殿下とやまがたラーメン紀行 作:さくらん坊主T
アクエリアス杯なんとかA決勝…!!
16杯目 もてなしすぎた麺をすする (たん○めへ)
猛烈な努力の甲斐あって秋華賞を制し、トリプルティアラを達成したファイン。
『月刊トゥインクル』の乙名史さんをはじめとするメディア各所からの取材やら何やらに追われ、俺は過去類を見ないレベルで疲れていた。
その日やるべきことを全て終え、夕食もそこそこに帰宅し倒れ伏すように眠りについた。これが金曜の夜のことだ。
翌日目が覚めると、どこかの高速道路を走っているらしい車の中だった。
一瞬拉致されたのかと思ったが、そもそも運転しているのはSP隊長だし左隣にはファインもいた。
「あ、トレーナーおはよう!」
「おう……いまいち状況が飲み込めないんだが、どこに向かってるんだコレ?」
「ここ最近、ものすごく忙しくてお疲れだったでしょ?それでいい"お店"が新庄市にあるって知ってね」
その"お店"とやらがどういうものかは分からないが、少なくともファインなりに労おうとしてくれているらしい。
……ファインのことだからついでにラーメン巡りもするつもりなのだろうが。
「トレーナー様がお目覚めのところで、パーキングエリアで朝食としましょう」
「は〜い♪」
「ありがとうございます……」
そんなこんなで、パーキングエリアでうどんをすする。疲れ切った体に沁みる……
どうでもいいけど、これだけ施設が整っててサービスエリアじゃないってマジ?
途中何回か休憩をはさみながら、目的の店……『とんぼめへ』に到着。
俺とSP隊長は味噌中華、ファインは「とんぼ中華」を注文。
10分ほどで配膳された丼を見るが……並盛なんだよな、コレ?目測2kgはありそうなんだが……丼はよく見たらすり鉢だし。
とりあえず、沈んでいた麺を何とか探って一すすり。
ちぢれの太麺に、味噌のスープがよく絡む……優しい味だ。
「……想定を誤ったようです」
大盛りを注文したSP隊長。1.5倍はありそうだったから……うん、合掌。
「この麺、細さの割にゴワゴワしてるから結構食べごたえがあるね」
「全体的にコシが強めってところか。こっちのもかなりもちもちしてる」
ニンニクと生姜のきいたスープと共に、山積みになった野菜に箸をつける。
シャキシャキしてて美味いけどやっぱ量多いな……麺から先に食べるとするか。
「キャベツの甘みがスープに出ていてコクがありますね。人気店となるのも頷けます」
「スープも背脂が乗ってるのにギトギト感が少なくて美味しい♪」
野菜と味噌がうまくハーモニーを奏で、一口、また一口と箸が進む。
あれだけ面食らった量だったが、意外と完食できた。まあ、だいぶ満腹になったが。
「ごちそうさま!美味しかった~」
「ごちそうさまでした」
少し遅れてSP隊長も完食。ああは言ってもウマ娘だもんなぁ……
会計のため席を立とうとすると、なぜかファインに手で制される。
「すみませーん」と声を上げるなり、店主らしき男性が出てきた。
ファインと何やら二、三話した後、こちらに顔を向ける。
「そしたら、どこが痛い?腰?肩?」
……はい?何がどうなったらラーメン屋で腰や肩の話になるのか?
よく分からないが、とりあえず肩がゴリゴリに凝ってはいる、と答えると……
「んじゃ、取っか」
「???」
「流れが分がんねって感じだな?俺、整体師もやってんだ。いぐぞ」
それだけ言うと、店主は施術を始める。
「おおおお!?」
痛さやら何やらで変な声が出る。
それから数分経ち、施術が終わった。肩がものすごく軽い。
なんだか晴ればれした気分で会計を終え、店を出る。
「と、いうわけで今回は題して『トレーナーお疲れ様旅』です!」
そう言って、妙に自信たっぷりな顔をするファイン。その手に持ってるフリップはどこから出てきたんです?
「いやいや、お疲れ様はファインの方だろ?」
「トレーナーだって私と同じくらい頑張ってるよ。それに、ここ数日は疲れが隠しきれてなかったよ?」
マジか。ここまで言われたらぐうの音も出ない。
「……ということですので、今日と明日はただご自身の疲れを癒すことに集中していただければと思います」
「あっはい」
いつもとあまり変わらないような気もするが……ひとまずお言葉に甘えるとしよう。
~唐突に始まるウマ娘的山形弁講座(3)・解答編~
「ようやく答えか」
「今回のはなかなか難しい言葉だったね」
正解
まぐまぐでゅー(庄内):めまい・吐き気がする
例:大食い三銃士がうしきたま食うさげ、つらっで食い過ぎでまぐまぐでゅー
(大食い三銃士が沢山食べるから、つられて食べ過ぎて吐き気がする)
「……いくらなんでも規格外3人につられるのはロジカルじゃねェだろオイ」
「"いっぱい食べる君が好き"ってことじゃない?」
「それで競り合うのは無謀じゃねェか!?」
今回の新庄編は特に皆さんからいただいた情報が執筆の上で参考となりました。
本当にありがとうございます!
それではまた次回に。