後者に至っては『何故そうなった』と複雑そうに頭を抱えていた。

 

 「紗乃さんとの話は終わったの?」

 

 紗乃との話を終えた所を見計らった美夢が京介の隣に座って尋ねてきた。

 

 「嗚呼。なんでも他のメンバーを集めて話がしたいそうで」

 「そうなんだ。でも話って?」

 「さてな。でも来週集まるからその時になったら分かると思うよ」

 

 そう言いながら美夢を自身の元まで引き寄せると、紗乃に併せるように、自身も見慣れた光景を見ながらジンジャーエールを飲み始めた。それと同時に来週の集まりに多少の期待を膨らませるのであった────。




 まずは感想、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです!

 次回の投稿はまだ未定ですが、今回の続きになります。何をするのかはネタバレ防止のためお伝えは控えさせていただきます。

 それでは、次回をお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。