(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション   作:ナイトメア・ゼロ

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9話

 一夏達は驚愕して考えるのを放棄していた。後ろにはさっきまでIS学園や教師部隊がいたのに後ろに見えるのは海だった。しかしそこは地球にあるような青い海ではなく白い海だった。まるで雲の上を浮いているようなそんな錯覚を一夏達は感じていた。

 

「さーて。なんとか次元海に逃げられたな」

 

「じ、ジゲンカイ?なぁ、ハル。何言ってんだ?」

 

「というか、ここどこよ!?さっきまで箒がいたのに!さっきまで終われてたのに!?」

 

「白い海?え?ど、どういうこと?ここどこなの!?」

 

「空も太陽も見えるまさか、ここは雲の上なのか!?」

 

 一夏達はそう言ってユニコーンに詰め寄るが。

 

「うるさい!シャラップ!黙れ!!一気に質問してくるな!!一つずつ質問しろ!!」

 

 ユニコーンはそう言って一夏達を黙らせた。

 

「まずここは次元海って言う海だ。この海はありとあらゆる世界に通じているんだよ」

 

「ありとあらゆる世界?」

 

 シャルロットが首を傾げた。

 

「簡単に言えば、この海は宇宙と同じと考えてくれればいい」

 

「宇宙と同じ?」

 

「そうだ、銀髪。この海は俺達の世界にあったワームホール(島)が別世界になってるんだ」

 

「島が世界?ごめん、訳分からないんだけど」

 

「例えば、俺達の世界にはエルフとかいないだろ」

 

「当たり前じゃない。あれは空想上の生物なんだから」

 

「だが、その島・・・要はワームホールを通ってその世界に入れば常識もルールも歴史も360度変わる。180度ってレベルじゃないんだよリン。」

 

「つまり、その島に入れば空想上の生物が存在しているってこと?」

 

「正解だシャルロット。人間の代わりにエルフが支配している世界、世界が海に沈没している世界、科学の代わりに魔術が特化している世界、他にも色々あるぜ」

 

 ユニコーンの話に全員がポカーンとしていると。

 

「・・・・この風は私達の世界と変わらなさそうだがこの風も私達のルールと違うのか?」

 

 ラウラがそう聞くと。

 

「そうだ。この風は次元風。ありとあらゆる世界から風が入り込み風向も風速も全部ルール無視の自由な風になっているんだ」

 

「それってやばいんじゃ?」

 

「普通の船だったらこの風のせいでひっくり返ってる。現代船でもこの海を乗り越えるのは不可能だ。だからこの海に特化した船じゃないと航海できないんだ」

 

 ユニコーンがそう言うと。

 

「説明はもういいだろ。詳しいことは仲間と船を手に入れてからだ」

 

「仲間と船を?」

 

 一夏は首を傾げた。

 

「そうだ。まずは、エリアF-5『ガラーム』のフライ港に向かう」

 

「ガラーム?フライ港?」

 

「ここから1番近い世界だリン。この風なら半日で着く。まずはそこで船を頂戴する」

 

「船を奪うのかよハル!?」

 

「キャプテン・ユニコーンって言え!それが無理ならユニコーンか船長だ!」

 

 ユニコーンは一夏にそう言うと。

 

「どっちにしてもこんな船でブラックパール号に追いつけないし何より戦闘も出来ないだろ。一応言っておくけどこの海ではISとかによる空中戦は期待するなよ。本当に風が自由自在に吹いてるからISでもまともに飛べないぜ」

 

 ユニコーンは一夏達にそう伝えるとガラームに向けて操舵するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして予定通りガラームに通じているワームホールの前に来た。

 

「あれがガラームに通じているワームホールってやつかハル」

 

「そうだ、一夏」

 

 一夏達は目の前にある大きな光を見て改めてこれは現実であることが実感できた。

 

「ほら行くぞ」

 

 ユニコーンはそう言うとワームホールの中に入った。

 

 そして出て来た先では青い海が見えた。

 

「これが別の世界ってやつか?」

 

