(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション   作:ナイトメア・ゼロ

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13話

 ブラックパール号の甲板。そこではすでにセシリアとシリウス達が出ていた。シリウスはセシリアの首にメダルをかけるとそのまま小船に乗り何人かの見張りを残して島の中に入って行った。

 

 一方でユニコーン達は周りに浮かんでいる船の残骸を見て恐怖心を覚えていた。

 

「あちこちにあるな。死の世界って言われてる理由が分かったよ。住人はどんな種族なんだ?ウオッカさん」

 

 一夏はウオッカにそう聞くと。

 

「俺も詳しく知らないんだよ。ユニコーンの話によると昔は、この世界は資源とかが豊富で海もかなり綺麗だったらしい」

 

「この世界が?どうみても海は黒く濁ってるって言うより最初から黒い海だったみたいに真っ黒なんだけど」

 

「大昔に起きた戦争の爪痕って相棒は言ってたぜ」

 

「戦争?」

 

「そう。この世界は技術がかなり発達してたらしいけどその技術力が発達しすぎたせいで男性と女性による戦争が起きたらしい」

 

「男性と女性による戦争?」

 

「そう。お互い差別し合い憎しみ合って、戦争してそしてこんな死の世界になった。この世界に住んでいた種族はその戦争で絶滅してるし発達していた技術ももうない。あったのは汚染された環境と死の世界中に広がった毒ガスだけだった」

 

「毒ガス!?」

 

 一夏は目を見開き慌てて手で口と鼻を抑えた。

 

「大丈夫だ。何百年も前から毒ガスは消えてる。そうでないとこの世界に呪われたお宝を隠すなんて無理だろ」

 

「そ、そうか」

 

 一夏はホッとすると。今度はコンパスを見ながらスズカと何か喋っているユニコーンの姿が見えた。

 

「なぁ、ウオッカさん。お前ってハルの相棒なんだよな?」

 

「ん?そうだけどいきなりどうしたんだ?」

 

「ずっと気になってたんだけどアイツの操舵技術とか航海術、どこで習ったんだ?何であんな壊れたコンパスで俺達をここまで連れて来れたんだ?」

 

「・・・・・ハルから何も聞いてないのか?」

 

 ウオッカは突然ユニコーンのことをハルと呼んだ。今までユニコーンのことは『相棒』か『ユニコーン』のどちらかだったゆえに一夏は驚いていた。

 

「あぁ。何も聞いてない」

 

「そうか。まぁ、知らないのも無理ないと思うぜ。アイツ、警戒心が強くなったからな。いくらお前がハルの兄弟だったとしても100%信頼できないってことだ」

 

「どう言う意味だよ」

 

 一夏はウオッカの言葉にカチンときたのかウオッカを睨みつけた。

 

「言葉通りだ。その証拠にあのコンパスのことも何も教えてくれなかったんだろ?」

 

 ウオッカがそう言うと懐に入れてあるウォッカの酒瓶を手に取ると蓋を開けて飲み始めた。

 

「アイツが持っているスキルは全部ブラックパール号で教わったものなんだ」

 

「えっ?」

 

 ウオッカは酒を飲みながらとんでもないことを一夏に教えた。

 

「アイツは元々ブラックパール号で海賊見習として働いてたんだよ」

 

「ブラックパール号で海賊見習!?それってつまりシリウスシンボリの仲間だったってことか!?」

 

 一夏は驚愕し大きな声でそう言った。

 

「声がデカいわよ。静かにしなさい」

 

 そう言ったのはスカーレットだった。

 

「スカーレットさん」

 

「よー、スカーレット」

 

「アンタまたこんな大事な時にお酒なんて」

 

「いいだろ。俺達は海賊なんだからよ」

 

 スカーレットは呆れたようにそう言った。ウオッカは海賊らしく酒を飲んだ。

 

「なぁ、スカーレットさん。ハルがシリウスシンボリの所にいたのって本当なのか?」

 

「?何、言ってるのよ。本当に決まってるでしょ。ついでに言えばアイツに海賊を教えたのもシリウスシンボリ達よ」

 

「・・・・・・・!?・・・・達?」

 

 新しい真実に一夏は驚愕しているとスカーレットの言葉に違和感を覚えた。

 

「シリウス海賊団はシリウスシンボリをリーダーに5人のウマ娘がハルを育てたのよ」

 

「あの変則的な動きをしている二刀流あるだろ?あれはシリウスシンボリに教えてもらった戦闘技術なんだ」

 

「あれが?」

 

「そう、あれがだ」

 

「戦闘技術やアクションスター顔負けのあの動きは『シリウスシンボリ』

操舵技術や航海術は『マルゼンスキー』

交渉術や変装は『ミスターシービー』

銃の扱いや考古学は『エアシャカール』

ギャンブル、盗みの技術は『ナカヤマフェスタ』

応急処置、料理は『シーバード』

が教えたんだ。他にもこの6人から海賊として必要な知識と技術を叩き込まれ結果、アイツは色んな海賊の仕事をシリウスシンボリから任されるようになった」

 

「なんでハルはシリウス海賊団を辞めたんだ?」

 

「辞めてねーよ」

 

「辞めてない?」

 

「ハルは捨てられたのよ」

 

「捨てられた?」

 

「そう。ハルの話によるとシリウスシンボリはハルを利用するだけ利用して捨てたみたい」

 

「利用するだけ?育てていたのに利用したのか?」

 

「そうみたい。死の世界に眠る秘宝の噂は私達が生まれるより前からあったらしいけど信憑性がなかった。死の世界だって見つかったのは最近だったのよ」

 

「あそこに行けるのは航路を知ってるものだけってハルが言ってたけど」

 

