「まぁね、命懸けの仕事とは聞いてなかったわけですからね。それなりに貰えないと納得はできないわけですよ」
「お前最初に話した働くか死ぬかって条件忘れてないか?」
そんなこと知らん。
『金の介在しない仕事は絶対に無責任なものになる』って偉い人も言ってた。
だから沢山ください。
「これを渡しておこう」
椿はそういうと引き出しからカードを出して渡してきた。
「そのカードから支払いをすればいい。特に上限は決めてないが好きに使っていい」
もしかしてブラックカードってやつですかこれ!?
「え、これいいんですか!?」
「ああ、元からそこまで散財するタイプでもないだろう」
まぁ、よく使うのってゲームに課金するくらいだしそこまで使わないか。
それにしてもなんって太っ腹。
「椿さん、予算にも限度があります。こんなことしたら上からなんと言われるか」
「予算を出さなきゃ仕事辞めるって言えばいい。代わりなんていないんだから二つ返事で頷いてくれるさ。実際にこのビルもそうやって手に入れたからね」
「……初めて聞いたんですけど」
「対して重要でもないからな。それに春夏秋冬君が隠れて金を集めようとしたらどれだけ被害が出るかも分からない。なら予め満足する分与えてしまえばいい」
「春夏秋冬君もそれがあれば満足だろう」
「もちろんです♡」
元々スリで一生生きていくなんて難しいと思っていたし、まさかこのタイミングで一発逆転の機会がやってくるなんて思ってもいなかった。
日頃の行いの良さを神様が見ていたということかもしれない。
まぁ、命懸けの仕事ってのも気になるけど私だったらなんとかなるんじゃないのかな。
私って運もいいし。
何か起こっても最終的にいい方に転がるようになってるんだよね。
「ただ一つ条件を加えたい。住む場所を変えてほしいんだ。このビルの最上階が空いているからその部屋に移動してくれ。1LDKだから君が今住んでる部屋より広いし使い勝手もいいだろう」
広くなるのはいいけどそこまでするのは面倒くさいなぁ。
「どうしても?」
「その方が安心する人も多いということだ。監視の目もついていると説明もできる」
「信用ないですね」
呆れたようにいうと両國が口を挟んだ。
「信用する要素ないだろう」
「まぁ、いい部屋に住めるなら構いませんけど」
「引越し業者を手配しよう。即日で頼むよ。ラヴ、付き添ってやれ」
そうして両國と一緒に家へ戻って引っ越しの準備をする事になった。
「ちょっと食事していきません?お腹減ったんで寿司とか食べに行きたいんですけど。特別に奢ってあげてもいいですよ」
「お前図々しすぎるぞ。食べるにしても先に業者に連絡してからだ」
『お疲れ様です』
『ええ、スカウトする事にしました』
『性格に難はありますが能力は確かですよ』
『スカウトせずに処分しようとした時は被害が大きすぎました』
『九回逃走を許してそのうち五回殺されました。三回は相討ちでしたが……』
『短時間にここまでやり直したのは久しぶりです』
『仕事でどれだけ役立つかは未知数ですが仲間にした方がいいでしょう』
『少なくとも人間相手ならかなりやりますよ』
『能力を全て話すつもりはなさそうでしたが、もっと仲を深めればいずれ話してくれるでしょう』
『しばらくは両國ラブと組ませる事にしました。相性も悪くなさそうです』
『両國は決めたら早いタイプですが、彼女は決めるのも早いタイプです。良くも悪くも何かあれば真っ先に動いてくれるでしょう』
『そうですね。両國は堅すぎるところがありますから、彼女と組ませたら多少は柔軟性が身につくかもしれません』
『あとは彼女の方も両國の正義感に触発でもされてくれれば儲け物でしょう。難しいかもしれませんが』
『はい、取調官と署員の記憶はうまく調整しておきます』
『このあと
『顔合わせはまだです。獅子倉とは次の現場が無事に終われば顔を合わせる事になります』
『
『それではまた連絡します。では』