殿下とやまがたラーメン紀行 作:さくらん坊主T
今回は難産でした(いつも通り)、ええ…
花笠でのハッスルから一夜明け、朝。いつもより早く目が覚める。
そして……
「あ、トレーナーおはよう……ふゎ」
「おう、おはよう」
ファインも起きていた。一応言っておくが別々の部屋で寝ていた。
「おはよう!なんだって2人とも随分早ぐ起きたんねが?」
じいちゃんも起きてた。なんならかなり重そうなダンベルを持ち上げてた。
アナタ本当に90代ですか?
「おはようございます。おじい様も早いんですね」
「おぉ!ジジイの朝は早ぇもんだぞぉ。そうだ、せっかく早起きした
「朝ラー!ぜひぜひ!!」
マジか。まだ頭が目覚めきってないんだが……
そう言うと、じいちゃんは車に乗り込む。……え?
「まさか家から走ってぐつもりか?正直、ウマ娘でもきっづい距離だぞ」
え?え?
「ガス欠起ごすたくながったらほれ、乗るべ」
どこまで行くつもりなのか皆目見当もつかないが、促されるまま俺とファインも乗り込む。
「あ、一応隊長にメッセージ入れt……」
「殿下アアァ!!」
ご本人登場しちゃったよ。そして取り乱しすぎ。
「うわぁ!?びっくりした~」
「驚かせて申し訳ありません。ですが殿下、本日は朝早くから外出なさると伺っておりません。何か急用でしょうか?」
「ちょっと走って朝ラー食うがってなってたんだけど……いがったらピッコロさんもどうだべ?」
ちなみに「ピッコロさん」はSP隊長のことだ。その呼び方某バトル漫画連想するんだけど……
「はい、喜んで」
「即答かい」
少し車を走らせ、比較的真新しい建物が目立つ地区に着くとランニング開始だ。
「ほいじゃ、車停めてくっがらまた後でなー」
「はい!」
「では、我々も行きましょうか」
そして3人で走り始めた……が、そこからじいちゃんが合流するまでの記憶があまりない。
端的に言えば、「ウマ娘に人間が勝てるわけがない」といったところか。
……うん、何言ってるか分からないと思うけど、本当にそれしか言えないんだよ。
途中からとはいえ、ほとんど息切れしてないじいちゃんマジで何者?
「ゼェ……ゼェ……」
「学~
「トレーナー様、大丈夫ですか?」
「……面目ないです……」
SP隊長に支えられながら、なんとか車に乗り込む。
ファインが心配してくれているのがとても嬉しい反面、情けない気持ちでいっぱいだった。
そして車で移動すること数分。着いたのは"麺屋
なんともモダンな外観だ。
中に入り、券売機を見ると半分以上のボタンに「×」の表示。朝はメニューを絞っているのか。
見る限り店主1人で切り盛りしているようなので仕方ないか。
俺とSP隊長が朝ラーの醤油、じいちゃんとファインが味噌を注文。ファインは九条ねぎもつけた。
10分ほどで配膳される。
背脂でやや分かりにくいが、かなり透明度の高いスープだ。低温調理したらしい大きめのチャーシューと岩ノリが目につく。
一口飲むと、煮干しの香りが突き抜けてくる。醤油の甘じょっぱさといいコントラストで混ざりあっている。
バテバテの体に染み渡る感じがした。至福……
「濃厚な味噌と煮干しがよくマッチしてるね。一心同体っていうのかな?」
ここぞとばかりにメジロマックイーンみたいなことを口にしたファイン。多分、微妙に違う。
麺は細ストレート麺のようだ。ポクポクとしていながらもっちり感もあって、あまり経験のない食感だ。
「細麺と味噌の組み合わせってあんまり見かけないけど、案外相性いいね!このするすると食べられる感じがむしろ好きだなぁ~」
確かに味噌のような濃いめのスープには太麺が使われるイメージではある。ここで細麺を使うとはかなり研究してそうだ。
チャーシューも柔らかくて美味しい。ただ、個人的にはもう少し歯ごたえがあってもいいかもしれない。
ファインは続いて辛味噌を少し溶かす。
「意外と辛さが控えめというか……甘みがあるね?南陽で食べたのとはまた違うかも」
「……それは辛味噌と呼べるのか?」
「全く辛味がない、というほどでもないようなので間違ってはいないかと」
「んだんだ、細がい男はモテねぞ」
余計なお世話だ、じいちゃん。
「スープ自体、濃厚だけどしつこさがなくて朝にピッタリなんだけど、シャキシャキした九条ねぎが交ざると後味が変わってくる!これはどんどんいけるよ!」
そう言いながら、ファインは末脚を爆発させるように食べるペースを上げ、そのまま
少し遅れて、SP隊長、じいちゃん、俺の順で完食する。
煮干しがしっかりきいているのに嫌な苦みがなかったのは流石だと思った。
このボリュームで700円はお手頃と言うべきだろう。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
この後だが……本当に急な帰省だったので、はっきり言って何も予定がない。
とりあえず一旦帰るにしても、今日1日どうしようか?
SP隊長の呼び方については元ネタ(かもしれない馬)の名前に基づいています。
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