(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション   作:ナイトメア・ゼロ

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5話

IS学園の寮の一部屋を一時的に牢屋としてユニコーンを幽閉した楯無はベットで横になっているユニコーンを横目にユニコーンが持っていた道具を見ていた。

 

「ISの装甲を斬る2本の剣に1発しか入ってないピストル。北を向かない壊れたコンパスに望遠鏡、6本の投げナイフに鉤爪ロープを発射するリストバンド、そして桂馬先生から盗んだ財布。いろいろ持ってるわね。桂馬先生もカンカンだったわよ。あの男絶対に殺してやるって」

 

「その桂馬っていう先公クビにしたほうがいいぞ。女性の権力利用してカツアゲしてたし」

 

「そうなの。じゃー理事長に報告しておくわ」

 

「あの・・・・・一つ言っていいか?」

 

「何、一夏君?」

 

「ん?どした一夏?」

 

「いや寛ぎすぎだろ!?ハルはもう自分の家レベルで寛いでるし楯無さんに関してはもう友達の家に遊びに来たような感じだし!」

 

「なぁ、たっちゃん。酒ないか?できればラム酒がいいんだけど」

 

「だから家か!?あと未成年だろハル!!」

 

「海賊に年齢なんざ関係ねーよ」

 

「残念だけどここにお酒は無いわよ。そういえばあなたの船ももう抑えたから」

 

「酒は残して置いてくれよ」

 

「脱獄する気満々ね」

 

 ユニコーンと楯無は雑談するようにそう言い一夏は頭を抱えながらツッコミをいれた。一夏はため息をついて部屋を出ると。

 

「一夏」

 

 そこには箒とシャルロットがいた。

 

「あ、シャル、箒」

 

「その、弟くんはどんな感じなの?」

 

「相変わらず自由な性格だったよ。3年も行方不明だったのにいきなり現れて海賊なんかになってて・・・・・人殺しにもなってたけど生きててよかった」

 

 一夏は複雑そうな顔だが嬉しそうな顔をしていた。

 

「死んだと思っていた家族が生きててよかったね一夏」

 

「あぁ」

 

 シャルロットがそう言うとふと思った事を聞いた。

 

「そういえば箒って一夏と幼馴染なんだよね?なんで弟のことを知らなかったの?」

 

「私とあいつは接点があまりなかったんだ。それに私はあいつが嫌いだ。一夏には悪いがあいつが死んでも特別悲しくなかったし寧ろ顔を見ることもないからよかったって思っていた。だからあいつのことは完全に忘れていたんだ」

 

「箒は子供の時からハルを嫌っていたからな」

 

 一夏がそう言ってると。

 

「ふざけんじゃないわよ!!」

 

 リンの声が聞こえた。一夏達は声が聞こえた方に走って行ってみるとそこにはスーツを掴んで壁に叩きつけられている千冬と叩きつけているリンの姿があった。

 

「やめろリン!冷静になれ!」

 

「そうですわよリンさん!織斑先生にあたっても何も解決には」

 

「これが落ち着いてられると思ってんの!?」

 

 ラウラとセシリアは必死にリンを止めようとしておりリンは頭に血が上っているのか顔が真っ赤だった。

 

「リン!どうしたんだよ!?」

 

 一夏達はリンのもとに行くと。

 

「この女がハルを政府に引き渡すって言ったのよ!!」

 

「えっ?」

 

 リンが言ったことに一夏は理解が追いつかなかった。

 

「仕方がないことなんだ。何があったのか知らないが春八は海賊。犯罪者になっていたんだ。然るべき場所に送り罪を償うのが春八のためになる」

 

「ちょっと待てよ千冬姉。どう言うことだよ?せっかく会えた弟を警察に渡すのかよ!」

 

「警察じゃない政府だ!政府はお前の弟ならISを動かすことができるかもしれないと思い研究所に送られることになっている。不自由になるかもしれないが少なくとも刑務所よりかはマシかもしれない」

