いやー、アニメの『D4DJ All Mix』が予想通りの良さでございます……!コレ1話だけでもいいから執筆してみても悪くないかな?(なら本編書けっていう……)1話だけでも先行してみようと気持ちに駆り立たされる……!
雑談はさておき、それでは……本編を最後までお楽しみください。
京介達がレコードプレイヤーを見つけて数日後。この日は休日であるが、京介は今制服に身を包んで歩いている。
この日は定期的に行われる聖歌隊のチャリティー公演の日で、聖歌隊に所属してる美夢に招待された事を受けて、会場である有栖川に向かっているのであった。
しかし……
「待ってーーーーー!」
「へへっ、待てと言われて待つ馬鹿はいねぇよ!」
その道中、京介の進行方向から少女の叫び声が聞こえた。何事かと思い声のする方向を見ると、一人の少女が黒いニット帽を被った20代くらいの男を走りながら追いかけていた。
ニット帽の男の左手には財布が握られていた。どうやらこの男が少女にスリをしたようだ。
この状況を見て察した京介は歩くスピードを緩めた。そうしてる間にも、ニット帽の男が京介の近くまで来ており、彼の右隣を横切ろうとした。しかし……
京介は咄嗟に足を伸ばしてニット帽の男の足に引っ掛けた。ニット帽は足元をよく見てなかったため、足が引っ掛かった事については、掛かるまで気づかなかったようで転びはしなかったが、転ばぬように必死に堪えたがよろけていた。
「フン。」
「ひでぶっ⁉︎」
その隙をついて京介はニット帽のこめかみに手刀を繰り出した。その際、京介はニット帽の手に持っていた少女の財布を目にも止まらぬ速さで奪い返した。そしてニット帽は当然それに気づかずに、手刀がこめかみにヒットして財布が奪い返された事も知らないまま、道のど真ん中で倒れてしまってそのまま気絶してしまった。
「ハァ…ハァ…やっと追いついた……。」
ちょうどその時、財布の持ち主である少女が追いついてきた。少女は薄い茶髪のロングヘアーが特徴で黒で統一されたパーカーとショートパンツといった恰好をしていた。そんな少女は全速力で走ったからか、息を軽く切らしていた。
「ほらよ。」
「あ、ありがとう……。」
そして京介は少女の財布を差し出した。少女はお礼を言ってから受け取った。その時少女が何故こうなったのか簡単に説明してくれた。曰く『友達と遊びに行く約束をしており、集合場所に向かう最中に
「ねぇ、今時間ある? 財布を取り返してくれたお礼をしたいんだけど、いいかな?」
「すまない、今日はこれから用事があるんだ。」
この一件のお礼をしたいと言った少女だが、京介は本来の用事があるので仕方のない事だが断った。その際に続けて『でも……』と言いいながらメモ帳とボールペンを取り出して何やら書き出した。
「はい、これ俺の連絡先ね。本来ならスマホでと行きたかったんだけど、ウチの学校スマホの持ち込みは出来ないんだよ。これから学校に用があるんで持ってきてないんだよ。」
「なるほど。……ふむふむ、流川 京介くんね。分かったよ。」
「いや、呼び捨てでも構わない」
自分の連絡先が書いてあるメモを少女に渡したのだ。少女はメモの内容を軽く確認してからメモに書いてあった自分の目の前の人物であろう名前…京介の名前を呟いたが、呼び捨てでもいいと承諾した。
「それなら私も名前を教えるよ……私は
「此方こそよろしく、響子。」
ご丁寧に名前まで教えてくれた京介に対しての礼儀からか、少女…響子は自分の名前を教えてくれた。そして二人は少しばかし言葉を交わした後、各々の目的があるので此処で別れて、話の続きや響子のお返しの一件は後ほど電話で日時を決める事になったのであった。
しかしこの時はまだ気づいてなかった。京介と響子、二人はお礼以外にも近い未来、再会する事に。それを知る者は誰もいない……。
そして時間と場所は変わって、聖歌隊・定期チャリティー公演 公演終了後。
響子と別れた京介は、本来の目的地である有栖川学院に到着した。そして一度美夢の顔を見ようとしたが、流石に公演に集中した方がいいと判断してそのまま会場に足を運んで観覧席で聖歌隊の公演を観たのであった。
公演が終わってからは、観客達が会場を後にする事をよそに、京介は美夢との待ち合わせ場所に向かった。
