(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション 作:ナイトメア・ゼロ
アジトにいる麻記はソファーの上で両足を抱えて座っていた。実の姉のように慕っているミサの安否を心配しているが自身が先生と呼んでいるあの男も無事に戻ってくるのか・・・・・本当にミサを取り戻してくれるのか。麻記はそうしていると。
ドンっ!ドンっ!ドガァン!
突然扉をこじ開けられた。中に入ってくるのは銃を持ちバラクラバを身につけた複数の男だった。
一方その頃。氷室の屋敷の庭園ではサブマシンガンやライフルを持った黒服の男や女達が慌ただしく動いていた。
「流石にバレたか」
草むらに隠れている男とミサはその光景を観察していた。
「クソ!どうやって逃げたんだあの子娘は!探せ!絶対に逃すな!」
黒服達の指揮をとっているのは氷室だった。男は楽しいのかキヒヒヒッと小笑いしていた。男は素早く気の影に隠れると。
「合図したら来い」
と言った。
ミサは首を縦に降り隠れていると。
「今だ」
ミサに合図を送った。ミサは素早く男の後ろに隠れた。
「あそこの壁をよじ登って逃げるぞ。あそこには車やバイクがあるから適当なものを頂戴する」
男はそう言ってミサに合図を出しながら素早く移動していると。
「ん?いたぞあそこだ!!」
逃走予定の場所から半分くらいのところでついにバレた。
「チッ!」
「撃ちまくれ!どうせ死なないんだ!確実に捕まえろ!!」
黒服達はサブマシンガンやライフルを撃ちまくった。ミサは逃げようとするがそれよりも前に男がミサの前に立つと両腰の剣を抜いて自分達に当たる弾だけを弾き始めた。
「ま、マジかよ!」
「この化け物が!」
黒服達はそう言って撃ち続けた。男はミサを抱えると左の剣で弾を弾きながら走り出した。男は剣をしまうとミサを担いだまま木をよじ登りそのまま木を伝うように走り抜けるとそのまま壁に向かってジャンプし壁の向こう側に逃げた。
「逃すな!!捕まえろ!!」
氷室は焦っているのか黒服達にそう言うと。
ピリリリリッ。
スマホが鳴った。
「なんだ!?」
氷室はイラついた声でそう言うと。
「何?捕まえたのか!?」
いい情報を聞いたのかニヤリと笑った。
バイクを奪った男は後ろにミサを乗せてアジトに向かっていた。
「あの、・・・・・あなたは本当に麻記の知り合いですか?」
「そうだ。お前を取り戻そうとして俺に弟子入りをしようとして来やがったんだ」
「で、弟子入り?」
「今、俺のアジトに隠れているはずだ。っていうかお前の大切な妹ならよ・・・・・ちゃんと面倒見ろよな!こっちはいい迷惑だったぜ!!」
男はミサにそう言うと。
バララララッ!!!
ヘリの音が聞こえた。後ろを見るとミサ達を照らしているヘリがミサ達を追いかけていた。
「氷室だ!スピード出すぞ!」
男はそう言ってスピードを上げようとした時だった。
「待ってください!」
「アァ?」
「何か様子がおかしいです」
「おかしい?」
男はバイクを止めると氷室のヘリは男の頭上で止まった。そして扉を開くとそこにはニヤニヤと笑っている氷室とアジトに隠れているはずの麻記がいた。
「なに!?」
「ま、麻記!!」
「ミサ姉ちゃん!!」
氷室は銃口を麻記に向けると。
「封印の地で待っているぞ!」
氷室はそれだけを伝えて海鳴島に向かった。
「どういうことですか!?なんで麻記があの男と!!」
「襲撃されたみたいだな。予定変更だ!!俺達も後を追うぞ!!」
男はそう言って氷室とは別の方向にバイクを進めた。
そして時間をかけて進んだ先には海がありそしてミサ達の前には男の物と思われる小さな帆船があった。
「こ、これで追いかけるんですか!?」
「安心しろ。絶対に追いつくから。・・・・というか手伝え!」
男はそう言って岩に引っ掛けていた索を外すと船に乗った。
「ミサ!そいつで船を押してくれ!」
男はそう言うとミサは言われた通りに長い棒で船を押した。男は面舵を取り沖に出ようとしたがその前に指を舐めて風の向きを確認した。
「・・・・風は逆風か」
男はそう言って舵の隣にあるスイッチをいじり始めた。するとエンジンでも動いているのか動き始めた。
「行くぞ!海鳴島に!!」
昨夜、氷室の屋敷から銃撃戦の通報があった。それを聞いた楯無は急いで屋敷に向かったが既にもぬけの殻だった。しかし中には人体実験にされていた被験者の男性達が既に殺されておりその奥には実験の研究施設があった。
「黒すぎるでしょ氷室」
楯無はそう言っていると。
「楯無さん」
警官の1人が楯無に話しかけた。
「どうしたの?」
「これを見てください」
その警官は施設にあったパソコンをいじると画面に映ったのは地図だった。
「これは・・・・地図?」
「氷室は海鳴島に向かったと思われます。もしかしたら氷室はここに他の実験施設を作っているのかもしれません」
「・・・・海鳴島。ここに何があるの?」
一方、海鳴島に向かっているミサ達は昼食をとっていた。と言っても2人が食べているのは作っていたいくつかの干し肉だった。男は食べていた干し肉を飲み込み左手に持っているコンパスを見ながら操舵していた。
「・・・・・・」
ミサは心配しているのか干し肉を持っているだけで食べようとしていなかった。
「食わなきゃいざって時に体が動かないぞ?」
操舵をしている男はミサにそう伝えると。
「す、すいません。麻記のことが心配で・・・」
ミサは顔を伏せてそう言うと。
「ミサその箱を開けて中にある物をくれないか」
男の言葉にミサは従い船首側にある箱を開けると中に入っているのは大量の酒だった。
「どれでもいいから」
男はそう言うとミサはラム酒が入った酒を男に渡した。男はセンを噛んで口で開けるとラム酒をラッパ飲みし始めた。
「・・・・・よっぽど大切なんだな」
男はそう言うと。
「はい。麻記は私にとって実の妹のような子ですから」
ミサの言葉に男は息を呑んだ。ミサが言った事は麻記の言った事と全く同じだったからだ。それから男は酒を飲みながらミサの話を聞いた。
ミサは自身の特異な体質になんでいた事。
人に見せれば気味が悪いと言ってミサから離れて行った事。
麻記だけはミサの特異体質を受け入れてくれた事。
「麻記の為なら私はこの体で・・・・例え命を落としたとしても麻記を守りたい。その為に私はこの体を使います」
男は酒を飲み終えたのか空になった瓶を海に捨てると。
「羨ましいよ。お前」
と、男は呟いた。
突然のことにミサは首を傾げた。
「安心しろよミサ。麻記は必ず取り返す。氷室もお前を利用する為にまだ麻記は殺さないはずだ。だから心配するな」
男はそう言って舵輪を回した。