可憐な少女達と紡ぐ日常   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました!

 今回は毎年恒例の美夢の生誕記念回となります!

 それでは、本編をどうぞ。


桜田美夢生誕記念回2025 天使なあの子に贈る祝福

 冬の寒さが日に日に増している今日この頃、有栖川学院は放課後を迎えていた。生徒の殆どが帰宅している中、教室に一人の生徒が残っていた。その人物は京介であった。

 

 彼は自分の席に座りながら頭を抱えていた。しかも深刻そうに悩んでいるみたいだ。

 

 「京介さん、何をしてらっしゃるのでしょうか…?」

 

 その様子を教室の外から見ていた春奈と胡桃がいた。彼女達も京介が心配しているからか覗き見している形であった。

 

 ちなみに余談だが、今日の放課後はリリリリの打ち合わせがあって、普段は遅刻をしない京介の姿がなかったので、春奈と胡桃が様子を見に来て、教室で彼を見つけて今に至るのであった。

 

 「でも京介くんはなんであんなに悩んでいるんだろうね?」

 「確かに。でもそれが分かればいいのですが……」

 

 そんな京介を見かねた胡桃と春奈は意見を交わすも、解決策は思いつかなかった。そのためか、胡桃は京介の元までトコトコと駆け寄った。春奈も胡桃が余計な事をしでかさないためか、監視もかねて彼女の後に続いた。

 

 「京介くーん、そろそろ打ち合わせの時間だよー?」

 「こら胡桃さん!京介さんをツンツンしないでください!」

 

 京介の反応を見る目的も兼ねているのか、胡桃は彼の頬を指でつつくも、春奈に止めるよう促された。

 

 「…胡桃か。本来なら止めるよう強く言うつもりだったが、今回はそんな気分じゃねぇから何も言わん」

 

 普段なら胡桃の悪戯に対して強く言う京介であるが、今回に限ってそうする気は無いように窺えたので春奈は怪訝な表情を浮かべた。

 

 「…京介さん。何か悩みがあるのですか?もしあるのならば、私たちが相談に乗ります」

 

 しかし春奈は京介が悩んでいると判断したようで、彼女は相談に乗る事を提案した。

 

 「悩みか。あるにはあるが…」

 「ほんとですか?」

 「嗚呼、実はな……」

 

 その提案を受けて、京介は春奈達に事情を説明する事となった。どんな話が来るのか…春奈と胡桃は思わず固唾を呑んだ。

 

 「……美夢の誕生日プレゼント、どうしよう」

 

 「…………はい?」

 

 暫しの沈黙が走った後に最初に出たのが、春奈の間の抜けた一言であった。一方の胡桃は「あ〜……」って言って何処か納得している様子であった。

 

 「もしかして今まで美夢さんの誕生日プレゼントの事で悩んでいらっしゃったのですか?」

 「嗚呼」

 

 もしかしたら京介の間違いかと思い春奈は確認するも、間違いとかではなかったからか彼女はそのまま頭を抱える始末であった。

 

 「やっぱりそんな事だと思ったよー。やっぱりいいんちょは鈍いね」

 「私はいいんちょではございません!」

 

 しかし胡桃はケラケラと笑いながら春奈を茶化すと、またいつも通りの追っかけっこを始めるのであった。

 

 しかも今回は放課後の教室だから、もしシスターが校内にいて見回りをしていたら、見つかった後にお説教を受けるのは確実である。

 

 「……二人とも。シスターに見つかると説教を喰らう羽目になるからやめておけ」

 

 悩みはあっても、シスターに見つかった時に起こる事を京介は指摘するのであった。

 

 それを受けて春奈と胡桃はその場でピタリと止まるのであった。

 

 「ま、まぁそれで美夢さんの誕生日プレゼントはどうするおつもりなのですか?時間はそれほど残されていませんよ」

 

 春奈の言う通り、美夢の誕生日はあと1週間と少ししかない。早い段階でプレゼントを用意しないと間に合わないのは明白である。

 

 「そこ、何悩んでいる?」

 

 その時、誰かが教室に入ってきて京介達に声を掛けてきた。その人物は颯樹であった。颯樹の他にも、美優や千歌が後ろに控えていた。

 