余談だが、京介は美夢が出る公演には足を運んでいる。そのため公演が終了した後は待ち合わせ場所を事前に決めてそこで落ち合う事にしてるのであった。
そして京介が待ち合わせ場所に向かうと、美夢が先に到着していてベンチに座っていたのであった。
「ふぅ……。(こうしていると、なんだか全てが夢だったみたい。宝物を見つけて……友達と一緒に、歌って、踊って……ううん。本当に夢だったのかもしれない。あんなに楽しい事は二度と起こらない。)」
しかし美夢は公演が終わったのにも関わらず何処か腑に落ちない表情をしていた。
「お疲れ様、美夢。」
「あ、京介くん。」
そんな美夢に京介は声を掛けて彼女の隣に座った。
「……もしかして、この前の事を考えてたか?」
「!」
そして京介は美夢の表情をすぐさま指摘した。それに対し、美夢は京介の指摘通りなのか驚きを隠せなかった。その後は気まずくなったのか、暫し沈黙が続いた。しかし流石にマズイと思ったのか京介は美夢に声を掛けようとした。その時……
「……なにを悩んでいるんだい、お嬢さん。随分と浮かない顔をしているけれど。」
二人…というより美夢に声を掛けてきた人物がいた。その人物は修道服に身を包んだ老婆であった。
「えっ? わ、私……ですか?」
「そうさ。若い人がそんな顔をしているとつい気になってしまってねぇ。老婆心というやつさ。」
どうやら老婆は美夢が浮かない表情をしていた所為か気になって声を掛けてきたようだ。
「(知らないお顔……学院のシスターじゃないよね。別の修道院から、聞きにいらしているのかな?)」
「(見ない顔だな……まあそんな事、今考えても仕方ないか……。)……どうぞ。」
「おや、気を使わせてもらって悪いねぇ。それじゃあその親切に乗るとしようか。」
美夢と京介は有栖川の生徒のため、学院のシスターの顔は把握できてるが、老婆に見覚えがなかった。美夢は疑問符を浮かべていたが、一方の京介は考えても仕方ないと割り切ってベンチから立ち上がって老婆に席を譲った。
「あの……そんなに私、悩んでいるように見えましたか?」
「見えるね。歌っている間もずっと、なにかに気を取られているようだったよ。」
ベンチに座った老婆を確認した美夢は、老婆の指摘した通りなのか恐る恐る尋ねた。しかし老婆はバッサリと指摘した。
「(わっ、私ってば恥ずかしい……っ!)す、すみませんでした。主に捧げる大切な聖歌の途中に、気を散らしたりして……。」
「ああ、いやいや。叱るつもりは無いんだよ。いけないね。歳をとると、何を言っても説教くさくなっちまう。」
老婆の指摘を聞いた美夢は顔を赤くしながら謝罪した。しかし老婆は何も気にして無いようでお咎め無しになった。
「あんたくらいの歳なら、悩みがあって当然だとも。聖書にだって、迷える子羊の逸話があるだろ?」
「確か『もし100匹の羊を飼っていたとして、そのうちの1匹がいなくなったら、だれだって、残りの99匹を放っておいてでも、いなくなった羊を探しに行くでしょう』って逸話の、聖書に書かれてた『どうすればいいのか分からず困っている人』を例えた話……でしたっけ?」
「そうだよ。あんた、よく勉強してるねぇ。」
「中等部の頃に担任に聖書の感想文を書けって課題という無茶振りを出されて、聖書を渡されたから覚えてただけです。」
「勉強してるねえ、関心したよ。」
そして老婆はそんな美夢をフォローするように『迷える子羊』の話を持ち出してきた。それに合わせるかのように京介は『迷える子羊』の知識を一部を抜擢して、それを老婆に披露した。
その後老婆は何か思い出したのか一度咳払いして『それに……』と言って言葉を続けた。
「……あんたはいい子だ。あたしにはわかる。心の曲がった子に、あんな独唱は歌えないからね。」
「えっ、あっ、ありがとう、ございます……。」
更に老婆は追い討ちをかけるように美夢に激励した。美夢はそれに応えるかのようにしどももどろに受け止めた。
「それにあんたもだよ。あんたは何も言わず、さっきあたしに親切にしてくれたからね。」
「いえ、俺はただ当然の事をしたまでです。それに褒められるような事は一切してません。」
「おや、意外と頭が硬いんだねぇ。でもあんた自身、自分でも気づいて無い長所が一つあるよ。」
