……はい、皆さまお待たせしました。
投稿日の本日はD4DJ Groovy Mix(以降グルミク)が4周年に加えて、昨日に【Lyrical Lily 4th LIVE - 宝物の1日 -】の昼公演の部が当選した連絡を受けた事で少しだけテンションが上がってしまいました、はい。
今回は前回の続きからとなります。
それでは、本編をどうぞ。
「さぁどうぞ。遠慮はしなくていいからね♪」
「「し…失礼します」」
カフェで緋彩に家に来ないか提案された京介であったが、その後は美夢と一緒に一晩お世話になる事となったのだ。
普段は物怖じしない性格の京介であるが、小さい頃世話になった姉的存在である緋彩に頭が上がらないのかこの時ばかりは控えめであった。美夢も、他人の家に泊まる経験があまり無かったようで何処か緊張気味であった。
「しかし結構濡れちゃったね…」
「元々雨が降ってたからな。しかしレコードが濡れなくてよかったよ」
美夢は雨で濡れた箇所を軽く絞ったりハンカチで当てながらそう言った。
というのも…緋彩の家に泊まる事が決まった後に、雨が止む…とまではいかずに小降りになるまで会計を済ませてカフェで待機していたのだ。そして案の定雨が小降りになったので、そこからは早足で緋彩が住んでる家に向かったのだ。
しかしタイミングが最悪な事に、到着まであと数メートル先の所で雨がまた降り始めたのだ。しかし家まで近かったのが不幸中の幸いのようで、濡れてしまったが何とか到着する事が出来たのだ。あとはレコードが濡れないように配慮して最低限の被害で済ませたのだ。
「とりあえずバスタオルを持ってきたからウチに上がる前にこれで身体を拭いてちょうだい」
先に家に上がっていた緋彩は自分の分のバスタオルで身体を拭きながら京介達にバスタオルを差し出した。京介達はバスタオルを受け取るとすぐさま自分の身体を拭き始めた。
身体を拭き終わると、京介達はリビングに案内されて席に座った。その時、緋彩は「お茶を淹れてくる前にお風呂の準備をしてくるからから待っててね」と言って一度リビングを出た。
風呂とお茶の準備が終わるまで、京介は部屋全体を軽く見渡した。大学生になってからは一人暮らしをしていると聞いているが、全体がよく整えられていた…というのが京介が最初に思ったところだ。更に、キッチンの方にも軽く視線を向けると最新調理器具もある程度揃っているのが確認できた。
「今日は緋彩さんの手料理か…」
「緋彩さんって、料理得意なの?」
「得意だよ。小学生の頃手料理を振る舞ってくれた」
京介の呟きを聞き取った美夢はその事について軽く言及したのを皮切りに緋彩の準備が終わるまで昔話が始まった。京介の話を聞いている美夢は、普段の彼の小さい頃の話を聞いて少しだけ新鮮な気持ちになれたのであった。
「お待たせ、2人とも♪今お茶淹れるから待っててね」
その際、風呂の準備を終わらせた緋彩がリビングに入ってきた後、キッチンで慣れた手つきでティーポットなどのお茶の準備をしてリビングのテーブルまで持ってきてお茶を淹れ始めた。
その後は風呂が沸き上がるまでの間はティータイムに嗜むのであった。そこから暫くすると、風呂が湧き上がったアナウンスが流れた。
「あら、お風呂が沸いたようね。みんな濡れてるから早く入っちゃいましょうか?」
ちょうど全員飲み終えたばかりだからか、緋彩はそう言って立ち上がってティーポットを片付け始めた。その後はティーポットを洗うも、数は少なかったからかものの数分で終わった。
「それなら俺は後で入るから先に2人で「何を言ってるのかしら?」…はい?」
「
流石に異性と風呂に入るのはマズイと感じた京介は、2人に先に入るよう促すも、最後まで言わせてもらえず、いつのまにかキッチンからリビングに移動していた緋彩に両肩を掴みながらそんな事を言い出した。
「それ、本気で言ってます?」
「本気よ♪」
京介はおそるおそる確認すると、緋彩の本気のようだ。それを証拠に、彼女が今現在京介の肩を掴んでいる力は強かった。
「あのー、私も…京介くんとお風呂に入りたい」
