艦隊これくしょん ~ハジマリノ物語~   作:ゆ~

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艦隊これくしょん ~ハジマリノ物語~ 第三話

「ドズ…ゥウン」

 

 勇・吹雪・摩耶「!?」

 

 勇が極秘任務書類の内容に驚いている時に、外から爆発音がした。

振動が勇たちまで伝わってくるほど、強い爆発だった。

 

 勇「…今のは何だ!…き、基地が…」

 

 慌てて窓に駆けつけ外を見た勇。

その視界には、数件の建物から火の手が上がっていた。

余りの突然のことで、勇は茫然とするしかなかった。

 

 鎮守府放送「緊急事態

       

       緊急事態

 

       鎮守府正面海域より約35ノットで未確認物体接近

 

       現在 未確認物体より攻撃を受けている

 

       至急 出撃し

 

       これの迎撃に当たられたし」

 

 機械音での放送が鎮守府で行われる。

同時に、非常サイレンも鳴り将官やその他の人間は非難を始めだす。

 

 鎮守府放送「すでに駆逐艦『若葉』と『朧』が迎撃に当たっている

 

       他の艦も出撃し 支援行動に移られたし」

 

 放送を聞いて、吹雪と摩耶が顔を見合わせる。

互いに頷いたあと、摩耶は急いで部屋から飛び出した。

茫然としている勇に吹雪が近づく。

 

 勇「吹雪…一体、何が起こっているんだ?

   鎮守府が攻撃されたのか?

   どこの国の艦なんだ…?

   教えてくれ…」

 

 まずは状況確認しなくてはならない。

勇は吹雪に現状の報告を求めた。

 

 しかし、吹雪は答えず首を横に振っただけだった。

 

 吹雪「提督…ここで待っていてください。

    戻ってきたら、キチンと説明しますね」

 

 勇の瞳が恐怖で揺らいでいたからだ。

それを察した吹雪は、勇を少しでも安心させようと笑顔で話した。

そして、「行ってきます」と一言言って、吹雪も部屋を走って出て行った。

 

 

 部屋には、一人残された勇が立ち尽くしていた…

 

 

 吹雪と摩耶が向かった先は格納庫だった。

 

 格納庫の中には、数基の小さな砲身や魚雷があり、

摩耶はそれらを持ち上げ装備していく。

 

 摩耶「チッ、こんな砲しかないのかよ…!

    開発部はサボってんじゃねーだろうな、クソがっ!」

 

 摩耶は頼りない装備しかない事に対し憤慨する。

そして、遅れて吹雪も格納庫に入ってき、自分の装備を装着する。

 

 吹雪「遅れてすみません、摩耶さん!」

 

 摩耶「おう!…吹雪、あんたは初の実戦だ。

    しっかりあたしの後に付いてきな!」

 

 吹雪「はい!訓練の成果を見せます!」

 

 装備を整えた二人は、ゆっくりと水面に足を下げる。

普通ならこのまま足は水に浸かってしまうのだが、

彼女たちは浸からずに水の上で立ち上がったのだった。

 

 正確には、靴の水上ホバー機能が働いているため、

水の上で浮かんでいるのだ。

 

 摩耶と吹雪は前屈みになり、出撃態勢を取る。

 

 摩耶「行くぜ!抜錨だッ!!」

 

 足から激しい水飛沫を上げ、摩耶は格納庫から出撃した。

 

 吹雪「…提督、見ていてください。

    私たち、頑張ります…!」

 

 続いて吹雪も出撃する。

そのまま二人は格納庫を飛び出し、交戦が始まっている場所へと向かった。

 

 その様子を宿舎から見送った勇。

とても信じられない異常な状況に、勇はますます混乱していくのだった。

 

 

     

   -鎮守府正面近海-

 

 砲撃の音が鳴り響く。

 

 4体の未確認物体と、二人の女の子が撃ち合っていた。

二人の女の子は、岩を防壁替わりにし、陰から砲撃していた。

 

 ?「く…哨戒任務中に遭遇するなんて…!

   最低限の装備しか持ってきてないから分が悪い…」

 

 ??「朧、もう少しだ。直に援軍が来る

    それまで、戦線を維持する」

 

 朧「若葉…分かった、そうする」

 

 『朧』と『若葉』という少女二人は、鎮守府近海を哨戒任務中だった。

その為、最低限の装備(12.7cm連装砲のみ)しかしていなかったのだ。

 

 そこで、帰還しようとするところに鎮守府に攻め込もうとしている

未確認物体を確認したので、迎撃に向かったのである。

 

 朧「しかし…真近で見ると、随分怖い外見してるんだね」

 

 若葉「『駆逐イ級』という奴だな。

    よく数が多いと報告されている」

 

 若葉が言った未確認物体『駆逐イ級』は、弾丸のような身体に

青白く光った目、奇抜な歯並びの口を持つ異形の生き物だった。

 

 そのイ級4体は口から砲撃をし続け、

朧と若葉が隠れている岩を破壊しようとしていた。

 

 若葉「しかし似ている」

 

 ふいにイ級を見て若葉が呟いた。

不思議に思った朧は首をかしげる。

 

 朧「?…一体何に?」

 

 若葉「キラーだ。マリオのキラー。

    ほら、腕を横につければ…どうだ?」

 

 若葉は表情自体は変わっていないが、

ドヤ顔の如くじっと朧を見ている。

 

 朧「………この非常時に下らないこと言ってる場合?」

 

 若葉「すまん」

 

 朧に冷静に返され、若葉は若干へこんだようだ。

逆に朧は、少し緊張が解れたのか、若葉に微笑んでいる。

そうして、改めて敵の様子を見ようとする朧。

 

 朧「…!?」

 

 朧はわずかな自分の油断を後悔した。

 

 イ級4匹のうち、一匹の姿が見えないのだ。

少し目を離した瞬間に、一匹は移動したのだ。

 

 …どこに。

 

 朧「…若葉」

 

 若葉「分かっている。任せろ」

 

 二人に重い緊張感が走る。

若葉と朧は、息を殺し、自分の砲身を構え迎撃態勢に移行した。

 

 

 「ザバァーーーーーン!!!!!」

 

 

 二人の目の前に、突如水飛沫をあげ、その中からイ級が飛び出してきた!!

 

 若葉「砲雷撃戦…」

 

 朧「用意…てぇーーーーーッ!!!!」

 

 

 

                        第三話 「提督、敵襲です!」 完    

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