(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション   作:ナイトメア・ゼロ

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11話

「ところでよ相棒。さっきから気になってたんだけどそこにいるお前そっくりな奴は誰だ?」

 

 ウオッカは酒を持って来たユニコーンに聞いた。

 

「アイツの名前は織斑 一夏。俺の双子の兄だ」

 

「アイツがか。まぁ、それより相棒。今度は何を狙うつもりなんだ?」

 

「最高のお宝を狙うつもりだ」

 

「最高のお宝?」

 

 ウオッカは首を傾げながら酒を飲んだ。

 

「そうだ。俺達の獲物はブラックパールだ」

 

「ブフッ!」

 

 ウオッカは驚いたのか口に含んでいた酒を吹き出した。

 

「奴らの行き先も分かっている。行って乗っ取ってやろうぜ」

 

「マジか?やめとけってユニコーン。相手はシリウスシンボリだぞ」

 

「だからどうした?俺達は海賊だぜ。海賊が海賊にビビってどうするんだよ?」

 

「アイツの実力は本物だぞ。交渉も取引も応じないと思うぜ」

 

「そこらの海賊なら無理だろうな。だけど今回はこのキャプテン・ユニコーンが相手だぞ。アイツの性格も行動も全部俺は知ってる」

 

「・・・・やめとけって。今回は絶対に無理だ」

 

「大丈夫だ。こっちには切り札がある」

 

「切り札?」

 

 ユニコーンチラッとシャルロットの方を見た。

 

「?あの小娘が切り札なのか?」

 

「そうだ」

 

「マジで言ってんのか相棒?あんな小娘のどこに切り札になる要素があるんだよ」

 

「シリウス海賊団が呪われてるって噂は本当だった」

 

「マジで?」

 

「あぁ。呪いを解くには彼女の血が必要不可欠なんだ」

 

「なんだと?」

 

 ユニコーンはニヤリと笑って酒を口に含んだ。

 

「聞いて驚け。アイツはシーバードの1人娘だ」

 

「!?」

 

 ウオッカは目を見開いてシャルロットを見た。

 

「本当なのか?」

 

「あぁ。ある程度のことはシーバードから聞いたことがある。俺の世界にある会社、デュノア社の社長の愛人として寄生してる女がシーバードの友達でそいつがシーバードの娘を育ててることも分かっていた。問題は顔を知らなかったってことだったんだ」

 

「つまりアイツを交渉の材料にすれば」

 

「・・・どうだやりがいがありそうな仕事だろ?」

 

「仲間はどれだけ集めればいい?絶対に欲しい種族はあるか?」

 

「最低でも30人。そしてウマ娘族だけしか認めない」

 

「相棒は本当にウマ娘が好きだな。分かった。オレもなんとか優秀なウマ娘達を集めてみるよ」

 

「頼むぜ相棒」

 

 そう言って酒の入ったグラスを持ち上げた。

 

「力で奪え」

 

「情けは無用」

 

 そう言って2人は乾杯をして酒を飲み干した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 満月が輝く次元海。シリウス海賊団に連れ攫われブラックパール号に乗船しているセシリアは与えられた部屋にいた。扉が開かれセシリアはそっちを見るとそこには手下の男が2人いた。

 

「船長が食事にお呼びだ。これを着て来いってさ」

 

 そう言って男はセシリアに青いドレスを見せた。

 

「船長にお伝え願いますか?その要請を受諾するのは意に反しますので」

 

 セシリアは睨みながらそう言うと。

 

「ヘヘッ。そう言うと思ってよ船長からこう命令された。俺達と食事させろ。素っ裸でな」

 

 手下達はゲスな笑い声を上げセシリアは2人を睨みながらドレスを奪い取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 船長室に行くとシリウスシンボリの手下達が料理を持って来た。山のように乗った蒸されたエビや牡蠣、カゴに入ったパン、キャビアを乗せた小豚の丸焼きなど色々あった。セシリア小豚の丸焼きを切り分けて皿に乗せ上品に食事をしていた。

 

「フフッ。こんなところで礼儀作法を気にする必要はない」

 

 シリウスシンボリはそう言うと。セシリアはシリウスシンボリの方を見た。

 

「私達は海賊だ。礼儀作法を気にする奴なんていない。腹が減ってるんだろ?もっとガッついたらどうだ?」

 