するとここで美夢がおそるおそる手を小さく挙げながら無意識に京介に追い討ちをかけてきた。
「あら、多数決で決まりのようね。これでもう言い逃れは出来そうにないわよ?」
緋彩のその一言で京介の退路と逃げ道は完全に絶たれた。
「さて。時間も勿体ない事だし、そろそろ入りましょうか♪」
「いや早速実行に移すのは…あぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
そして最後に京介は必死に抵抗するもそれも虚しく終わり、風呂場に無理矢理連行されるのであった。
「ふふっ♪こうして一緒に入るのも、ほんと何年ぶりかしら?」
「揶揄わないでくれよ。あと少なくとも5年は入ってないさ」
結局京介は緋彩と美夢と風呂に入る事になった。しかも風呂場自体は一般家庭と変わらない広さであるが、湯船には京介と美夢と緋彩がいるから少し窮屈である。それに加えて京介は2人に挟まれて湯船に浸かっているので、彼からしたら気まずくもなる。
「京介くんって、緋彩さんとお風呂入ってたの?」
「入ってたと言っても昔の話だよ。でもその昔というのは5年前だから昔とは少し程遠いけどな」
「懐かしいわねぇ……」
「いや、5年なんてつい最近に近いからな?」
美夢に一つ尋ねられた京介であるが、何ともなく返す。しかしその美夢が真正面にいるのだ。それに加えて(風呂だから当然であるが)裸同然のため内心少しドギマギしている。
ちなみに余談だが、先程言った通り京介は2人に挟まれているのだが…美夢とは対面で向き合っており、緋彩とは彼女が京介の背中に密着しながら湯船に浸かっているのだ。
「あはは……しかし緋彩さんって、スタイルがいいですね。少し羨ましく感じます」
「あら、もしかして気にしてた?でも意外と不便なのよ。だって肩も凝っちゃうから」
「私もそんな風に言ってみたいかも…」
「あらあら……でも美夢ちゃんも結構将来有望かもよ?多分今の私と同じくらいの年齢になれば大きく変わると思うわ」
「本当ですかっ⁉︎」
「確証は無いけど、希望はあるわ」
「あのー…男子がいる前でそんな会話普通しますー?」
気まずさを隠したのか、美夢は不意に自身が思っている事を口に漏らした。しかし緋彩は当然のように返すと同時に逆に美夢の将来に対して激励をした。
だが、そこに京介が挟まれているため、この会話が丸聞こえしているためか彼は更に気まずくなった。
此処まで京介と同じで返すのは共通しているが、緋彩の方が歳上のためか何処か余裕があるように見えた。今の京介には年相応、という言葉がピタリとはまる瞬間であった。
「それじゃ、身体を洗ってあげるわ♪」
「あのー、そのくらい自分でしますので」
「あら、私は美夢ちゃんに言ったのよ?」
「その言い方だと勘違いするから!」
京介の指摘は尤もである。何故なら美夢の前には京介がいるわけだから、誰に言ったのか勘違いするのも無理は無い。しかし緋彩はイタズラっ子っぽく笑みを浮かべていたが。
その後は美夢が了承して、2人は一度湯船から出て洗い場でお互いの身体を洗い始めた。京介は極力見ないように、視界を2人とは全く別の方向に逸らしながら素数を数え始めたのだ。
それもそのはず、2人はタオルで身体を隠してない状態であり、京介はそれについて苦言を呈するも、「流石にマナー違反だから仕方ないでしょ?」「それに昔一緒に入ってたからそんなの問題ないわよ」と一瞬されたので、京介は渋々受け入れざるを得なかった。
「京介くん。洗い終わったわよ?」
頭の中で1231まで数えたところで、漸く2人は身体を洗い終えたのだ。京介は内心「やっとか…」と思いつつ、自分も身体を洗うために一度湯船を出た。
しかし……
「あのー、2人はなんで後ろにいるんでしょう……?」
2人は湯船に入らず、京介の背後にいたままであった。しか何故かも緋彩は胸の谷間に石鹸を挟んで泡立て始めたり、美夢はシャンプーを片手に握っているのであった。
「これから京介くんの身体を洗ってあげるんだよ」
「そういう事。よかったわね、女子2人に身体を洗ってあげるなんてそうそう機会は無いわよ?」
