(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション 作:ナイトメア・ゼロ
「!!セシリア」
一夏はセシリアを助けに行こうとするが。
「ちょっ、ま、待て。何するつもりだ」
ユニコーンは小声で一夏を止めた。
「決まってるだろ。セシリアを助けるんだ」
「バカか。何の考えもなしで突撃したってアイツが危険なだけだろうが」
「こっちにはお前もいるし俺とシャルにはISがある」
「そのISがこの前シリウス達にボコボコにされただろうが」
ユニコーンがそう言うと一夏はググッと言った顔をして黙った。
「いいか。ここぞというタイミング狙うんだ」
「・・・・・いつなら君にとって都合の良いタイミングなの?」
「さーな、シャルロット。だがこれだけは言える。今は、まだ大人しく成り行きを見ているんだ」
ユニコーンはそう言って監視していると。
「野郎ども!」
シリウスがセシリアの隣で演説を始めた。
「私達はこの5年間苦痛を味わい続けていた!喉は渇き空腹に苦しみどれだけ欲望を求めても欲が満たされることはなかった!」
「「「うおー!!!!」」」
「だが、お前達のこの苦しみはもうすぐ解放される!ここにいるローズの娘、セシリア・デュノアの血を捧げれば私達は呪いから解放される!!」
「「「うおー!!!!」」」
「酒が飲みたいか!!」
「「「うおー!!!!」」」
「食い物を腹一杯食いたいか!!」
「「「うおー!!!!」」」
「美しい女を抱きたいか!!」
「「「うおー!!!!!!」」」
シリウスの手下達はもうすぐ呪いが解けることに興奮しているのか手に持っている剣やピストルを掲げて喜んでいた。しかしその光景を呆れた目で見ているマルゼンスキー達の姿があった。
「知らないってのも罪だな。バカどももあんなに喜びやがって」
フェスタはチュッパチャプスの棒を口に加えたままそう言うと。
「シリウスも悪どいね。明らかに上げて落としてるじゃん」
シービーは面白いものを見ているかのように声が上機嫌だった。
「呪いが解けないことを知ったらオレ達に襲いかかってくるかもな」
シャカールもククッと笑っていると。
「もう、聞こえちゃうでしょ。静かにしてなさい」
マルゼンスキーがそう言って腕を組んで見ていた。
「個人的にはこの呪いはまだ解けてほしくないが最後のメダルと血が見つかったのなら話は別!血から始まり血によって終わる!今こそ私達にかけられた呪いを解く!」
シリウスはそう言って箱の蓋を蹴り飛ばした。中にはアステカの金貨ぎぎっしりと入っておりその上にセシリアの首が捧げられた。
「「セシリア!!」」
監視していた一夏とシャルロットはもう我慢できないのかセシリアを助けに行こうとするが。
「だからまだ待て。大声を出すな見つかるだろ」
ユニコーンは必死に2人を止めた。幸いシリウス海賊団の方が声が大きかったのか2人の声はかき消されていた。ユニコーンは2人をユニコーン側に向かせ胸ぐらを掴むと壁に叩きつけた。
「いいか。彼女を助けたいなら俺に従え。分かったか」
ユニコーンはそう言って姿勢を低くして移動し壁伝いで動き始めた。
「・・・・・・よし。2人とも来い」
ユニコーンはそう言って後ろにいる2人に手招きをした瞬間。
ガンッ!
ユニコーンは後ろにいるシャルロットにオールで頭を殴られ気を失った。
「ハル。何を企んでるか知らないけど今は、セシリアが優先なんだ。ごめん」
「それに付け加えて僕達は君のコマで終わるつもりはないから」
一夏とシャルロットはそう言って姿勢を低くして洞窟の中にある岩に隠れながら行動を開始した。
「フフフッ」
セシリアは目を瞑ったナイフを持った海賊に首を切られ殺されると思った。だが。
「アァッ!」
セシリアの左手を無理矢理掴みナイフの男の所に引っ張られると左手を切った。セシリアの手からは血が流れそこにメダルを握らせ血を染み込ませた。
「これだけですの!?」
「面倒な行程は省略だ」
シリウスがそう言ってセシリアの持ってるメダルを箱の中に戻した。シリウス海賊団は呪いが解けると思い全員が目を瞑り呪いから解放される瞬間を味わおうとした。
シリウス達以外は。
「?」
「変わった気がしねぇ」
「本当に呪いは解けたのか?」
手下達はザワザワと騒ぎ始めた。
「どうやったら分かるんだ?」
手下の1人がそう言うと。
ドォン!
