(旧)インフィニット・ストラトス パイレーツ・オブ・ディメイション 作:ナイトメア・ゼロ
氷室が屋敷から撤退し別荘で麻記と食事をしていた。麻記は氷室を警戒して料理に手を出していないが特に気にしてないのかワインを口に含んだ。
「安心しなさい。あなたが大人しくしているならまだ殺さないわ」
「・・・・・」
「あなたはいわば人質。あなたが死んだらミサは言うことを聞かないしあの下等生物はミサも宝玉も持って来てくれない。それにしても面白い枷を見つけたわ。あなたがいればミサは私の思いのまま。あの下等生物も私のためにみさを・・・・」
バンッ!
「先生を下等生物なんて言うな!!」
麻記はテーブルを叩いて氷室を睨みつけた。だが氷室はバカにしたような笑みを浮かべ口を拭くと部屋から出て行った。
夜の海。真っ暗な闇が漂うこの世界で男は酒を飲みながら目的地に向かっていた。ミサはすでに眠っている。男が必ず取り返すと言った事が安心につながったのかリズム良く寝息を立てていた。
「・・・・・俺が危険な奴だったらどうする気だったんだ?」
男はそう呟くとミサが話した事を思い出していた。
「・・・・・実の妹・・・・か」
男は面白くないのか中に入っている酒を一気飲みしそのまま海に捨てた。
そして翌日、海鳴島に到着した。男はミサが投げた索を受け取りそれを手頃の岩に引っ掛けると2人は海鳴島に上陸した。男は周りを警戒しながら進みミサはその後を追うように動いていると。
「・・・・止まれ」
と、突然言った。
男はピストルを抜きジッと後ろを見ていた。ミサも何かいると思ったのか男の背後に隠れた。
「・・・・・・気のせいだったみたいだ」
男はそう言うとピストルをしまい剣を抜くと自分の邪魔になる枝や草を切りながら進み始めた。
「あーらら。気づかれちゃったかしら?」
そう言って木の影から顔を出したのは楯無だった。既に解読されていた地図を頼りに楯無は先回りをしてこの海鳴島で男と氷室が現れるのを待っていたのだ。
男はそのまま進んでいると大きな穴を見つけた。
「姿勢を低く」
男はミサにそう言って下に続いている穴を覗くと下には麻記と氷室、そして黒服の連中がいた。
「麻記!」
ミサは麻記の下に行こうとするがそれを男はミサの手を掴んで止めた。
「離して!麻記が」
「シー。落ち着け」
男はそう言うと。氷室達に動きがあった。どうやら連れて来ていた男の奴隷が洞窟の中を確認しようとしているようだ。結果洞窟から飛び出て来た大きく鋭い槍が4本土壁に刺さった。中から出て来た男は腹に大きな風穴が開いており左腕も吹っ飛んでいた。男はその場に倒れ息絶えた。
「恐ろしいトラップだな」
「麻記が!」
ミサが飛び出ようとするがそれよりも前に男がミサを担ぐとそのまま下に降りた。
「麻記!!」
「ミサ姉ちゃん!」
麻記はミサのところに行こうとするが氷室は麻記離さず麻記のこめかみに銃を押し当てた。黒服の連中もライフルやサブマシンガンを男達に向けた。
「宝玉とミサをちゃんと連れて来てくれたようだね」
氷室はニヤリと笑いながらそう言うと。
「欲しいのはこれだろ?」
男はそう言って2つの宝玉を見せた。
「さぁ、ミサと宝玉を渡してもらおうか」
「嫌だと言ったら?」
「残念だけどこの子を殺すだけよ」
「いいのか?麻記を殺せばミサは絶対に協力しないしそれに麻記を殺せば俺も何するか分からねーぞ?」
男はそう言ってピストルを抜き銃口を人形の鱗に当てた。
「・・・・・宝玉を壊したらあなたも困るんじゃないの?あなたもここの財宝を求めてここに来たのでしょ?」
「もちろんだ。だからこそ俺に宝玉を破壊させるなよ?」
「何が望み?」
「取引だ。お前はミサと麻記の安全を約束しろ。その代わり俺が財宝の所までお前を護衛してやる。俺が前線に出てお前を守ってやる。財宝の下に着いたら宝は山分け。それでどうだ?」
「フフっ。男如きが私と取引とは面白いわね」
氷室はバカにしたようにそう言うと。男は撃鉄を引いた。それを見た氷室は焦ったように。
「やめなさい!わ、分かったわ!その取引に応じてやるわ」
氷室がそう言うと。
「気をつけろミサ」
男はそう言ってミサを麻記のところに送った。
「麻記!」
「ミサ姉ちゃん!!」
2人は再会を喜んで抱き締めていた。
「さぁ、ミサ!中に入って罠を解除してくるんだ!」
氷室はそう言うが。
「おい。早速取引を忘れたのか?」
「何言ってるんだ?罠を解除しないと進めないのよ!?それができるのはミサだけよ!」
「そいつは鍵の時にだけ使えばいい。罠の破壊や解除は俺の専門だ」
男はそう言って2本の剣を抜くとそのまま洞窟の中に入った。
「先生!」
麻記が心配して声を上げるが男はズンズンと進んで行った。
(音が聞こえる。多分槍の発射準備をしているんだな。チャンスは一瞬。普通の奴なら多分この一瞬を物にできず死ぬんだろうな。だけど俺はそんな間抜けじゃねーぞ!)
「超感覚」
男はボソリとそう言うと
バシュン!!
槍が飛んできた。しかし男の目からは高速で飛んでくる槍はほぼ止まっているように見えた。男は走り出すと飛んでくる槍を剣で弾きスピーを緩めずそのまま突っ込み罠を左の剣で一閃し罠を破壊した。
「フー、・・・・・もういいぞ」
男は外にいる氷室に向かってそう言うと麻記を先頭に氷室とミサが入って来た。黒服の連中がいないところを見ると奴らは外で見張りをしているのだろう。男は氷室と更に奥に向かうと今度は小さな祠のような物があった。
「二つの台座。ここに宝玉を置けばいいのか?」
「さっさと置け!」
氷室はイラだっているのかそう言うと男は台座の上に人魚の鱗と龍燐石を置いた。すると仕掛けが動き出し台座が動き出すと目の前には新たな台とそれを蓋するような物が出現した。
「・・・・どう見ても怖いことする気満々じゃん」
男はそう言うと。
「ミサ。そこにお前の手を置け。それで扉は開かれる」
氷室は、そう言うとミサは台に手を置くとすぐに蓋をされ固定された。驚いたミサはすぐに手を抜こうとするがその瞬間。
プシュッ!
「アウッ!」
ミサの手を鋭い針が何本も貫いた。
「ミサ!」
「ミサ姉ちゃん!」
ミサから流れる血はそのまま溝を通って祠の中に入ると仕掛けが動き始めたのか壁と思われた場所が開き始めた。
「・・・・・・ついにお宝が俺たちの前に現れるようだな。(だけど俺の予想通りなら)」
男達は中に入るとミサと麻記は驚愕した。
「あれって?」
「み、ミサ姉ちゃん?」
「・・・・・・・・やっぱりか」
男は目の前の財宝を見てため息をついた。
「八百比丘尼伝説の財宝の正体は八百比丘尼本人の遺体だったんだ」
男の目の前にはまるで眠るように台の上で正座をしている八百比丘尼の若々しい遺体だった。