 「お、颯樹さん。それに千歌座右衛門に富士の森さん」

 「なんですか、その落語家や歌舞伎役者みたいな名前は」

 「藤宮です。『ふじ』しかあってない上に漢字が違います」

 

 颯樹の後ろに控えていた二人を見た京介はニックネームで呼ぶと、二人は眉間に皺を寄せながら各々の呼ばれ方を指摘した。

 

 前者はまだ分かるとして、後者は京介の思うところがあるのか、殆ど崩れていた。

 

 「京介、先輩を茶化すのはやめておけ。それと何があったか説明しろ」

 「……うぃーす」

 

 京介を窘めると共に彼に事情を説明するよう促す颯樹であった。京介はそれに逆らわずに要点を掻い摘んで颯樹達三人に説明した。

 

 「……なるほど。美夢の誕生日ね」

 

 京介の説明を聞き終えた颯樹はそれに応えるように考える素振りをした。

 

 「桜田さんの誕生日なら、私にいい考えがございますわ!」

 「藤崎さんに考えが?」

 「藤宮です」

 「なら富士山さん?」

 「だから藤宮です!『ふじ』しかあっていないうえに、そもそも漢字が違いますわッ!!」

 

 しかしそこに美優が「いい案がある」と言わんばかりのドヤ顔で話に割り込んでくるも、京介に茶化されて締まらないものになった。

 

 京介にツッコミを入れてゼェゼェと息を切らした美優だが、仕切り直すのと息を整えるために一度咳払いをした。

 

 「でしたら、お父様に掛け合ってホテルを貸し切りましてよ♪」

 

 美優の口から出てきたのは誰もが思いもよらぬ一言であった。一般人が聞いたら月まで吹き飛ぶ程の衝撃であるが、有栖川はお金持ち校なので余程の事が無い限り然程問題ないのだが。

 

 「……何をする気ですか貴女は」

 「滅相もありませんわ。私はただ友人のめでたい日を祝いたい、それだけです……そこまで警戒される謂れは無くってよ?」

 

 美優の提案を受けた千歌は怪訝な表情を浮かべて彼女を警戒するも、美優の方は千歌とは対照的に何一つ食わぬ顔をしていた。

 

 「それで美優さん、そのホテルって貸し切りにできるの?」

 「えぇ。私の父の高校時代の知り合いが経営しているホテルがあるので、そこで掛け合えばなんとか出来る筈ですわ」

 

 美優はさも当然のようにそう答えると、それを間近で聞いていた春奈は開いた口が塞がらなかった。しかし胡桃は「ほへ〜」と言っているも何処か納得していた表情であった。

 

 「まぁ俺達もホテルのラウンジ貸し切って貰った事はあったけどな」

 「美夢ちゃん家のおじさんには感謝しないとね!」

 「あの時は遊びで来た訳ではございませんよ?」

 

 ごく最近ではあるが、DJ関連の取材を受けた時にホテルのラウンジを無理を言って貸し切った事があるのだが、美夢の身内に頼んで貰った事があるのだ。しかし今回の場合は完全に私用になるので以前と勝手が違うのであった。

 

 「……まぁ一応此方も案は無かったからありがたい。不死川さんのその提案を快く受け入れるとしよう」

 「提案を呑んでくれたのはありがたいですが、私は藤宮です。私は何処ぞの身体中傷だらけの鬼狩りですか」

 

 京介と美優のやりとりはあったが、時間はあまり無いのでその後は美夢の誕生日当日の事を打ち合わせをした後、本題のリリリリの打ち合わせをするためいつもの地下書庫に向かう京介達三人であった。

 

 その際、美夢とみいこには「生徒会の仕事のサポートに入っていた」と誤魔化した。ちなみに美夢はともかくとしてみいこにも何故誤魔化したのかと言うと、「もしサプライズの事を話せば、美夢にうっかり喋るおそれがあるので敢えて話さない方がいい」と判断したからである。

 


 

 そして時は少しだけ流れて。各々が美夢の誕生日の準備を抜かりなく終えて美夢の誕生日当日を迎えた。

 

 「まさかこんな所で私の誕生日を祝ってくれるなんて……」

 