 

 千冬はそう言って歯を食いしばった。一夏もユニコーンが行方不明になっている間に海賊になっていたなんて思っていなかった。故にユニコーンは様々な犯罪を犯しているのは鈍い一夏でも予想できた。

 

「でも、大切な弟がモルモットになれって言ってるんだぞ千冬姉!そんなの!」

 

「大方、女性権利団体から圧力をかけられたんでしょ?織斑先生」

 

 そう言って現れたのは楯無だった。

 

「楯無さん」

 

「確かにユニコーン・・・・・いや春八君って呼ぶべきかしら?私と彼が出会ったのは2回だけだけどそれでも色々と暴れ回ってたわよ」

 

 楯無はそう言ってユニコーンの犯罪を数え始めた。

 

「強盗に殺人、密入国、車の盗難、その他もろもろとあるわよ」

 

 楯無がそう言うと人の良いシャルロットですらフォローできなかった。一夏は弟がやった犯罪行為に絶望していると。

 

「彼は女性権利団体にも喧嘩を売ったわね。氷室って言う女社長がいたんだけどそいつは女性権利団体にかなり寄付していた上にある計画の為にかなり支援もしてたのよ」

 

「ある計画?」

 

「そこはどうでといいわ。その計画を潰して氷室を殺したのは春八君だったのよ。女性権利団体はもうカンカンだったらしくてその日はかなり権力が暴走したみたいよ」

 

 楯無がそう説明した。

 

「・・・・・・それじゃー千冬姉は女性権利団体の圧力でハルを売るつもりなのかよ?」

 

「モルモットにするのは表向きで本当は春八君を公開処刑するつもりだと思うわ」

 

「公開処刑!?」

 

 その言葉に1番反応したのはリンだった。

 

「あんたそれが分かっててハルを渡そうとしたの!?どうなのよ!!」

 

 リンはそう言って再び千冬に掴みかかった。

 

「・・・・・逆らえなかった」

 

「ハァ?」

 

「私もなんとかしようとしたが女性権利団体が春八を渡さないなら一夏を研究所に送ると脅してきたんだ。今の時代、女性権利団体の権力はブリュンヒルデの称号を持つ私でも抵抗できない。ましてやISも剣も触れられなくなった私では女性権利団体に逆らえなかった」

 

「それで俺を守る為にハルを売ったのかよ!」

 

「大の虫を生かすには小の虫を犠牲にしなければならない。春八は、海賊行為でいろんな犯罪を犯しているから春八を守ることができなかった。だから春八を切り捨てるしか」

 

 千冬は悔しそうな顔でそう言った。一夏達も千冬がどんな思いをしているのか理解したのだろう。だが。

 

「・・・・・結局それがあんたの本性なんだ」

 

 リンは冷たい目でそう言った。

 

「リンさん何を言ってますの!?」

 

「結局は自分の利益と弟の一夏だけが大切なだけじゃん。確かにハルは犯罪者かもしれないけどそれでも家族ならせめて警察の方に送るのが家族としての行動じゃないの?なのにアンタは女性権利団体に売った。所詮、アンタはハルが死んで欲しかっただけじゃないのよ!!」

 

 リンはそう言ってユニコーンのいる部屋に向かおうとしていた。

 

「待てリン!何するつもりだ!」

 

 ラウラはリンの肩を掴み止めた。

 

「決まってるでしょ!ハルをここから逃す!」

 

「何言ってるの!?そんな事したらリンもタダじゃ済まないよ!!」

 

「分かってるわよ!!それでもアタシはあいつに死んでほしくない!!例え中国代表候補生が剥奪されたとしても専用機を没収されたとしてもアタシが犯罪者になったとしてもアタシはハルを助けるわ!もう、・・・・・・・・・あんな思いをするのはごめんなのよ」

 

 リンは俯いてそう言った。

 

「俺も行く」

 

 一夏もそう言った。

 

「ダメだ一夏!取り返しがつかなくなるぞ!」

 