「そうよ。ハルはどうやって知ったのか分からないけどアイツは死の世界にある島イスラマンの秘宝を知りそれをシリウスシンボリに教えた。その時のハルは師匠であるシリウスシンボリ達の喜ぶ顔が見たくての行動だったみたいだけどシリウスシンボリ達は何を思ったのかハルを捕まえて牢に入れたのよ」

 

 スカーレットの話を聞いて一夏は動揺していた。裏切ってもいないのに・・・・むしろ貴重かもしれない情報を持って来たのにシリウスシンボリは弟にそんなことをしていたのか。一夏はいつの間にか握り拳を作っていた。

 

「そしてその後は誰もいない世界にある小さな島に捨てられたのよ。2本の三日月の剣と弾が1発だけ入ったピストルを渡されて」

 

「アイツそんなことがあったのか?」

 

「何もない世界だから人もいなければ食料になる獣も魚もいない。普通なら暑さと飢えで頭がやられ1発の銃弾だ救いの光に見えるようになるんだよ」

 

「じゃーシリウスシンボリに渡された装備は自殺用なのか?」

 

「そうだ。だけどハルは・・・・相棒は負けなかった。相棒は3日間、飢えと渇きに苦しんでいた。それでもアイツは銃弾を使わず脱出の策を考えていた。そんな時に奇跡が起きた」

 

「奇跡?」

 

「あぁ。どう言う運命なのか分からねーけどその世界に何故か次元海軍が現れたんだ」

 

「次元海軍って確かこの海と世界のバランスを守っている組織だったっけ?」

 

「そう。船種はフリゲートだった。相棒は海を泳ぎそのフリゲートに侵入しそのフリゲートの船員を皆殺しにした」

 

「!?」

 

「フリゲートの戦闘員は最低でも50人くらい。相棒は三日月の剣に復讐の念を込めて戦ってフリゲートの船員を1人で全滅させたんだ」

 

「1人で全滅?」

 

「だけど1人じゃフリゲートを扱えない。だから相棒はフリゲートにあった小舟と食料を奪って脱出に成功したんだ」

 

「そんなことありえるのかよ?」

 

「ありえなかったら相棒はここにいないだろ?」

 

 ウオッカの口からユニコーンの伝説の1つを聞いた一夏は鳥肌を立てていた。

 

「じゃーあのピストルも?」

 

「そうよ。あれにもアイツの復讐が込められているのよ。だから5年間アイツはシリウスシンボリの為にその1発の銃弾を大事にとってあるのよ。その日からアイツは自分をユニコーンって名乗り伝説が広まったのよ」

 

 一夏はユニコーンの方を見るといつの間にかユニコーンは一夏に後ろにいた。

 

「ハル」

 

「さっきの話、一つ訂正する場所がある」

 

「訂正する場所?1人で全滅させたか?」

 

「違う。このピストルのことだ。こいつに込められているのは復讐じゃない。怨念だ」 

 

 ユニコーンはそう言って一夏にピストルを見せしまった。一夏はそんなユニコーンの姿を見て背筋が凍った。しかしユニコーンはそんなことも気にせず仲間に錨を下ろすよう命じた。

 

「一夏、シャルロット。2人は俺と来い。3人で潜入しセシリアを奪い返す。フラッシュ!ボートを下ろせ」

 

「Verstanden(了解)」

 

「ウオッカ、スカーレット。計画は話した通りだ失敗したら後は任せる」

 

「分かったわ。一応、聞いておくけど掟に従っても文句言わないでよ」

 

「当たり前だ」

 

「ユニコーン」

 

「ん?どうしたウオッカ?」

 

「死ぬなよ」

 

「誰にもの言ってんだよ相棒」

 

 ユニコーンはそう言って拳を出すとウオッカとユニコーンは拳を合わせボートに乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユニコーン達はボートを漕いでシリウス海賊団がアジトにしているイスラマンに向かっていた。

 

「ねぇ、さっき言ってた掟って何なの?」

 

「?・・・・・・あぁ、あれのことか。簡単な掟さ。船員が時間になっても帰って来なかったらその船員は置いて行くって言う海賊の掟のひとつだ。」

 

「そんな掟もあるんだ」

 

 ユニコーン達は島の洞窟に入った。一夏は何となくで下を見ると海面の中には大量の金貨がこぼれ落ちていた。

 

「!?」

 

 それを見た一夏は目を見開いて驚いていた。

 

「お宝に目が眩んだか一夏?」

 

 ニヤニヤと笑っているユニコーンに一夏はハッとなると。

 

「しっかりしてよ一夏。僕達はこんなのよりセシリアを助けに来たんだから」

 

「分かってる。俺達の目的はセシリアだ。俺達は海賊と違って宝なんかに興味はない」

 

「その割にはお前達も順調に海賊の道歩いてるぜ。お宝にも大分目が眩んでるしな」

 

 ユニコーンはそう言ってボートから降りるとボートを岸につけ姿勢を低くしたまま洞窟の中を歩き始めた。

 

「言っておくけど僕達はセシリアを助けるのが目的だから。宝が欲しかったら自分でやってよね」

 

 シャルロットの言葉にユニコーンは呆れた顔をした。

 

「何もお宝は金銀宝石だけってわけじゃないぜ。時には人だって価値のあるお宝になるんだから」

 

 そう言ってユニコーンは隠れながら何かを見ていた。一夏とシャルロットはユニコーンと同じ姿勢で確認するとそこには乱雑にお宝を置いているシリウス海賊団と奥にある石でできた宝箱の隣にドレスを着たセシリアとシリウスシンボリ、マルゼンスキー、ナカヤマフェスタ、ミスターシービー、エアシャカールとナイフを持った男がいた。

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