 美夢や京介含めたリリリリのメンバーがいるのは、とある高級ホテルの前であった。

 

 「とにかく中に入るか。いくら知り合いの先輩とはいえ、待たせる訳にはいかないだろ」

 

 集合の時間より早く到着したが、パーティをするにあたって色々準備も必要であるため、今回は早めに来たのだ。

 

 そしてホテルに入ってロビーにてボーイに事情をすると、パーティ会場に案内…の前にまずは正装に着替えるよう促されたので、一旦京介達は別れて更衣室で正装に着替えた。

 

 「胡桃ちゃん、とっても似合うのー」

 「そう?みいこちゃんも似合ってるよ。あといいんちょも」

 「だから私はいいんちょではございません!それとオマケ感覚で言わないでください!」

 

 正装に着替え終えてロビーに戻ってきたリリリリのメンバーは胡桃がまずみいこと春奈を褒めたのだが、その際、春奈はついでと言わんばかりの反応だったので本人からしたら不服であるのは間違い無かった。

 

 「まぁまぁ春奈ちゃん、落ち着いて……」

 

 そんな春奈を見かねた美夢は彼女を落ち着くよう諭すのであった。

 

 ちなみに彼女達が今身につけている服は、見るからに豪華なドレスで色は各々の色に見合った物であった。

 

 「春日さんに白鳥さん、五月蝿いですよ。いくらこのホテルは貸し切りになっているとはいえ、従業員の迷惑になりますよ?」

 

 そこに、同じく正装に身を包んだ千歌が希美を引き連れて、春奈と胡桃を諭しながらロビーに現れた。ちなみに二人のドレスはリリリリの物と同タイプの物であるが、色は千歌は緑、希美はオレンジであった。

 

 ちなみに余談だが、何故此処に希美がいるのかと言うと…先日のヴァンガードのイベントをキッカケに美夢と仲良くなった事と、「美夢ちゃんにお姉様と呼ばれている私が招待されないのは可笑しいよ!」と何処か首を傾げたくなるような熱弁をし始めたのがキッカケである。

 

 今回の美夢の誕生日パーティの一件で多く噛んでいるのが美優であるのだが、先の件の希美の存在すら忘れていたからか、あるいは本人の意向で招待していなかったからか、誕生日の数日前まで今回のパーティの事は知らなかったのだ。

 

 ちなみに希美が知った経緯は、颯樹から美夢の誕生日パーティの事を聞かされた時に初耳だと知って、当然自身は招待されてない事に不服を申し立てて美優に有栖川学院まで直談判しに来たのだ。

 

 二人は売り言葉に買い言葉なのか、数時間に及ぶ口論が発生したので、颯樹の介入もあって希美の参加を認めざるを得ない事態になったのであった。

 

 ちなみにこの騒動を起こした二人はこのままお咎め無し…という訳にはいかず、双方の学校から数時間に及ぶ説教を受けた末に、反省文100枚と1週間の奉仕活動を課せられるのは此処だけの話である。

 

 「あはは…でも早く美夢ちゃんの誕生日のパーティ会場に行こうよ!」

 「希美。貴女はせっかち過ぎます。そのそそっかしいところをどうにかして欲しいものです」

 

 希美は苦笑いするも、すぐさま気持ちを切り替えて早くパーティ会場に行こうと促した。しかしそれに対し千歌は呆れながら咎めるのであった。

 

 「えーっ。時間は有限なんだし、早く行かないと損だよ損!」

 「わたしも早くパーティを始めたいなー」

 「みいこはごちそうを食べたいのー!」

 「あっ、胡桃ちゃんやみいこちゃんも分かる?特にごちそうが楽しみなんだよ!」

 

 そんな希美に対して胡桃とみいこは賛同するかのように話に乗っかってきた。特にみいこの意見に賛成なのか、希美は涎を垂らしながらパーティを…というよりごちそうを楽しみにしていた。

 

 「……希美。先日また体重が増えたというのに、貴女はまた同じ過ちを繰り返すつもりですか?」

 「それ、本当なのですか?」

 「えぇ。脚色とかはありません」

 

 前にも似たような経験があるからか、千歌はそれに対し希美を咎めた。春奈も確認のために一度尋ねたが、事実であるのは変わらなかったからか、ため息をついて呆れた。

 