「そうだぜ一夏」

 

 ユニコーンがそう言うとユニコーンはフードを深く被った。

 

「それじゃ入港するぞ」

 

 ユニコーンはそう言って港に向かった。港では漁船が多かった。一夏達は港にいる人達を見て驚愕していた。そこにいたのはトカゲや蛇の見た目をした人々だった。

 

「リザードマン?」

 

 シャルロットは思わずそう呟くと。

 

「それ、彼らの前では絶対に言うなよシャルロット」

 

「えっ?」

 

「彼らにとってリザードマンは差別用語だ。彼らは蛇人族。昔、この世界に来た海賊が蛇人族の姿を珍しく思って誘拐しては奴隷として売り払ってたみたいなんだ。他の世界の連中も未だに蛇人族をリザードマンと呼ぶ奴らがいるんだ」

 

「奴隷・・・・」

 

 その言葉に一夏達は複雑そうな顔を浮かべた。ユニコーンは船を港につけると。

 

「全員降りろ」

 

 ユニコーンはそう言って上陸した。一夏達も上陸するとユニコーンは名簿を持っている蛇人族の下に向かった。一夏達もユニコーンについて行くと。

 

「☆〆|<・:$¥°#♪>\,〜:€」

 

「「「「ハァ?」」」」

 

 一夏達は蛇人族の言葉が理解できなかった。しかしユニコーンは言語を理解しているのか。

 

「$€○*→♪^|/-°°#+×€¥$<>|\」

 

 ユニコーンも理解できない言語で会話し始めた。

 

「な、何言ってるんだハル?」

 

 一夏達はどうしたらいいのか分からなかった。ユニコーンは銅貨を3枚名簿の上に置いた。

 

「$+6=|^:*○→」

 

「々〆〒>$+♪・°>^」

 

 蛇人族は名簿を閉じてその場を後にした。

 

「は、ハル?」

 

「ん?どうした?」

 

「いや、さっきのは何だったんだ?」

 

「何だったんだって・・・・あ!わ、悪い。そう言えば言語が分からないんだったよな」

 

 ユニコーンはそう言うと懐に手を入れ袋を取り出しその中から四つの補聴器を取り出した。

 

「?何だそれ?」

 

「補聴器?」

 

 一夏とラウラはそれを見て首を傾げた。

 

「全員これを付けろ」

 

 一夏達は言われた通りにそれを付けた。

 

「あー、俺の言ってる事が分かるか?」

 

 ユニコーンがそう聞くと。

 

「?分かるけど」

 

 一夏達は首を傾げてユニコーンの質問に答えた。

 

「よし。それは言語を理解するための補聴器だ。別の世界に行って苦労するのは言語だからな。海賊だろうと次元海軍だろうと必需品だぜ」

 

「ハルはつけてるように見えないけど言語分かるの?」

 

「もちろん。昔、あるお宝を狙って蛇人族と手を組んだことがあったんだ。その時に言葉を教えてもらったんだ」

 

 ユニコーンはリンの質問に答えながら一夏達を誘導していた。

 

 しばらく歩き橋の上に着くと目の前に見えるのは軍港だった。

 

「あれは全部、次元海を航海することができる軍艦なのか?」

 

「もちろんだ」

 

 ラウラはユニコーンの目線を追ってどの船を狙ってるのか確認すると。

 

「おい!まさかあれを盗むんじゃないだろうな?私達は5人。小型船ならやっと動かせることしかできないんだぞ!あんな大型船を盗んだところで操舵できるわけないだろ!」

 

 ラウラはそう言って沖にあるガレオン船を指さした。

 

「誰があんなもん盗むか。盗むのはあっちだ」

 

 ユニコーンはそう言って指さしたのは出港準備をしているフリック船だった。

 

「あれを盗むのか?」

 

「盗むんだったら早くするわよ」

 

 そう言ってリンがISを装着しようとすると。

 

「やめろバカ」

 

 ユニコーンはリンの頭にチョップをくらわせた。

 

「キャン!何すんのよ!!」

 