 千冬がそう言って一夏を止めようとした。

 

「・・・・・別に助ける必要なんてないわよ」

 

 そう言ったのは楯無だった。

 

「更織先輩・・・・」

 

 リンは楯無を睨みつけた。

 

「ほっとけばその内勝手に脱獄すると思うわ」

 

 楯無はそう言うと一夏達の目は点になった。

 

「私ね。これでもユニコーンに惚れてるのよ」

 

 楯無がそう言った瞬間リンの目は鋭くなった。

 

「あ、勘違いしないでリンちゃん。私は別にユニコーンに恋心があるわけじゃないわ」

 

「じゃーどう言う意味ですか?」

 

「私はね海賊『キャプテン・ユニコーン』に惚れてるのよ。女性としてじゃなくて多分警察官とかそんな感じのタイプで惚れてるのよ。彼は私の手で捕まえたい。他の手のやつなんかにつかまってほしくない。もし捕まったのならさっさと脱獄してほしい。そんな感じよ」

 

 楯無がそう言うと千冬ですらポカンと口を開けた。

 

「・・・・でも楯無さんは今日春八君を捕まえましたよね?」

 

 シャルロットがそう聞くと。

 

「あれはワザと捕まったのよ」

 

「ワザと?」

 

「そう。彼、寛いでたでしょ?最初からここをホテル代わりにするつもりだったのよ」

 

 楯無がそう言うと全員が驚愕した。

 

「部屋から出る時も彼こう言ってたわ。ルームサービスは7時ぐらいで頼むって。私あの時面白くて後で持ってくるように伝えておくわって言っちゃったわ」

 

 楯無はクスクスと笑いながらそう言うとその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして色々と起きた文化祭が終わり夜になった。楯無は約束通りユニコーンにルームサービスとして食事を持ってきたが酒がなかったことにユニコーンは文句を言いながらも全部食べた。

 

 外は完全に暗くなり生徒達は既に寮の中にいる。だから外にいるのはユニコーンを見張る教師陣だけだった。

 

「キャプテン・ユニコーンはどうやって脱出するのかしら?」

 

 そう言って室内で見張っている楯無が紅茶を飲みながらそう言うと。

 

「出ようと思えば今日中で出られるぜ。ただ今日は乗り気じゃ無いだけだ」

 

「・・・・・明日女性権利団体の使者があなたを引き取りに来るわ」

 

「へー。意外と早いな。そんなに怒らせたっけ?」

 

「どうせ私の知らないところで色々とやったんでしょ?」

 

「まぁな」

 

 ユニコーンはそう言ってベッドから起き上がり窓越しから外を見た。

 

「・・・・・・・それにしても」

 

「ん?どうしたの?」

 

「窓越しでも分かるぜ。今日の風はなんか嫌な感じだ」

 

 ユニコーンはそう言って海の方を見た。

 

「ん?」

 

 ユニコーンは何かを見つけたのか窓にへばりつき何かを確認しようとした。

 

「?どうしたの?」

 

 楯無がそう聞くと。

 

「!!楯無!!伏せろー!!」

 

「えっ?」

 

 ユニコーンは突然そう言って楯無を抱きしめて床に伏せた。その瞬間。

 

ドゴォォォン!!

 

 近くで大きな爆発音が響いた。

 

「な、何!?」

 

「襲撃だ!!」

 

 ユニコーンはそう言って近くにあった置物を使って窓を割り外を確認した。楯無も一緒に確認すると薄暗い海から黒い帆船がIS学園を攻撃していたのだ。

 

「何あれ!?」

 

「ブラックパール号!!」

 

「ブラックパール?」

 

「楯無!!すぐに生徒たちを避難させるんだ!!」

 

「分かってるわよ!」

 

 楯無はそう言って部屋から出ると鍵を閉めて行った。

 

「・・・・・・ブラックパール号。まさかこんなところで出会うなんて思ってなかったぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  シリウス」

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