(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション 作:ナイトメア・ゼロ
セシリアは教師部隊に混じってブルー・ティアーズで海賊達の迎撃を行っていた。しかし高い命中率を持つスナイパーであるセシリアの攻撃は1発も当たらなかった。
「クッ・・・何故・・・・なぜ当たりませんの!!?」
セシリアはそう言って撃ち続けるが海賊達は散開して敵に向かって走り次々と教師部隊を斬り殺した。
「間違いありませんわ。彼らは春八さんの仲間に違いありませんわ」
セシリアは海賊達の武装を見てそう言った瞬間。
「きゃっ!」
誰かがセシリアの背中に乗った。セシリアは振り返るとそこにはキャップ帽を被った女の子がいた。
「・・・・・・」
セシリアはそんな彼女を見て息を呑んだ。
「な、何者ですの?」
セシリアはそう言った。今、彼女の目の前にいるのは確かに可愛らしい女の子だった。だがその子は頭にウマ耳が生えていたのだ。そして本来人間があるはずの耳が見当たらなかった。薄暗いからとか髪で隠れてるとかではなく確実に人の耳がなかったのだ。
「ウマ娘族だ」
そう言うとセシリアの肩をナイフで刺した。
「うぐっ!」
セシリアは地面に落ちてISが解除されるとウマ娘族はナイフを回しながらゆっくりとセシリアに近づいた。
「フフッ。死にたくなければメダルを渡しな」
「メダル?」
「私達には分かるぜ。お前がメダルを持ってるってな」
そう言ってセシリアにナイフを向けた。セシリアは思わず首に下げているメダルを見た。しかしウマ娘族は殺してから奪うつもりなのかナイフを振りかぶった瞬間。
「ぱ、パーレイですわ!」
「何?」
「ぱ、パーレイ。知ってますわよね?海賊の掟、この言葉を出したらあなた方はわたくしを船長の下に連れて行って交渉のテーブルを用意する。違いますか?」
セシリアがそう言うが現代の海賊にそんな古い掟は存在しない。しかしウマ娘族は面白いものを見たような目をして。
「ククッ。なるほどつまりお前は船長に会いたいと?」
「そうですわ」
「・・・・・面白い賭けだな。いいぜ、案内してやるよ。シリウスのところにな」
そう言うとセシリアを肩に担ぎその場を離れて行った。
「ハァハァ。クソ、やはり実戦慣れしている相手だと押されるか」
ラウラはそう言ってナイフを構えていた。ドイツ軍人でもある彼女は既に何人かの海賊を殺しているがそれでも実戦慣れしている者が複数人いると流石のラウラでも対処できなかった。ラウラはISを展開しようとすると。
「ん?」
たまたまラウラの目にセシリアが誘拐されている姿を見た。
「セシリア!!」
ラウラはセシリアを助けに行こうとするが。
ドンッ!
「ガッ!」
どこからか足を撃たれた。ラウラは発砲音が聞こえた方を見るとライフルを持った海賊がいた。ラウラはその海賊の姿を見て目を見開くと海賊は素早くラウラの下に走りそしてラウラは顔面を踏みつけた。そしてラウラの意識は闇へと呑み込まれたのだった。
ブラックパール号に連れられたセシリアは船に登るとそこには武装した男達が騒ぎながら大砲を撃っていた。
「なんだこの女?」
ガタイのいいスキンヘッドの男がセシリアに気づくと。
「フェスタさん。人質を連れてくるなんて聞いてませんよ?」
男がそう言うと。
「キャプテン・シリウスシンボリにコールを求めて来たらしいぜ。この世界だとパーレイって言うらしいけどな」
フェスタと呼ばれたウマ娘はそう言うと。
「船長にお会いしたい」
バキッ!!
セシリアは船長に会いたいと伝えようとしたが海賊の裏拳で殴られ手すりに叩きつけられた。それを見たフェスタはため息をつき周りの海賊達はゲラゲラと笑っていた。
「黙れ。お前には何も聞いていない」
セシリアは男を睨みつけると。
ドンッ!
