本日は前回の番外編の続きからとなります。
それでは、本編をどうぞ。
そして今回行なわれているのは…
しかしそれはイベントにとっては序の口で、目玉となるのが
当然その対戦カードを聞いたヴァンガードやDJユニットのファンを大いに湧かせた。その証拠に、ファイト会場は男女問わず多くの人で賑わっていた。しかし収容人数にも限りがあるので、漏れた者は泣く泣くライブ配信でファイトを見届ける程である。
フォトンとリリリリのファイトは紗乃の要望が通ったものである。しかし、イベントのスケジュールに限度というものがあるので、なんとか交渉した結果、3人制の大将戦でなんとか調整する事に成功できたのだ。
今イベントにおいて、会場の真ん中にて設けられたファイトスペースにて、その先鋒戦が始まろうとした。対戦カードはフォトンsideは希美で、リリリリsideは美夢であった。
「美夢ちゃん、よろしくね♪」
「はい。お手柔らかに、よろしくお願いします」
そしてお互いのファーストヴァンガードが公開された事により、先鋒戦の火蓋が切られた。
「歌を届けるために ロロネロル」
「楽園を訪れし者 レイセント」
颯樹くんからの話で、美夢ちゃんの勝負強さについては聞いているし……対面しているデッキは、実際に対戦する今日この日までに彼に使われてボッコボコにされた事のある物。
……でも、今この場で向かい合ってる時は別。
私が美夢ちゃんよりヴァンガード歴は長いんだ……恥ずかしい試合は見せられない!
「私のターンです。ドロー、手札を1枚捨てて《ときめきを探して ロロネロル》にライド。ライドした時《エネルギージェネレーター》をセットして、ターンエンドです」
(手札5→6→5/ドロップ0→1/ソウル0→1)
「私のターン。ドロー、手札を1枚破棄して《楽園を訪れし者 ヨーティル》にライド。《エネルギージェネレーター》をセットして、後攻なのでエネルギーチャージ3。レイセントのスキルで、デッキから1枚ドロー。《幻翅竜 フェアルミア》をコール。スキル発動。山札の上から1枚までを捨て、自身のパワー+2000するよ。……私は、破棄を選択!」
(手札5→6→5→6→5/ドロップ0→1→2)
(エネルギー0→3/ソウル0→1)
【破棄されたカード】
《楽園を訪れし者 ウィルズレン》
「バトル。ヨーティルで攻撃」
「《
(手札5→4/ドロップ1→2)
「チェック・ザ・ドライブ《ティアーナイト コスタス》。ゲット・クリティカルトリガー! フェアルミアのパワー+10000、クリティカル+1! フェアルミアで攻撃!」
(手札5→6)
「ノーガード、ダメージチェックです。
(ダメージ0→2)
「ターンエンド」
……よし、最初は手堅くダメージ2。
先手を取られたのは痛いけど……ドライブチェックでクリティカルを引いてしまえば、相手より一手遅く動いていた事なんて、それはもう誤差でしか無い。それに、颯樹くんからは経験者としてのスペックを存分に活かす様に言われてるし、油断しなければ負ける相手じゃない。
この試合……美夢ちゃんには申し訳無いけど、勝ちに行かせて貰うよ!