 シリウスシンボリはそう言うとセシリアはヤケクソになったのかさっきまでの上品な食べ方を止めガッつき始めた。子豚の足を千切って素手で肉をほうばり硬いパンを齧った。それを見ていたシリウスシンボリはニヤニヤと笑いながらグラスにワインをついだ。

 

「ワインだ」

 

 ヤケになったセシリアはワイン受け取りそれを飲み机に置くと肉とパンをほうばった。

 

「それから、リンゴも一つどうだ?」

 

 セシリアはシリウスシンボリの方を見るとシリウスシンボリは料理に一切手を出していなかった。それを見たセシリアは、冷や汗を流した。

 

「毒入りですわね!」

 

 セシリアはシリウスシンボリを睨みつけた。

 

「安心しろ。毒なんざ入っていない。お前を殺したら野郎どもが泣き喚くからな」

 

「なら釈放してください!!メダルは差し上げましたしわたくしは用済みでしょ!!」

 

 セシリアはそう言うとシリウスシンボリはゆっくりと立ち上がりセシリアの後ろに回り右手をセシリアの肩に置くと左手にあるメダルをセシリアに見せた。

 

「これがなんなのか分かるか?」

 

「海賊のメダルですわよね?」

 

「少し違う。これはアステカの金貨と呼ばれる呪われたお宝だ」

 

「呪われた宝?」

 

「そうだ。征服者コルテスと言う大海賊の虐殺を止めようとアステカの人々が石造の箱に収められた882枚の金貨。コイツはその882枚の一つだ」

 

 シリウスシンボリはそう言うとセシリアから離れセシリアに背を向けた。

 

「だが、コルテスは欲深い男だった。伝説によるとアステカの神達はそんなコルテスに怒りを覚え全ての金貨に呪いをかけた。恐ろしく残忍な呪いをな」

 

 シリウスシンボリはそう言って振り返った。

 

「金貨を例え一枚でも持ち出した者には終わりなき罰を与えられる」

 

 セシリアは呆れたような顔をした。

 

「わたくし、幽霊や呪いとかそんな非科学的なものもう信じてませんわ」

 

「クククッ、確かにな。野郎どもも信じていなかった。アイツが見つけた死の世界への航路。そしてその世界にある死の島に眠る財宝。航路を見つけ死の世界に入り、島を見つけ・・・・箱もあった。中には大量の金貨。私とシービー、マルゼン、フェスタ、シャカール、そしてシーバード。私達はそれぞれ一枚ずつ奪った。野郎どもは全部奪った。そして野郎どもは金貨を湯水の如く使った。酒に食い物、女遊び。そうしてる内に気づいたんだ。体の変化に」

 

 シリウスシンボリがそう言ってるスキにセシリアはナイフをこっそりと隠し持った。

 

「酒はいくら飲んでも酔わなくなった。食い物は舌の上で灰になり野郎どもの話によるとどれだけ美しい女を抱いても心は満たされなくなった。私達は呪われたんだ。欲望が満たされなくなった。欲に目が眩んだ私達の報いだった」

 

 シリウスシンボリはそう言って棚の上に伏せている写真立てを持ち上げた。

 

「呪いを解く方法は一つだけ。全ての金貨を箱に戻し償いの血を注ぐ」

 

 シリウスシンボリは写真立てを再び棚の上に伏せた。

 

「ミス・セシリア。お前のおかげで最後の金貨は手に入った」

 

「・・・・ですが償いの血はどうするつもりなのですか?」

 

「だから野郎どもはお前を殺すわけにはいかないんだ」

 

 セシリアは何をされるのか予想がつき顔が真っ青になった。シリウスシンボリはニヤリと笑い青リンゴをセシリアに見せた。

 

「食べるか?」

 

「ッ!!」

 

 セシリアはシリウスシンボリの手を払いナイフを向けた。

 

「ほう、おもしれー女だな!!」

 

 シリウスシンボリはセシリアのナイフにビビっておらずセシリアを捕まえようとした。

 

「来ないで!!」

 

 セシリアはそう言って逃げ惑い柱の後ろに隠れた。シリウスシンボリはセシリアが顔を出す方向に顔を出しセシリアはなんとか逃げようとするが。

 

「オラ!待てよ!!」

 

 セシリアはシリウスシンボリに肩を掴まれた。セシリアはシリウスシンボリを振り払おうと暴れた。だがその勢いでナイフをシリウスシンボリの胸に突き刺さった。

 

ドスっ!