 「もー、千歌はケチだな。そんなんじゃ将来皺が増えるよ」

 「春奈ちゃんもそんなに眉間に皺を寄せると将来苦労するよ」

 「「貴女達のせいでしょうがっ!」」

 

 売り言葉に買い言葉…希美と胡桃の反論を機に口喧嘩が始まるのであった。みいこはどう止めるか考えているのか首を傾げているが、美夢は慌てふためきながら戸惑うしかなかった。

 

 「「そこの四人。そろそろやめないとホテルから追い出すぞ」」

 

 そこにタキシードに身を包んだ京介と颯樹が駆けつけた。二人は未だ来ない美夢や希美達の様子を見に来たら、この有様を目撃したようだ。

 

 「「「「……ごめんなさい」」」」

 「「分かればよろしい」」

 

 流石に部が悪すぎると判断したのか、四人は一斉に土下座をするしかなかった。

 

 「ごめんね、京介くん。待たせちゃって……」

 「パーティのために色々と準備があったのだろう?大丈夫だ、俺は気にしてない」

 「京介くん!」

 「美夢!」

 

 美夢は申し訳なさそうに京介に謝るも、当の本人は気にしていなかったようだ。だが何故かこの際二人は抱きしめ合ったのは此処だけの話だが。

 

 「またこの二人は…」

 「ホントだよ。周りの目も考えて欲しいよ…」

 

 一方で京介と美夢の(バカップル)二人のやりとりを見ていた颯樹達は呆れるしかなかった。

 

 「……二人とも。仲睦まじいのはよろしい事ですが、そろそろパーティ会場に向かいませんか?」

 「……それもそうだな」

 

 春奈は一度咳払いをしてそろそろ誕生日パーティを始めるために会場に向かわないかと遠回しに促した。

 

 名残惜しそうにするも、今回はこれが目的ではないため、渋々中断して、京介は美夢の手を引いてパーティ会場に向かうのであった。

 

 「さりげなく美夢さんの手を引いてましたね……」

 「多分アイツのスタンスなんだろう。多分、アイツはこれからもそうする筈だ」

 

 その光景に颯樹と千歌は呆れるも、それが京介の良い所だと指摘した。同時に悪い所と捉えられるが。

 

 しかしそんな事を考えても無駄なので、颯樹は全員を引き連れてパーティ会場に向かうのであった。

 

 


 

 一行は漸くパーティ会場に到着してから程なくしてノンアルコールのカクテルを手渡されて乾杯をとった。

 

 「ここの料理、美味しい〜♪」

 「うんうん!」

 「希美さんの言う通りなのー」

 

 希美と胡桃とみいこは皿いっぱいにご馳走を盛り付けたり口に入れてその美味しさを堪能していた。

 

 「「貴女達は……」」

 

 そんな光景を間近で見ていた春奈と千歌は頭を抱えながら呆れていた。

 

 「美夢、忘れないうちにプレゼントだ」

 「あっ、ありがとうございます♪」

 

 しかしそれを尻目に颯樹は美夢にプレゼントを渡した。その後は颯樹に許可を貰ってプレゼントの中身を確認すると、ピンクサファイアのイヤリングであった。

 

 「あぁ、綺麗です……」

 「喜んで貰えて何よりだ。それを着けたら京介も大喜びすると思うぞ」

 

 しかしプレゼントを貰ってもなお、美夢は何故が浮かない表情を浮かべていた。

 

 「どうした?」

 「最初は京介くんのから受け取ろうと思ってたので……」

 

 それを聞いた颯樹は「そういえばそうだった…」と思い出したように頭を抱えた。

 

 「大丈夫、アイツは大トリだから。こういうのはラストに持っていった方が華があっていいだろ?」

 

 そんな美夢に颯樹は諭すと共にフォローで促すのであった。当の本人は余裕と言わんばかりの表情で椅子に座ってドリンクを飲んでいると同時にピースサインを美夢と颯樹に向けていた。

 

 一方の美夢も颯樹の言い分を理解できたようで無言で頷いた。

 

 「まぁそれに付け加えると、最初に私が貴女にプレゼントしましたので」

 「えっ、いつのまに」

 「貴女の着ているそのドレスです。それは私の伝手(ツテ)で色々と手配したものでしてよ」

 

