(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション   作:ナイトメア・ゼロ

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15話

 セシリアをオールド号に乗せシリウスから逃げるように出港した一夏達は船室にいた。

 

「大丈夫セシリア」

 

 シャルロットはセシリアの手を消毒し包帯を巻いていた。

 

「ありがとうございますシャルさん」

 

 セシリアはシャルロットに礼を言った。

 

「・・・・シリウスシンボリは、なんでセシリアを誘拐したんだろう」

 

 シャルロットはそう呟くと。

 

「あの海賊はこれを狙っていたみたいですわよ」

 

 セシリアそう言って持って来たメダルをシャルロットに見せた。

 

「!?これ、僕のメダル!!」

 

「えっ!?」

 

 シャルロットはセシリアから奪うようにメダルを手にしセシリアもこのメダルはシャルロットのだと思っていなかったのか驚愕していた。

 

「なんでセシリアが持ってたの!?」

 

「臨海学校の時に拾いましたの。まさかシャルさんのだったなんて」

 

 シャルロットはこのメダルを見てユニコーンの言っていた事とシリウスがやっていた事を思い出した。

 

「・・・・・・彼の言ってたことは本当だったんだ」

 

「へ?」

 

「僕は・・・・・海賊の娘だったんだ」

 

「どうしたんですのシャルさん!?」

 

 シャルロットは暗い顔をした。セシリアはすぐに隣にいる一夏を呼びに行くと。そこではリンが一夏の胸ぐらを掴んでいた。

 

「よくもハルを見捨てたわね」

 

 リンは一夏を睨みつけていた。

 

「仕方なかったんだ。ハルは明らかに何か企んでいたしアイツの言う通りに行動してたらセシリアは取り返せれなかったかもしれなかったんだ」

 

「それでも他にやり方があったでしょ!もしこれでハルが死んだら今度こそアンタを殺すから」

 

 リンは一夏を睨みながらそう言うと部屋を出て行った。

 

「一夏さん!」

 

 セシリアはシャルロットのことを言おうとした瞬間だった。

 

「・・・・・!!」

 

「「?」」

 

 突然甲板が慌ただしくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまりだ。私達にシーバードの娘を教えて欲しかったらこのブラックパールを明け渡せってことなのかな?」

 

 一方その頃。ブラックパールの船長室ではミスターシービーとシリウスシンボリ、そしてユニコーンが交渉していた。

 

「違う違う。まず俺はシリウス達をどこかの浜辺で下ろす。そして俺はブラックパールを乗って沖まで出てシリウス達が見えなくなった頃ぐらいから俺は大声で名前を言う。お分かり?」

 

 ユニコーンはもはや交渉にするなってない事を言っていた。

 

(クソッ。一夏達のせいで計画は台無しだ。せめてアイツらを俺達の世界に逃せればなんとかなるんだが・・・・・チッ。女性権利団体が邪魔してくる未来しか見えねー。こうなったら女性権利団体も巻き込んでなんとかするしか)

 

 ユニコーンは表情ではおどけふざけている風に装っているがシービーと・・・・・交渉術を習った師匠との会話による戦いはユニコーンのメンタルを徐々に殺していた

 

(おおかた、あのセシリアって女とその仲間を逃すためにこんなふざけた交渉をして時間を稼いでいるんだろうけど。これで時間を稼げれなかったらお前の負けになるね。ハル)

 

 シービーはまるで試験官のように足を組んで机に足を乗せた。

 

「いずれにしてもお前がシーバードの娘を教えてくれる保証がどこにある?仮にもし要求を呑んだとして・・・・・ユニコーン、お前は私達にシーバードの娘の名前を本当に教えるのかな?」

 

「そこは俺を信頼してくれていい。俺は今は一船の船長をしている。まだ経験は浅いが少なくともアンタ達がやった人を利用するだけ利用して後はゴミのように捨てるようなことを仲間にはしない。そして俺の・・・・シリウスへの忠誠心は今も忘れていない。よって俺の話は信用できるはずだぜ」

 

 ユニコーンはそう言って青リンゴを手に持つとそれをかじった。

 

「お優しいことで。なら、そのお優しいキャプテン・ユニコーンなら今すぐにシーバードの娘を教えてくれるんだろ?私に忠誠を誓ってるんだろ?ユニコーン」

 

 隣にいたシリウスがそう言って酒をラッパ飲みした。

 

「・・・・・・・それにしてもアンタらが呪われていたって話は本当だったんだな。いくらいろんな世界が存在してるとはいえ呪いがある世界が存在するとは俺は考えたこともなかったぜ」

 

 突然、ユニコーンは話題を変えた。

 

「あの時の俺は俺を捨てたアンタらを怨みアンタに与えられた1発の弾が込められたピストルを今も取ってあるんだけど・・・・かえって良かったのかもしれないな。アンタらが俺を捨てたおかげで俺は呪われずにすみアンタらだけが勝手に呪われた」

 

 ユニコーンはそう言って近くの椅子に座り足を組んだ。

 