「私のターンです。スタンド&ドロー、ライドフェイズ開始時にエネルギーチャージ3。手札を1枚破棄して《花咲く歌声 ロロネロル》にライド。ここで
(手札4→5→4/ドロップ2→3)
(エネルギー0→3/ソウル1→2)
……出た、これが【ロロネロル】の
オーダーゾーンに曲を揃え、自分のターンが周って来る度にその都度使う効果を変えて、変幻自在な動きを可能にする。そしてターンが進むに連れて、その攻撃は守護者での防御を不可能にさせる程の強力な攻撃へと変化する。
これは少し偏見にはなるけど、初心者が使うには少しクセのあるデッキタイプ……でも、美夢ちゃんがこのデッキを使う、これには何か意味があるのかも。
「私は山札から《爛漫はぴねす》をセット。《覗く先に見えるのは レステス》をコール。スキル発動。私のヴァンガードがロロネロルを含んでいて、このターン中に曲カードをセットしているなら、エネルギーブラスト3をコストに支払って、山札の上から5枚を見て、ヴァンガードのグレード以下のユニットを1体コールします」
(手札4→3/エネルギー3→0)
(オーダー0→1)
【山札の上から5枚】
《
《涼凪の歌姫 クリスティーヌ》
《
《淀みない進行 マリルゥ》
《ぐるぐるパレード シヴァーヌ》
「《淀みない進行 マリルゥ》をコール。その後、残りをデッキに戻してシャッフル。続けてマリルゥのスキル発動。手札を1枚ソウルに入れて、山札からグレードの指定を設けずに曲カードを1枚……《
(手札3→2→3/ソウル2→3)
……すごいね、着実に攻め込む準備をしてる。
ここは被害を最小限にしながら、相手の攻撃を受け流す事に全力を注ぐしか無い。
「コスタスでガード!」
(手札6→5/ドロップ2→3)
「ドライブチェック《スノウスキップ パルヴィ》。ゲット・フロントトリガー。前列全てのパワー+10000。レステスでヴァンガードに攻撃!」
(手札3→4)
「ここは大人しくノーガード。チェック・ザ・ダメージ《狂乱の令嬢》。ゲット・フロントトリガー! 前列全てのパワー+10000!」
(ダメージ0→1)
「マリルゥでヴァンガードに攻撃!」
「……っ、いいよ。これ以上は、私としても受けていられないから、《楽園を訪れし者 ノクトラン》でガード」
(手札5→4/ドロップ3→4)
「ターンエンド」
「やるね、本当にヴァンガード始めたてなの?」
「ありがとうございます。私には、いつも傍で陰ながら支えてくれる……頼れる師匠がいますから」
そう言った美夢ちゃんの視線は、私の予想通りに京介くんの方に向いていた。……へぇ〜、美夢ちゃんと京介くんがそう言う関係なのは勘づいていたけど、もうそこまでの域に達していたんだぁ……。ふ〜ん?
「……だったら、私にもこのファイト、負けられない理由があるんだよね」
「負けられない理由……ですか」
「それはファイトの中で教えてあげる」
……その存在は、今も何処かで私の事を見てる。
か弱い女の子相手に……散々大人気無く叩き潰す真似をしておきながら、その後にはきっちり甘い飴を与えて手懐けて来る。いつもは頼りになるけど、一度その気にさせると本っ当に末恐ろしいまでの様を発揮する……そんな私の、大切な幼馴染。
……颯樹くん、見ててね。
私、勝つよ。絶対に!