 どうやら美優が手配したものらしく、颯樹もその事については聞かされていなかったようで驚きを隠せなかった。

 

 「あー!颯樹くんが美夢ちゃんにプレゼント渡してるー!」

 「ほんとだー!」

 「出遅れちゃったのー!」

 「それは貴女達のせいですよね?」

 

 しかしそんな中、先程までご馳走を堪能していた希美達三人が颯樹が美夢にプレゼントを渡しているところを目撃し、驚きの声を上げていた。尤も、真っ先にご馳走に目が行っていたので非があるのはこの三人であるが。

 

 その後は希美と千歌からはピンク色のシュシュを、春奈と胡桃とみいこからは高そうなリップをプレゼントされる美夢であった。

 

 そして最後に京介が美夢にプレゼント渡す時が来た。

 

 「美夢。これが君のプレゼントだ」

 

 京介はそう言ってプレゼント用にラッピングされた小箱を美夢に渡した。美夢はそれを受け取ると、京介に一瞥して丁寧にラッピングを剥がして中身を確認した。すると中には、プラチナで装飾にピンクの紋章が入った青いサファイアを象ったブローチが入っていた。

 

 「わぁ、とても綺麗……!」

 「君に似合うと思ったまでだ」

 「でも高かったよね?」

 「大丈夫。このくらいなんて事はないよ」

 

 京介は照れ臭そうにそう言うと、美夢は彼に抱きついてきた。この場にいた全員は「またか…」と内心そう思いながら呆れるしかなかった。

 

 「二人とも。パーティはまだまだ続きますので、二人だけの世界に入ろうとしないでください」

 

 しかしパーティは始まってまだ1時間も経ってないのにも関わらず、本日の主役である美夢と京介は、パーティを放り出しそうな勢いであったので、春奈が無理矢理舵を方向転換させるのであった。

 

 本来なら渋る場面であるが、時間を割いてパーティを計画してくれた面々に迷惑を生じるため、やむなくパーティを再開するのであった。

 

 その後は余興でカラオケ大会やヴァンガード大会で大いに盛り上がるも、ホテル側から利用時間も迫っていると言われたので、数時間にも及んだ誕生日パーティはお開きとなった。

 

 「しかし京介くんと美夢ちゃんが同室とはね〜」

 「みいこも同じ部屋がよかったのー」

 「貴女達。あの二人の邪魔をしてはいけませんよ」

 

 二人の仲を邪魔させないためか、春奈は胡桃とみいこに諭していた。ちなみに傍らでは颯樹と誰が同室になるか言い争いが聞こえていたのは春奈は見てみぬ振りをしていた。

 

 しかしその後、颯樹が仲裁に入った上に同室の指名を春奈にした事により、三人は血涙を流すと同時に春奈に対して嫉妬するのは此処だけの話である。

 

 「今日は楽しかったね♪」

 「嗚呼。俺も楽しかったよ」

 

 一方、ホテルの一室にて…京介と美夢はルームサービスのシャンパン(もちろんノンアルコール)片手に今日の誕生日パーティの余韻に浸ると同時に振り返っていた。

 

 「……さて。明日も早いしそろそろ寝ようか」

 

 気づけば時刻は日付を跨ぐまであと少しのところまで来ていた。余韻に浸っていたのもあってか、時計を見るまで気づかなかったようだ。

 

 「ねぇ、京介くん…」

 「どうした?」

 「今日は、一緒に寝ない…?」

 

 美夢は上目遣いで京介にそう頼みを入れた。いくら夜遅いとはいえ日付はまだ彼女の誕生日…多少のワガママを言いたくなったみたいだ。

 

 「……分かった。それなら一緒に寝よう」

 「うん!」

 

 美夢の今日最後のワガママを受け入れる京介であった。その後は美夢と同じベッドに入って、お互い抱きしめあったりキスを思う存分堪能した後は眠りにつくのであった────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 次回の予定はまだ未定ですが、新作を来年の4月に投稿しようと思います。投稿頻度は少ないけど、一歩ずつ投稿していけたらなとは考えています。

 それでは、次回をお楽しみに。
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