【Web版】敵のおっぱいなら幾らでも揉めることに気づいた件について(なお、転生後の世界は若干シリアスな模様)   作:とがの丸夫

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白髪な大剣担ぐ美女は、触られたい編1

「はぁ、はぁ。っぐ……」

「サンデスクさん!」

 

 突如現れた大剣を使う敵と、全身を真っ黒な布で覆った敵。

 二人の敵の出現の報告を受けた俺達は、担当地域に発生した二人の敵の対処に向かった。

 

 最初は二人という少数の敵、対して俺達は6人という手勢。

 

 2対6という構図に、今回の敵との戦闘は容易だと思っていた俺達は、戦闘開始から数十分。

 戦闘開始時にいた5人の部下たちのうち、すでに4人が戦闘不能に追い込まれ。

 

 残ったのは部隊を指揮していた俺と、今年から配属された新米ヒーローのみとなった。

 

 戦況は最悪。

 今しがた新米に向けられた大剣女の攻撃を、防ごうとした俺も。

 想像を絶するその破壊力によって、もはや継戦は不可能。

 

 

「この間の奴みたいに強い奴はいないみたいね」

「仕方ないさ、アイツらは少々特殊だからな」

「ち、あの時の恨みを晴らしたかったのに……」

 

 もはや俺達の事なんて眼中に入っていないような会話をしている敵。

 

 憤慨する気持ちもあったが、しかしそれも仕方のないことだ。

 俺達は2対6という有利な状況で、真正面からぶつかったのにもかかわらず、結果を見ればこのざまだ。

 

 俺達は新米を除いて全滅。

 対して敵には傷一つ無い。

 

 街を守るヒーローが聞いてあきれる。

 

 俺達は、このまま自分たちの守る街が、無残にも破壊される光景を、見せられるのか。

 そんな絶望が胸の中に広がっていく。

 

『……ジジ……サンデスク! よく持ちこたえた! 今そっちに応援の――』

 

 無線から聞こえてくるオペレーターの声。

 

 何が持ちこたえたというのだ。そもそも、こんな強い敵だなんて報告は無かった。

 

 前回の戦闘データから、俺達で対処できると聞いて出撃したのに、戦ってみればなんだ。

 アイツらの強さは異常だ。

 

 知らされていた戦闘能力を遥かに超えていた。

 

 すぐさま異変に気付いて、オペレータに応援の要請を願い出たが、今更誰が応援に駆けつけてこようと、目の前の敵は強大過ぎる。

 

 ヒーローとしてこの街を守り続けて数年、これほどまでの絶望的な戦力差は初めてだった。

 

 誰が来ても結果は変わらないだろう。

 

「とりあえず、うざったいヒーローは始末してしまおう」

「そうね、後から邪魔されても面倒そうだし」

 

 声から女と思われる謎の女の言葉に、簡単に答える大剣を担いだ白髪の女。

 

 半ば折れかけた心で、俺は自身の最期というのを初めて自覚した。

 

「大丈夫、私は優しいから。苦しませず殺してあげる。貴方を殺した後、すぐにお仲間を同じ場所に送ってあげる」

 

 目の前で振り上げられる大剣を、俺はただ黙って見つめていた。

 

 ああ、これから俺は死んでしまうのだろう。

 街を守って死ねるなら本望。だが、俺が殺された後、街もこいつらによって殺されると思うと、いいもしれない気持ちが胸の奥を黒く染めていく。

 

 こいつらが憎い、俺が愛しているこの街を。

 意味もなく破壊するこいつらが、どうしてこうも堂々としてられるんだ。

 

 お前たちは日陰者だろう?

 なのになぜ、日ノ本の往来を、その不遜な両足で立っている。

 

 誰でもいいんだ、目の前の敵をぶちのめしてくれ。

 俺が死んだ後でもいい、俺がどうなってもいい。ただ、理不尽を押し付けてくる目の前の敵に、同じ理不尽を押し付けてくれ。

 

 そんなヒーローとは思えない考えを持ったまま、俺は死ぬのだろう。

 

「じゃ、バイバイ」

 

 大剣女の一振りが、俺の頭をかち割る未来に、俺は目を瞑った。

 死ぬとき、俺はなんて思うのだろうと思っていたが、案外単純だった。

 

「くたばれ、社会のごみが」

 

 こんなことしか言えない俺はヒーローじゃないみたいだ。数年たってようやく気付いた。

 こうして、俺の30という時間の刻みが敵の手によって終止符を――

 

「お前優しいのか。ならこの間の事ぐらい、許してくれるよな?」

 

 ――打たれることは無かった。

 

 知らない男の声に続くようにして、襲ってきた爆発音。

 突然の出来事に、もう開くことは無いと思った目を開いてしまう。

 

 まぶしい光と同時に映ったのは、白髪の大剣女の振りかぶる大剣……ではなく、拳を振り切った姿勢で停止しているヒーローの姿だった。

 

 純白の甲冑はヒーローの純然な正義に見え、強く大地に立つ姿は。

 昔自分が憧れたヒーロー映画に出てくるヒーローのように、どんな強い敵が来たとしても大丈夫だと思える安心感。

 

『もう一度言うぞ! よく持ちこたえた! 特務のヒーローから作戦地域に到着したと報告があった!』

「ああ、見えてる。ヒーローが……来た」

 

 そしてなにより、その姿は。

 今まで見てきた、どのヒーローよりもかっこよかった。

 




ヒーローの登場シーンって、何時になっても興奮しますよね

小説の描写について、今後の方針アンケートになります。

  • 今のままでええんやで
  • もう少し簡単にしてスピード感が欲しい
  • 描写をもっと分かりやすく具体的にして
  • 駄文が多いぞコラ
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