「気づいて無い長所、ですか……?」
「優しい所だよ。あんたのその眼を見た時、優しさに溢れてるよ。大丈夫、さっきの事でもう証明されてある。だからあんたはその長所は胸を張って誇りなさい、そうしても神様はバチを与えたりしないさ。」
美夢に激励した老婆は、今度は京介にも激励をした。その時京介は謙遜気味であったが、老婆は更に京介に助言を与えつつ京介が気づいてない所まで指摘した。
老婆の言葉を受けた京介は、ただ黙々と老婆の言った事に対して考えていた。
「ふふ、若いねぇ。それとお嬢さん、あんたは歌は好きかい?」
「はい、好きです。大好きです。音楽は……聴いた人をくれますよね。私の歌が、他の誰かを少しでも幸せにできるかもしれない。……そう思うと、心に羽が生えたような気がします。」
老婆は京介の悩んでいる所を見て微笑んだ後、美夢を見て、彼女に歌は好きかと聞いてきた。それに対して美夢は正直な気持ちで答えた。
「そうかい。それと坊や、あんたはどうなんだい?」
「……好き、なんでしょうね。しかしこれだけは言えます、歌を聴いてるだけでも何だかいい気分になる。それだけでも充分歌の素晴らしさが伝わってくる……そう思います。」
美夢の回答を聞いた老婆は、次は京介の方を見て美夢と同じ質問をした。そして京介も美夢と同じく正直な気持ちで答えた。
「他人を幸せにするためにと……聴くだけでもいい気分になる、か。うん、素晴らしい。とても立派な心がけだと思うよ二人とも。」
二人の答えに聞いた老婆はウンウンと頷きながら納得した。しかし老婆は『でも……』と言って言葉を続けた。
「坊やの方はいいとして……お嬢さんはひとつだけ、足りないものがある。それは自分が楽しむこと、さ。」
「自分が……楽しむ?」
京介の答えは模範回答だったようで言及しなかったが、老婆は美夢の答えに対して、『自分が楽しむこと』が足りてないと指摘した。美夢は老婆の指摘に対して頭に疑問符を浮かべていたが、京介は無言で老婆の話を聞いていた。
「ああ。あたしの兄も昔、音楽をやっていたんだよ。もうずいぶん前に、天に召されてしまったけどねえ。」
「お兄様も音楽を?」
「そ。あたしの選んだ道とは違うけれど、兄は兄なりの方法で多くの人を幸せにしたと思ってる。自分自身も含めて、ね。」
「「そうだったんですか……。」」
そして老婆は、今は亡き自分の兄の話をした。話によると、老婆の兄も音楽をしていたようで、多くの人を幸せにしたと語り出した。
「そういえば、その兄が使ってたレコードプレイヤーやらレコードやらだけどねえ。一切合切、この学校に寄付したんだよ。すっかり忘れていたけど、今ごろどうなってるんだろうね。」
「……ええっ⁉︎」
すると老婆は何かを思い出したように、とんでもない事を言った。もちろん老婆のその言葉は京介と美夢にとって衝撃を与える発言をしたのであった。もちろん美夢は驚きを隠せず、無意識にも声を上げた。
「(……京介くん、それって……私たちが見つけた、あの機械のこと?)」
「(おそらくな。でもこの老婆の話が本当なら、それは疑問から確信に変わるだろう。)」
そして美夢と京介は老婆に聞こえないようにヒソヒソと先日見つけたレコードプレイヤーやレコードの話をした。
「しかし何故手放してしまったんですか?お兄さんの大切な遺品なら、形見として手元に置いておくが定石なのに……。」
「ふふっ。使いもせず、ホコリを被らせておくだけなんて、せっかくの機材が可哀想じゃないか。それより、若い子たちが音楽に触れるきっかけになって欲しい。あの人が生きてたら、そう言ったはずさ。」
「……‼︎」
更に深掘りしようと京介は老婆に悟られない程度にレコードプレイヤーの事を聞き出した。すると老婆は遠回しにだが、次の世代に託すためにレコードプレイヤーを有栖川に寄付したようだ。
「(やっぱりあれは、本物の宝物だったんだ。多くの人の想いがこもった、大切な品物だったんだ。このことは、きっと学院のシスターたちもご存知ない。このまま倉庫に戻したりしたら、きっと捨てられちゃう!そんなの、悲しすぎるよ。それに……私だって、音楽を……。)」
美夢はあのレコードプレイヤーは想いが込められた宝物だとすぐに理解できた。
「なら、もう答えは出ているはずだ。」
「……うんっ! あ、あの……!」