シリウスが適当な奴を撃った。その男は撃たれたにもかかわらず死んでいなかった。
「し、死んでねーぞ!!」
「呪いが解けてない!」
自分達の呪いが解けてない事を知ると先程の希望に満ちた顔から一変地獄に落とされ絶望した表情を出していた。
「おい女!!お前の母親は誰だ!?」
「えっ?」
「お前の母親はローズって名前なのか!?」
男はそう言ってさっき入れたメダルを取り出しそれを見せながらセシリアきいた。
「ち、違いますわ」
「「「!!?」」」
手下達は自分達が連れ去ったのは自分達の希望じゃないと知ると。
「ふざけんな!!!」
男はセシリアを殴った。セシリアは宝の山を転がりシリウス海賊団からは見えない位置に倒れた。
「フェスタさん!!あんた間違えたな!!」
「間違えていないさ。現に私はアイツの娘がどこにいるのかは知ってるけど成長した姿は知らなかっただけだ」
「ふざけんな!!やっと呪いから解放されると思ったのに!!」
「アンタらと一緒にいるから俺達も呪われたんだ。どうしてくれるんだよ!!」
手下達は我慢の限界なのか不満や怒りを爆発させ剣とピストルをシリウス達に向けた。
「不死身同士がここで殺し合っても仕方ないだろ」
シリウスは呆れたように言った。
「あのガキと関わってからだ!!なぜかアンタらがあのガキを気に入って海賊の仕事をほとんどあのガキに任せるようになってからこんな目にあうようになったんだ!!」
「で、どうしたいの?私達を殺したいの?ぶっちゃけ今はそんなことしてる場合じゃないんじゃないかしら?」
マルゼンスキーは余裕の笑みでそう言うと。
「それにいくらお前らも不死身とはいえお前らごときが私達に勝てると思ってるのか?」
シリウスはそう言って殺気を飛ばした。ウマ娘族の殺気に当てられたのか手下達は萎縮し黙った。
「・・・・私だったらそこにいる女の首を切ってその女の血を全部搾り取るけど・・・・・役立たずの恩知らずどもにはそんな考えもないか」
シリウスがそう言うと。
「「「それだ!!!」」」
手下達はシリウスの案に賛成しセシリアを殺そうと宝の下を見た。だが。
「!?女がいないぞ!!」
セシリアはいつの間にか消えていた。
「何だと!?」
「メダルもだ!!」
男は焦ったようにそう言うと。
「落ち着け。消えたと言ってもまだ数分だ。出入り口も正面の洞窟しかない。冷静に探して捕まえろ!!」
シリウスがそう言うと手下達は剣とピストルをしまってセシリアを探し始めた。
一方でセシリアは既に一夏とシャルロットの手により救出されボートで洞窟から脱出していた。
「本当に・・・・本当にありがとうございます。一夏さん。シャルロットさん」
セシリアは泣きながら礼を言うと。
「礼はとりあえず後だ。今は船に乗って俺達の世界に帰ることが最優先だ」
一夏がそう言ってオールド号の近くにボートを寄せて甲板に上がった。
「ひっ!」
そして目の前の船員達を見て恐怖した。
「大丈夫だセシリア。こいつらは全員ハルの仲間だ」
「ハルってあの時の海賊ですの?」
セシリアがそう言うと。
「一夏。ハルはどうしたのよ?」
リンはユニコーンがいない理由を聞いた。
「待っていても来なかったんだ」
「アイツのことだ。たぶん大丈夫だと思う」
一夏とシャルロットがそう言うと。
(計画は失敗か)
ウオッカはそう考え。
「錨を上げろ!!出港するぞ!!」
ウオッカがそう命令するのだった。
「クソ!どこいった!!」
「何でオールがないんだ!早く探せ!!」
シリウス海賊団はセシリアが洞窟で見つけられなかった。シリウス海賊団はセシリアが海に逃げたと思いボートで海に出ようとするが肝心のオールがどこにもなく焦っていた。そんな時に。
「あの女、絶対に泣かせてやる。一夏も同罪だ。とりあえずアイツが惚れてる女をアイツの前で寝取ってやろうか」
奥から頭を抑えてブツブツ言いながら出てくる影があった。
「ん?お前は!!?」
1人の手下が気づくと全員が影の方を見た。
「おや、全員どこかにお出かけか?」
奥から出て来たのはもちろんユニコーンだ。ユニコーンは余裕そうな笑みを浮かべて洞窟を出ると全員ユニコーンにピストルを向けた。ユニコーンは洞窟の奥に逃げようとするがそこからもピストルを向けた手下が現れユニコーンは囲まれてしまった。
「コール」
「何?」
「コールだ。とっとと俺をシリウスのところに連れて行け」
ユニコーンがそう言うと。
「・・・・・チッ。誰だよコールなんて考えた海賊わ」
全員不服そうな顔でユニコーンをシリウスのところに連れて行った。
「船長」
「どうした?」
「懐かしい顔がここにいました」
そう言って後ろにいるユニコーンがシリウス達の前に姿を現した。シリウス達はユニコーンをじっと見ていると。
「久しぶりだな。ハル」
「その名で呼ぶな。今の俺はキャプテン・ユニコーンだ」
ユニコーンはシリウスを睨みながらそう言うと、シリウスはククッと笑った。
「それは悪かったな。キャプテン・ユニコーン。再開を祝してここで一杯やりたいところだが恩知らずな野郎どもの気が立っていてな」
「心に思ってもない事を言って遠回ししてんじゃねーよ。直で言えよ。俺を殺せってな」
「・・・・・・そうか。なら遠慮なく」
手下達はユニコーンに銃口を向けた。シリウスの後ろにいるマルゼンスキー達も同様だった。シリウスはユニコーンの最後を見ようとした時だった。
「セシリアって女。アイツじゃ呪いが解けなかっただろ?」
ユニコーンがそう言った瞬間全員が動揺した。
「・・・・銃を下ろせ」
シリウスがそう言うとゆっくりとユニコーンの近くに歩み寄りユニコーンを顎クイした。
「その様子だと知っているのか?シーバードの娘を」
シリウスがそう聞くとユニコーンニヤリと笑みを浮かべた。
その2人の光景を後ろから見ているマルゼンスキー達は少し切なげな顔をしていた事をユニコーンは気づかずにいた。