「リズム上げて行くよ〜っ!」
「私のターン! スタンド&ドロー、ライドフェイズ開始時にエネルギーチャージ! 手札を1枚破棄して《楽園を訪れし者 ノクトラン》にライド。ヨーティルのスキル。ノクトランにライドされた時、自身をコールしてソウルチャージ。続けて《楽園を訪れし者 リーヴスフェザー・ドラゴン》をコール。スキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、山札の上から3枚を見て、1枚まで選んで公開」
(手札4→5→4→3/ドロップ4→5)
(エネルギー3→6/ソウル3→4→3→4)
【山札の上から3枚】
《カストーディアル・ドラゴン》
《
《焼尽の精霊王 ヴァルナート》
「私は《花開け、此処は真なる宵の楽園》を手札に。その後山札をシャッフル。そして、手札に加えた《花開け、此処は真なる宵の楽園》のスキル発動。このカードが楽園を含むカードの効果で手札に加えられた時、手札のこのカードを公開して、デッキから1枚ドロー。《楽園を訪れし者 ウィルズレン》をコール」
(手札3→4→5→4)
「フェアルミアとウィルズレンの位置を交換。バトル、ノクトランでヴァンガードに攻撃!」
「パルヴィでガード!」
(手札4→3/ドロップ3→4)
「チェック・ザ・ドライブ《狂乱の令嬢》。ゲット・フロントトリガー! 前列全てのパワー+10000! ヨーティルのブースト、リーヴスフェザーで攻撃!」
(手札4→5)
「ここはエドウィージュでガード、続けてレステスでインターセプト!」
(手札3→2/ドロップ4→6)
「フェアルミアのブースト、ウィルズレンでヴァンガードに攻撃!」
「の、ノーガード! ダメージチェック《
(ダメージ2→3)
「ターンエンド」
筋は悪くない、トリガーを絡めた三連続攻撃……それを難無く凌ぐだけの力量は持っているし、自分が今選択しないといけない最善策を、瞬時に選べる度胸もある。このスタイルは明らかに師匠のやり方を真似た物かもしれないけど……。
「良いね、思わず私もちょっとだけ本気出しちゃった」
「構いません。希美お姉様の実力、私も肌で感じてみたかったので」
「およよ? 希美、お姉様……?」
「はい。……ご迷惑でしたか?」
……後輩からこんな事を言われるなんて、何だか私が言わせてるみたいですっごく罪悪感がある……けど……っ。美夢ちゃんみたいな娘からそんな風に呼ばれるなんて、すっごく……。
「ううん、大丈夫だよ。さあ、見せてよ……貴女のロロネロルの力の全てを!」
「はい、行きますっ。私のターン。スタンド&ドロー、ライドフェイズ開始時にエネルギーチャージ。手札を1枚破棄して……」
(手札2→3→2/ドロップ6→7)
「ここで
(オーダー1→2)
【山札の上から5枚】
《清適の歌姫 ショルシーナ》
《ファンシー・スペル ティーチェ》
《覗く先に見えるのは レステス》
《茜色らんうぇい》
《涼凪の歌姫 クリスティーヌ》
「私は《ファンシー・スペル ティーチェ》をコールし、残りを山札に戻してシャッフル。続けて《気合リチャージ! ルイサ》をコール。そしてセットオーダー《茜色らんうぇい》をセット。セットした時の効果は相手のヴァンガードがグレード3以上である事が条件なので、不発になります。ですが……攻め入るには、充分です」
(手札2→1→0/オーダー2→3)
……この感じだと、トリガー構成は
「バトルに行きます。ルイサのブースト、ロロネロルでヴァンガードに攻撃。ルイサのスキル発動。自身がブーストした時、パワー+5000。その後の効果もありますが、裏のカウンターが無いので今回はパスします。続けてロロネロルのスキル発動。このユニットが攻撃した時、オーダーゾーンにある表の曲カードを1枚選んで、
レステスと言う攻撃役を失ってるとは言え、それを上書きする様に前列全てにパワー上昇を掛けて来た……なら、ここはこうしようかな。
「《狂乱の令嬢》と《
(手札5→3/ドロップ5→7)
「ツインドライブ。1枚目《ゆったりふわふわお嬢様 ホーデリーフェ》。ゲット・クリティカルトリガー。マリルゥのパワー+10000、ロロネロルのクリティカル+1」
(手札0→1)
「おっと?!」
リアガードにパワーを与えて、ヴァンガードにクリティカルを振った……? 確かに此処で捲れたのは運が良いけど、それだけじゃ私のこのガードは突破できないはず……。
「2枚目《水界の精霊王 イドスファロ》。ゲット・オーバートリガー!」
「おおっとっと?!」
美夢ちゃんが2枚目に捲ったカードを見た瞬間、その場に居た彼女以外の全員が驚きを隠せなかった。まだ先攻の3ターン目と言う早いタイミングなのに、此処でオーバートリガーを捲って貫通させて来るなんて……!
