殿下とやまがたラーメン紀行 作:さくらん坊主T
……手持ちで引けるかな……(無課金勢)
南陽編ラストですが今回はノーラーメンです。
番外編にしては長いですが。
まるよしでの昼食を終え、時間に余裕ができたので観光することにした我々。
車で3分のところにあるパワースポット・熊野大社へ向かう。
シャカール的には「ロジカルじゃねェ」のかもしれないが、せっかくなので。
……この後、俺はこの神社にどういった御利益があるのかロクに調べなかったことを後悔することになる。
話を戻そう。
なにせ近場も近場。あっという間に熊野大社に到着した。
日曜ということもあってか、参拝者もそれなりにいる。
……が、すれ違う人のほとんどが、こちらに気づくなりぎょっとした顔をするのだ。
仮にもGIウマ娘。そこそこ名の知れてきているファインやシャカールを見かけたことへの驚きかと思ったが、どうもそれとも違うようだ。
そこへ、顔を赤くしたシャカールがスマホの画面を見せてきた。
「アンタ……コレはどういうことだよ?」
そこには、熊野大社についての情報と共に「縁結び」や「日本初のプロポーズ」といった文言があった。
「…………なっ!?」
その瞬間、あの驚きの表情の意味を察した。
ボン、と湯気が勢いよく出たような感覚がした。顔が熱い。
先に件の画面を見ていたらしいファインも「わぁ……」と言葉にならない言葉がこぼれるばかりであった。
ふと、境内の案内図が目に入る。「健康の参拝」「運気上昇の参拝」と書かれている。
「ほ、ほらアレだ、健康祈願だよ健康祈願」
「そ、そうだよね!」
「ハァ……」
我ながら苦しい言い訳である。
だが、シャカールは一応納得してくれたのか、それ以上追求されることはなかった。
ひとまず、手と口を清める。
左手……右手……手のひらに水をためて口……もう一度左手……最後に柄杓の柄……
2人ともしっかり勉強してきたんだな……意g……流石だ。
「……おい。オレだってその辺のマナーはきっちりやるぞ?」
「え、シャカールいつの間にエスパーに目覚めたの?」
「コイツが分かりやすいだけだ」
シャカールは呆れ気味に俺を見る。ちょっとショック。
初めに拝殿でお参りし、その奥にある本殿の裏に回る。
ここには「三羽のうさぎ」の彫刻が隠れており、全て見つけると願いが叶うらしい。
「……ただ、他人に場所を教えたり聞いたりすると御利益がなくなるってさ」
「自力で探さないといけないんだね……この広さだと大変そう」
ファインがキョロキョロと見渡す。
「……マジかよ。こんなあっさり見つかっていいもんじゃねェだろ」
興味なさげに本殿の上の方を見ていたシャカールの呟きを、俺とファインは聞き逃さなかった。
「シャカール?もしかして、全部見つけたの?」
「……聞いた方も御利益なくなンだろ?教えねェからな?」
「む~~~」
膨れるファインを横目に、うさぎ探しを続ける。
2羽までは見つかったが、あと1羽がなかなか見つからない。
……と思ったら、その時。
「……あ」と、声が漏れた。3羽見つかった。
「あ!これで3羽目♪」
ファインも見つけたようだ。
「ファインお前……最後
「え、カンニングした?」
「誰からも聞いてはいないもん」
「いつも以上にロジカルじゃねェぞお前!?」
そんな会話をしながら、境内を巡っていく。
お守りを買ったりして外に出ると、何やら店らしきものが目についた。
ジェラート
「よし、食うか」
善は急げとばかりに店内へ入る。シンプルで落ち着いた雰囲気の内装だ。県産
「これだけ種類が多いと迷うなぁ……」
ケースには実に16種類のフレーバーが並んでいる。ミルクやチョコレートといった定番のものから、
3人でトリプルかつバラバラの味を注文し、シェアすることにした。
「オレは……いちごとキウイ、ミルクにするか。このあたりなら失敗はねェだろ」
「それじゃあ……さくらんぼと桃ミルク、チョコレートにしようかな」
「じゃ、俺はつや姫とトマトレモンとコーヒー牛乳にするか」
会計を済ませると、各々の手に、色とりどりのジェラートと満月を模した最中が乗ったカップが渡される。
まずはつや姫を一口。……どちらかといえばミルクの味のような気がする。うまいけど。
その直後、粒状の食感を感じた。つや姫はこれか!いつぞやのクラゲアイスを思い出した。
「濃ッ!?イチゴの甘みが想定以上に強ェ……だがさっぱりしてて飽きがこねェ。丁度いいバランスだな」
「こんなにしっかりさくらんぼの味がするジェラート初めて!さすが山形だね」
シャカールとファインが満足そうに食べ進めていく。
確かにこれは美味い。甘いもの好きには堪らないだろう。
「ミルクが意外に軽ィ味だな……この時期には丁度いいかもな」
「興味本位でトマトレモンを選んだけど、かなり甘い部類のトマトだコレ。そしてレモンの風味が後から抜けていく……」
「このチョコレート、香りもしっかりしてて舌触りも滑らか♪」
それぞれシェアしたりしつつ、あっという間に食べきってしまった。
これは満足感がすごい。また来よう。
……と、余韻に浸っているのも束の間。
「おい、そろそろ駅戻らねェとマズいんじゃねェか?」
「……ゲッ!!急いで帰るぞ!!」
「待ってよ2人とも~!」
こうして、慌ただしくも南陽市での時間は過ぎていったのだった。
もうすぐ7月、夏合宿が始まるが……夏は山形の"本場"みたいなものだからなぁ……
秋華賞に向けて本腰入れ……られるといいけど。はぁ……
……と、いうわけで以上、南陽編でした。
ちなみにこちらのジェラート〇ンさん、品揃えはその時々で変わるようで、時期によってはアスパラガスなどの野菜フレーバーもあるそうです。