「人生って不思議ですね」

 

 ユニコーンはそう言って青リンゴをもう一回かじった。すると。

 

「船長」

 

 ガタイのいい男が入ってきた。

 

「どうした?」

 

「オールド号をようやく発見しました」

 

「!?」

 

 それを聞いたユニコーンは内心で動揺した。シリウス達は船長室から出て行きユニコーンはついて行き甲板に出ると本当にブラックパールから逃げている船を確認した。

 

(流石はブラックパール号。最速の海賊船って呼ばれるだけはある。作戦変更、オールド号に戻ってブラックパールを沈めることしよう)

 

 シリウスは舵を握っているマルゼンスキーの隣に立ち望遠鏡で船を確認していた。

 

「こう言うのはどうだシリウス」

 

 ユニコーンはシリウスの前に立つと。

 

「白旗を立ててお互い停戦する。そして俺がボートでオールド号に戻りメダルを返すよう交渉する。どうだ?」

 

「・・・・・・・少しは海族のことを理解したと思ったが変わらないなハル」

 

「えっ?」

 

「教えたはずだ。時には縛って敵船を制圧するより皆殺しにしたほうが楽なこともあるって。ユニコーンを牢にぶち込め!!」

 

 シリウスがそう命じるとユニコーンはそのまま引きずられて行った。すれ違う時にさりげなく盗んだフェスタは舵輪のところに行きシービーとシリウス、マルゼンスキーが集まった。

 

「どうだった?」

 

「・・・・まだ判断できかねるわ。ハルがちゃんと成長したのかどうか」

 

「いずれにしても近いうちに分かるわ。ハルちゃんがどれだけ成長したか」

 

 フェスタとマルゼンスキーはそう言ってフェスタはシリウスにユニコーンが食べていた食べかけのリンゴを渡した。シリウスはそれを受け取るとシリウスは齧られているところを愛おしそうに撫でそして海に捨てたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一夏達は甲板に上がるとそこではウオッカとスカーレットが忙しそうに指示し仲間のウマ娘達も声を出しながら仕事をしていた。

 

「ウオッカさん!何があったんですか!?」

 

 一夏はウオッカにそう聞くと。

 

「ブラックパールよ!追いついて来たわ!」

 

 基本的に物静かなスズカも声を荒げていた。リンは追って来ているブラックパールを確認した。

 

「この船早いんじゃないの!?なんでもう追いついて来てんのよ!?」

 

「性能の差よ。いくら私が異次元の逃亡者って言われてもブラックパール号とオールド号の性能差は埋められないわ」

 

 スズカは舵を取りながらそう言うと。

 

「スカーレット!ウオッカ!」

 

「どうしたのよタイキ!」

 

 タイキシャトルの呼び声にスカーレットが反応した。

 

「右30度方向に浅瀬を確認しマシタ!」

 

「なんですって!?」

 

 スカーレットはそう言って持っていた望遠鏡で確認した。

 

「おい!まさか浅瀬に行くんじゃないよな!?そんなことしたら乗り上げるぞ!?」

 

 一夏はスカーレットにそう言うと。

 

「いや。喫水が深いブラックパールならともかくこの船は喫水が浅い。あの浅瀬を通り抜ければ」

 

「だったら話は簡単よ。全員あそこまで行けば私達の勝ちよ!」

 

 スカーレットがそう言ってスズカは舵を浅瀬に向けた。

 

「ウオッカ!船の積み荷を捨てて!少しでも船の速度を上げるわ」

 

「分かった!全員船の積み荷を捨てろ!食料や酒、口径弾!重いものは全部捨てるんだ!」

 

 ウオッカはそう言うと何人かのウマ娘が船内に入って行きそれを見た一夏達も仕事を手伝い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 船底の牢に入れられたユニコーンは男の方を見ると。

 

「ここ水が入ってるぞ。ちゃんと整備してるのか?」

 

と、言った。

 

 だが、男は無視して上に上がるとユニコーンは浸水している床に座った。

 

「さてと、どうするか。武器は全部奪われたし」

 

 そう言ってると、穴を見つけた。ユニコーンはそこから外を見ると次元海特有の白い海の景色が見えた。そしてそこに浮かんでいる積み荷が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 シリウスは望遠鏡で船の積み荷を捨てて速力を上げ浅瀬に逃げようとしていることを理解した。

 

「総員、戦闘配置につけ!全ての大砲を開き帆をたたみ旗を掲げろ!!」

 

 シリウスがそう命令しシービーの方を見た。

 

「シービー。シャカールに物理シールドと緊急エンジンを始動させろ」

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウオッカ達は急いで積み荷を捨てていた。口径弾は捨てているが念のために火薬は残しており最悪の場合火薬を爆破してブラックパール号を沈めようと考えていた。シャルロットはブラックパールとの距離を確認するために手すりに乗りロープを掴んで後ろを見た。

 

「?帆をたたんでる?」

 