「このカードを除外して、1枚ドロー。ドロップからパルヴィを回収して、マリルゥにクリティカル+1。そしてロロネロルにパワー+100000000を与えます!」
(手札1→2→3/ドロップ7→6)
イメージの風景の中では、
……でも、ヴァンガードは運が良いだけじゃ勝てない。
こう言うのは勝利に向けて地道に積み重ねた努力と……相手の動きを分析して、その時に降す最適解を選択し続ける事で、初めて最後の最後に天に運を任せる方法を取れる。
私がこんなところで……負けていられないっ!
「チェック・ザ・ダメージ。1点目《楽園を訪れし者 ノクトラン》。2点目《ティアーナイト コスタス》。ゲット・クリティカルトリガー。ノクトランのパワー+10000、クリティカル+1!」
(ダメージ1→3)
「……ここで、詰めます! ティーチェのブースト、マリルゥでヴァンガードに攻撃!」
(パワー33000/✶✶)
ここを許せばダメージ5……そんな事は、させない!
「《憧憬の乙女 アラナ》でガード!」
(手札3→2/ドロップ7→8)
「……ターンエンドです」
いやー、ヒヤヒヤした〜。
まさかこのタイミングで、
「やっぱり、そう簡単に許してはくれませんよね……」
「まあ、私にも意地ってのがあるからね。それにクリティカル2の攻撃を二度も許す程、そこまでガード値が薄かった訳でもないから」
「なるほど……」
んー、私から見ると美夢ちゃんの筋は良いし、何故今までヴァンガードに触れてなかったんだろうか……と思う程なんだけど、ただちょっとだけ粗削りな部分があったのも、実際に対面してわかったんだよね。
カードをプレイする順番は良かったんだけど、傍から見てたら運任せ主体に思えるくらいの選抜基準。守りなんて二の次で、何処か力でゴリ押ししようとしてるみたい。
「……不思議だよね、ヴァンガードって」
「え?」
「やりたかった事、描いていたプラン。私たちが予め対戦する前に頭の中で組み立てた理想は、一瞬の変化で容易に崩れる。たった一個選択を間違えるだけで、後々に大きく影響してしまう。だからこそ瞬時に状況を分析して、より勝ちに近づく選択をしなければいけないんだから」
「……それって、どう言う……?」
美夢ちゃんが聞き返すのと、その場が一気に静まり返るのはほぼ同時だった。
「私のターン」
私がそう宣言したその瞬間、辺り一帯が一瞬にして暗闇に包まれた。一寸の光も差さない……何も見えない真っ暗な世界。観客の人たちもそうだけど、美夢ちゃんは何が起こったのかまるで分からない様子だった。
「……な、何が起こったんですか?」
「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄する事で……行くよ?」
(手札2→3→2/ドロップ8→9)
(エネルギー6→9/ソウル4→5)
「(何が起こったのか、よく分からないけど……来る!)」
私が宣言すると同時に現れたのは、小さな身体に見合わない大きな翅を背負った……1体の妖精。薄く長い黄色の髪を三つ編みにして垂らし、全身を花であしらった服装で纏っている。その手には水色の結晶が着いた杖が握られていて、その存在が魔法を使うのだと、嫌でも認識させられる程だ。
幸い、ナナクリルの周囲には……眩しくない強さで光が満ちていたので、思わず視界を塞がれた人たちもほぼ全員が認識できていた。
「これが……ナナクリル」
「先ずはフェアルミアのスキル発動。エネルギーブラスト3をコストに払い、そして自身を除外する事で、この効果を使う直前で手札から捨てられたカードを手札に加える。……ありがとね、キミの活躍は無駄にしないから」
(手札2→3/ドロップ9→8)
(エネルギー9→6)
「捨てられたカードを、手札に加えた……」
「この後に必要な仲間だからね。うっかりコストで破棄してしまっても、回収する手段はあるって事」
「なるほど……」
「……っ?!」
その宣言と同時に広がったのは……見渡す限りに色鮮やかに咲き誇った花々の数々だった。草木は生い茂り、生命の伊吹すら感じられる程に心地好く風が吹き抜け……私たちを優しく包み込んでくれる。
いきなり夜の世界に花が咲くなんて、本当にびっくりしたと思うけど、これが私の世界……ここからは一瞬たりとも瞬きさせないよっ!
