捻デレボッチ主義の教室へ   作:松陰スミス

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30話:それでも比企谷八幡は呼び渋る

「う~ん、いい風だね」

 

 

「ああ。そうだな」

 

 

ぼっちにとってはなじみが薄いがな。小学校の時の海の少年自然の家で俺だけ起こしてもらえずに部屋の清掃をしていたのがいい思い出だ。別に地引網なんかしたくなかったもんね。

 

 

「あ~もしかして、いい雰囲気だからって私のこと桔梗って呼ぼうとしてるんじゃないよね」

 

 

「いや、まったく思ってないが。というか脈絡なさすぎだろ」

 

 

「さっき池がさあ「櫛田ちゃん、俺たち知り合ってそろそろ3か月くらい経つし、下の名前で呼んでいいかなあ」とか言ってきたんだよ」

 

 

「あ~そういえばそんな話を三バカと綾小路がしてたな」

 

 

こいつの素顔を知ってる俺はそんな事恐ろしくてできんわ。堀北のほうは表裏なくてツンツンだが。

南無須藤。

別に惚れた腫れたの恋愛をバカにしていたわけではない。

 

 

「はあ、じゃあ何で止めてくれないわけ。私は断れないって知ってるよね。てか櫛田ちゃんって呼ぶこと自体許してないし」

 

 

「まあそれぐらい許してやれよ。みんなの櫛田(笑)なんだろ」

 

 

「ふ~んそうゆうこと言うんだ」

 

 

ちょ、そんなににらまれると八幡心拍数上がっちゃう。「勝手に杏仁豆腐を食べたのはごめんて小町」

それに近いですよ。

 

 

「私は比企谷君の妹じゃないんですけど。てか比企谷君って最初に会ってるのに池と違って苗字呼びだよね」

 

 

「それが普通だろ。馴れ馴れしく呼ばれたくないんじゃねえのか。矛盾してんぞ」

 

 

「比企谷君なら…桔梗って呼んでも…いいよ」

 

 

えっそれって

 

 

「な、なんてねちょっとワンチャンあるかもって思ったでしょ」

 

 

ですよね~でもよく見たら耳とか頬とか若干赤くなってんだよな。まあ指摘はしないが。小町も「お兄ちゃん大好き」って言った後同じようになってたし。言われ慣れてるけど言うことは慣れてないというやつか。お兄ちゃんスキルカンストの八幡的にはそっと見守るのが最善。決してどう対応していいか分からないわけじゃあない。

 

 

 

「あ、あれが私達が行く島なんじゃない。遠くてよく見えないな」

 

 

「ぼっちのユニークスキルである人間観察が卍解するときが来たようだな」

 

 

あの、その目で見るのはやめてくれませんかね。ほら仮にもこのデッキにはほかの生徒もいるんですよ。

 

 

島が目の前に迫ったがすぐにスピードを落とすことなくぐるりと一周した。

 

 

「なにもなかったね」

 

 

「ああ、海の学習のときみたいだ」

 

 

「比企谷のトラウマを聞いたわけじゃないから」

 

 

「いや少しくらい慰めてくれてもよくない?」

 

 

「はあ!?だから何かあったのか聞いてんだけど」

 

 

「建物らしき人工物が見えました、はい」

 

 

「それでよし。比企谷の腐った目でもある程度は見えるんだね」

 

 

ふっ、この視力のおかげで何度救われたことか。クラスメイトがおれに指さして笑う姿。告白した好きな女子の微妙な表情。そして俺を見送ってくれた小町のガッツポーズ。あれ、おかしいな目から汗が。

 

「桔梗ちゃ~ん。一緒に準備しよう!!」

 

 

「ごめんね、友達に呼ばれちゃった。またあとでね、八幡」

 

 

「お、おう」

 

 

女子に名前で呼ばれたくらいでグッと、、、

 

 

来ないことはないですね。というかグッときました。

 

 

 

続きの31話は以下で書いています(ブログなので無料です)

31話:みんなが静かになるまでに3分24秒かかりました~





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