捻デレボッチ主義の教室へ   作:松陰スミス

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28話:最初に到着したやつはだいたいヒーローを呼ぶ役目だ

「ハッハー、私が来た!!!」

 

 

「いや、黙れよ。ターゲットに聞こえるだろ」

 

 

今日は裁判の延期日なんだが、佐倉は暇であることはわかっていたのでスマホのGPSで付けていたのだ。そこで刃物に対抗しうるこの変人を呼んだというわけだ。

 

 

「友人も含めてターゲットと呼ぶのはなかなかユニークじゃないか」

 

 

「ほかに思いつかなかったんだよ」

 

 

「それにしても俺の居場所に来いなんて、この私がGPSでストーカーまがいなことをするのは初めてなのだよ。まあ捻デレボーイは仔犬ガールをつけてたようだがね」

 

 

そりゃ申し訳ないことしたな。

あれか、ストーカー変態野郎はお前ひとりで十分だと言いたいのか。

 

 

佐倉と本物のストーカー店員を建物の陰から見ている俺たちは明らかに怪しいいでたちをしている。コ〇ンだったら真っ黒のシルエットだけが見えてるレベル。

 

 

ヤダ、この犯人目が腐ってる。

 

 

「もう私に連絡してくるのはやめてください!」

 

 

腰を上げて佐倉のもとに向かおうとすると、

 

 

「まあもう少し待ちたまえ。仔犬ガールは今まさに成長しようとしているのだよ。それを見守るのも友人としての役割ではないかね」

 

 

「危険だと判断すればすぐにでも出れるようにしとけよ」

 

 

「無論だとも。私を誰だと思っているのだね」

 

 

いや、そんな筋肉アピールしなくても分かってるから。そんな綺麗な歯を見せられても褒めねえぞ俺は。

 

 

「俺に見せつけてどうすんだよ」

 

 

「ふふふ、どうやら他にも観客がいるようだ」

 

 

得意げに眉を上げて見せるしぐさがまた似合っているが。

 

 

あれは綾小路と一之瀬か。

 

 

手を振ってきた。女の子に手を振られるなんて小町以来だ、感動で涙が。

 

 

「お~い高円寺君、あっ比企谷君もいたんだ」

 

 

目から血の涙が。

 

 

「まあ気にするな。高円寺の存在感が大きすぎるだけだ」

 

 

「そうだよな。別に影が薄いわけじゃないよな」

 

 

さすがは綾小路、俺が友達一号に認めただけはある。

 

 

「俺はちゃんと気づいてたぞ。一之瀬が気付く直前だが」

 

 

お前は頭が薄くなってしまえ。全くそんな予感はしないが。

 

 

「いや、話してください!」

 

 

これはやばいんじゃないか。高円寺に目配せをしようと考えたら、今にも飛び出そうと思うじゃん。

そしたら「いよいよだぞ、捻デレボーイ」って目つきでこちらを見てきたかと思えば、そのまま俺を強引に引っ張って現場に出ていく可能性もあるわけじゃない?

どうしようか悩んだけど、『ここで俺がやらなきゃ誰がやるんだ』って書いたホーム画面を閉じたわけよ。

 

 

という何もしないことでおなじみのパンクブーブーネタを考えていた。

 

 

そんな妄想やり取りをしていたら一之瀬が綾小路を引っ張って出て行ってしまった。

 

 

「まったく君は何をしていたんだい」

 

 

「ちょっと俺の精神世界が深すぎたんだよ」

 

 

このままだと俺のほうが先に来たのに手柄を持っていかれるなあ。いや、活躍する気は全くないんですけどね。

 

 

「はっは、心配はいらないよ。本命の仔犬ガールが残ってるじゃないか」

 

 

「ふむ、あいつらカップルの真似をするのはいいが佐倉はほったらかしじゃないか」

 

 

「ヒーローになるチャンスじゃないか」

 

 

「うっせ、と、と、友達を助けるだけだろ」

 

 

 

生暖かい視線を向けてくるのはやめろ!!!

 

 

 

 

 

続きの29話は以下で書いています(ブログなので無料です)

 

29話:正直者はばかやろう




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