しかし2人は至極もっともであると言わんばかりに真顔で返した。しかも京介が逃亡を計画するも手遅れのようで、2人の準備は既に整っていた。
「あっ、流石に1人で…「問答無用よ」って、ちょっと…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ⁉︎」
京介の抵抗虚しく、結局そのまま2人に身体を洗われるのであった。その後も…身体を洗い終えて以降はまた3人仲良く湯船に浸かるのであった────。
「あー、酷い目にあった……」
風呂に上がった京介は着替え終えてリビングに着くと、そのままリビングのソファに突っ伏した。しかも2人に身体を散々洗われたからか
「ごめんね、京介くん…」
「気にしなくていいぞ…。それと、ここだけの秘密な?絶対桜雪や春奈が五月蝿いから」
「うん、分かった」
京介と一緒に風呂に出た美夢は彼と目線を合わせた
ちなみに余談だが、今京介と美夢が着ているルームウェアは緋彩から借りたものであるが、京介のは緋彩のルームウェアで、美夢のはサイズが合わないから無い…というわけにはいかなかった。何故なら、緋彩の家にはご飯をたかりに渚が通っているためか、そのついでに泊まる事もあるため着替えを常置していたのでそれに身を包んでいるのだ。
京介達が話しているそんな中、緋彩はキッチンに立って夕食の支度をしているのを確認できたので、京介も立ち上がってキッチンに向かった。
「あら。京介くんは休んでなさい」
「いえ。一泊だけとはいえ、流石に何もしないわけにはいかないから。お手伝いくらいしますよ」
「そう…それなら仕方ないわ。今日はハンバーグとミネストローネを作るから、私と一緒に野菜のカットをお願いしてもいいかしら?」
「了解」
多少ふらつくも夕食作りの手伝いを買って出るも緋彩に止められるが、京介の性格を熟知しているからか忠告一つで退かないのは目に見えていたため、簡単な野菜のカットを頼んだ。京介はそれを承諾すると、慣れた手つきで準備を終えると、玉ねぎをみじん切りにし始めた。
「凄いね、京介くん」
そんな京介の様子を、美夢はリビングから覗き見する形で眺めていた。その目からは
「それなら今度私と一緒にお料理してみない?」
「いいんですか?」
「いいわよ♪それに美夢ちゃんとはなんだか話が合いそうだから、プライベートでも会いたいの」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
美夢の気持ちを汲み取ったのか、または自分でも何か思う点があるのか、緋彩は今後も彼女と会う約束を取り繕った。当然美夢も、それを笑顔で承諾するのであった。
その後、暫くして夕食を作り終えると、3人はそれに舌鼓を打つのであった。
夕食を終えると、美夢と緋彩はテレビで恋愛ドラマを鑑賞していた。しかし京介にはあまり馴染みの無いジャンルか、あるいは興味が無かったのか食器洗いをしていた。
テレビに映っていたのは主人公がヒロインに告白しているシーンで、美夢は感動のあまり涙を流していた。
一方、緋彩はそんな美夢を微笑ましく見ながら何やらカードをシャッフルしていた。
「せっかくのところ申し訳ないけど、少し占いでもしないかしら?」
「占い、ですか?」
「そうよ。私、占いが得意なの。夢占いが専門だけど、他の占いも遜色無いわ」
カードを入念にシャッフルしながら、緋彩は突然美夢に占いをしないか尋ねてきた。美夢は今後どうなるか分からないからか、あるいは占いに少し興味を持ち始めたからか、何処か乗り気であった。、
聞けば緋彩は占いが特技に加えて、大学で心理学を専攻しているためか
「せっかくだから京介くんも占っていかないかしら?」
「……分かったよ。でも一回だけな?」
「一回しか出来ないわ。だってタロット占いだもの」
そう言って緋彩はテーブルにタロット占いで使うクロスを引いた後はその上でカードを広げて時計回りに円を描くようにゆっくりとまぜた。充分にまざった後は、カードをテーブルの中央にまとめるように重ね合わせて、今度はカードを3分割(3つの山)に分けていった。