「ぐあっ!!」
男は肩を撃たれた。
そしてその奥からは右手にピストルを持ったボーイッシュなウマ娘が歩いてきた。
「コールで守られている者を手荒く扱うことは許さない」
「も、申し訳ありません。船長」
彼女はピストルを胸のホルスターにしまうと。
「すまなかったな。私はキャプテン・シリウスシンボリだ」
「(女性・・・・というよりこの人の形をした種族が船長ですの?)キャプテン・シリウスシンボリ。わたくしは戦闘行為の即時停止を求めてやって来ました」
セシリアはシリウスシンボリと呼ばれるウマ娘にそう言うと。
「ほー。難しい言葉を使っているが私達は卑しい海賊だ。何が言いたい?」
シリウスは腕を組んでそう言うと。
「出て行きなさい。学園に二度と近づかないでくださいまし」
セシリアがそう言うと海賊達は笑った。
「その要請を受諾するには私達の意に反する。つまりNOだ」
シリウスはセシリアにそう言うと。
「・・・・そうですの」
セシリアはそう言うと首に下げているメダルを手に持ちそれを持って甲板の外に手を出した。それをした瞬間海賊達は動揺した。
「落としますわよ?」
セシリアは海にメダルを捨てようとするが。
「・・・・・ここには略奪品が山ほどある。誰かあのメダルに興味のあるやつはいるか?」
シリウスがそう言うと。
「へっ?これが欲しかったのではありませんの!?」
セシリアはそう言うと。
「あいにくだが私達は興味がない」
「・・・・そうですの。でしたらこんなの必要ありませんわね」
そう言ったセシリアはメダルを海に捨てようとした。
「「「やめろ!!!!!!」」」
それを見た海賊達は焦ったように声を上げた。そしてそれを見ていたフェスタとシリウスはニヤニヤと笑っていた。海賊達の反応を見たセシリアはそのままメダルをいつでも捨てれるようにしているとシリウスがゆっくりとセシリアに近寄った。
「名前は?」
シリウスがそう聞くと。
「わたくしは・・・・・セシリア・デュノアですわ」
セシリアはシャルロットのファミリーネームを勝手に借りてそう言うと。
「「「!!?」」」
なぜか何人かの海賊が反応した。
「・・・・・・ほう、ミス・デュノアか」
「おいデュノアってたしか」
「もしかしてアイツが娘なのか?」
「だとしたらメダルと一緒に血も?」
海賊達がざわついていると。
「分かった。そのメダルを私に渡せ。そうしたらここには二度と近づかないし来たとしてもここには来ないことを誓ってやる」
シリウスがそう言うと。セシリアは警戒しながらシリウスにメダルを渡した。それを見てシリウスはニヤリと笑うと。
「シャカール達を呼び戻せ戦闘中止だ」
「はい、船長。砲台をしまえ!シャカールさん達に撤退の連絡を出せ!」
そう言って海賊達は撤退の準備を始めた。
セシリアもブルー・ティアーズを出して学園に戻ろうとするが。
「まぁ、待ちな」
フェスタがセシリアを止めセシリアのブルー・ティアーズを奪い取った。
「な、何をしますの!?」
セシリアはフェスタからブルー・ティアーズを取り戻そうとするが。
「あんたにはまだ付き合ってもらうぜ。これからもっと面白くなるんだからな」
「何を言ってますの!!早く返してください!!海賊の掟によれば」
セシリアは突然顔を掴まれた。そして無理矢理顔を向けられ向けられた先にはシリウスがいた。
「第一にお前を返してやる話は条件には入っていなかった。よって私達はお前を返す義務などない。第二に海賊なら掟は通じるがお前は海賊じゃない。第三に掟は規則じゃなく心得だ。ブラックパール号にようこそミス・デュノア」
シリウスがそう言うとセシリアは船内に連れて行かれたのだった。