 リンはユニコーンの胸ぐらを掴んだ。

 

「あのな。真正面から堂々と盗みに行くわけないだろ。普通に考えて」

 

「じゃーどうするってのよ!」

 

 リンはフシャーっていう感じの威嚇をしていると。ユニコーンはニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 橋の下にある砂浜には5人乗りのボートが3隻あった。3隻ともひっくり返っているが蛇人族の海兵達は特に気にせず行動していた。ボートを通り過ぎると。

 

「行くぞ」

 

 突然ボートが立ちあがり海に向かって走り始めた。もちろん犯人はユニコーンである。ユニコーンは一夏達に足だけISを部分展開させるとそのままボートの空気を利用して海底を散歩していた。

 

「・・・・・まさか海底を歩く時が来るとは考えたことがなかったな」

 

 ラウラはそう呟き。

 

「ISをこんなことに使ったのは歴史上僕達だけだと思う」

 

 シャルロットは苦笑しながらそう言い。

 

「ヤバっ!なんか踏んだんだけど!」

 

 と、何か足に違和感を感じているリン。

 

「・・・・・これって利口なのかマヌケなのか分からないんだけど」

 

 一夏は複雑そうな顔でそう言った。

 

「不思議なことにその二つは矛盾しない」

 

 ユニコーンはそう言うと思いっきり息を吸って潜った。一夏達もユニコーンを追った。海面に上がるとそこは軍艦の艦尾だった。ユニコーンと一夏は慎重に登り船に潜入した。そこにいるのはこの船を整備している工兵だけだった。ユニコーンはピストルを抜くと。

 

「全員大人しくしろ!!この船は頂戴する!!」

 

 大声でそう言って階段を降り始めた。

 

「全員動くな!」

 

 一夏はブレードを部分展開し剣先を向けた。だがそれを見た蛇人族の工兵達は笑い出した。

 

「この船を2人で動かすのは不可能だ!」

 

 班長っぽい蛇人族がそう言うと。

 

「あのな。俺はキャプテン・ユニコーンだ。下を見てみろ」

 

 ユニコーンがそう言うと班長はユニコーンを警戒しながら下を見た。

 

「!?な、なんだあれわ!?」

 

 班長がそう言い部下達も気になったのか下を見るとそこにはいつでも沈めれるようにISを装着して待機していたのだ。

 

「お分かり?」

 

 ユニコーンはそう言ってピストルを班長の額に向けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 工兵達を追い出しユニコーンは一夏達に指示して出港準備をしているように見せかけていた。

 

「ハル!来たぞ」

 

 そう言われてユニコーンは目的の船の方を見ると確かにこちらに向かっていた。

 

「予定通りだ。全員隠れろ」

 

 

 ユニコーンはそう言って艦首の方に隠れていた。数分後、ユニコーンを捕まえるために四つ目錨や桟橋を使って船に乗り込んできた。全員が囮に移ったところを確認するとユニコーン達はロープを使って目的の船に乗り込んだ。ユニコーンは置いてあった手斧でロープを切りそして舵輪を握った。艦長と思われる蛇人族がこちらに気づくとすぐに戻るように指示を出したが遅かった。

 

「ありがとう艦長!わざわざ俺たちの為に船出の準備をしてくれて俺たちだけじゃ大変だっだんだ!」

 

 ユニコーンはフードを脱いでそう言うと兵士達がユニコーンの船に向かって発砲し始めた。一夏達はビビって姿勢を低くした。

 

「誰か舵輪を持っていてくれ」

 

 ユニコーンがそう言って船内に入って行った。

 

「大丈夫なんだよね?」

 

「たぶんな。ハルが舵は壊したから動かすことはできないと思うけど」

 

 一夏とシャルロットがそう言ってると。

 

「「「「!!?」」」」

 

 ワームホールが出現した。

 

「それじゃ行くぞお前ら」

 

 いつの間に甲板に上がって来たのかユニコーンはそう言うとユニコーン達はワームホールの中に入って行くのだった。

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