 ブラックパールが帆をたたんでいるのを確認し諦めたのかと思ったがあの海賊がそう簡単に諦めるとは思えなかった。カフェが大砲のロープを解き大砲を捨てようとすると。

 

「待って!」

 

 シャルロットが大砲に足を乗せて止めた。

 

「これは必要よ」

 

シャルロットがそう言うと。

 

「!?ウオッカ!ブラックパールが速度を上げて来た!」

 

「なんだと!?」

 

 スズカの報告に反応しウオッカはブラックパールを見ると。

 

「アイツらまさか緊急エンジンを使ってるのか!?」

 

「正気なの!?シリウスシンボリはイカれてるの!?」

 

「緊急エンジン?なんだそれは?」

 

 ラウラが首を傾げた。

 

「帆を破壊されて航海が不可能になった時に使われる航海手段よ。エンジン自体は違うけどその世界の海にある近代的な軍艦が使っている奴とほぼ同じ原理。本来なら帆が折れた時とかに使うのにこのタイミングで使ってくるなんて」

 

 スカーレットはそう言ってると。

 

「スカーレットさん!ウオッカさん!」

 

 シャルロットが2人の近くに来た。

 

「もうこうなったら受けて立つしかない!戦うんだ!」

 

「何を言ってるのよ!?さっき口径弾は全部捨てたのよ!戦えるわけない!」

 

「でも大砲と火薬は残ってるでしょ!?微力かもしれないけどこっちにはISもある!」

 

「弾はどうするの?」

 

 スズカがそう聞くと。

 

「弾はなんでもいい!この船にあるもの全部使うんだ!」

 

 シャルロットがそう言うと。

 

「私も賛成です」

 

 フラッシュがウオッカの下に来た。

 

「奴らが緊急エンジンを使った以上もう追いつかれるのは時間の問題。今、打てる手を全部使うべきです」

 

「・・・・・・アンタ達の言う通りね」

 

 スカーレットがそう言うと。

 

「なら、総員戦闘配置に付け!!大砲の準備!弾はフォークやナイフ、先の割れたガラス!なんでもいいからとにかくぶち込め!!」

 

 ウオッカがそう命令すると最初は全員戸惑っていたがすぐに行動し始めた。大砲の後ろから筒状の火薬を押し込み砲口からフォークやナイフ、応急修理のためにあった木材を折り先の尖った木片にして大砲に入れたりしていた。因みにこの時ウオッカの愛用のボトルも奪われ大砲につめられた。

 

「左後方から接近して来ますわ!!」

 

 ブラックパールを見張っていたセシリアがそう言うと一夏は白式、シャルロットはラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ、リンは甲龍、ラウラはシュバルツア・レーゲンを纏いカフェ達も銃と大砲を撃つための火を用意した。

 

「スズカ!!右に旋回して距離を開いて!」

 

「バカ!そんなことしたら的にされるぞ!左に旋回してぶち込むんだ!」

 

「そんなことしたらブラックパール突進されてこっちの船がひっくり返るわ!!」

 

「どちらにしても先制攻撃を許してしまうわね」

 

 スズカは冷静にそう言うと。

 

「・・・・なぁ、あれとかってできないのか?」

 

 一夏が突然質問してきた。

 

「アレ?アレってなんだよ」

 

「ほら映画とかでよくある錨を下ろして急旋回するやつ。アレってできないのか?」

 

 一夏がそう言うと。

 

「無理に決まってるでしょうが!そんなの映画の世界だからできるのよ!現実でそんなことできるわけないでしょ!!素人は黙ってなさい!」

 

 スカーレットにそう言われて一夏がしょぼんとしていると。

 

「いやそれだ!!」

 

 ウオッカは一夏を指指してナイスアイディアとでも言いたげな顔をした。

 

「正気なの!?そんなことしたら船が!!」

 

「だけど異表を突くならこれぐらいしないと。それに・・・・・もしここに相棒がいたなら相棒は絶対にやるぜ」

 

 ウオッカはスカーレットにそう言うと。

 

「錨を降ろせ!!」

 

 ウオッカがそう言うと全員が何を言ってるんだ的な顔をしていた。

 

「さっさとしろ!でないとお前らを大砲の弾にするぞ!」

 

 ウオッカがそう言うと何人かが船首に向かい錨を降ろした。

 

 

 

 

 

 

 

「!!取舵いっぱいエンジンを止めろ!」

 

 シリウスがそう言うとマルゼンスキーは急いで舵を切った。錨を利用した急旋回でぶつかりそうになるがシリウスは素早く対応してみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦闘デース!一夏達も手伝ってくだサイ!」

 

 タイキが一夏達にそう言うとシリウス海賊団と一角海賊団が銃を向けあった。一夏達も自分達の持つ武器をシリウス海賊団に見せつけた。

 

 今、一夏達は初めて異世界を渡る海の上での戦闘が開始されようとしていた。




ブラックパール号の砲弾は76ミリ砲の砲弾をイメージしてください。

オールド号が捨てた砲弾は5インチ砲の砲弾をイメージしてください。
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