向日葵畑から(仮)   作:檜の棒

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よし、こっから頑張らなアカンでぇ!

………こっわぁ


78 雨の日、そして始まり

 

          ━━人里━━

 

 雨、余り激しくはない。整備された地面や人の住まう家の屋根等に雨粒が当たり、音をたてる。傘を使い出歩く人も居るが、やはり通行量はいつもより少なくなっている。

 

「こんな天気の日になんで外に出なぁアカンのか〜、傘は直しに出しとる最中やし、面倒よ」

 

 傘を使わず、雨に直接さらされながら愚痴を漏らす人間が一人歩いている。

 

「……裏入ったら雨、凌げるか?」

 

 男は建物と建物の狭間にある、路地裏の入口を見て呟く。確かに建物の影になっているので雨は比較的少なさそうだ。空が曇天になっているせいで、明るさも雰囲気もより暗くなっている。

 

「ま、夜じゃないし大丈夫だろ」

 

 幾ら人里であっても夜出歩くのは危険、それがあっての発言。男は路地裏の奥の方へと進んでいった。

 

 

 

「チッ、行き止まりかよ」

 

視界の先には壁。焦りが現れ始める。

 

 

 ガサッ

 

 

「ん…?」

 

背後で物が落ちたような物音がした。振り返る。

 

「提灯?」

 

 軒下に吊るされていた片付けられていない夜間用の提灯が上下半分に切れていた。提灯の落ちた下の部分が雨に濡れた地面に触れて色が滲む。

 

「なんか薄気味悪いぞ…」

 

そう思った直後

 

 

「うおっ!」

 

 

突風

 

 

「…な、なんだぁ?」

 

唐突に強い風が吹き、体を少し蹌踉めかせる。

 男は後ろを振り返る、が、何もない。路地裏の殺風景が続いているだけだった。

 

「畜生、本格的に気味が悪くなってきやがった」

「急ぐか」

 

違和感

 

「ん、なんだ…?」

 

 身体が上手く動かない。言うことを聞かない。聞いてくれない。

 

「な、なんなんだよ、怖いな…」

 

 少し踏ん張り前に足を一歩出そうとする。それでも動かない。

足元に違和感。下を見る。

 

「なっ、なんだよっコレ」

 

 

 

 

「……血か?血なのか?」

 

 

 

 

 地面に雨水と混ざり薄くなった赤い液体が流れている。焦りと違和感と謎の恐怖で息が荒くなる。

 

 

不意に激痛が背中全体に疾走る。

 

 

「ッぐぁぁああッッ!!!」

 

 

わけも分からず体勢を崩し濡れた地面に倒れ込む。

 

 

 

自身から、男の身体から、血が出ている。

 

 

 

 地面に流れていく赤い液体の量が増えていく。雨はさらに強くなり、雨音は男の痛みによる叫びを掻き消し、血はどんどんと混ざり、流れ、地面に染み込んでいった。

 

「あ゛あ゛ぁあ゛あああッッッ」

 

 雨が強くなると同じく背中の痛みが体全体に広がっていく。脳が激痛に支配される。

 

 

 行き止まりに向かって地面を這う。この場から逃げたい、その一心で。

 

 

だが

 

 

「だっ、だれ゛かッッ!!!誰か助けてくrっ」

 

 

 

 

 

 

 

声が止まった。

男の背中には服ごと斬られた深い深い傷。

 

 

突風が吹く

 

 

次の瞬間、男の 死体 から下半身が無くなっていた。

いや、切り取られていた。

切り口からは内蔵や鮮血が体外に次から次へドロドロと流れ出ている。

 

恐怖に染められ、叫んだまま死んだ男の顔は動かない。

口と眼を大きく開いたまま、彼は止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        …雨はまだ、止まない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ━━2日後、人里にて━━

 

幽香「それで、生活する場所とか決まっている訳?」

 

新「いや、それがさ…」

 

新は声を小さめにして耳打ちをするかのように幽香に話す。

 

 

 

幽香「……あの紫がねぇ、如何にも裏がありそうだわ」

 

新「まぁ、住む場所くれるし有り難いは有り難いんだけどもこの感じ、俺の事餌にでもする気なのかな、それともー」

 

幽香「暇だったからか」

 