「ナナクリルの永続スキル。私の場に楽園を訪れし者が3体以上居る時、私の世界は
「トリプル、ドライブ……って、まさか!」
「そう。ドライブチェックを3回行う事が出来るスキルだよ!」
その言葉で美夢ちゃんの瞳が、大きく見開かれた。
自分が先攻だから大丈夫、と言う安心感があったのかもしれないけど……それは大きな命取り。そんな油断をして勝てる程、私も……颯樹くんも、甘くないっ!
「ノクトランのスキル。ナナクリルにライドされた時、自身をソウルからコールして、ドロップから1枚をソウルに入れる。《傲然の貴公子 フィランダ》をコール。スキル発動。山札の上から5枚を見て、その中から1枚を破棄する」
(手札3→2/ドロップ8→7)
(ソウル5→4→5)
【山札の上から5枚】
《焼尽の精霊王 ヴァルナート》
《楽園を訪れし者 リーヴスフェザー・ドラゴン》
《ハートゥフル・ポンピリディオ》
《花開け、此処は真なる宵の楽園》
《憧憬の乙女 アラナ》
「私はこの中からポンピリディオを破棄するよ。そしてオーダーカード《花開け、此処は真なる宵の楽園》を
(手札2→1/ドロップ7→8→9)
「……後者、って……」
「この効果で選んだ楽園を訪れし者1体に、『このユニットがスタンドした時、あなたの世界が真宵楽園なら、そのターン中、このユニットのクリティカル+1。』を与える効果だよっ!」
……ふふっ、驚いてる驚いてる。
ちょっとだけ大人気無い事してるかもだけど、今回は勘弁してね。私も勝負事では手を抜けない性分だし、相手が勝てる様に動き回る接待ファイトなんて……そもそも私がやりたくないから。
「その付与先は、リーヴスフェザー!」
「?!」
「……っ、やりますね、希美さん。これで美夢さんは、断崖絶壁まで追い詰められてる様な物ですわ」
「はい。少なくとも……こう言う時の希美は、恐ろしい程に勝負勘が良い。桜田さんが勝てる可能性を極限まで潰しにかかっています」
……本当はもう少し楽しみたかったけれど、そろそろ幕引きにしなくちゃ。
「バトル、リーヴスフェザーで攻撃! スキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払って、私の世界が真宵楽園なら、自身のパワー+10000!」
(ソウル5→4/ドロップ9→10)
「……ここは受けます。ノーガード、ダメージチェック《清適の歌姫 ショルシーナ》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1枚回復して、ロロネロルのパワー+10000」
(ダメージ3→4→3/ドロップ6→7)
「ノクトランは私の世界が真宵楽園なら、新たに『ブースト』を能力に得て、自身のパワー+5000されるよ。……行くよー? ノクトランのブースト、ナナクリルでヴァンガードに攻撃! ここでナナクリルのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払って、リーヴスフェザーをスタンド。そしてリーヴスフェザーが獲得したスキルに因り、リーヴスフェザーのクリティカル+1」
(パワー28000/✶)
ここはパワー28000のクリティカル1。
他より合計の火力が心許無いと言えど……世界が真宵楽園になっている事で、ドライブチェックを3回行える。3枚全てがトリガーなら、その合計火力は計り知れない……まして、そこに超トリガーが絡むと目も当てられない。
……さあ、どう防ぐ……?
「(ここは少し……綱渡り、だけど!)パルヴィ、エドウィージュでガード! パルヴィのスキルで、相手のヴァンガードがグレード3以上なのでシールド+5000!」
(手札3→1/ドロップ7→9)
合計シールド値58000……良いよー?