「うん?」
すると京介は美夢の考えてる事に対してすぐに察したようで、彼女の背中をソッと押した。美夢も真剣な表情で老婆を見た。
「貴重なお話、本当にありがとうございました。私、やらなくちゃいけないことを思い出したので……ここで失礼します!」
そして美夢は老婆にお礼を言ってすぐに立ち去った。京介も老婆に一礼して美夢の後を追いかけた。
「……おやおや。あのお嬢さん、なんだか吹っ切れたみたいじゃないか。」
老婆は立ち去っていく美夢を見ながら関心したように頷いた。どうやら先程の彼女の表情から変化があったと理解したのだ。そして老婆は『それと……』と言って京介の方を見た。
「……あの
京介に何か思ったのか、一部分を強調しながらしみじみとしながら京介を見ていた。
「まあ、頑張りなさい。お嬢さん、
そして老婆は美夢と京介の名前を呟きながら二人の立ち去った方を見ていた……。
そして翌日……。
「……ここは一番奥まった席ですから、大声を聞かない限り、話を聞かれる心配はないはずです。」
学校が終わった放課後、京介と美夢は、春奈と胡桃、みいこに桜雪と晴也を有栖川の図書館に呼び出した。今の図書館には下校時間が近づいているのか彼ら以外誰もいないに等しかった。
「すまないな、春奈、桜雪、ハル、お前達にお詫びを言わないとな。」
「胡桃ちゃんとみいこちゃんも急に呼び出してごめんね。」
そして全員が揃ったのを確認すると、京介と美夢は急に呼び出した事に対して春奈達に頭を下げながら謝罪した。
「私は構いませんわ。」
「僕も大丈夫だよ。それに君からの呼び出しとなると断れないよ。」
「みいこも問題ないけど、それで……お話って、なんなの?」
しかし全員満更でもなかったようで、すぐに許してくれた。しかしみいこは何故呼び出されたのか疑問に思っていたようで、頭に疑問符が浮かべながら首を傾げた。
「そりゃー、このメンバーが集まったってことは、当然DJの機か……「シーッ! 声が大きいですわ。間違っても人前でその言葉を口にしないでください!」分かったってば……この前見つけた『あれ』の話でしょ?でも、こっそり倉庫に戻しとくしかなくない?」
「校則でダメなんだったら、遊べないし……遊べないなら、持ってても意味ないの。」
「確かに。それにアレは誰かの私物ですし、そのまま残しておくのは流石にマズイですわ。」
胡桃が何か口走りそうになったが、春奈は慌てて彼女の口を塞いで周りに誰かいないか確認した。幾ら誰もいないに近い図書館だからと言って、誰にも聞かれてないとは限らないという春奈の判断であった。
それを受けた胡桃は渋々表情を変えてレコードプレイヤーの処遇を語り出した。それに対して桜雪も胡桃の言い分にスジが通っているようで、頷きながら彼女の意見に賛成した。
「うん。そう……なんだけど……。私……私ね、やっぱり……」
しかし美夢はしどろもどろになりながら何かを言いたかったが、途中で言葉が詰まった。そして京介を見て助け舟を出そうとした。京介も無言で頷いて『頑張れ。』と口パクで応援した。
それを見た美夢も決心して真剣な表情になって春奈達を見た。
「……もっと、みんなと楽しいことがしたいんだ。この前、秘密の場所でやったみたいに……!」
「……‼︎」
そして美夢は先日秘密の場所でやったDJ活動をしたいと宣言した。それを聞いた京介以外は驚きを隠せなかったが、京介は無言で腕を組んでウンウンと頷いた。
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
今回は『Lyrical Lily』ユニットストーリー4話を基にしたお話となっております。そして冒頭部分は完全オリジナルで……『Peaky P-key』の山手 響子ちゃんを本編で登場させました。実はリリリリ以外のユニットはD4 Fes.の話まで出すのは控えてたんですけど、響子だけ美夢の生誕記念回に登場してない事を思い出して急遽登場させました。(ユニットの顔なのに……それに出てたのがしのぶだったので。)
さて……本編の続きはまだ未定ですが、なるべく早く投稿できたらなと思います。
それでは……次回もお楽しみに!
※今回の最新話には関係ありませんが、本日3月12日は『UniChØrd』の