【Web版】敵のおっぱいなら幾らでも揉めることに気づいた件について(なお、転生後の世界は若干シリアスな模様)   作:とがの丸夫

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合法ロリはバカにされたくない10

 久しぶりになるPE能力を使用しての戦闘だったこともあり、当初は解放した力に困惑していたが、死力を尽くす戦闘の中で感覚を取り戻しつつあった。

 

 縦横無尽に繰り出されるローズウィップに当初は避けることもできなかったが、少しずつ攻撃の流れを掴むことが出来たこともあり今ではほとんどの攻撃を避けることが出来るようになっていた。

 そしてローズウィップ、というよりは縄による攻撃の直後はわずかな攻撃の隙間が出ることにも気付けた。

 

(今だ!)

 

 大きく振るわれたローズウィップを避けた直後、攻撃の隙間を通るようにしてパトラへと一気に距離を詰める。

 

「くぅっ!」

「はぁあ!」

 

 大きく踏み込んだ俺は、下からアッパーのように拳を突き上げる。

 拳は防がれることなくパトラの胸の間へと吸い来れ、腕(手首から肘まで)が左右から最高の柔らかさに包まれる。

 

 もにゅん

 

「おはぁ……」

「さっきからふざけてるのかしら!」

 

 あまりの至福に満面の笑みを浮かべていると、顔を真っ赤にしたパトラが勢いよく回し蹴りを繰り出す。

 緩み切っていた俺はそれを真正面から受け、そのまま力の流れに沿うように吹き飛ばされてしまう。

 

 

 戦闘開始からすでに数分、俺と彼女の間で行われた戦闘は、その殆どが先の内容だ。

 怒った状態で繰り出された攻撃は精細さを欠き、俺自身無抵抗に力なく吹き飛ばされていることもあり、派手に吹き飛びはすれどダメージ事態は軽微だった。

 

「もう! さっきからなんなのよ、少し前の勇ましさはどうしたのよ! これじゃ私が馬鹿みたいじゃない!!」

「俺は真剣だ! 真剣に戦って、真剣にアンタの柔らかいお宝を堪能しているだけだ!」

「ひぃ!? き、気持ち悪いわねえ!」

 

 俺が心の底から真剣にそう伝えているのにもかかわらず、パトラはなぜか顔を引きつらせながら一歩下がってしまう。

 

「今更実力差に怖気づいたところで遅いぞ! 俺は絶対にアンタを逃がさないからな!」

 

 相手が一歩下がったのなら俺も一歩前に出ればいい。

 俺はパトラを逃がさない意思を示すように、パトラが下がった分だけ前に出る。

 

「こ、こっち来ないで!」

 

 さっきまでの威勢はどこへやら。

 パトラは無我夢中にローズウィップを振り回すが、少し前までの空気を切り裂くような鋭さはなく、いたずらにローズウィップがのた打ち回るだけだった。

 

「がははは! 効かん、効かんぞおおお!」

 

 流石にPE能力で作られている武器ということもあり、例え威力が下がったとはいえ当たり続けるのは危険だ。

 だが先ほどまで優勢を保っていたパトラが乱れているまたとないチャンスだ。

 

 体の前に腕をクロスさせ、頭だけ最低限のガードを作ったままパトラに向けて突撃する。

 

「イッツァショ~タ~インムッ!」

 

 大きく跳躍し、加速したまま俺はパトラの胸に向かってダイブする。

 

 ツルン

「きゃあ!」

 

 俺の勢いに押されたパトラが足を滑らせ尻もちをつく。

 そしてダイブ状態の俺は尻もちをついてしまったパトラの胸に飛び込んだ。

 

 ポフン

 先ほどまで武器をでたらめに振り回していたこともあり、パトラの前身はほんのりと熱を帯びていた。

 顔から突っ込んだ谷間には運動によって分泌された微かな汗と、女性特有の魅惑的な甘い香りが鼻孔を強く刺激する。

 

 初めて女性の胸に顔を突っ込み、前世でも今世でも達成できなかった最高イベント、”パフパフ”を俺はついに実現させたのだ。

 

「ぶぼおおおお! ボベヴァバヤヴァボオオオオ!」

(※うおおおお! おれはやったぞおおおおおお!)

 

「ちょ! は、離れなさい!」

「ヤヴァアアアア! オベボボビズブウウウウウ!」

(※やだああああ! 俺ここに住むううううう!)

「何言ってるか分からないわよ! こんのお!」

 

 尻もちをついた状態でではパトラのローズウィップも意味をなさず。片手で倒れないように体を支えているパトラは、唯一自由に動かせる片手でどうにか俺を引きはがそうと試みる。

 だがこの人生において最も幸福と断言できる時間を少しでも味わいたい俺は、引きはがされまいと両手でパトラを抱きしることで抵抗する。

 というよりももっと密着したかったので抱き着いた。

 

「んぅ! ち、力が強すぎる!?」

「ごごばべんぼぶばー! ヴぁぶばばびゃー!」

(※ここは天国じゃー! バルハラじゃー!」

 

 右に頭傾けー。

 ぽよん

 左に頭傾け―。

 ぽよよん

 ちょっと離れてドーン!