そしてものの数分で全部の準備が整うのであった。
「今回は簡単にワンオラクルにしましょう……さぁ、美夢ちゃん。此処から直感で一枚好きなカードを引きなさい」
「分かりました」
緋彩は山を横一列に崩し、その中からカードを1枚引くよう美夢に促した。それを受けて美夢は直感で一枚カードを選んで、それを横方向に捲るのであった。
そこには、【
「【
「本当ですかっ⁉︎」
「えぇ。でも占いだからあまり過信は禁物よ?」
占いの結果が良かったのか美夢は喜ぶも、それと同時に過信厳禁と緋彩に鍵を刺された。しかしその後はそれに関するフォローと助言を施すのであった。
「さぁ、次は京介くんね」
美夢のアドバイスが終わると、緋彩は先程と同じ工程をしたのだ。そして京介がカードをいつでも引けるところまで終わらせたのだ。
「さぁ京介くん」
「了解ですよ、っと」
どのカードが出るか完全にランダムのため、京介は無作為に一枚カードを抜き取り、横方向に捲るのであった。
そこには【
「【
「ほう。了解した」
先程まで乗り気ではなかった京介も、緋彩の占ってもらったからか、少し関心していた。それには緋彩も笑を浮かべていた。
その後は緋彩にお茶を淹れてもらって、寝る前に少しだけティータイムを楽しむのであった。
「それじゃもう寝ましょうか。流石に11時だと少し遅いから」
そしてティータイムを嗜むこと約1時間、時間も頃合いだからかそろそろ寝る事となったのだ。
流石に3人分の布団は用意できなかったので仕方なく緋彩のベッドで寝る事になったのだが、京介はソファで寝ようとしたが、案の定2人に無理矢理引き止められたので渋々一緒に寝る事となった。その際、京介は美夢と緋彩に挟まれた状態でベッドに寝る事になった。
「大丈夫?キツくないかしら?」
「大丈夫です」
「こっちも似たり寄ったり」
美夢は平気だが、間に挟まれている京介にとってはキツく感じていたのだ。しかし正直に答えると何が起こるか分からないので、美夢に合わせるように大丈夫と答えるのであった。
大丈夫と判断した緋彩はベッドのサイドテーブルにある照明を消した。そこからは暫く沈黙が続くのであった。京介も状況が状況なだけあってか全然寝付けなかった。だがこの状態で何も出来ないため仕方なくただ目を瞑るのであった。
「ねぇ、京介くん…」
そんな最中、美夢が突然声を掛けてきた。その後も「京介くん?」と連呼してきたが全然反応もないためもう眠ったのだと判断したが、当の京介は目を瞑って狸寝入りしているのであった。
「寝ちゃったんだ、残念……私ね、京介くんに伝えたかった事があったんだけど、また今度ね。おやすみ」
そう言って美夢は目を瞑って暫くすると寝息を立てた。どうやらそのまま夢の世界に入ったようだ。
「(やれやれ……その伝えたい事、今度改めて聞く事にするよ)」
罪悪感があったのか、京介は美夢がこの場で言いたかった事を後日聞く事を決意して、そのまま自分も寝る事となった。
「(美夢ちゃんったら健気ねぇ……。まさか京介くんの事をここまで想っているなんて……)」
2人が寝静まった事を確認した緋彩は先程の美夢の言った事を思い出しながら関心していた。事実、緋彩も京介と同じく寝たフリをして美夢の呟きを聞き取っていたのだ。
「(でもここから私が言う事は何もないわ。それ以降は美夢ちゃんが勇気を出して言わないと伝わらないわ)」
片目を少し開けて緋彩は京介達を見た。2人は静かに寝息を立てたお互いが抱き締めあっていたのだ。
「(あらあら?……これなら何も問題はなさそうね。おやすみなさい♪)」
2人の微笑ましい光景をちゃんと見届けた緋彩はそのまま目を瞑って2人と同じく夢の世界に入る事となった────。
まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。
次回の投稿は12月14日に美夢の生誕記念回を送りします。その後は更新日は未定ですがお送りしようと思います。
それでは、また次回。