なんていい空気だろうか。青い空に大自然、そしてきれいな川にどこまでも広がる海。まさに無人島に来たかいがあるというものだ。こんな場所で吸う空気は格別なものがある。
「あ、綾小路くん。ハンカチってこれのこと?」
「ああ、そうだ」
そして目の前を歩くいい感じの男女(綾小路と佐倉)から漂う甘い雰囲気。空気なのは俺のほうでしたね。
「ここに何かをあるのかな?」
「高円寺がここに何かを感じたみたいでな、一応印を付けといたんだ」
「確かに高円寺くんは普段からよくわからないこと言いますけど、意味がないわけでもないというか…ごめんなさい何言ってるか分からないよね」
「いや、なんとなく分かるぞ。物事の本質が見えているような気がする、あいつは」
「そう、それが言いたかったんです」
まあそう、この二人の邪魔をしていない俺はボッチの鑑であると同時に友達想いである。友達、あくまで友達のためだから、影が薄いわけじゃないから。
「おい比企谷」
みなさん見てください心なしか二人の物理的な距離も縮まっているではありませんか。ここが学校ならこのままフェードアウトするところですが、戦場人間観察マンの私は血の涙を流しながら観察します。
「聞いてるのか、比企谷」
おい、誰か呼んでるぞ。ん、ひきがや?
「おい!」
「ひゃい⁉な、なんだ。別にお前たちを見てヒューヒューとか言いたいわけじゃないぞ」
あれ、これは少し古いか、茶柱か。本人に聞かれたらしばかれるな。
「ひゅ?なんだそれは。まあいいが、見てみろこれ。トウモロコシじゃないか」
「ああこれのことか」
二日目の朝
「グッモーニン、捻デレボーイ」
「おう、朝から元気だな、おい」
「朝から泳ごうと思ってねえ、一緒にどうだい」
「いや遠慮しとく、水着ないし」
「ふうん、それは残念だ。それはそうと私は今日でこの無人島ライフをイグジットするから悪しからず」
「は?いきなり、っていつものことか。むしろ俺に報告するだけ以外なまである」
「それだけ私も成長したということだよ。君のおかげかもしれないねえ」
「気持ち悪いこと言ってんじゃねえ」
「はっはっは、じゃあそんな捻デレボーイにささやかなライフハックを伝授しよう」
「無人島生活のライフハックなら池が大体やってるが、高円寺もなんかあるのか」
「世界で最も生産されている穀物は何だと思うかね」
「いや知らねえし、どこがハックなんだよ。ポイントで買えと」
「ノンノンノン、それを考えるところまでライフハックなのさ」
「家に帰るまで遠足みたいな言い方してんじゃねえ」
「家を出てから帰るまで一人で歩いていただけあって、言葉の含蓄を感じるよ」
「やかましいわい」
「それじゃあ頑張ってくれたまえ」
なるほど、答えはトウモロコシか。
トウモロコシの持ち帰りをめぐって綾小路の脱衣で佐倉があわあわしたり、はげが舎弟を連れてきてがやがや言っていたが結局持って帰れた、疲れた。
次回はパンツ盗難回です。八幡はどう動くのか…
続きの37話は以下で書いています(ブログなので無料です)