だったら……そのガードごと、ぶっ飛ばしちゃえば良いだけの話!
「チェック・ザ・ドライブ!」
『……』
「ドライブ1《狂乱の令嬢》。ゲット・フロントトリガー。前列全てのパワー+10000。ドライブ2《ティアーナイト コスタス》。ゲット・クリティカルトリガー。ナナクリルのパワー+10000、クリティカル+1。ドライブ3……」
(手札1→3)
私が山札に手を添えた瞬間、ピリピリとした緊張の糸が更に張られた感覚に見舞われた。……今のナナクリルは48000。このガードを撃ち破るには、あと1枚トリガーが出ないと行けない。さっきのドライブでフロントは出きったし、残るはクリティカルかヒールに超の三種類のみ。
……ここで、ぶち抜く!
「《憧憬の乙女 アラナ》。……取った、クリティカルトリガー! ナナクリルのパワー+10000、クリティカル+1!」
(手札3→4)(パワー58000/✶✶✶)
そしてそれを何でも無いかの様に指を弾く事で割って、ステージ全体をびしょ濡れにしてしまった。
そのせいでロロネロルは
風の妖精……その元来の性質である、悪戯好きな一面を思う存分見せた後、忽然と姿を消したのだった。自身の居た場所に……花弁を一枚残して。
「ダメージチェック。1点目《茜色らんうぇい》。2点目《覗く先に見えるのは レステス》。3点目《みんなで歌おう ロロネロル》。……ノー、トリガー」
(ダメージ3→6)
「お疲れ様です、美夢さん」
「うん。ありがとう、春奈ちゃん」
まず先輩戦が終わると、春奈が美夢を激励する形で彼女を出迎えたのだ。大事な先鋒戦を落としてしまったのだから、春奈は美夢が落ち込んでいるのを危惧したのだ。しかし美夢の反応を見る限り、そういう風には見えなかった。
「ごめんね、京介くん…」
「気にするな、スジは悪くない。相手は君より一つ
「京介くん…」
「それなら次相手する際にデッキの調整を入念に行なうまでだ。今度やるか?」
「……うんっ!」
今度は申し訳なさそうに京介に謝罪するも、本人なりの激励で美夢を元気付けた。しかしところどころ指摘が入るも、正しいのは確か。デッキ調整の話を持ち込んだ際は美夢は元気よく頷いた。
「なんか美夢ちゃんに猫の耳と尻尾が生えてるように見える…」
「胡桃さん、私もそう思いますわ…」
しかし二人の会話を傍らから聞いた胡桃と春奈は、美夢に猫耳と尻尾が生えている幻覚が見えたのだ。美夢の分身であるロロネロルは猫の
「…さて。みいこが勝って大将戦に繋げるのー!」
後が無くなったリリリリsideだが、みいこは一度伸びをして気持ちを切り替えた。そもそも、今回の大将戦は本来は京介が参戦する手筈なのだが、春奈の嘆願を受けて中堅戦に回ったのだ。
だがフォトンsideも変更があったようで、本来の相手はノアだが…彼女が何かを察知したのか急遽乙和に変更となったのだ。
しかも京介が中堅戦に参加すると聞いた乙和も「対戦相手を変えてください!お願いします!」と土下座をしながら嘆願されたので、急遽みいこと交代したのだ。
「何それ羨ましい!」と問い詰めたノアはその後、紗乃と颯樹によって連行され、今なお二人のお説教を受けているのはまた別の話である。
そしてみいこと乙和の二人は、それぞれの陣営を後にしてファイトスペースにて集まった。
「みいこちゃん、今日はよろしくね!」
「はいなのー!」
これにより、中堅戦が始まるのであった────。
まずは感想、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。
次回の更新はまだ未定ですが、今回の続きからで、みいこと乙和のファイト回となります。
それでは、また次回。