 

「ハッ!!」

 

 セシリアは思わずナイフを離し後ろに下がった。だが。シリウスシンボリは何事もなかったように胸に刺さっているナイフを抜いた。

 

「!?な、なぜ?」

 

 セシリアは目を丸くしていると。

 

「おもしれーな。次はどうやって私を楽しませてくれるんだ?」

 

 セシリアは船長室の扉を開けて甲板に出た。

 

「!!!?キャアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 セシリアは悲鳴を上げた。セシリアの目の前には仕事をしている海賊達の姿があった。しかしその姿は人間のものではなかった。全員肉がなくなっており見えているのは服と骨だけだった。セシリアの目からはスケルトンが蔓延っていたのだ。

 

「シービー!!ミス・セシリアに全てを見せてやれ!!」

 

「はいはい。ったくウマ娘使いが荒い船長ね」

 

「へっ?イヤアアアアアアァァァッ!!!!」

 

 セシリアの襟首を掴んでいるのはスケルトンのような姿になったミスターシービーだった。セシリアはなんとか逃げ出そうとするがセシリアごときの力では逃げ出すことはできなかった。ミスターシービーはセシリアを引きずるように連れて行き甲板で作業をしている海賊達の全てを見せた。

 

「サービスだ楽しんできな!!」

 

 ミスターシービーはそう言って船内に叩き落とすと下ではスケルトン化した海賊達が布を伸ばしておりそれがトランポリンのようにセシリアを飛び跳ねさせた。

 

「キャアアアアアァァァッ!!!!」

 

 セシリアはそのまま落ちるところを今度はナカヤマフェスタがロープを使ってターザンのように空を飛びセシリアを捕まえた。

 

「ヒィッ!!」

 

 ナカヤマフェスタも呪われており姿はスケルトンと化していた。セシリアは舵輪の近くに降ろされナカヤマフェスタもセシリアの上に降りた。

 

「どうだ?なかなかおもしれー光景だろ?」

 

 ナカヤマフェスタはそう言って某付きキャンディの棒を吐き出しセシリアに顔に灰が降り注いだ。

 

ドンッ!

 

「ギャン!」

 

「うるさいわよフェスタちゃん!集中したいんだから静かにして!」

 

 そう言ってナカヤマフェスタを撃ったのは舵を握っているスケルトン化したマルゼンスキーだった。

 

「いやァァァァァ!!」

 

 セシリアは階段を降りて船長室に逃げようとすると扉の前にはすでにシリウスシンボリがおりシリウスシンボリがセシリアを捕まえ無理矢理甲板に顔を向けさせた。

 

「見ろ!!月の光が私達の正体を現す。私達はこの世の者じゃなくなってしまった。故に死ぬことは許されない。だが死んでもいない。そして今日もまた癒やされない喉の渇きに苦しみ明日もまた空腹で苦しむ。それでも死なない」

 

 セシリアはシリウスシンボリに恐怖を感じ甲板に向かって後ずさった。シリウスシンボリはゆっくりとセシリアに向かって歩き手を前に出した。

 

「何も感じない。頬を打つ風も波の冷たさも女の肌の温もりも」

 

 突き出した手はスケルトン化しそしてシリウスシンボリもスケルトンと化した。

 

「アイツを育て一緒に航海した思い出も何も感じなくなった。呪いを信じる気になったかミス・セシリア。これは夢でもなければ幻覚でもない。これは現実なんだ!」

 

 シリウスシンボリはワインボトルの栓を口で開けワインを一気飲みし始めた。だが飲んでいるワインは全て服と骨を紅く汚し甲板を汚すだけだった。セシリアは船長室に入るとそれを見たシリウスシンボリは、ワインボトルを扉に投げつけ割るとそのまま扉を閉めた。その光景を見ていた海賊達は笑っていると。

 

「何をやっている!?仕事に戻れ!!」

 

 シリウスシンボリの一喝で仕事に戻って行った。呪いの話を信じていなかったセシリアは体を震わせており脱走する勇気を奪って行ったのだった。

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