向日葵畑から(仮)   作:檜の棒

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あけましておめでとうございます
私の年末年始は全てPSPのモンスターハンターポータブル2ndGに溶けました。最小金冠って案外出るもんなんだな。


74話「幻覚と現状、そしてコピー」

新「そろそろ、秋になるんかぁ…」

 

ここに来てから随分時間が経ってしまった。

最初の目的は幻想郷から帰る事だったが、いつの間にかその目的も薄れ、消えていた。

 

段々と冷たい風が吹く事が多くなってきた。

夏とはそろそろさようならの準備をしなければいけない。

 

幽香「うつつを抜かしているようだけど、人里で食いつなげるように頑張る覚悟はしておかないと後で後悔するわよ」

 

新「まだ先だけどそれもあるな、それはそれで頑張るつもりだ」

 

と言っても一ヶ月後にはこの家と幽香の元から離れる事になっている。別れは確約されているのだ。

 

新「………でも1ヶ月かぁ、ちょっとばかし長いし、なんか出来ねぇかな」

 

幽香「それならあの幻覚とかいう変なアレの扱い方でも頑張れば良いじゃない」

 

提案

 

新「それもそうだが、やっぱ謎が多すぎて訳分からんのよなぁ」

 

幽香「その分時間を費やして研究すれば分かる事が増えるわよ、少なくとも貴方が死ぬまでには」

 

新「トゲ強っ、しかも時間の振れ幅デカッ」

 

新は大袈裟にリアクションを取る。

だがそれは態とでは無く、動揺から来る反応。

 

幽香「貴方のその頭脳から見積もって綿密に計算した結果よ」

 

新「そこまで言う必要ある?」

 

幽香「無いわね、ただ言いたいだけ」

 

新「なっ、テキトー言って人を傷付けるな!」

 

幽香「この程度の戯言で傷付いてるという事は「馬鹿」っていうのは認めてるのねぇ」

 

新「ぐぬぬぬぬ…」

 

幽香は言葉でイジり倒した相手が悔しがっているのを見てクスクスと小悪魔のように笑っている。

小悪魔なんて物ではなく、ほぼ悪魔のような行動だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二階の部屋の中。

新は勉強机のようなものの前に置かれていた丸椅子に座る。

 

新「最近幽香さんのイジりが激しい気がする」

 「いやイジメかも」

 

急ぐように発言を訂正する。

 

新「………いやでもだな、確かにこのまま何もせずに一ヶ月経ってハイさよならも不味いんだよ」

 

新以外には誰も居ない、小さい部屋の中で新は独り言を始める。

 

新「せめて、せめてこの今は収まっている幻覚の究明はしたいが…」

 

あの日以来、あの脳裏に刻まれるような(ヴィジュアル的にも)強烈な幻覚に襲われるという事は無かった。

それはコトが全て終わったというよりかは、一旦は落ち着いたという風に新自体はそう感じている。

何せ魔力を自然の中から勝手に吸い出してしまうなどとという良くわからない現象等もセットでついて来ているからだ、相当に厄介だというのは魔術、妖術等の事を全く知らない素人である新にも分る程だった。

 

新「なんかこう、あの幻覚を収めた時みたいに、自分で操作とか出来ないかなぁ」

 

迷いの竹林内部、永遠亭で起きた幻覚の事を思い出す。

あの時は幻覚を自分の制御化に置くというのを強く意識するという事でなんとか抑え込んでいた。原理はこれもまた謎だが、この『制御』を上手く扱う事が出来れば、あの幻覚も御する事が出来るかもしれない。

 

新「ヨシ、やってみるか」

 

元気付けに一つ手を叩き、小さめな丸椅子から立ち上がった。

 

新「手始めに…巨大な出刃包丁出せないかな」

 

部屋の中心で仁王立ち、目を瞑りイメージする、あの時の幻覚をもう一度。

記憶の中から出刃包丁の全てを引き出し、具現化する為に集中に徹する。

 

新「………ん」

 

何かを掴む。

 

新「来たッ」

 

目を開けてソレが出来ているか確認する。

 

新「おお…っ」

 