 ぽふん

 ちょっと離れて今度はゆーくり。

 ぷにょん

 

(あぁ、もう思い残すことねえわ……)

 どうしてこの世に女性という存在がいるのか、世の男どもが下半身に忠実なのか。この時俺はその真理を完全に理解した。

 男がこれから先も女性に敵うなんて未来はないだろう。そう思わせるほどに彼女たちは完成された存在なのだ。

 

 大きく息を吸って―、鼻で深呼吸ー

 スゥ……ハァ……スゥ……ハァ……

 

 あーだめだ、これは麻薬だ。

 女性一人で一つの国が傾くのもうなずけるほどに、堪えがたい欲求に支配されていく。

 

「……い」

 

 抵抗らしい抵抗が出来ていなかったパトラが小さく何かを呟いた。

 パトラの胸に顔を埋めていた俺の耳は確かな二つの幸せで塞がれていたこともあり、聞き取ることができずに反応した。

 

「んぼ?」

「離れなさいって……言ってるのよおお!」

 

 我慢の限界を迎えたパトラがそう吠えると同時に、パトラの全身から爆発するようにPEが放出される。

 

 内側から爆ぜる感覚と共に、俺が一度瞬きをすると景色がガラリと変わる。

 

 俺は宙を舞っていた。

 

 

「な、なにが起きた?」

 

 どうにか空中で体を捻り地面に着地した俺は、慌ててパトラの様子を確認する。

 パトラは先ほどと同じ場所でピクリとも動かず、全身からPEを放出しながら立ち、ただ俺を睨みつけていた。

 

 

「もういいわ、最初はふざけているのかと思ったけど。本当の本気で貴方がそんなことをしているのなら、私も改めて本気で貴方を殺してあげるわ。ジョーカー」

 

 

 地面が爆ぜ。パトラの姿が消えたと思った時には遅く。

 俺は腹部に強烈な痛みと共に吹き飛ばされていた。

 

 

「があっ!!」

 

 肺が押しつぶされ、痛みと呼吸困難に全身を反らせる。

 痛みに耐えるさなか、薄ら目に見えたパトラの姿が先ほどまでと明らかに違っていた。

 

 攻撃の武器として使っていたローズウィップはパトラの手から消え、代わりにパトラの体を拘束するように、全身にローズウィップを纏ったパトラの姿がそこにあった。

 

(しかも全身を締め付けるローズウィップによって、スケベボディに食い込む感じがまた何ともエ――)

 

 こんな時でもバカな思考をしていしまっていた俺に、パトラが何の躊躇いもなく追い打ちを掛ける。

 

「や、やばっ!」

「遅いのよ!!」

 

 先ほどまでとは比べ物にならないほどの速度と破壊力を持ったパトラの攻撃が襲う。

 

 どうにか腕でガードの態勢を構えることは出来たが、その上から押しつぶす程の力をもって更に吹き飛ばされる。

 

 

「か、かぁっ……!」

 

 ようやくできた呼吸も、壁にぶつかった衝撃により再度肺が押しつぶされる。

 

(舐めていたわけじゃない、俺がいままで戦ってきたどの敵よりも今のパトラは……強いっ!)

 

「私、考えたの。貴方がスケベな方じゃなくて、本当の意味で戦闘に真剣になってくれるか……やっと思いついたわ」

 

 未だに倒れている俺に向かい、パトラがゆっくりと近づいてくる。

 髪を掴まれ無理やり体を起こされ、強制的にパトラと鼻先が触れ合うほどの距離まで引っ張られる。

 

「貴方がこのまま真剣にやらずに死んだら、あの子。朱美ちゃんを殺すわ」

 

 

 今日見たどの顔よりも、今のパトラは残虐な笑みを浮かべながら言い放った。

 

「ほら、さっさと本気になってよ……ねっ!」

 

 態勢も整わない俺をパトラが蹴り上げる。

 視界がチカチカと点滅しながら、俺は何度目かになる空中遊泳をする。

 

 

(や、やつは本気だ。俺がこのままなら朱美まで殺される! それはダメだ、ダメだ、ダメだ……ダメだ!)

 

 パトラの顔が閉じた瞼に浮かぶ。

 一度気絶した俺が起き上がったときの、不安そうな顔で俺を心配していた時の顔だ。

 

 俺は彼女に任せろと、守って見せると誓ったじゃないか。

 

(そうだ……おれを。……ヒーローだと……かっこいいところを見せてと、言ってくれた……ヒーローは、約束を……違えてはいけない!)

 

 

 空中を飛んでいる時間はたった数秒もない。

 そんな刹那の中で、俺の意識が切り替わる。

 

(ああ、また俺はやってしまったのか。欲求に負けてしまったのか……今更全力を出したところで、今の俺でパトラに勝てるのか?)

 

 

 言い訳はしない、俺はまた下劣な欲求に負けた。それで俺が死ぬだけなら何ら悔いはない。結局は俺が弱かっただけなのだから。

 

(でも……彼女が傷ついていい理由にはならない! それなら、死ぬ時まで彼女を守るために、戦わなければ……!)

 

 

 その時、俺は意識の中のスイッチが切り替わった感覚を覚えた。

 

 先ほどまでのパトラへ向けていた劣情はなく、後悔もない。

 ただ今は、目的のために死ぬ気でやることをやろう。それだけが思考を独占していた。

 

 

「『変身』」

 

 気が付くと、俺はそう呟いていた。

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