 

新「っだとしてもこんな俺みたいな人間に家とか出せるかよ。俺、外から何故かこっちに来ちゃっただけで何もないのに」

 

 最恐と恐れられている妖怪の横で、さも当然のように会話をする人間。人々からの視線が集まらない訳がない。

 

幽香「何か騒がしくなってきたわね」

 

新「俺あんまり人の前に立つの苦手なんだけど…」

 

幽香「じゃあ無駄口叩かず荷物持ちなさい」

 

新「はぁい…」

 

 その妖怪と会話している人間は見るからに重そうな袋を抱えていた。《肥料》と袋の面に表記されている。

 

新「まさか人里での手伝いが荷物持ちだなんて…おわぁあっと」

 

時折グラつくバランスをなんとか制御しながら風見幽香の少し後ろを付いて行く。

 

幽香「飛び方とか諸々教えてやったんだからそれぐらい嬉々として受けなさい」

 

 

新「肥料、しかも人が作ってるヤツとか使うんですね幽香さん」

 

幽香「基本的に愚かなのが多いけども、植物を愛しているのなら別だわ。それに生育に肥料を使って栄養を程よく与えると植物も喜んでくれる」

 

新「へぇ…(植物が喜ぶとか、まるで意識があるみたいな言い方、不思議だな)」

 

 

 

 

新「なんか、あっちの方ザワついてないか?」

 

幽香「何かしら」

 

 距離はかなり離れているが、前方にある建物の辺りに人集りが出来ており、ざわつきが遠くからでも聞こえてくる。

 

幽香「少し気になるわね、新はどう?」

 

新「同意見、行くかぁ」

 

 人集りに近づくにつれて、さっきまで雑音でしか無かったものが『言葉』としてハッキリと聞こえるようになる。

 

 

「なんだなんだ?何があったんだ?」  「うおっ」

     「昼間からどうしたんだよ」

             「ちょっと!押すなって!」

 「事件でも起きたのか!?」

         「なんだか最近騒ぎが多いな…」

   「人里も物騒になったもんだ」

            「今日で何度目だよこういう騒ぎ」  

「久々にヤバそうだな」  「何か奥から臭わないか?」

        「ま、マジかよ…また」

 

 

           「死体だ」

 

 

新「…死体?死体だって!?」

 

ハッキリと、その単語だけが騒音の中で聞き取れた。

 

新「これもしかして…あの例のなのか?!」

 

幽香「紫から頼まれてたアレ?」

 

新「そうなんだけど…覚悟の必要がありそうだ」

 

幽香「別にあんなの真に受けなくても良いのにどうして」

 

新「紫は俺に出来ると思って頼んだって言ってた」

 「それに、マジで死人が出てるなら…人間が死んでるってんなら、尚更挑むしかない」

 

幽香「…何よ急に、使命感感じちゃって」

 

新「あと、あとだな」

 

幽香「あと?」

 

 

 

新「俺将来的にここに住むってのにずっと死の危険があるとか嫌でしょ!!!」

 

 

 

新「厳密にはここの近場なんだがなぁ!」

 

幽香「…ま、好きなようにしなさい」




紫が犯人探しを新に頼んだ事自体に伏線は無いです、多分。
でも新に頼んだのも彼が出来そうだからってのはあります。

幻想郷の中をいつもどこでも監視出来るような能力を持つ紫が犯人が判らなかったのは博麗大結界のメンテナンスに気を取られていたから。それと件数がまだ少なく、証拠も余り残されていなかった事から、どの妖怪が犯人なのかの絞り出しが出来なかったから。


………で納得してくれれば助かるんですがどうでしょう…
初心者のくせして推理しようとしちゃってるよ俺ちゃん…ヒィヒィ

あと小説内でのリンクの貼り方がイマイチ分からなかったのでやり方がわかる人は出来れば感想で教えてくれても良いでしょうか…リンクが小説内で貼れれば今後の話のネタに出来そうなんですよ

アンケートでぇす。この東方Projectの二次創作の「話の構成やストーリーの出来」を抜いたシンプルな「文章の技術的なアレ」の変化をアンケートしたいっす。私のウデマエ上がってるのかなぁ

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  • それよりもっと話投稿しろよ
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