ウマ娘ゼロノスダービー   作:クレナイハルハ

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白鳥のキセキ

 

夜、空に浮かぶ星々が見守る栗東寮トレセン学園寮の一室にて、1日の疲れを癒そうと布団へと入るウマ娘達がいた。

 

「ねぇ、アヤベさん。最近魘されてるけど、大丈夫?」

 

何時なら可愛い顔を意識し、話す芦毛のウマ娘カレンチャンはそう不安げな表情を浮かべ同室のウマ娘へと話しかける。

 

「大丈夫よ、生活に支障はないわ」

 

そう返すのは目元にうっすらと隈の見えるウマ娘、カレンチャンと同室のウマ娘アドマイヤベガ。アドマイヤベガはカレンチャンへと返事を返し布団乾燥機によってふわふわとなったベットへと入り瞳を閉じる。

 

部屋の電気街消え、アドマイヤベガから静かな吐息が漏れ始めた事を確認しカレンチャンは不安げな声を漏らした。

 

「アヤベさん………」

 

毎日布団乾燥機を使いふわふわを維持していたアドマイヤベガの布団ではカバー出来ないほどに、彼女が見ている夢は過酷で苦しいものなのだろうか?

 

そんなカレンチャンの心配を嘲笑うように、今日もまたアドマイヤベガの安定した寝息は苦しそうな寝息へと変わっていく。

 

荒い呼吸を繰り返し、寝言で『ごめんなさい』『待って』といった言葉を繰り返す彼女の様子は同室の彼女に取っては頭から離れない光景だ。

 

寮長に相談する?それとも知り合いに助けを求めるべき?

 

そんな不安が悪い方向への想像を加速させカレンチャンをパニックに陥れる。

 

そんな時だった、寮室の枕元の窓を叩く音が聞こえカレンチャンは窓を見ると、そこにはウマ娘らしき人影が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

昔々、二人のウマ娘が居ました。

 

生まれたばかりの双子の姉妹。

 

姉は妹を想い、妹もまた姉を想っていました。

 

ですが、ある日ウマ娘の姉妹はとある事件に巻き込まれ、妹はその存在を特異点と言う形に変わってしまいました。

 

妹は世界の時から外れ、時の運行を守護し世界をイマジンと呼ばれる怪物から守るため戦う一人の青年の元で引き取られました。

 

でも、それは偽りの歴史。

 

本当は、私は赤ちゃんの時に体が弱くて死んじゃってお母さん達はお姉ちゃんを悲しませないために、私がいなかった事にした。

 

でも、お姉ちゃんは見つけてしまった。

 

私と一緒に映っているお姉ちゃんの赤ちゃんの頃の写真を。それ以来、お姉ちゃんは私の幻影を見て苦しみながらもレースを走っている。

 

私はお姉ちゃんが元気に生きて、レースを走って、友達と過ごしてくれればそれで良いのに。

 

本当の歴史は、私は見ていることしか出来ない。ゼロライナーから眺める夜空、時の間に輝く星空の彼方に輝く星。

 

夏の夜空に輝く三つの星、そのうちの一つが私の名前。

 

琴座のベガ(お姉ちゃん)白鳥座のデネブ()

 

  鷲座のアルタイル(お兄さん)

 

アドマイヤデネブ、それが私の本当の名前。

 

「ねぇ、オグリさん」

 

「どうした?アヤネ」

 

「お姉ちゃんの所に会いに行ったら……だめかな?」

 

「良いと思うが、何でダメなんだ?」

 

「この世界の私は、居ないから。もし外に出て何かしちゃったら……」

 

「タマが言っていた……やらずに後悔するより、やって後悔した方が良いと。安心してくれ、アヤネが居ない間は私がゼロライナーを守る」

 

「そっか……ありがとう」

 

そう言って私はゼロライナーを降りて、トレセン学園へとやって来たのだけど。窓から中を伺うと真っ暗寮室で苦しそうに眠るお姉ちゃんと、そんなお姉ちゃんを見て慌てている芦毛のウマ娘がいた。

 

流石に窓から入るのはアレだと思うがそれ以外に方法はない。窓を軽く叩きコンコンと言う音を出すと、芦毛のウマ娘は私に気付いて恐る恐る窓の鍵を開けて窓を開いた。

 

「え、どうしてそこに!?」

 

「悪いけど、少し入るね」

 

そう言って寮室へと入った私は横になっているお姉ちゃんのてを握り、優しく語り掛ける。

 

「大丈夫だよ、私は恨んでないから。大丈夫、今はゆっくり休んでね」

 

そう話しかけてから、少しするとお姉ちゃんの寝息は安定し顔も穏やかな物へと変わっていった。

 

お姉ちゃん、やっぱり思い詰め過ぎちゃってる。お姉ちゃんはいつも私の分もって、そう考えちゃってるんだよね?

 

私はお姉ちゃんの事を恨んでないよ、私はお姉ちゃんに幸せになって欲しい。

 

そう思っているって………伝えられたら良いのに、ごめんね。

 

そう思いながら、お姉ちゃんの手を離す。

 

「貴方は、一体……」

 

「私はアドマイヤデネブ、お姉ちゃんをよろしく」

 

そう言って私は入った窓から外に出て、ゼロライナーをライダーパスを握り締めてゼロライナー呼ぶ。聞き慣れた鼓笛が聞こえ、彼方を見れば空中に精製されたレールを走りゼロライナーがこちらへと走ってきた。

 

そして私の前に止まり、ドアがスライドし開いたので即座に乗車して振り返ると芦毛のウマ娘は驚いた様子で私の方をじっと見つめている。

 

手を軽く振って私はオグリさんの待つゼロライナーの奥の部屋へと向かうのだった。






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Re.Memoriarise Ver3.5

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