驚愕

それは眼の前に現れた巨大な出刃包丁にもだが、それ以上に『この俺にこんなヤバい事が出来るなんて!』の方が強かった。

 

新「一度出した事のある幻覚だったら比較的出しやすいっての、あるかな」

 

推理

だが素材が足りない。推理らしい推理をする為にはもっと検証して素材を増やしていかなければならない。

 

新「むむむむ…」

 

また部屋の中心で目を閉じ、唸りながら集中する。

とても異様な光景だ。

 

新「おっ」

 

次に出てきたのは大きなハサミだった。

シンプルで何処にでもある現代的なハサミ、但し先程の出刃包丁と同じぐらいのサイズ感だが。

 

新「どーしてこんなデカいんだろう」

 「そうだな…小さくなれっ」

 

眼の前の出刃包丁とハサミが号令を受けた直後に小さくなっていく。

 

新「すげーな、何でも出来るぞ」

 

幽香「思ったよりも融通が効くのね、ソレ」

 

新「うおぉっ」

 

背後からの突然聞こえてきた声に驚き、振り向きながら体制を崩す。

 

新「やばっ」

 

倒れかかる方向には出刃包丁。

幽香はそんな新を見ても何も動じない、動こうとしない。

 

ドンッ

 

新「………アレ?」

 

幻覚に当たってしまうも何も起こらず、ただ床に倒れ込んでいる。

出刃包丁の幻覚は何も変化が起きていない。

 

幽香「ほら、これでまた解かったことが一つ増えたじゃない」

 

新「げ、幻覚は触れても何も起こらず、すり抜ける……」

 

新はポカンとした顔で幽香の方を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━1階━━━

 

新「いててて…」

 

さっき倒れ込んだ時に尻を強く打ったのか、少し痛そうに声を出す。

 

幽香「ちょっと興味が出たわ」

 

新「え?」

 

幽香「少し待ってて頂戴」

 

幽香はキッチンの戸棚から白いマグカップを一個取り出した。

 

新「マグカップ?」

 

幽香「これ、写す事とかって出来るかしら」

 

新「写す…コピーですか」

 

幽香は持っているマグカップをダイニングテーブルの上に置く。

 

新「やっては見るけど…」

 

痛む尻をさすりながらダイニングテーブルの椅子に座り、そのまま机の上に置かれたマグカップに手を伸ばす。

 

新(簡単な推測だけど合ってるかな…記憶を元に幻覚を形作っている説……)

 

不安げな顔をしながら新はまるで鑑定士の様に細部まで覗き込み、無言のままマグカップを観察する。

 

新(取手部分が…少しカーブが緩いのか?)

 (思ったよりも大きくて、そんで深いな)

 

そう観察していく毎に新の中ではこのマグカップの知識、記憶が深く刻まれ、読み込まれていく。

 

幽香「上手く行ってるようね」

 

新「え?」

 

幽香「左見なさい」

 

新「うおっ」

 

知らず知らずの内に真横にマグカップが出来上がっていっている。パーツがバラバラの状態だが、新が観察すればそのパーツの輪郭はハッキリ鮮明な物になり、それと同時に他のパーツと繋がっていく。

 

新「すげーなぁ…」

 

幽香「貴方がやっているんでしょう?」

 

新「そうだったね」

 

マグカップの幻覚が勝手に出来上がっていっているのは幻覚でマグカップを模すという事に意識が強く働いた結果だろう。

 

 

 

新「出来た、かな…?」

 

机の上には見た目もサイズも全く同じマグカップが2つあった。

 

幽香「観察すれば一応出来るらしいわね」

 

新「でもめっちゃ疲れたぁあ〜っ」

 

ダイニングテーブルの上に上半身を預け脱力する。

幻覚のマグカップはぶつかる事なく腕をすり抜ける。

 

新「でも幻覚だからたかが知れてんだよなぁ…」

 

幽香「まだわからない事だらけの物に限界を決めるのかしら、少し早すぎない?」

 

新「確かに、それもそうか……」




最早まえがきとあとがきが自分の近況報告or日記になってきている気がする……

それはそうとして()
別に投稿する訳でも無いようなストーリーを何故かムショーに練りたくなっちゃうのってあるよね。
それも今書いてる小説より設定が細かいっていう……
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