殿下とやまがたラーメン紀行 作:さくらん坊主T
お久しぶりです&すみませんでした。
まだ不定期更新が続きますがどうぞお付き合いください。
午後。夏合宿の途中で抜け出したうえに食べ歩きばかりしているのは流石にマズい、とファインも感じたためトレーニングにあてることにした。
戻ってきたら"太り気味"でした、なんて洒落にならないし下手したら俺の首が飛ぶ。最悪の場合は物理的に。
「……とはいってもガチガチの内陸部だから向こうと同じようなことはできないんだけどな」
「そうだね~。少なくとも遠泳とタイヤ引きは難しいかな」
「とりあえず走るか。この辺は人通りも少ないし丁度いいからな」
大体ではあるが2000mのタイムを計ってみる。そもそもアスファルトなので参考にならないだろうが。
軽く汗を拭いながらファインが戻ってくる。
「ふぅ……どんな感じだった?」
「悪くないな。昨日、今日とガッツリ食べてこのペースはすごいと思った」
「やった♪」
「じゃ、軽く1,2周して今日は終わりにするか」
「うん♪」
そして、夜。
「トレーニングの後ってやっぱりお腹空くよね~」
俺たちは大通り沿いにある『上機嫌Revolution』にいた。お察しの通りラーメンである。しかもガッツリ系。
午後のトレーニングの意味ねえ……!!
注文したのはファインが味噌の太麺、俺が"上機嫌らーめん"の中太麺。そして、ゲソ天と餃子という組み合わせだ。
「そういや、色々な店回ったけど意外と餃子は食べてなかったな」
「そもそもメニューにないことも多かったからね」
「ああ、確かに」
「でも、私としてはラーメン屋さんにはギョウザだと思うよ?だって美味しいもん!」
「そりゃ間違いないな」
交通量の多い立地にしては騒がしくもなく、丁度いい雰囲気である。
もっとも、BGMがカントリー調?の洋楽なのはいささか違和感があるが。どっちかというとそれはハンバーガー屋なんだよ。
10分と経たないうちにラーメン他諸々が配膳される。
味噌ラーメンには辛味噌が載っており、上機嫌らーめんには青海苔がかかっていた。
竜山東と同じ系統のようだが、こちらにはナルトやキャベツが載っているなどしっかり差別化もされている。
2人揃って麺を一口。
「辛味噌が載ってるからてっきり竜山東と同じような感じかなー、と思ったけどまた違う美味しさだね!」
「こっちも魚介が強い感じだな。麺に関しては竜山東のよりコシが強いんじゃないか?」
この手のラーメンには思い出すように食べたくなるような……不思議なモノがある。
毎日食べるのは流石にキツいが。
「餃子は……っと」1つつまむ。肉汁がジュワっと溢れてくる。
「うん、これだよ。これ」
「あ、ズルい!私にもちょうだい!」
「心配しなくても5個残してr――」
と、ふとファインの方に視線を向けると、まあまあ大きく口を開けていた。
「あーん」をしろと?餃子で?どんなファーストバイトだ。
「……分かったよ。ほら」
嬉しそうな顔でぱくりと食らいつくファイン。
「……おいしい♪」
満面の笑みで答えるファイン。満足ならいいのだが。
続いて、ゲソ天を少しかじる。
心地いいほどサクサクした衣に、胡椒がきいていて美味しい。
「癖になる食感だね~……あ、ゲソが抜けちゃった」
「割とあるよな、それ」
「やっぱり?スープに魚介の深みがあるから、浸しても美味しいよこれ!」
「へえ……うん、確かにこれはいいな」
「でしょ!」
正直、天ぷらが汁でフニャフニャになるのはあまり好きではない。
が、このゲソ天については元々衣が固めだからか、スープに浸しても軟らかすぎない程度に収まっている。
それ相応に体力を使っていたからか、ガッツリ系でありながらあっという間に完食した。
「「ごちそうさまでした」」
……これ以上の中抜けはたづなさんあたりから雷を落とされそうなので、翌日朝一で合宿先に戻る我々であった。
~唐突に始まるウマ娘的山形弁講座
「まだ続くのかよコレ」
「同じ県内でも地域で差が出るらしいからね。しばらく続くんじゃないかな?」
「マジかよ……『ありがとう』だけで3つもあンのか」
がおる:具合が悪くなる、弱る、疲れる
例:担当ばあんまがおらせねようにすんのもトレーナーの務めんねが?
(担当をあまり疲れさせないようにするのもトレーナーの務めじゃないの?)
「……一応聞くが、字面だけ見てどういう意味だと思った?」
「がおーって感じで……『威嚇する』とか?」
「何つーか予想通りで安心した」
以上、山形市編でした。
次はどこになるでしょうか?お楽しみに。