殿下とやまがたラーメン紀行   作:さくらん坊主T

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何の脈絡もなくパーティーが増えるよ!!


5杯目 有名店の弟子で、護衛を交えて麵をすする (琴〇)

"金た"に着くと、既に行列ができていた。

列が伸びないうちに、そそくさと並ぶ。

県外ナンバーの車が多く停まっていることからも、この店の人気度合いが伺える。

……おや?前に並んでいるウマ娘、どこかで見たような……

「……隊長さん?」

「ッ!?殿下に、トレーナー様!?」

まさかのSP隊長だった。休みを言い渡されたとは聞いてたけど何やってんすか。

「奇遇ですね。こんなところで会うなんて」

「あー、えっと……そうですね……」

歯切れが悪い。まあ、パッと見「休め」と言われたのに出勤してきたようなものだし……そりゃ気まずいか。

「いえ、あの、ここに来たのは本当にたまたまで……」

たまたま通りかかるような立地ではないと思うが……これ以上は思考を放棄した。

きっとそういうこともあるのだろう、うん。

 

そんなことを考えているうちに、俺たちの順番になった。

「いらっしゃいませ!3名様ですか?こちらへどうぞ」

「あ、はい」

カウンターが6席、小上がり席が3テーブルほど。

入口側のテーブルに通される。

壁に飾られたいくつものサイン色紙がこの店の人気ぶりを物語る。

「ところで隊長さんは金平荘はご存知で?」

「え、ええ。一応。元々旅館をされていた所ですね」

「ここの大将、その金平荘で修行したんだって!」

「そうなんですか!それは味に期待できますね」

ふと、メニューを見る。この店の中華そばも「あっさり」と「こってり」が選べるのか。金平荘の系譜ということがよく分かる。

「トレーナーと隊長はどれにするの?」

「中華そばの『あっさり』かな」

「私もそれを」

「決まりだね。すみませーん……中華そばの『あっさり』3つと、ニグめし1つで」

俺とSP隊長は驚いた目でファインを見る。驚いた理由は別々のようだが。

「更に食うのかファイン……」

「殿下、ニグめしとは……?」

ファイン同様に日本語が達者なSP隊長だが、流石に方言まではカバーしきれていないか。

「えーと……『白めしにチャーシューをのせた名物めし!』だって」

「"肉"の訛った言い方ですね」

「なるほど……"(ニグ)めし"ということですか」

程なくして、ラーメンとニグめしが運ばれてきた。

「おお~……煮干しの香り」

「いただきます!」

Y字のような、独特な断面の麺(ウイング麺というらしい)を一口すする。

ほんのり苦みのある煮干しで金平荘の面影も出しつつ、鶏の出汁も組み合わせることで金た独自の味が感じられる。

「この……麵のピロピロとした口当たりが癖になるな」

「うんうん!これならいくらでも食べられちゃうかも!」

「不思議な形の麺ですが、スープの甘みとよく絡んで美味しいです。やはりここは良いお店でしたね」

ファインとSP隊長も満足そうだ。

ファインは続けてニグめしを口に運ぶ。

「チャーシューとタレがすごく合ってる……!それだけじゃなくてご飯も美味しい!」

「庄内って米どころだからなぁ」

「つ〇姫でしたら私も聞いたことがありますね」

その後も、他愛のない会話をしながら食事を楽しんだ。

「「「ごちそうさまでした」」」

 

「さて、ではそろそろ……」

「もう1軒行こう!」

「「はい!?」」

ファインが飲み会帰りのサラリーマンみたいなことを言い出した。

昨日ハシゴしなかったのは何だったんだ。

「……私は大丈夫ですが、トレーナー様は?」

「あ、はい、俺も1杯くらいなら」

SP隊長もウマ娘。この中で最も胃に余裕がないのは俺だろう。こういう気遣いも王族に仕える身たる所以だろうか。

「やった!実はもうどこに行くか決めてるの!」

「ほう、どんな店なんだ?」

「えっとね…………」

まさかのハシゴ宣言。持ってくれよ俺の胃腸!




次回、「次が鶴岡編最後と言ったな?あれは嘘だ」
お楽しみに!!(ごめんなさい)
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